蘭馬鹿日誌2006年9月および更新記録

日刊状態になってしまったランのよしなしごとをつづる。下に行くほど昔

 

9月30日(土)Pleione maculate、Ceratostylis rubra及びDendrochilum glumaceum開花

水やり大会になった。全部出す。うす曇のいい光線が当たっている。

プレイオネ・マクラタ及びCeratostylis rubra が開花した(今月10-11、今年126-7、新規47)この株は今年2回目の開花である。

Cocrianthes discolor ‘Lil’ AM/AOS x amazonica ‘Best’もおかわりのつぼみが開花。

やたらめったら撮影する蘭があった。

 

ミズゴケやら素焼鉢の在庫が減ったため明幸園に仕入れに行ってきた。2号と2.5号素焼鉢各10個ずつ。住化タケダ園芸培養土洋らん用(杉ヒノキ皮)6L567円。ミズゴケ「AAA JUST MOSS product of New Zealand 1kg」1846円。貼ってある紙にはAA+とあり、AAAの最後のAはマジックで書いてあったりして「どっちやねん」。まあAA+なら妥当な値段か。かなり巨大である。

 

夜中にDendrochilum glumaceumが滑り込みで開花していた(今月12、今年128、新規47)

 

「小学校から英語?美しい日本語を教えることのほうが大事でしょ」という話が聞こえてきた。いろんな議論もあるだろうが、小学生に「Oh,YearOyatsu Please, mam. Uuuummm, its great. Syukudai? Jesus, Oh my god! Let me escape.」とかいわれたひには「Shut up! 甚だ遺憾ながら家の中での英語を禁ず」といいたくなる。

「かかさま、虫が歩いておいでになります」というのがほほえましいので、「Hey dad, Help!, A bug’s coming up to me」とかいうガキをみたら、小面憎い。英語なんざ必要なやつが勉強してこそつかえるもんで、中途半端に覚えてもどうなるもんでもないとおもうねえ。英語の試験でものを言うのは読書量だったように思う。長文は著者の言わんとするところを「ははーん、こういう落ちがあるな」と予想しつつ読む。「この話は知ってるぜ」というのが実は強い。語るべき内容がなければせっかくの英語で何をしゃべる?。確かに日本語は大事だ。日本には膨大な読み物がある。日本語はすばらしい。

中学は英語から攻略すると理科と数学が危うくなる。英語が得意と思った瞬間から危険だ。数学、理科、国語、英語、社会と手を付けるのが定石である。だから辛抱と忍耐の英語は小学からぼちぼち慣らしておくのは戦略としてはいいのかもしれない。

「我が国は、食料の60%を海外に依存し、エネルギーやら製品を買ってもらうのもみんな海外にたよりっぱなしの国家である。英語がしっかり出来る国民は商売の面からますます必要だから英語教育を強化するのである」といえばまあそうかなあとおもう。

「日本は資源がないので石油が枯渇したら海外に逃げたほうが生き延びられる」:まあ!そういうことを考えているのか。あざといなあ。

国語がやたら得意な人もいれば、英語と国語のバランスのいい人もいて、選択肢の一つとしての英語を強化することは悪くないが、問題は教育内容の配合割合というよりむしろ、つまらん遊びへの誘惑の多すぎる子供らにどうやって使い物になる知識技能を習得させるか、ということじゃなかろうか。英語は米軍基地で、日本語は自衛隊で教わるってのはどう?。

長い前振りだったが、蘭英語である。英語のやり取りを想定して作文をしておく。下手でもまちがっていても本番までに磨いて置けばよいのである。海外とのやり取りの経験がほとんどないのでほとんどうそである。

 

What’s your purpose of your trip in this country? 旅行の目的はなんですか?

My purpose is buying orchids. 蘭を買いに来ました。

What?なんですって?

My purpose is looking orchid festival.蘭展を見物に来ました。

 

How about this orchid? この蘭はいかがですか?

How much? $10? Please discount to $5. いくら?10ドル?5ドルにまけてよ。

 

I need certification for importing these orchids to Japan. Can I have it?日本に輸入するための証明書が欲しいだけど、もらえる?

No, sorry we can not prepare it.  I do not know how to make it.ごめん、用意できません。やりかたをしらないもんで。

 

Then, I do not need them.じゃあいらない

 

In order to import orchids, it is necessary to bare their root.蘭を輸入するためには根を裸にしておく必要があります。

 

I am come from Japan. I like orchid very much. There are many people who are glowing orchids like me.  日本からきました。蘭が好きです。日本には私のように蘭の好きな人がたくさんいます。

 

I have a green house of 50 square meters. And I am growing more than 500 pots of orchids. 50平方メートルの温室を持っています。500鉢以上の蘭を育てています。

What kinds of orchids are you glowing?どんな種類の蘭をそだてていますか。

I glow dendrobium, phalaenopsis, laeria, cattreya, vanda, slipper orchids and so on. デンドロビウム、ファラエノプシス、ラエリア(レリアとラテン語読みをすると通じない)、キャトリア、バンダ(さあ?)、スリッパオーキッド(パフィオペディラムってのはどう発音したものか)などです。

Can I see pictures or web of your collections? 写真かウエッブであなたのコレクションを見ることが出来ますか。

Oh you can, this URL is my homepage. And I have some pictures with me. このURLが私のサイトです。写真もいくつか持っています。

Dendrobium moriniforme is one of famous Japanese orchid. People enjoy not only flowers but also beautiful color and patterns on their leaves.セッコクは日本の有名な蘭のひとつです。花を楽しむだけではなく、葉の色や模様が愛好の対象になっています。

Neofinetia falcata is also Japanese important orchid. Shogun loved to grow this orchid. It smells very nice. フウランは日本の重要な蘭です。将軍もこの蘭を好みました。とてもいいにおいがします。

Cymbidium loved to grow this orchid. It smells very nice. . of orchids.tthe procedure of exporting orchids in Japan is very complica kanran has shiny elegant leaves and beautiful and fragrant flowers. People enjoy not only flowers but also beautiful color and patterns on their leaves.かんらんは、優美な葉をもち、美しく、香りの良い花をつけます。 花を楽しむだけではなく、葉の色や模様が愛好の対象になっています。

 

There are many kinds of terrestrical Calanthe  in Japan. People hybridize some of them. These orchids match to Japanese climate. Some hybrids have very nice fragrance. 日本にはえびね属の蘭が多く自生しています。それらの交配種が作出されています。えびねは日本の気候にあっています。いくつかの交配種はたいへんよい香りがします。

 

 Ble. striata is also very popular terrestrial orchid. Many people glow this orchid in their garden. シランも大変ポピュラーな地生蘭で、多くの人が庭で育てています。

 

Oh, you have very nice collections. These orchids are ones I have been looking for. Especially Japanese orchids are very attractive ones. Please send me some of your collections.まあ、立派なコレクションをお持ちですね。これらの蘭は私が探していたものです。とくに日本の蘭は魅力的です。コレクションのいくつかを送ってもらえないでしょうか。

Oh, I am sorry. It was too difficult for me to send orchids because the procedure of exporting orchids in Japan is very complicated. ごめんなさい。日本の輸出手続きは大変込み入っているため私には送れません。

Can I visit your greenhouse? 温室を見てもよろしいですか。

Yes, sure.ええ、どうぞ。

Let me see this pot. Can I handle it? These roots are very active. And bulbs look very thick and shiny. It’s fine. I am very happy to be here. I greatly appreciate you.この鉢を見せてください。さわってもいいですか?。根が元気ですね。バルブは太くてつやがいいですね。ここへこれてうれしいです。ありがとうございました。

 What a graceful flowers! Very big and gentle color. Nice fragrance as well. なんて優美な花でしょうか。大きくてやさしい色です。いいにおいまでします。

This flower makes good perfume during getting sun shine.この花は日が当たっていると香りを出します。

What kinds of composts do you use. どんなコンポストを使っていますか。

I mainly use sphagnum moss. Slab is used for some dendrobium, mix compost of bark, coco tips, perlite, and stones is used for paphiopedilum. おもにミズゴケを使っています。いくつかのデンドロには板(多分コルク)を、バーク、椰子殻チップ、パーライト(溶融発泡石)と石のミックスコンポストはパフィオに用いています。(このへんは気合入れて調べないとわからんねえ)

Sphagnum moss has disadvantage. It breaks down quickly if fertilizer is used.ミズゴケは欠点があって、肥料を使うとすぐに腐るんですね。

How do you fertilize orchid? どのように肥料をやっていますか?

I use liquid fertilizer of N:P:K ratio of 10:10:10 by diluting with water to 1000 times.NPK比が10:10:10の液肥を1000倍に水で薄めて使っています。

I use fermented squeezed radish seed for fertilizing nitrogen and calcined chicken bone for fertilizing P. Potassium sulfate is diluted with water to fertilize K.発効した搾ったアブラナの種を窒素肥料に、焼いたチキンの骨をPに、硫酸カリウムを水で薄めてKの肥料に用いています(結構苦しい説明)

 

あやしい蘭英語のコーナーでも作ろう。

 

9月29日(Den.?‘PurpleStripe’およびDen. moniliforme 開花

出張で仕事漬け。朝終了。やっとおうちにかえれる。蘭が干からびているのではないかと心配したがどれも無事だった。よかった。しかし5日間絶好の気候で日光を稼ぎそこなった。痛恨の極み。

開花したC.intermedia var alba?は実にすばらしい。なみだちょちょぎれるぐらいええ出来である。これだけ白い花も珍しいのではないだろうか。

 

Den.?‘PurpleStripe’およびDen. moniliforme が開花した(今月8-9、今年124-5、新規46)。ついでにサクララン(ガガイモ科のホヤ)も開花。面白い花だ。

 

グラマトフィラム・スクリプタム変種シトリナム’ヒヒマヌ’がまた枯れてしまった。今度こそご臨終だ。

 

 

9月28日(木)

出張で仕事漬け。いい天気なのに蘭も出せない。

 

9月27日(C.intermedia var alba?開花

出張で仕事漬け。

かみさんの報告によるとC.intermedia var alba?が開花したそうである(今月7、今年123、新規46)

 

9月26日(

また寝坊をして蘭を出し忘れた。気候がよいのに稼ぎ損なっている。残念だ。

 

出張で例によって山奥に来ている。7月に莫大あったねじ花は、見た目には消えうせ、地面を注意してみれば葉だけみえる。明日から汗みどろの体力勝負超きつい仕事が始まるのだった。夜といえ、種々戦略を練っているが、ふと蘭のことを考えるのであった。

 

「美しい国」とはまた結構なお話であった。本を買って読んでみよう。おっさんになると就任挨拶などもまじめに聞くようになったなあ。日本は「美しい国」である。より美しくするために種々さまざまに働いてゆきたいものである。その自己活動のひとつとして蘭があると思う。日本は世界中の蘭が大切に育てられている世界一の蘭大国かもしれない。暖かい、湿り気のある幅広い気候があるためたくさんの種類の蘭が育てられている。街に蘭があふれ、珍しい蘭もあちこちで見ることが出来る。蘭をあつかう人々を思っても不愉快な思いをしたことがない。蘭と人との「美しい国」は確かに存在している。

 

「最近事件がおおいですねぇ。蘭は高価であるものもあるからいろいろお金の絡んだ悲惨な事件が起こりそうなのだけど、実のところ聞いたことがないねぇ。」

「美しい国ちゅうても世相はわるいねえ。でも蘭関係者はみんなええ人がおおいから世相がこんなにわるくてもひどい事件はないねえ」

 

「温室が襲われ、時価数百万円の蘭がごっそり強奪された」

「そんなにせんって」

「ブームになっている蘭を買った小学生から高校生が蘭をカツアゲして取り上げた」

「ゲームソフトちゃうど」

「食玩「デンドロチョコ」についてくるデンドロビウム苗を全種類(1984種+シークレットあり)集めようとして自己破産」

「あははは。あほや」

「食玩「カトレアチョコ」売価298円についてくるカトレア苗70種を90% 集めるために必要な金額を計算せよ」

「結構難問。解くな。答えしらんぞ」

「ああ、またフォーベシーがでた。ワルシェビッチーが欲しい」

「続きかい」

「蘭ゲームカード、蘭キング、全27000種を集めようとしてやっぱり自己破産」

「やめろって。種類おおすぎ」

「カトレア トリアネイ ビューティーパワー100、フレグランス50、バルブ繁殖力90、どやどや」

「うーん、バルボフィラム・ロビー、面白さ100、香り20ではちょっと勝負がむずかしい。なにやらすねん」

 

「ネットとカードでバンバン原種集めしたるねん」

「金あんの?預金残高は?」

「株の売り買いで稼ぐ。買った株の値段分融資があるのでその金を元手に株を買う」

「ああ、原油が一挙に1バレル80ドルに。これでは温室の燃料が」

「ああ、株の大暴落や」

 

「蘭のトレイが倒れたのに気を取られわき見運転で事故」

「やりそうで怖い。最近そういうの多いですから気をつけてください」

 

「蘭を枯らしたことを苦にして中央線東小金井駅にて飛び込み」

「うわ、いけませんねえ。株わけしたるから待て」

 

「温室の相続をめぐって兄弟骨肉の争い」

「わきゃないわなあ。世話が大変で押し付け合いはあるか。あんたが水やりしなさいよとか」

「××蘭園に強盗が押し入り、パフィオを盗んでくるまで逃走」

「ないやろ。値段わからんし」

「蘭をめぐって口論となり、かっとなって素焼鉢で頭を殴って殺害」

「ないねえ。シンビの鉢のほうがきくんちゃう」

「空港で大量の密輸××大量に摘発」

「よく保護動物とか見つかってますけど、蘭は案外聞かないねえ」

「暴力団の資金源」

「バニラはとれても麻薬にはならん。やくざ屋さんが温室でええ花さいてまっせっていうのはいいかも」

 

「心無い育て主が離した××が野生化し生態系が混乱」

「これもない」

「逃げ出した××に噛まれ重症」

「噛まないって」

「勝手に家に上がりこんでたんすに巻きついて咲いていた」

「おもろいなあ」

「地元の蘭友会により駆除作戦」

「いのししちゃうでしょう。猟友会じゃあるまいし。草刈すんの?」

 

「近所のおじいちゃんが、蘭にストーカーすんねん」

「ええなあ、このふ入りの葉っぱ、ちゅうて散歩がてらかならず言うてきはるんですな」

「こういうのは増えたらあげるですむんですけど、どこぞの娘さんとかは増えたりしませんわなあ」

「増えたら気持ち悪いでしょうが」

 

「蘭に恋人を取られたと思った女が蘭にガソリンをまいて放火」

「放火したかったんちゃう?」

「わたしと蘭とどっちが大事?」

「うーん」

「なやむなって。火つけたる」

 

「カトレアのバルブがカッターで切りつけられた」

「物騒やなあ。なにすんねん。そういうやつは包丁で手切ったことないやろ。切ったもんは食え。くわしたる」

 

「この株絶対値上がり確実。マスコミでばんばん取り上げられてるし」

「あ、この花芽セロテープでつけてある」

「粉飾花芽」

 

「ひったくりもおおいね。大阪引ったくりナンバーワンシティー」

「わー、ぱちぱちぱち」

「こら、拍手すな」

「まえかごから蘭をひったくったものの花が散らないようにゆっくり走っていたため反撃に転じたおばはんにちゃりんこで後ろから轢かれてしまいよってん」

「あはは、あほやねえ」

 

「かわいかったので連れ出してしまいました」

「勝手にもってったらあかんよ」

「でも枯れてしまったので近くの公園に放置」

「あほかー。ひどいなあ。ほんまにいそうでコワイわ」

 

「蘭を見に温室でくつろいでいたら、足立区を震源とするM7.8の直下型地震がおきておれのところは震度7、家は潰れ、おれはバンダが降ってくるやら、鉢がわーっと降りかかってくるやらで鉢まみれになって床に転がっていたんだけど、打ち身や切り傷ぐらいですんだ。母屋にいたら死んでたろうねえ。逃げたよ。蘭には悪いけど火事が怖い。温室に避難袋備えといて助かった。蘭のおかげで生きてるようなもんだ」

「フィクションです」

 

「ものすごい新型ウイルスがぶわーっと広がって日本中の蘭がぁああ 

「これはコワイな」

 

「クマガイソウ自生地からごっそり」

「これは本当にあって実に腹が立った。やったらあかんよ」

 

「蘭を落とした子供を虐待」

「これマジこわいなあ。ついしばきたくなるけど子供どついたらいかんよ」

「警告3回。どうしてもぶつならおしりを平手で、罪状について説明し、執行」

「○○君あなたは再三の警告にもかかわらず室内でハンドボールをおこない、結果として蘭の鉢に甚大なる被害を負わせしめた。おしりぶちの刑をもって処するほかない」

「手が痛い。ぶつほうが痛くない体罰は体罰とはいわん」

 

神戸市長田区の海釣り公園付近の海岸で熊谷次郎(25歳 武将)容疑者が平敦盛(15歳 公達)を、言葉巧みにそそのかして決闘に持ち込み殺害」

「うわー、未成年になっちゅうことをするんでしょうか。しかも被害者は首を切断されていますね」

「なんだかサカキバラ事件との類似点をかんじませんか。この凄惨な事件はクマガイソウとアツモリソウというなまえに記憶されることになるわけですねえ。これ平家物語?」

「蘭の事件じゃねえじゃねえか。1000年前の話やんか」

 

「ある夜、庭の上空に銀白色の巨大な物体が浮かんでおり、怪しく光る背丈の低い小人が3人」

「おいおい」

「ワレワレハキミタチガバーナード星ト呼ンデイル星カラヤッテキタ」

「うわ、頭の中で声がするぞ。さては宇宙人か?」

「ピンポーン」

「あのなぁ。ハモルな。何の用じゃ。」

「キミノモツ蘭ハタイヘンスバラシイ。ワレワレモ蘭好キナノダ。交配種スキデス。ゼンブクレ」

「えー、マジ?。高かったんだぞ」

「タダトイウワケデハナイ。ナニカホシイモノハナイカ?」

「そお?。へへへ、じゃあ白金ください。10kgぐらい(1g4700円もすんねんで)」

「ソンナ安イ金属デヨケレバココニオイテユコウ。ジャ、蘭ハモラッテユクヨ」

「ヘヘヘ、まいどあり」

「後日、確かに白金ですが、放射能がつよくて売り物になりませんな」

「夜光るんでいやな予感はしましたねえ」

「あぶないからよそのおじちゃんからへんなものもらっちゃだめですよ」

「よそのおじちゃんかい」

 

「架空請求ってのもひどいねえ」

「あんた、蘭みたでしょう。サイトの見物料27000円払ってくださいよぉ」

「無料ってかいてあったじゃないか。花みただけだよ」

「バルブは無料だけど花は有料って書いてあったでしょ。払ってくれないなら法的措置をとりますよ」

「そういう不良サイトはないねえ。気を付けてください」

 

「飲酒運転も最近取締りが厳しくなってますねえ」

「飲酒運転する人あほちゃいますかねえ。のるなっちゅうてんのに」

「検問です。開けてください」

「いやです」

「何でイヤなんですか」

「蘭があるからです」

「飲んでるんでしょ」

「飲んでません。外気で蘭が傷むからです」

「警察だ、開けろ」

「ここは警察じゃないよぉ」

「ああ、てめえそんな懐かしいいちびりかましやがって。やっぱりのんでるな」

「やべ」

 

「強盗こわいですね」

「蘭をだせ、とかいってめだし帽をかぶった男が包丁もって入ってくる」

「そんなやつおるかい」

「おい、てめえかしょーもない蘭ホームページで自慢しやがって。V. Sansai Blue をよこせぇ」

「しょーもないいうといてわしの蘭が欲しいんかい。けったいなやっちゃなあ。2000円そこらの蘭で監獄入れられたらあわんやろうに」

「うるせー、おれはもうどうなってもええんや」

「でも水やりはちゃんとしろよな」

「肥料どうやんの」

「以下仲良く蘭談義、トレイいっぱいのお土産つきでかえってゆくというパターンか」

 

「ほんと犯罪多いねえ。江戸時代とかこんなにいろいろないでしょうに」

「島原の乱から幕末まで200年くらい戦争はなくて、間に忠臣蔵みたいな事件がありましたな」

「皇族の皆様をお招きして盛大に開催された江戸城蘭展で、実行指導役のキラさんが実行委員長のアサノさんとこのデンドロを「肥料がもう少しあればもっと大きくなったんちゃいます」いうたら「お前の栽培技術はそこまでか。この田舎侍」といわれたように感じたアサノさんが逆上して鉢で頭をどついて「殿中でござる」とカジカワさんがとめたとかいうあれ?」

「うそをいうな、うそを」

「将軍様に温室を差し押さえられ、播磨蘭友会まで除籍されてしもうて、永蟄居。城下の家臣が見るに見かねてキラさんとこの温室襲って蘭を強奪したという江戸期最大のテロ事件。なんか平和やねえ」

「う・そ・で・すっ」

 

「最近変な電話よくかかってきますよねえ」

「お宅のご主人ねえ、うちのパフィオの花茎おっちゃたんですよぉ。どうしてくれるんですぅ。FCC株ですよ。蘭展の直前だっていうのに、どうしてくれるんですか」

「な、なんのことでしょうか」

「いま警察の人と代わりますから」

「神奈川県警巡査部長の小林といいます。お宅のご主人が蘭園で高価な植物をだめにしてしまったそうです。器物損壊で逮捕ということですが、持ち主が弁償してくれるならというものでここで待機しているわけです。ご主人にかわります」

「あうううううううううう、すまん、ゆるしてくれ、たのむすぐに50万円振り込んでくれ」

「なんなの、ねえ。パフィオってなに?なんで植物が50万円もすんの?」

「払えないのだったら警察に引き渡しますからね。あとで高い保釈金でも積んでください。あの株は期待していたんだ。よくもやってくれたな。今度こそ賞がとれそうだったのにぃ。」

「あなたー、変な電話かかってんのよ」

「がちゃ、つー、つー」

「もうええわ」

 

9月25日(Den.?‘WhitePurple開花

Den.?‘WhitePurple’が開花した(今月6、今年122、新規46)。えらくつぼみの数が多い。デンファレの季節になったなあと思う。

 

朝、今日は曇りだろうと思って出さなかったが、悪くない天気だった。1日損をした。夜カエルが窓に張り付いて出勤しているので夜出しておいても良いくらい温い。いい風が吹いているので惜しいことをした。

 

C.intermedia var alba?のつぼみが開花位置についた。

 

924日(日)

9時から蘭を外に展開した。これから出し入れの日々であろう。昨年は108日「夕方から気温が下がってきたため冬場5度に耐えるもの意外は家の中に取り込んだ」とある。今年はいやにはやい。現に最高最低温度計は15℃を割り込んで13℃ほどになっている。

 

バルボフィラム・ファシナタバプティシジウム・リトルドラゴン‘キッド’をそれぞれプラポット3号に植え替えた。どちらもなかなか花がでない。前者は2株入っているようだ。後者は鉢が狭すぎたのかもしれない。

Epi.? 'Hanakoujou'の高芽を2号素焼鉢に植えた。

 

やっと今年35日の兵庫ラン展と325日の神戸蘭友会蘭展の画像整理が終了した。

 

923日(土)裏の棚撤収:夜間撤収

朝から強風で裏の棚を見に行ってみると2鉢が落っこちて、カランセ ロゼア?は瓢箪バルブの上をふっとばし、リカステ ショールヘブンブンは葉を傷めていた。 

裏の棚、通称「奥の院」はとうとう日が当たらなくなってしまっており撤収を決めた。葉の広いLyc. Jim Riopelleなどを南側にもってくると場所がないのでグラジオラスが枯れたプランターの上に置いた。このLyc. Jim Riopelleは、葉の差し渡し1m。2バルブで多くの葉をもち、葉の面積は我が家最大だろう。だが、バルブの直径は4cmに満たない。つぼみは4つ出てきている。

 

硫酸カリウムと過燐酸石灰の肥料を水に溶かしてやって株を見回ると、C. labiata S/A ‘Zonada Mate’× tipo ‘Dina’の大きなシースにつぼみらしいものが見えた。今年はラビアタの花は見られないと思っていたので、大事に行きたい。

 

Cym. dayanum  var. alba に花芽が1つでているのが確定。

 

Cym. Lady Jewel  に花芽が2つ増えて3つに。

 

B. nodosa ‘Susan Fuchs’FCC/AOSに花芽が出たらしいがまたしけたようだ。もういっぽんある。

 

Cocrianthes discolor ‘Lil’ AM/AOS x amazonica ‘Best’のつぼみがしけた。寒さに弱いつぼみかもしれないので今夜から収容することにした。つぼみはあと1つある。

 

C.intermedia var alba?がまもなく開花。

 

デンドロビウム・クリソプテラムの新芽が枯れてしまい、高芽1つだけになってしまった。購入以来あっという間に1年経ったのであるが、この一年何をしておったのかという結果になってしまった。

 

今月の開花予定:カトレア1、オンシジウム2、デンファレ3、セッコク1、デンドロキラム1

 

325日の神戸蘭友会の写真整理がいまだに完了していない。我ながらなにをやっておるのか、と整理にかかったが1時間かかっても終わらない。よほど大規模な撮影だったのか処理能力が低下したのかまだまだ未整理画像が溜まっている。蘭画像に対するインセンティブが下がったためこのような状態が起きたのだろう。たぶん、理由として、写真撮影の腕の限界からこれ以上面白みのある画像が得られないとおもったか、あらかた見たいものはとり尽くしてしまったか。はたまた画像ばっかり見ても現物がたくさんあるのだから画像に魅力を感じなくなった、というところだろうか。

 

中温性蘭は屋内に撤収。私が家の中にいて寒いのだから蘭も寒かろうと11トレイを家の中に取り込んだ。

 

 

922日(金)

夜は寒くなってきたなあ、と思っていたらグラマトフィラム・スクリプタム変種シトリナム’ヒヒマヌ’が弱っていた。ちょっと涼しくなったくらいでこれほど弱る蘭も珍しい。筋金入りの高温性蘭らしい。ほかにも原因があるのかもしれないが、これはもうだめそうだ。

 

今夜も少々寒いような強風が吹き荒れている。高温性の蘭は胡蝶蘭などを家の中に収容している。

 

Phal. 'YellowGreenに早くも花芽が出てきた。

 

921日(木)

Den. ? 'Takarazuka Red'デンファレ「静岡紫」が咲き終わって帰ってきた。前者は新芽がよく育っており暮れまでに再度開花してくれるだろう。後者は、新芽がでてきておりまた花芽を出して咲いてくれるかもしれない。

 

今夜も昨日に引き続き涼しい風が強く吹いている。

 

家に帰ると柱に蘭を食うバッタがへばりついていた。蘭の上にのっかっていないのでこいつは見逃す。食後、警邏にでてみると昨日開花したドックリリア・ワッセリーの根にでかいバッタがぶら下がっていた。「やろう、なめんなゴラァっ!」すわ出入りとばかりにチャカを持ち出し発砲。だがバッタのあまりのむごい死に方に呆然とした。やはり殺生はいかん。明日から逮捕拘留という方針に切り替える。

 

雫井脩介著「犯人に告ぐ」を読んだ。主人公が巻島という名前だった。え?マキシマ?。ひょっとして作者は蘭好き?。まあ冗談はさておき、作品はすばらしく、泣けた。当分刑事ものにはまりそうである。「人を叩きすぎちゃあ、いかんのです・・・」という老刑事の言葉にまいった。

 

バッタも人間も生きて飯を食いたいのである。いい暮らしがしたいのだ。人間の場合、日本人の場合、ちょっと、ちょっと、ちょっとが積み重なって現在の豊かな暮らしを享受している。だが、これからどうなる、と考えたときに大変恐ろしい。「平成狸合戦」だったかアニメ映画で、増えすぎた狸が集団自殺をするような場面がありあまりの恐ろしさに震え上がった。これはわしらのことを暗示しているのではないか、と思えたのである。我々人類には英知があるから危機的状況は回避できる、と信じてはいる。だが、英知もあるがたいそうあほなことをしているなあ、とも思う。限りある資源を奪い合ってひどい殺し合いにならなければいいがと願っている。

 

9月20日(Dockrillia wassellii開花

ドックリリア・ワッセリーが開花した今月5、今年121、新規46。この株は因縁の株であった。忘れもしない2004年9月5日の豊橋蘭友会のセリで、「まあきれい、すてき」とおもった白い花があった。手を上げようとしたら1000円でさっさとよその人に持っていかれてしまった。これは残念。そのあと別の業者がセリの順番を待って待機している中に同じ蘭が花なしであったのだった。G師匠がにじりより別の蘭の競り前段下交渉をはじめたので(ええんかいのう)とおもいつつも(じゃわしも売ってもらおう)と1000円でつかんだ株だった。だが競りにかかってみると兄弟株は500円で売られ、私は500円高くその蘭を買ってくるという失態を演じたのだった。そういうミソのついた株は昨年も花芽をしけらせ、今年こそはと厳戒態勢で望んでいた。このほどやっと咲いてくれてほっと胸をなでおろしているのだった。

 

夜のパトロールである。近年凶悪化するバッタの害で過去最高のできになったバンダの花に穴があいている。花は8つもあるからまあええけど、と思っていたが撮影アングルを限定されて面白くない。早速今夜もの花にバッタが乗って穴をあけているではありませんか。「貴様、現行犯で死刑だ」地面におちて逃亡を図るのでかわいそうだがあの世に送った。そういえば帰り道「キャーゴキブリ!!」という5m後ろの悲鳴に何を思ったか隣を歩くおばさん58歳くらいふとり気味は、あしもとにゴキブリの幻でも見たのか階段でよろけてへたりこんでいたなあ。ふん、ゴキブリぐらいで昭和生まれのいい大人が情けない。オレは平気だ。だが、あれは怖い人には相当怖いらしい。怖いといえばリビング前の蘭の棚をヘビがにょろりーんと這っていた。ちと背中のもんもんがコワそう。ヤマカガシであろうか。まあうちではめずらしくない。蘭には害はなかろう。

おっと、またもデンドロの葉に潜伏中のバッタを発見。「逃げるな貴様」という捜査の手をかいくぐるように遠くの鉢の端に飛んでいった。このままでは凶悪犯に逃げられてしまい、第二第三の犠牲者が。とうとう年2回になってしまった殺人事件多発の豊中のごとき治安の悪さである。捜査1課長Kojimaは「やむをえん、拳銃の使用を許可する」なーんちゃってかねて用意のモデルガンを持ち出してきた。1m離れたハエを粉砕する威力と精度をもつモデルガンである。バッタ駆除の新兵器として、気の迷いで購入、じゃない、かねて用意しておいたものだ。テキは動かないのだけれど結構あたらないもので、2発目にバッタは玉をくらってどこかに吹っ飛んでいった。いまひとつ手ごたえのないバッタ退治になってしまった。このあとナメクジにも発砲したのであるがこれもあたらず、仕様がないのでつまみ出して投げておいた。

 

本日は石油がないという内容の講演会を聞いていた。これまで「あと何年石油があります」という数字が2004年を境に減少に転じたのである。たとえば現在100使っているとして、新しく見つかったものは10しかないのだ。どうころんでもわれわれの次の世代には今のような石油を使った生活はない。そういう目でみるとイラクがああなった理由、イランがどうなるかがくっきりと見えてくるような気がする。またサハリンIIだったガス田について「おまえんとこの銭で開発した天然ガスだけど将来のためにとっとくからやんないよ」と本日ロシアから言われたそうで、そのあたりの考えもくっきり見える。「リッチロシア、ハングリー中国、ネグリジブル日本」などといわれたが、資源の面からみてまことに日本は取るに足りない。

さて、何がいいたいかといえば、温室はどうなるのか、電球栽培はどうなるのか、ということである。なんにせよ、大変衝撃的な内容で、いよいよこれは大変なことになったと思った。「なあに、あたらしいエネルギーが出てくるさ」とみなさん多寡をくくっていたらしいのだが、「じゃあそりゃなによ」「これからでてくるんだよ」「いままでなんかでてきたか?ずっと石炭石油でやってきたんでしょうに」「メタンハイドレートとかあるじゃん」「それどうやってとるのよ。あんたみたことあんのそれ」「ないなあ」

石油に限らずリン鉱石の話もあった。リンカリのリンである。鳥が魚を食べて島でぶりぶりとだせば燐酸カルシウム(Ca3(PO4)2だったろうか)の骨が堆積してリン鉱石になるのだ。これものこりがほとんどないという。このリン鉱石に石油から取れた硫黄(S)で作った硫酸(H2SO4)をかますと、リン酸(H3PO4)と石膏(硫酸カルシウムCaSO4)ができる。こういうものがなくなると「開花促進」にかます肥料が高くなってしまうぞ。

白状すれば「もう江戸時代しかない」と思っている。石油石炭なしで3000万人が暮らしていた。明かりは菜種油、肥料はいわし、着物は麻、綿、お酒はお米でつくる。クルマもワインもクリームブリュレもパスタもコーヒーもさようならだ。海外旅行はえらい人だけ帆船で。9割の人々の仕事は農業になる。「あらいいわねえ、わたし農業好き」と思うむきもあろうが、やってみて思うのは「日差しが強すぎてしみができちゃったわよ」のほかにひたすら大変だった。母は畑でころんで骨を折った。耕運機も化学肥料もなし。ひょっとするとタイヤもなし。ちゃりんこもなし。

「石油を止められて60年前我々がどういうめにあったか忘れてませんか」といわれてはっとした。農業やろうっていう覚悟の人はまあそう多くない。「うおー、やったるでー」というやつらの方が多そうで怖い。蘭の将来は大変だ。

 

 

 

919(火)Incdm. PopcornHaruri’開花  

Incdm. Popcorn‘Haruri’が開花した今月4、今年120、新規45イオノシジウム・ポップコーン‘ハルリ’は二回目の開花である。

 

Lc. Aloha Case ‘#32’× C. intermedia var. delicate でトップページを作っていた。この株の開花は我が家の蘭中最多の16回目になる。レリオカトレア アロハケース×インターメディアvarデリカタ2000年の購入以来毎年2回以上咲きつづけている。親にあたるアロハケースをもっているが咲いたのを見たことがないし、インターメディアにしても年一回の開花が妥当なところで、それを掛け合わせると年3回も咲くようになるものだろうか。増えるのもすごいペースで、4半期に1度はバルブを出してくる。咲く時期は春夏秋冬で、年四回咲きそうになったことがある。つぼみがしけやすいのが難だが、それでも咲力は最強のカトレアである。それにやわらかい日があたっていればワルケっぽい香りも実によい。

 

台風14号が接近中でこっちも進路をみるにちと気になる。

 

北風が強いので気温が下がりそうだ。高温性の蘭はもって入った。

 

Paph. ? 'Yanai'Paph. 「明幸園」のおかげでパフィオの動向が気になる。原種パフィオ図鑑を見ていたら画像に結構な名作があって喜んでいた。たしかにパフィオには心惹かれるのであるがめったに咲いてくれないのでなんともはまりようがない。例年Paph.Deperle(delenatii x primulinum) Paph.?'Wine Red'が咲いてくれるがあとは1ないし2株咲いてくれればいいほうだ。だから年間4回の開花と割り切る。これは全体開花件数の3%以下だ。Paph. ? 'Yanai'Paph. 「明幸園」がレギュラーになってくれれば我が家のパフィオもにぎやかになっていいのだが。16株中4株開花とすると、パフィオというやつは4年に一度の開花ということにならんか。それくらいこのサイトのパフィオはレベルが低い。

ところでこの間購入したPaph. concolorであるが、大和農園産で購入したものである。パフィオの老舗というか、あちこちのパフィオが大和農園産で見かけることからして相当な権威かと思う。その大和農園が多分実生で作出した開花株が1000円ということは、どう頑張っても1000円という代物ということにならんだろうか。実生で多くの株が作られる中で、大和農園が1000円と評価したからには世間の評価は1000円である。そう考えるとたしかに「おおこれは」というオーラのようなものはなくて、「1000円で安かったの、かわいいー」というところのものである。一方、村上農園で30000円のものを見たらそりゃそれでたしかにすごいな、と思うのである。パフィオファンの皆さんがどのあたりにはまっているのか今ひとつわからなかったのであるが、まあたしかに30000円のものを見るとそれなりにかけてみようかという人もいるのだろうなあと思う。我が家はそういう1000円以下のもので固めてあるので、安いものばかり見せて、本当にすごい蘭はこのサイトでは見られないのではなかろうか、などと思ったりもする。ただ、どんなに安くても蘭のもつ生命の輝きというとくさいが、きんきんにつまった真実のようなものは隠れようもなく見ることができると思う。Paph. concolorは実物は大変小さいのだけれど、こうやってカメラを通した別の見方をしてみると実物からは見えないなにかしらすごいものを見ているような気がするのだった。

 

918日(月)

夜中である。まだそよ風程度だ。台風13号は日本海に抜けたらしいのであまり影響はなさそうだ。

 

Paph. ? 'Yanai'のつぼみに続き、Paph. 「明幸園」にも花芽があるように思う。この2鉢は良く似ている。じっくりみると2つあるような気がする。パフィオはめったに咲いてくれないので大事に育てる。

 

なんとなく蘭の特徴をまとめた表を作成した。筆者のごくせまい経験をもとに勝手に書いたもので、必ずしも一般的ではない。

 

表 主要な蘭の栽培特性

 

この表を通じて思うことは、バンダ、リカステ、カトレア、デンファレ、オンシジウムについては満足度も大きいのであるが、シンビ、デンドロ、胡蝶蘭、パフィオ、大輪カトレアなどは筆者が下手であることから咲く頻度やら生育で苦戦している。よくわからないデンドロキラム、セロジネ、スタンホペア、プレウロタリスなどの通な蘭は何もいう資格がない。まあなんにせよ蘭はいろいろ苦労してきたなあなどと表を見ながら思う。

 

917日(日)避難開始

美しい晴天だったが13時から曇り風が強くなってきた。なぜかEria pachystachyaの株分けにかかる。エリア・パキスタキアの記録を見るにあまり成績がいいとは言いがたい。今年も咲く様子がないので植付けがおかしいのではと引っこ抜いてみた。プラポットの底に鉢かけがはいっている。ミズゴケはさほどいたんでいないが、よく湿っていて、根はさっぱりまわっていない。根は生きたコケの下1cmほどの層にまわっていてそこから下には伸びていないようだ。根としては、湿った空気の悪いところまで伸びてゆく気はさらさらない、と態度で示しているとしか言いようがない。ふと見るとバルブ1つから花芽が2つみえた。ちょっと待ちか、と頭をよぎりつつも手が勝手に動いてひんむいてしまう。よくコンポストをはずしてゆくと分けなくてもいいのについ4つに分けてしまった。あほちゃうか。1株は、なぜか乾きの良いダイソープラポット3号10円にミズゴケで植えた。ほかは2号素焼鉢にはちかけの蓋とミズゴケで植えた。

ここ数日の株分けで譲渡株リストがやたら充実してきているように思う。

 

 

避難前の晴天時に硫酸カリウムと過燐酸石灰だったかの「開花促進期待ええ加減肥料」をかけておいた。

 

マスデバリアのトレイ1つだけを残してすべて家の中に収まった。たいした収容能力である。

 

昨年棚は強風で倒れあわやバンダを下敷きにするところだった。今回は棚が倒れる可能性があると考え、あらかじめ倒しておいた。

 

 

9月16日(Lc. Aloha Case ‘#32’× C. intermedia var. delicate開花  

 Lc. Aloha Case ‘#32’× C. intermedia var. delicateが開花した(今月3、今年119、新規45)。先週別のバルブのつぼみ2つがしけてしまったが、すかさず別のバルブが隠し持っていたつぼみを開花させてくれた。それにしても大きな株になった。新宿駅中央線高尾行のアナウンス風に言えば「つぼみしけが発生しておりましたが、後続のバルブから開花を再開したとの情報が入ってまいりました。つぼみ開花しました。つぼみつづいてまいっております。あとのバルブをご利用ください」的な忙しい株であった。これを株分けするのは骨だ。それにしてもよくつぼみがしけるようになったから多分植え方が悪いうえ愛情が足りないのだろう。

 

実験:当HPではこれまで漢字混じりのファイル名のファイルは使えなかったのであるが、ひょっとして使えるようになったのではと考えてアップロードしてみた:月下美人

 

 デンドロ類がそだったのでそろそろ出荷かとトレイに集めていた。凶悪な増え加減のデンドロである。たしか譲渡予定株は、Den. Yukidaruma ‘King’ AM/AOS.JOSDen. White Rabbit ‘Sakurahime’ デンドロビウム mini竹本、だったか。もっとあったように思うが。

 

 新芽が出てきたDendrobium amethystoglossumを植え替えた。買って2年になるがリストに登録し忘れていた。2.5号から株が大きくなっていたにもかかわらず2号に小さく植えた。

 

 これまた新芽が出てきたCattleya maximaを植え替えた。この株は株の大きさの割に大きな花がつく。買って1年半になるが買ったときのままであったのでかっさばいてみる。神戸蘭友会会員は網戸の網、発泡スチロール、ちょっと高級そうなミズゴケで3号鉢に植えていた。バックバルブを取る。新芽は3本ある。株は大きくなっていたが2.5号のほうがよさそうに思えて、鉢かけ、ミズゴケで植えた。えらくかっこいい。

 

 Restrepia brachypusが盛大に咲いている。そろそろ植え替えたほうがいいのでh内だろうか。

 

 オンシジウム・スーパースター‘ソフィアビューティー’の花茎の根元が腐っているではありませんか。ツイン花茎でかっこいいと思っていたのだが、もったいない。

 

 Brs. Eternal Wind Summer Dream SM/JOGAはやたらめったらすごかった。新芽がわらわらでている。これをこのまま大株にして来年さらに盛大にと考えるのなら肥料をやるのはいまだ。それじゃあまりにも大きくなるから今のうちに分けてさばいてしまえと思うのなら植え替えと株分けは今だ。悩ましいところではあるが、まあ大株路線でゆくか。

 

 Paph. ? 'Yanai'につぼみが2つせりあがってきつつある。

 

 Cocrianthes discolor LilAM/AOS x amazonica Best にさらにお代わりのつぼみが出てきた。730日に花つきを購入して以来いつまでも花が出る。

 

 Den. kingianum?を見ていたらむらむらと株分けをしたくなってきた。3.5号プラポットに収まっているが、広がりがすごい。新芽が出ている。プラポットなので引っこ抜くのは簡単だった。いきなりむしったバルブは新芽が育ったやつでこれはまったくの失敗だった。強固な根にはばまれてはかどらないので剪定バサミを焼いてぶったぎった。3つになってしまった。3号プラポット2つ、2.5号素焼鉢が1つ、それぞれミズゴケで植えた。

 

 Paph.Deperle(delenatii x primulinum) も植え替えた。株分けするつもりだったが、分かれる隙がないというか、強固なファミリーで手が出ず、ミズゴケを取り除いて3.5号プラポットに杉皮をしいて、新しいミズゴケで植えただけだった。

 

 L. lobata var. alba3号鉢にバルブがびっしりという状態だった。新芽を数えなければ27枚あった。新芽を入れると40近い。こういう状態を好む蘭がいるだろうか。そのあたりがよくわからない。それでも周辺を威圧するほどでかいのでぶった切ることにした。はち底を破壊して指を入れ力を入れるがさっぱり出てこない。こんなことは珍しい。とうとう鉢を割ることにした。コンポストにはヤシガラや杉皮などがはいっていてなんとなく合わなかったのだろうかと思いつつ取ってゆく。切れそうなところからぶちぶち切って適当な大きさにすると4株になってしまった。3号プラポット、2号素焼2個、2.5号素焼にそれぞれミズゴケで植えた。2株は残し、1株はI氏が要るといっていた。1株は放出である。

 L. lobataというと蘭展などで見ても姿が大変美しいので2003年の購入以来大変期待しているのではあるが、L. purprata var. roxo violetaと同様なかなか咲いてくれないのであった。

 

 サクラランにつぼみが出ていた。ラン科ではない。ガガイモ科だという。別名をホヤという。ふの入った味のある葉だが、成長が遅いなあ、と庭に出して蘭の直射日光棚に置いておいたらちょっと目を離した隙にのびてのびてのびて地面に達し、こりゃまずいとおもったのか地面すれすれを横に伸び、もっと光をと思ったのか柱に巻きついて這い上がり、西を目指せと伸びていたら、もとの鉢のあるところまで長方形を描いて戻ってきている。その長さ2m。その途中につぼみが出ていたのである。大変面白い。でも多くの蘭がこんなに200%300%と大きくなったら大変だろうと思う。いや、300%くらいならざらにあるかもしれない。

 

 先日言及した「火の粉」(雫井脩介著)という小説は強烈だった。むちゃくちゃいやな気分になる記述が多々あり、登場人物の痛みがダイレクトに脳髄に響く。だれしも逃れがたい境遇にはまって役をふられており、それがまた上手く描かれている。それだからなのかもう手放せない。「えー、なにこれー、やられたー」もある。これはお勧めの一冊だ。その中にシンビジウム以外にもカトレアの栽培とか出てくる。棚なんかつくったりしている。そこのところをもっと詳しく、などと思いつつ読んでいた。「紫蘭の花嫁」乃南アサ著も蘭愛好家がでてくるが、蘭好きがでてくるとキョーレツな小説になるのだろうか。

 

 

9月15日(Epi. Eagle Valley ‘Orange King’開花

 エピデンドラム・イーグルバレイ ‘オレンジキング’が開花した今月2、今年118、新規45。今年二回目である。この花はリップがないという変な蘭である。

 

Phal. tetraspisは新芽があかんようになっていた。寒かろうと取り込んでさえいたが、あかんかったか。

 

デンドロビウム・クリセウムのバルブがすぽんと鉢から抜けてしまった。枯れていたようだ。新芽が出なかったため致し方ない。

 

プレイオネ・マクラタにつぼみが出た。

 

914日(木) 

 バルボフィラム・ビネンダイキイが不調のようだ。最初に出た新芽は他界し、二番目もアウト、三番目がえらく小さい。

 

 シンビジウム・エレガンスはかろうじて新芽は出たが、元気そうではない。

 不調なものはどれも「高温多湿」とはんこが押してあるような気がする。

 

913日(水) 

 秋雨で寒い寒い。こうなるとわかっていたら手を打っていただろうが、どうにもできずに夜中である。こういう手抜きをするから最近なーんにも咲いてくれなくなったようにも思う。胡蝶蘭とバンダはもって入った。すまんのう。さむかろうが我慢してくれ。寒そうな風がビュービュー吹いている。本来ならまだ暑い頃なのだが、職場は風邪引き続出で欠席者まで出る始末である。

 

 カンランの花芽2本は昨年花芽を出していたバルブから出ているように見える。どういうことだ。シンビジウムも単一バルブから複数年花芽がでるのだろうか。そういう風に考えたことがなかった。これまではその年に育った成熟したバルブから花芽が出ると勝手に理解していたのだが、誤解だったかもしれない。

 

 「火の粉」という小説を読んでいると、隣に越してきた初対面のおっさんから増えすぎたシンビジウムを3鉢ももらう、という奇妙なシーンがでてくる。「奥さんそりゃちょっと・・・」と思わず声が出そうだ。「せめて名札つきの名の通ったやつなら1株だけ」と思うのがわしらの人情である。同じ株を3鉢もなんてもうなにかんがえとんじゃ、とおもってしまう。もうこっちがもらってほしいぐらいだ、などとおもっていたら小説どころではない。蘭愛好家の常識は世間の常識ではない。

 

912日(火) 

 なぜか読みにくい蘭関連の雑誌を読んでいたらきっぱり蘭をやめた人の話が出ていた。何でも体調を崩したときに、このままもし倒れてしまったら→蘭の世話ができなくなる→まずもって枯れる→健康なうちに全部人に上げてしまう、という結論になったそうである。ぱらぱら人に分けているとかならずさえない株があまるから全部一括して引き取ってもらったそうである。ええなあ、そういう作戦、と思った。お金持ちで、最近蘭にはまっちゃって温室建てたのだけれど中身がさっぱり、という人がうちの蘭をごっそりもらっていってくれるという想像をしちゃったねえ。

 

 Cym. dayanum  var. alba に花芽か?。この花は日曜日村上園芸でみかけて大変きれいだったのでぜひ咲いて欲しいと思う。

 

911日(月) 

 C.intermedia var alba?のつぼみがシースから出てきた。最近食欲旺盛なバッタにねらわれなければいいがとおもう。

 

 Dtps. ‘池袋1がかれてしまった。胡蝶蘭はバックアップの鉢が取れないので残念である。

 

 ドックリリア・ワッセリーがまもなく開花のようだ。

 

ここへきて寒くなったためか蘭の雰囲気がわるいような。いい季節なんだけどなあ。最低気温17度だし。

 

7月30日の購入以来Cocrianthes discolor ‘Lil’ AM/AOS x amazonica ‘Best’はまったく花が途切れず咲きつづけている。お代わりのつぼみが出てきた。これはこれでなかなか面白い蘭かもしれない。

 

2月18日の開花以来Phal. Musashino x Hakuhoh-Shiranamiは最期の花が本日までぼろぼろになりながらも咲いていた。まだ体力はありそうなので秋によく体力をつけて冬を乗り切って欲しい。

 

Den.? 'Royal'およびDen. 'Kurashiki'に花芽が出た。開花は10月の予定。Den.?‘B4’らしい株はまだ花芽が出ていないが、たぶん盛大に咲いてくれるだろう。この冬はデンファレでにぎやかではないだろうか。

 

Ornithophora radicanseがまた猛烈に増えている。増えているといっても2.5号鉢だから知れている。わければ8株くらいとれそうだ。初夏に咲いて、現在でもまだ花芽が出てきている。まあそういう意味では育てやすくかわいい素敵な蘭ではある。初心者セットでも企画したら必ず入れておきたい蘭だ。

いまのところ予定はないのだけれど、初心者セットとはどのようなものであるべきだろうか。あまり難しくないものがいい。

Ornithophora radicanse(ぶちっとちぎってね)、エンシクリア・ポリブルボンDen. moniliforme(これもぶちっとちぎってね)Lc. Aloha Case ‘#32’× C. intermedia var. delicate(株分けしてからね)、Maxillaria rufescens(在庫)

というところで用意できそうではある。まだなにか突っ込んでおきたい。オンシジウムあたりなにかないか。Onc. Sweet Sugar?あたり(写真にだまされたらいけんよ)。やたら場所を取るビデオや栽培書もつける。着払い。どーしてもやりたいっ!!!、ちゅーひとがいたら考えよう。

 

そういえばデンドロを太らせてから送ろうとしてほったらかしにしていた件があった。

北海道便は今回も多量になりつつある。先方の保有する蘭はすでにうちより多いのではないだろうか。

北海道で思い出した。Max. porphyrosteleである。どうも咲きにくいらしい。ものすごい大株になっていて花芽が出る隙間がないのではないかと思う。マキシラリアはMaxillaria rufescensもそうだけれど大株になると咲きにくい性質があるように思う。

Max. porphyrosteleを購入したとき見切り品300円でわずか3バルブだった。写真でもわかるようにバルブといい、葉といい花といい大変好ましい蘭である。購入当時はバルブを見ているだけで幸せだった。だが、この蘭は高速増殖蘭である。売るときは2新芽つきの1バルブを切り離して育てて花をつけて出荷する。買ったときは3バルブ。翌年は7バルブ、2年目は15バルブ、3年には計算上31(こみあって新芽の出が悪くなるから一応減速する)と、猛烈に増えてゆくのである。それゆえ私は「不幸の手紙蘭」などと心中思っているのである。なにしろ、送り出してやれやれ、と思っていると誰かがこれをくれるのである。だから5つにばらして初心者にでも送ろうなどと「不幸の手紙」作戦をかんがえているのであった。まあ素敵な蘭であることは間違いない。

正直うちの蘭棚は、もらってくださる人がいるからやってゆけるという自転車操業になっている。

 

910日(日)村上園芸及び大和農園洋蘭部 

 トップページのオンシジウムOnc. Sweet Sugar?を見ていたら、なにやら天女の舞でも見ているようでいい気分になってくる。姿が雲に乗って飛ぶ楽器を持った仏のようでもあり、極楽気分になる。

 仏教徒らしいのだが、仏教を意識することはあまりない。ただ、蟻を踏まないように注意して歩いていることはある。殺伐とした世相をみるに、殺生はいかんよ、とおもう。

 

 このオンシジウム画像に刺激されて昨日から蘭自慢の大改訂に着手してしまった。蘭としての最高のページを目指す!、手抜きなし、真っ向勝負、というへんな気負いまで出てしまい疲れる。

それでもよくテレビでつかわれている「コダワリノ」という言葉は好きではない。「求道の」にしてほしいといつも思う。拘泥しているわけで、もとの意味、つまらないことに執着する、というのは職人様に失礼ではないかとおもうのである。

 子供が「・・・そう申されましても」とかみさんに言うと、かみさんは「それは用法が違う。目上の人の前で、対等の二人の間で、相手の発言について言及する際に使うので、目上の人の発言について言う場合には「そうおっしゃられても」というのだ。わかったか」という会話を聞いて「うわー、すげー」とか思っていた。

 こうやって研ぎ澄ましてゆくような日々の歩みというのは蘭でも生活でもあるのだが、こういうのを最近は「こだわり」という「まあがんばってくださいおれにはかんけいないけど」的または、「うざい」に代表される思考停止用語でわきへやるという風潮もあるようだ。

 

 10時半にI氏が迎えにきてくださり、ざっと庭の蘭を眺めてI氏のクルマで堺のダイキベスピア堺インター店を目指す。堺はどれだけ遠いのかと思っていたが四方山話の間にたちまちついてしまった。どんなところかと思ったら郊外型の複合ショッピング施設であった。

 昼飯は石焼ビビンバと冷麺と普段の4倍のコストで張り込んでみた。しかしなじみのない料理ということもあり、よさがよくわからなかった。

 村上園芸は今回あまり大規模に展開しているという雰囲気ではなかった。展示コーナーに立派なラビアタがあり、たいそう香りが良かった。また、見事なMiltonia spectabilis var morelianaがあった。

 売り場を仔細に見物する。最近欲しいものがないのでかなりうろうろした。

 Cirr. fragrance シルホペタラム・フラグランス

 村上園芸(堺) 2006910日 

 オレンジ色の花。フラグランスで仕入れたそうだが、香りはないとのこと。

 

 Dendrobium griffithianum Lindl. 1836 デンドロビウム・グリフィッシーアナム

 村上園芸(堺) 2006910日 

 2葉を頂生し、てかてかする薄皮に包まれた面白い格好のバルブにほれて買ってしまった。

 デンシフローラムに似ており、タイ、ビルマの標高500m程度の木に着生している。バルブに稜がある。花期は春とか。

 

 ここであつかっているMaxillaria rufescensは、通常見かけるものと同様に花が小さい。うちのはMaxillaria rufescens花が大きく、香りもたいそう良かったので実は別種か、よほど優秀な個体らしいと思えた。I氏に自慢をすると分けてくださいとおっしゃる。人に差し上げることにしていたのだが、手元にある間に分けてしまえ、という気分になってきた。また、今年花1つだけという不振の原因究明もすべし、と思えた。

 

 帰り道、途中に大和農園洋蘭部があるので行ってみると、5時を回っていてしまっていた。改装されて以来はじめてくる。しょっちゅう50m以内に接近しながらさっぱり立ち寄ることがなかった。外から温室の様子が見えるため中の蘭を二人して眺めていたが、はっきりいって不審者である。そこへ足音がして屈強そうなお兄さんが現れた。センサでもあるのだろうか。そのお兄さんは、お店の人であった。その後ろから、ネット上でご尊顔を見知った店主の方もおられる。親切にも中を見てくださいとおっしゃる。私は閉店後なので恐縮してきびすを返そうとしたが、I氏はよろしければ、と温室に入ってゆかれた。さすがI氏は踏み込みがいい。温室をさっとみてまわる。店主は「何かお探しのものでも?」(ちょっとおっかない)と聞いて下さるが、こちらはただの見物ですとはいえず、しどろもどろであった。改装でぐっと小さくなってしまった売り場はそれでもなかなか素敵な開花株が目白押しだった。スタンホペア花つき2500円と、ここはいつきてもスタンホペアの花が見られるのがすごい。ふとみると数年探し回っていたPaph. concolor(資料画像)があった。え?1000円。こういう原種パフィオというのは大和農園のようなパフィオの老舗が扱うと「てめえのようなけちが買えるようなもんじゃね、3500円からだ」という雰囲気があるのだが、1000円なら手が出る。結構たくさん並んでいて目移りする。あごのとんがった色の薄いやつと、色がちょっと濃いもの、の2つに絞って考える。あごとんがりは1000円の札が刺さっているが、色の濃いほうは1500円といわれたらどうするか。恐縮しつつ店主に値段を聞き、閉店後に申し訳ないが売って下さいとお願いして買ってきた。

 

Paph. concolor  パフィオペディラム・コンカラー

大和農園洋蘭部 2006910日 1000

  待っていれば手に入るものである。えらくかわいい花である。造作はしっかりしている。

 

 かえってきて、かねて約束のRhyncholaelia digbyanaI氏のお土産にしていただいた。

 

早速Maxillaria rufescensをかっさばいてみる。引っこ抜いてみるとコンポストはミズゴケらしいのだが、黒ずんでいる。昨年買ったときのままだから売った時に耐用年数が過ぎているとすれば1年間コンポストの状態がわるいまま育てたことになり、それで開花不振ということは考えられる。また、3.5号鉢にしてはあまりにもバルブが多く、新芽の数も相当なものだ。こういう混み合った状態だと花芽が出にくいのではないかと思えた。手でぶっちぎって分けたところなんと5株になってしまった。「いや、この種は葉も美しく、株の姿もよく、花も特別なのだからすぐ貰い手が決まるだろう」と気を取り直して、ミズゴケ植えで、プラポット3号(ダイソー10個105円)2つ、素焼2号(明幸園35円?)鉢2つ、2.5号1つに植えた。

 

 Cirr. fragranceなるものは、プラポット3.5号(ダイソー8つ105円)にミズゴケで植えた。

 

 気温が一気に下がった。さむ。昨日までの蒸し暑さが恋しいほどだ。

 

99日(土) 

Lc. Love Knot 'Sato' レリオカトレア ラブノット ’サト’を株分けした。3号鉢からあふれ返っていた。ひっこぬいて2株にわけた。バックバルブの集合が2つ取れた。

 

必要な株には玉肥を入れて歩いた。

 

助かったと思っていたDtps. ‘池袋1がどうもいかんようである。難しいものだ。

 

 

98(金)V. Sansai Blue開花

V. Sansai Blue が開花した今月1、今年117、新規44

 

Dial. Mizoguchi 'Princess KikoBM/JOGAに花芽は3本上がってきている。なんと言ってもキコ様である。大変な需要が発生しているのではなかろうかと思うが、供給も多量なのか価格は安定している。

 

 

97日(木)

バンダは明日開花予定だ。本日はよく雨が降った。

 

花芽が出たドックリリア・ワッセリーは前回雨にぬらしすぎて花茎をだめにした経験があるため軒下に入れて雨に当てないようにしている。

 

Blc.Chia Lin ‘Shin Shyn’にはこれまで見たこともないような巨大なシースが出ている。多分やってくれるのでは、と期待しているが、Blcは苦手なのでどうなるかわからない。人に差し上げたBlc. George King ‘Serendipity’から17cmの花が出たそうである。うちでは15cmくらいだったなあ。

 

96日(水)

9月に最初に咲くのはバンダだろうね。第7回になるそうな。この花が咲かなかった年があっただろうか。

 

Lyc. Jim Riopelleにつぼみが3つでてきた。

 

Cym. Lady Jewel に花芽が出てきた。

 

歴史が好きだと皇室にもある程度関心が強くなる。おめでたいことです。海外の王朝のことを考えるとおどろおどろしいイメージが広がるのだけれど(ロンドン塔とか、パンがなければブリオッシュをでギロチンとか、地下室とか、意味深な宮廷画家とか、トイレにつるしちゃったりとか、実の母をあやめたりとか)、皇室に感じるのは雅だったり、清流の苔むした岩だったり、広壮な伽藍だったり、戦争を避けようと心を痛めた天皇だったり、玉音放送だったり。なんというか、日本でよかったという思いはある。

韓国で「日本沈没」が大ブレークしているそうである。気持ちはわかる。最近の国のデータを見ているとアメリカはあと少しで3億人になる。一人あたりのGDPは37000ドルだったかで日本の34000よりも多い。へー、そうだったのか、となぜか驚く。本屋の本の表紙に他国をさげすむようなタイトルが並んで、日本をいやにたたえている本が並んでいるというのが気になる。こういうのはかっこわるいというか日本らしくないとおもう。私の持つ日本のイメージは現実よりかなり美化されている。実は結構あやうい存在かもしれない。昨日わかいねえちゃんがケータイを見ながらちゃりんこをこいでいたのを目撃した。坂道では出力が足りず、ケータイとハンドルの両方を握り締めて立ちこぎをしていた。結構あやういところまできているかもしれない。あんたらなぜそこまでする。

 

日誌もさすがにサボり基調になってきたねえ。そもそもHPというのも最近はめっきりやっている人を見なくなったような気がする。はやりはブログよねえ。「池袋でなにしてんの」「そりゃブクロ」

情報発信というのは労多くして得ること少なし、ということを皆さんよくご存知なんでしょう。「ブログの炎上」について本日はいろいろ例をみて震え上がっていたんですが、なにやら危ないんですなあ最近は。書いてあることがとげとげしいというか。この間の中学生の自殺についても「そんなことで自殺するのか。弱すぎ」などと書いてあって、その無慈悲ぶりに突っ込みたくなりましたねえ。お強くていらっしゃるんですな。人間本当にたまたまいろいろ重なる立場に立つことがあるので、そういう状況でゆすぶられていると普段強いと思っていた自分でも案外もろいということがわかるんですが、まあそれも経験というやつで時間がかかるんですな。今日のようにめでたい日にも昨日の尼崎に続き西宮でも物騒な事件がつづいているようで。

 

なんでHPやってんでしょうか。まあ蘭は素敵だ。縮小基調とはいえ蘭は面白い。だから蘭のアルバムは毎日見ていても楽しめる。ものを書ける幸せというのもある。蘭を見るひと時には疑いようもない喜びがある。

 

95日(火)

杭州カンランに花茎が出てきた。2本も。うひひひひ。

 

94日(月)

ドックリリア・ワッセリーに花茎が出てきた。

 

93日(日)

涼しくなったので、蘭の棚の再編成をしていた。できるだけ多くの日光を稼ぐためである。棚に直射日光がかかっている場所があり、今後注意を要する。棚の覆いからさらに遮光ネットをたらすというようなことをする。

 

株分けして植えたOnc. Twincleに花芽が出た。

Lyc. Jim Riopelleに花芽が出た。

杭州カンランに花芽が出た。

 

新芽が出たカトレアなどに肥料をやりたくなったが、玉肥が見当たらなくなった。化学肥料の玉を必要な株に与えた。

 

相互リンクの申し込みがあったので、掲載した。

百花繚蘭:Ryoさんの熱意のこもった蘭のページ。なんだか初々しくていいねえ。蘭にはまったころはこっちもかなり元気だったけれど、なにやら枯れてきたというか、落ち着いてくるとこういう元気がまぶしい。

 

台風12号はそれた。これに直撃されたらたまったものではなかった。

 

温泉疲れというか、まあなにやらお出かけが楽しいというとしでもないなあと思う。読んだ文庫が悪かった。

 

9月2日(土)

最低気温は18度だったらしい。

 

夜、気温が下がったので肥料をかますことにした。硫酸カリウムをひとにぎり、可溶性燐酸だったかを一握り50Lポリバケツにいれ、ハイポネックスをキャップ1杯20ml、HB101も1mlいれて50Lに薄め、蘭に如雨露で与えた。リンカリをかますのは花芽をつけるためのこの時期の手段である。自己流だからあまりすすめられないが。

 

明日は蘭のメッカ豊橋で蘭友会の会合が開催されるのであろうか。

 

一日普通電車で旅行をしていた。頭が痛い。孝行したい時に親はなし、とならないように城之崎温泉にご招待である。

歩いていると「つるや」という旅館があり、桂小五郎(明治後木戸孝允)の潜伏先と石碑が建っていた。おお、司馬遼太郎逗留の石碑まである。私はこの桂小五郎こそが維新の最重要人物だとおもっている。

禁門の変で長州藩は薩摩藩にめためたにやられて主要な公卿7名は長州に都落ちし、長州の若い人材の多くが死亡、桂小五郎自身も乞食に身をやつし、京を離れ、出石に隠れ住んだ。そこも追捕の手がのび、ここ城之崎温泉のある母娘の宿に潜伏していたのである。

維新の狭隘部とでもいおうか、かの巨魁は長州にも帰れず、静かにここでさらに先の戦略を練っていたのだろうか。長州藩の朝廷奪取作戦失敗で幕府から攻められる立場になり、藩論も反対勢力が巻き返して桂は身動きが取れなかった。逗留中たしか子供が出来たが流産したような記述を読んだ覚えがある。育っていれば大変な重要人物になったのではないだろうか。実に惜しい。

長州藩を引っ張り、薩長同盟の長州側代表、明治政府の重鎮と常に中心的役割を果たしてきたにもかかわらず、いやに評価が低いような気がする。たぶんやたら逃げ足が速かったからじゃないだろうか。大変な剣の使い手でありながら、新撰組に追われれば便所の窓からでも逃げてしまう。私などはそこがえらいとおもう。逃げねばならない理由があったからだ。吉田松陰の理念の継承者でもある。本当にえらいなーとおもうひとは大衆はあまり好かないらしい。萩、京、江戸、城之崎、アメリカ、ドイツとあちこちで足跡に触れることが出来る静かなスーパースターだった。この人の移動距離を誰か調べて欲しいとおもう。当時では多分ダントツではないだろうか。

 

91(金)

23時に21℃である。花芽が付きそうな涼しさだ。

2004年は9月1日から大晦日までに48株が咲いた。その調子だと、1年間で164株の開花ということになる。

 

台風がおっかなそうだ。あれが来たら死人が出るだろう。その人はいまごろ何をしているだろうか、などといつも考えている。さらにはそれが自分かもしれないとあれこれ想像しておく。そうすると少しだけ備えが早くできる。

 

宿題地獄が終わって本日は祝賀ムードであった。

宿題が出来なくて自殺?というようなニュースを聞いた。夜更けに焦りつつ宿題をしていたそうである。

発見された時刻、うちでも宿題地獄からの脱出作戦が展開されていた。リビングは連日連夜事務所のような熱気であった。子供らは休みじゅうなにかしら宿題をしていた。だからまあたしかにそういうことは世間でおこりうるかもしれないとおもった。こういうことはなぜか兵庫県で起こる。

確かに今年の宿題の量は尋常ではなかった。たとえば中学では、英語:ノート一冊を学習かきなぐりで埋める+英語夏休み帳:15時間。数学:数学夏休み帳:4時間。理科:理科の夏休み帳、自由研究(これにのべ80時間を費やす):85時間。社会:夏休み帳と歴史新聞作成:4時間。国語:平安から近代までの文学をノートにまとめる:3時間。課題読書感想文最低1200字:10時間。家庭科:被服か調理(エプロンを作ったそうな):3時間。技術:生活に役立つものを作る(メモスタンド)2時間。体育:体育大会表紙絵:1時間。書道:2枚:1時間。人権標語とポスター作成:2時間。美術:1学期作品の仕上げ:2時間。(時間は見積もり)

親としてはこの内容を見て絶句し、すわ一大事と攻略法を考え、指示し、監督し、尻をたたき、時には本気でなりふりかまわず手伝ったりもした。

実は私も本日レポートの提出があった。こちらはわずか9pである。それでも一ヶ月間のたうちまわり、結構苦労した。当事者は大変だが出すほうはどうなのだろうか。

出すほうはそれぞれの先生がこれくらいならと出すのだろうが、それも全部あわせると結構危険な分量になっている。だから、先生方も他の先生が出した宿題を全部やるべきと思える。私の子供時代からすると到底やりきれないほど出ていると感じた。

そういえば読書感想文がかけなくて読んでもいない本の解説を読んで捏造した経験がある。正直者だったわたしはこの詐術に悩み、読書が嫌いになり、27歳までろくろく読書をしなかった。それ以後1600冊を読んだことを思えばあの夏休みの宿題でのあやまちで多感な時期に多量の読書をしそこなったことになる。その損失は計り知れない。その読書感想文の本は山本周五郎の「ちいさこべ」だった。これを読むまで20年かかった。

それでもあいかわらず読書感想文はもとめられている。しかも原稿用紙3枚以上1200字も要求されている。課題図書は相当面白くなかったそうで、読むのに3日、書くのに2日という憂鬱な時間を過ごしたそうである。

宿題は丸投げの要素が強い。やってあるね、よしよし、でおわりである。あれほど苦労したのに「よし」と言われて終わりという拍子抜けした経験を思い出す。インセンティブがどこにあるのか?。理科の自由研究は評価してくれるようで、これは気合を入れた。それくらいである。最近の中学は実力テストというのを休み明けにやる。そこで夏に何をしてきたか、ということをスルドク問われるわけである。それを評価といって喜んでいるやつはまあいない。

恐ろしいのは、塾とクラブとこれら宿題をやっている学生さんである。まともにやっていたら夏休みが足りない。いきおい私がやったような「うそっぱち感想文」のようにええかげんな仕事を積み上げることになりはしないか。そういう評価もされないええかげんな勉強の間にクラブだ塾だと追い回されたひにはもうやっとれんという気分になり夢も希望もなくなってしまわないだろうか。おっさんの私なら数式だらけのレポートもまあ味わい深くやっつけることができるが若い人にはあんまりではないか、と子供らを見て思った。夜中の2時に(わしも仕事があるのに)自由研究の実験装置の写真を撮影して打ち出す作業をしつつ、こうやって子供を守っているのだなあ、と思っていた。

提案:宿題は統括管理者を学校に置いて内容と量を吟味すべし。夏休み帳は一本化すべし。読書はさせても読書感想文は廃止。かわりに授業時間読んだ内容を発言させる。作文は、読書感想文なんぞやめて、テーマを決めて論じる論説文を書かせるとよい。

 

そもそもこんなに宿題が出たら日ごろやっている戦略的な勉強の予定が吹っ飛ぶ。お勉強の巧者としたら宿題という障害をさっさとやっつけて、攻めと守りの鍛錬を自分でやる時間が夏休みである。学校てのは知識を吸収するのが主眼じゃなくて勉強の仕方ってのを学び取って、その技を磨きに行くところじゃないのか。「えー、ならってません」なんてたわごとを言うようなところではない。評価を伴わない宿題が多すぎてええかげんな作業をしていたら技が鈍る。教育を受けるほうは、義務教育の発達した日本に生まれた幸せを実感していない。日本で稼げなくても世界で稼げばいいのである。さしてお金をかけなくても学びたければ多くを学べる。教育や学びのありがたみを認識せず自主性を喪失しているから変な宿題が出る。

宿題がわるいとはいわない。うちは全員勝った。とりあえず勝てばOKだ。

 

 

日誌2006年8

 

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