どうにも素人的な 

蘭の育て方

  更新2002.11.12

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蘭は一般に長期にわたり花を咲かせ、長年楽しむことが出来る植物である。花を美しく長く持たせるコツやもう一度咲かせるための方法について述べる。

目次

開花株の取り扱い

咲かせるための植え付け、植え替え

咲かせるための手入れ(以下に記述)

日当り 冬の温度と湿度 遮光 水やり 夏の温度 肥料 通風 道具

蘭を増やす(蘭は増える)

 

咲かせるための手入れ

種類別の取り扱いについて

何とか咲かせることが出来た蘭については取り扱いの記録を「育てている蘭」に詳しく記述した。咲かせたことのある蘭の育て方については以下のものについて作成中である。

シンビジウム、デンドロビウム、胡蝶蘭デンファレ、オンシジウム、カトレア、パフィオペディラム、バンダ、ジゴペタラム、アングロカステ、リカステ、シルホペタラム、

 

咲いてもらうための総論

 本稿は、とにかく咲かせてみたい、格好は二の次、という志の低い蘭の育て方を解説したもので、場合によっては明らかによろしからぬ方法を述べている場合がある。なお、設備や技術の具体的な方法については「蘭の設備」に詳しく記述した。

環境条件を見極める

蘭には必要環境条件というものがあって、それぞれの種類で微妙に違い、これをある程度知っておく必要がある。しかし一般の人が考えているほど条件は厳しくない。注意すべきポイントを以下にまとめてみた。

 

好きか嫌いか

実は環境よりも人間様のほうが蘭を枯らしてしまう原因になることが多いように思う。うっかり忘れて乾きすぎ、寒さ、葉やけなどで枯らしてしまった場合は、情のようなものが通っていなかったことが根本的な原因と考えている。うっかりものはよく鉢を落とす。

忙しい人や置き場所が遠いとつい手入れを忘れがちな人はともかく身近に蘭をおくことがよろしい。そうすればある程度情がわき、かわいくもなり日光の当たり具合、水の具合、温度などに気を配るようになる。蘭としばらくつきあって情がわけば以下を読んで参考にしていただければ考えていたよりは簡単に蘭が咲いてくれる。

 

日当たり

ある程度日が当たらないと収入がないようなものでどうにも蘭は育たない。蘭の葉を損なわないように出来る限り日光を浴びさせることが重要である。日光には光合成に必要な波長の光の他に、葉の温度を上げる赤外線、葉を痛める紫外線などが含まれている。蘭の葉には、種それぞれに適正な日光の量が決まっている。これは、生育環境に適応したためで、木の上で直射日光に当たっていたデンドロビウムや、木の中程で木漏れ日にあたっていたファレノプシスなど様々だ。当てすぎると、温度が上がりすぎるなどして葉やけなどを起こしたりする。葉やけを起こさない程度に、出来るだけ多くの日光を与えることが生育に必須の条件である。

日当たりはよいに越したことはないが、悪い場所しかなければ、胡蝶蘭などの弱光線に適した種を選んで育てるという手もある。温度が保ちやすいマンションなどで日当たりが悪ければ胡蝶蘭などはおすすめである。

 

冬の温度と湿度

マンションなどで真冬に最低温度10度、また暖房を押さえ気味にして最高を20度程度にして、浴室の扉をあけて湿度を保ち、結露や外への熱の放射をおさえるため雨戸やカーテンをこまめに閉めれば理想的な環境が作れると思う。一戸建てではこうはゆかないので、何らかの避難ケースが必要になる。

昨今の団地やマンションの場合、暖房がなくてもうまくやれば12度はキープできる。暖房器具が電気ストーブ500Wしかおいていなかった著者の部屋では、寒波来襲のおり10度になったがそれでも胡蝶蘭を越冬させて咲かせた。種類によってある種の胡蝶蘭やバンダなど15度以上をきっちり要求するものもあるが、大半は15度あれば十分である。また、蘭も順応してくるので、水やりを絞り、10度を最低限として守ることでほとんどの蘭を越冬させることができる。ここでも人間様の情の問題があって「洗濯物をここに干したいなあ、まあ一晩ぐらいなら」と夜明け前に5度を切るような寒いところにおいてしまったらもう一発で枯らしてしまう場合がありますな。「ここにおいたら寒いだろう。かわいそうだ」と気にかけられるようになれば枯らすことはない。百円ショップで温度計を買ってきて日々みる習慣をつけていた。また、最高最低温度計というものがある。最高温度と最低温度を記録する温度計で、蘭の栽培のためにはぜひほしい温度計である。見終わったらボタンを押すと押した時点の温度になる。この高価な温度計をおっことすと、壊れないまでも水銀がぶつ切りになってしまって困惑する。なんとか直せないかと呻吟し、体温計のことを思い出して振ってみた。実に安直にぶちぎれの水銀柱がくっついて何事もなかったかのように働いている。

温度もただ高ければいいというものではない。暖房は蘭に悪影響を及ぼすことがある。25度まで温度を高めておいてから7度にまで下げるようなことをすればさすがに蘭は弱る。人間が快適に長時間そこで過ごせるようなら多くの蘭が問題なく育つ。人間は、自分自身の温度管理さえ下手な人がいて、風邪を引いたりしている。湿度と温度がバランスを保ってあまり急激な変化がない、熱を逃さず、蒸れない場所を作ることが蘭の温度管理の極意ではないか。団地のよく日の当たる部屋で2年過ごして、冬はあそこが理想的だったと思う。

一戸建て栽培初年度の結果を言えば、胡蝶蘭を8度という温度に何度かあわせてそれでも開花させることが出来たが、ダメージを受けた株や、枯れてしまった株もあった。ケースを自作して入れてみたが、別の要因のため胡蝶蘭が弱り、カトレアの一部で芽がくさったりもした。バンダ、カトレア、ファレノプシスの大半が生き残り、開花の難易度が高い夏咲きのカトレアに5月で花芽が出ていることをみれば、一戸建てでも蘭の多くが栽培可能ということがわかった。

 

遮光

我々は日中ずっと肌を日光にあてていることはまれである。実はあまり長くない時間でもじっと動かずに皮膚を日に当てていれば紫外線が体内の化学物質を破壊して日焼けを起こし、ひどいときには水ぶくれなどして3日も痛みで苦しむことすらある。植物にとってはそれが毎日のこととはいえ、蘭の多くは木の股などに生えていたようなものがおおいので、葉陰の木漏れ日、程度の日光が適量で干物ができるような日光では日焼けしてしまうものが多い。そこでけちで素人の私は100円の古レースカーテンを仕入れてきて蘭の上に張って遮光をした。ただ、胡蝶蘭には50%、カトレアは40%、などと言われているが、分けたりはせず一緒くたに、たぶん30%くらいだったろう。ただ、日照時間が短かったため光合成のみいりが少なかったのか、大型カトレアはシースがでたものの花が咲かなかったようにおもう。

日光の量は、遮光率のわかっているネットを用いるのが間違いが無くてよい。レースのカーテンの古いものなどを使っていたばあい、日光を要求するものには暗すぎ、ファレノプシスには明るすぎて葉やけをしてしまった。うまく咲かせようと欲が出るほどに遮光ネットをうまく使って種類に適した日光の調節を覚えてくるものだ。

 

水やり

水やりには技術が必要であるという。こればかりはガイドブックなどを参考にそれぞれの蘭にあわせた水やりを行う必要がある。冬場など、やりすぎに気をつける時期がある。ほかの時期は乾いたらやる、など気楽な面がなくはない。冬は水やりを控えることにはなっているが、霧吹きなどで葉水のついでに結構たくさんあげているような気がする。これは湿度を保つためのみずやりである。

水やりは種ごとに異なっており、「蘭自慢」にくわしく記入した。

 

夏の温度

最高温度の上限が28度という蘭がいくつかある。沖縄九州、中四国、近畿、東海、関東の夏の最低気温と言ってよい。冷房かけっぱなしでないと乗り切れない温度だ(そういう蘭用の装置もある)。さもなければ北海道か高原などでなければ育てられない。それ以外でも、夏暑いと参ってしまうのは蘭も同じで、温度の上昇に生物としての機能がついてゆけなくなるのだ。気温が35度でも日が当たっている部分は40度を軽く超える。こういう場合風通しがとくに重要になるのだ。胡蝶蘭の場合生育が停止してしまった。夏の終わりにかごでつってやったところ急に元気になり葉っぱがでてきた。できるだけ涼しくしてやる工夫が必要なのだ。特に夕方から暑いのがこたえるらしいので、夕方に毎日水をやるというのが有効なようだ。葉だけでなく、周辺にも撒いて温度を下げてやるとよい。

 

肥料

肥料は活力剤ではない。肥料は、植物が必要とする時期に必要量与えるもので、元気がないから与えるとか、たくさんやれば大きな花がつく、というものではない。時季をはずすと、花を出せる時期に葉芽がでたり、根を腐らせて株を大いに弱らせたり、花が出るべき部分から高芽を出したり、もうまったくいいことはない。

本来肥料はあまりやらない。自然界ではだれも肥料をくれないところにたくましく生えているのが蘭という植物の本来の姿である。聞くところによると蘭菌という菌をこき使って養分を貢がせているという。

肥料はしかしうまく使えば堂々たる株に絢爛たる花を咲かせることもできる。しかし、失敗すれば病気が出やすくなったり、根腐れで作落ちや枯らしてしまったりというリスキーな面もある。具体的には、シンビジウムのように好むものからパフィオペディラムのように滅多にあげない種類がある。真夏や秋にデンドロビウムに与えると高芽が出たり花が咲かないものもある。

基本は芽が育っているときにあげる。景気がよくなってゆくあたりで行う財政投融資のようなもので、体力が弱っているときに「銀行の不良債権処理のために税金を投入」するようなことをしても効果が無い。むしろ(経済の)健全な育成を阻害し、(競争力)体力を失わせるもとになる。ん?、何の話だ。

花芽が出ることには多くの蘭は株が完成していて、あまり肥料を必要としないもので、花があるときは通常肥料をあげない。あくまでも芽が出てから花芽が出る前までの勝負だ。

真冬でも温度を育成に最適に保って、芽が日に日に大きくなってくるようであれば肥料をあげてもよいが、そうでないときは根の活力もおちているので根腐れの原因になる。

5月から7月までの間で種類とその活動によって適切に、というところである。春から初夏にかけてが勝負だ。おおむね「ハイポネックス」1mlを2Lのペットボトルで薄めて週に一度水がわりに与える、という指示が多い。また、芽がでて新根が出てという活発な鉢には油粕と骨粉を混ぜて水で練って発酵させて固めて乾燥させたものを用いる。花芽のでる直前には、窒素を押さえたハイポネックス開花用などというものまであり、こいつをたらしこんでいるとちょっとプロになったような気分がする。

入れあげると著者のように、油かすと骨粉をそれぞれ100円ショップで買ってきて70対30ぐらいで混ぜ、水を加えてこね回し、3週間おいて発酵させたのち、「うへえ、くせえくせえ」と口で息をしつつ親指大の団子をつくり、これを日陰に干して(日陰がないのでトイレの台の上に干して毎日くさい思いをして)つくる(正しい作り方かどうか自信は無い)。率直に言って買ってきた方が早い。市販品は100円から360円でたっぷりある(安いものはよく見るとリンの比率が低かったりする。蘭用とあれば大丈夫だろう)。このような定番油かす骨粉発酵肥料は、根がよわる真夏になる前、7月末に取り除いてやる。カトレアやシンビジウム、胡蝶蘭など使える種類もおおいが、パフィオペディルムのように使ってはならないとされているような種類もある。

 

肥料をもう少し詳しく

窒素、リン、カリが三大肥料要素といわれる。

窒素(N):植物体を大きくするのに必要。N切れは葉緑素の生成を妨げてしまう。アンモニア性のものや硝酸性のものがある。→アミノ酸→タンパク質の原料ですな。

リン(P):細胞核の成分の一つで(核酸、DNAなど)成長点に多く使われる。植物体を丈夫にし結実が良くなる。

カリ(K):炭酸同化生成物(でんぷんなど)の転化・転流を助ける。

窒素はタンパク質をつくるために必要だが、多すぎるとはっぱばかりできてしまう。花のためにはある時期リンが必要というのでこれを増した肥料を与える場合がある。カリはカリウムのこと。これらは肥料の容器に窒素リンカリウムを表すN:P:Kの比率で、5:10:5などと表記されている。この表記はただ比率ではなく肥料100g中に含まれる窒素、リン、カリウムのグラム数を表している。ハイポネックス100gには窒素(植物に吸収される窒素化合物中の窒素という意味か)5g、リン10g、カリウム5gを含んでいる。どうでもいい話だが、バケ学を専攻した人間としては「それ、原子の重量なの?」と突っ込みを入れたくなる。カリウムはまだ計算がしやすいが、リンはPO4に、窒素はNO3に換算して計算する、とかいうようなことはないのか、という点を気にしている。

株が完成して花が出そう、というときはリンを多くした肥料を与える。ハイポネックスからリンとカリだけの液肥が出ているので、これを薄めて与える。

肥料の比率にもいろいろバリエーションがあり、株の様子に合わせて使い分けてみたくなる。成長期には窒素を多めに、花芽が出そうなときにはリンを多めに。以下に肥料分の比率をまとめてみよう。この分野ではハイポネックスが大手で情報も豊富だ。

ハイポネックス N:P:K=5:10:5+α(種々の微量成分)

定番。これの1000から2000倍希釈液を水代わりに。「花工場」など競合製品が多い。もっと安いものはダイエーのもので500ml250円からある。

微量成分について気になるところだ。マンガンとホウ素が表示されている。どちらも微量ながら必須元素なのである。

ハイポネックス観葉植物用 N:P:K=10: 3:3

窒素が必要な芽の成長の激しい時期に有効か。これにもコピー製品がある。

ハイポネックス粉 N:P:K=6.5:6:19

Kが多いのは植物の組織を強くするためだそうだ。日光不足に効くとか。なにやら溶けにくい成分が入っているようだ。

ハイポネックス開花促進液 N:P:K=0:6:4

ランが花芽を作ろうかという時期に与えると、花芽出しに効果的に作用するそうだ。そろそろどうか、と思ったら与える。

ハイポネックスラン液 N:P:K=6:6:6

蘭用と断っているぐらいだからランにはいいのでしょう。

ハイポネックス野菜液 N:P:K=8:12:6

実をつけやすくするPを多く含むとか。

油粕 N:P:K=5:2:1

窒素に富む定番の肥料。発酵させると成分がよく溶け出す。

骨粉 N:P:K=4:20:0

油粕と混ぜて発酵させて使う。よく考えると動物の死骸だわなあ。肉骨粉は売っていないのか。

発酵固形油粕一般 N:P:K=4:6:2〜5:8:1など

カリ分がすくなく、窒素をよく効かせる肥料。

ラン用発酵固形骨粉入油粕 

ラン用に骨粉を多くまぜてリンを高めたもの。

 マガンプK  N:P:K=6:40:6、Mg=15

元肥としてよく用いられる。じわじわと成分が溶け出してきて長期間効くという特性がある。

微量元素の話が出たので、元素について以下の表にまとめた。

植物に必要な元素(出典:ヒューイ無機化学、東京化学同人)

元素

記号

特徴

備考

水素

H

水のもと。有機分子の重要構成要素

 

ホウ素

B

機能は不明だが、高等植物には必須

でも有毒

炭素

C

すべての有機分子のもと

 

窒素

N

たんぱく質、核酸などをつくる。

 

酸素

O

ほとんどの有機分子を構成する成分

 

フッ素

F

必須元素

 

ナトリウム

Na

 

 

マグネシウム

Mg

どの生物にも必須。葉緑素の必須元素。酵素の活性に影響

 

アルミニウム

Al

 

ほとんどの植物に有毒

珪素

Si

高等植物に必須と思われる。

 

リン

P

DNA,RNA,リン脂質膜、ADP,ATP、代謝中間体の重要成分

 

硫黄

S

ほとんどのたんぱく質に必須の元素。

 

塩素

Cl

高等植物に必須。

 

カリウム

K

細胞質の主陽イオン

 

カルシウム

Ca

すべての生物に必須

 

マンガン

Mn

すべての生物に必須。多数の酵素を活性化する

 

Fe

すべての生物に必須

 

Cu

すべての生物に必須。酸化還元酵素など。

ほとんどの植物に猛毒、といいつつ農薬に使っているなあ

亜鉛

Zn

すべての生物に必須

 

モリブデン

Mo

窒素固定や硝酸塩還元に関係のある酵素中に存在

 

 

通風

風がどれほど効くか私にはまだよくわかっていない。考えてみれば、風に吹かれることで株が揺すぶられるだろうし、そのことが植物体内部の物質移動を促進する可能性はある。人間も同じ姿勢でいればあちこち鬱血して肩が凝ったりするところだろう。風が植物をもみほぐすわけである。また、自然の状態で木の上で風に吹かれている植物であれば、その環境に適応している訳なので、できるだけそれに近づけてやるのがよい。温度と遮光に気をつけて戸外の風通しのよいところに出すように心がける。

最近の記述を読んで、解釈すると風の作用は以下のようになる。

葉は水分を蒸散させることで、植物体の内部の水の流れを作り出している。根、茎、葉という流れにより養分を吸い上げることが出来る。また、根が水を吸って活動することで、加湿にならず、根の健康も保たれる。ともすれば葉の近くに滞留気味である蒸散した水分は、風により持ち去られ、さらなる蒸散を促す。ゆえに風は植物の水分及び養分の吸収、根の健康のためになくてはならないものといえる。

このことをふまえて、最近ではケースに停電力のミニファンを取り付けて活用している。株が以前よりも元気になっているように感じる。

 

道具

素焼鉢

通常見かける赤茶色のものは駄温鉢といい、通気性に乏しい。これとは別にうわぐすりがかかっていない素焼きのものをよく用いる。意外に売っている店が少ない場合もあり、ホームセンターにも無いところがある。大きな園芸店には必ずあるはずだ。

用いる場合、そこ穴のまわりをこんこんたたいて穴を広げておくことも可能であり、蘭の種類(カトレア、ファレノプシス、デンファレ、オンシジウム、デンドロビウム)によっては通気性がよいので推奨される。底には素焼きのかけらをいれて空気が通りやすくなるようにふさぐ。素焼きのかけらは手で折ることが可能なほどすかすかしている。

プラスチック鉢

シンビジウムやパフィオペディラム、フラグミペジウム、ミルトニアなど水を好むものにはよくプラスチックの鉢が用いられている。この種の鉢には用土として通気性と水の通りがよいバークなどが用いられることが多い。

 

植え込み材料

 水苔をよく用いる。水苔は長く置くともろくなるので、使い切って新鮮なものをもとめる。ホームセンターや園芸店で手に入れることができる。

また、バークといって木の皮を1cm程度のチップにしたものも用いることもある。これは水苔に比べてやすいので、シンビジウムやデンドロビウムなどのかさの張る鉢にはよく用いられている。

シダの仲間のヘゴの根を切り出したヘゴ板というものもある。根が空気中に出ているのを好む種類に向いている。

木枠で組んだだけのバスケットというものもあり、より根っこが空気を好んでぶらんぶらんになるものに用いる。根っこぶらぶらのバンダやアスコセンダ、花がバルブの下へと伸びるスタンホペアなど。(こんなもの無くてもいいのでは、と思ったりもするが、さすがに根っこがなにかに当たっていないと蘭も不安で、どこまでも根っこを伸ばしてしまうのではないか、とおもう)

杉皮は、水苔に混ぜて用いられていたり、そのまま使われていたりする。根腐れが少ないそうだ。

蘭用土というものもあり、シンビジウム用にバーク、軽石、椰子ガラチップ、杉の皮などを配合したものや、東洋蘭の土、など専用のものが出回っている。

 

剪定ばさみ

蘭の多くは草でありながらきわめて強靱であることが多い。通常のはさみを持ち出して切ろうにも切れず手を痛めたりけがをしたりということがあるので、あれば越したことがない。消毒して使うのがお約束だが、手間を省きたい場合は火であぶるのがよろしい。

 

わりばし

植え替えなどの際水苔などを鉢に詰め込む場合に用いる。指ではどうしても根の間に水苔を詰め込むのが困難な場合がある。

 

ナイフ

ナイフとフォークのあのナイフである。水苔を用いた鉢の植え替えなどの際、株を鉢から抜き取るときに鉢のへりに突き刺して回して使う。こうしておいて鉢のそこを指で突き上げて何とか株を古鉢引っぺがすことが出来る。

 

支柱

 ともすれば倒れてしまうようなバルブや花茎などをささえるために添える柱。緑色にビニールコートされた金属の太い針金が用いられる。ホームセンターなどで購入することが出来る。これにまたビニールコートされた細い針金で優しくバルブ等をゆわえてやる。

 

参考文献

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