FAQ 蘭の健康

2005年1月29日

掲示板で最近質問がよく出てくる。夜中までたっぷり記述作業があるため「プリンス礼須川瑠偉(レスが悪い)」になりがちだ。よく聞かれる質問を想定してFAQを作成した。記述するにつれなにやら救命救急医のような気分になってきたなあ。

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大風呂敷を広げて枠だけつくるから中身が充実しないのだろうなあ。1つずつ収集してゆこう。

 

Q:ちっとも咲いてくれません。どうしてでしょう!

A:こちらを参照してください。→咲けよ蘭

 

Q:「化学肥料と油かす・骨粉にどのような差があるか」

A:化学肥料というのは、合成して精製した純物質を「これなら効くのではないか」という研究された比率で混ぜたもので、賢しらな人間様が混ぜたもの以外は入っていない。カリウムイオン、燐酸イオン、硝酸イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、マンガンなどが入っている。一方油粕骨粉肥料は天然素材なので、いろいろ複雑なものが入っている。骨から燐酸カルシウムが、油粕からアンモニアや硝酸イオンがでてくる。そこへもってきて虫がわく、うじがわく、カビが生える。それらの生物の作用でまた複雑な有機物やらがでてくる。この微生物の活動がよかったりわるかったりする。天然には化学肥料はないかわりに大気中のNOxを硝酸イオンとしてとりこんだり、運よく鳥のうんこがひっかかったり、カエルやイモリや虫が近くで死んでくれたりして栄養にしている。長い目でみると後者をつかうべきで、におう時期は前者をつかうとよい。差があるか、といえば、あるんでしょう。データはもっていない。

 インスタントラーメンは食べれば腹は太るが、毎日それだと体をこわす。ゆえに肥料も、時期に応じ、液肥、100円ショップの肥料ボール、マガンプK、油粕骨粉、こうもりのうんこ、ラン展でもらったおまけ、などさまざまをやっている。このため肥料に差があるか、という問いをもったことはないので答えられません。どっちかで行く!とおっしゃるのだったら「やめたほうがいいんでないの。なんかラーメンばっかたべさせるみたいでかわいそう」というほかはない。風呂の湯は肥料になるか、と昨夜は真剣に考えながらやってましたねえ。よくなかったりして。

 肥料の要諦は、必要な時期に必要なものを、なので油粕骨粉が向く時期や、液肥が向く時期、ある種の化学肥料が向く時期があるようです。もちろん種によってもえらく異なります。それらを1鉢ごとに判断し、今は液肥だけ、あんたは玉肥5個!、やらん、化学肥料1個、などとやっとるわけです。真冬だろうが、戦略的に必要と認めた場合はばしばしやっています。はずせば株はダメージをうけますが、私はあまりはずしたことがない、と思っています。

 

Q:「空気循環は24時間必要か」

A:自生地でも夕凪はあるかもしれず、夜間CO2をたくわえるのかどうか忘れましたが、熱帯の風は時間により変化しますのでタイマーでそれにあわせた制御をするのがいいかもしれません。しかしながら熱帯の風の時間変化を知るわけもなく、タイマーは余分なコストもかかることから我が家ではずっとまわしています。 

昼間はむれや日焼け防止、夜はCO2を吸わせるためと思えば、まわしっぱなしでよろしいのではないでしょうか。ファンはとまっていると泡をくうほど必需品に思えています。ファンなしでランをやっていると聞くと「気は確かか?」と思うほどです。

ちなみに電球だの蛍光灯だのもええ感じです。基本的に電気のつけっぱなしで危ないので多くは書いていませんが、かなり汚い手をいろいろつかっておるわけです。ヒーターなども電気毛布を使ったりしてます。目的外使用なので自己責任でやっているわけですが、ラン用のヒータのことを考えると恐ろしく安いわけです。しかも面積が広い。程よい赤外線がランにあたるわけだし、人間様が寝るものだから安全に作られていないはずはないでしょう(線の断線には気をつけていますが)。

あと、熱帯魚の水温調節器は2500円と安い。あれで電球の制御をしています。18度を切ると電球がつくわけで、人がいて暖房している間は消えているわけです。

 

Q「前回の開花と今回の開花で花の色がちがうが、よくあることなのか」

A:花は咲くたびにいつも微妙に違うように感じます。気候変動や、扱いの変化で生育にばらつきが出るためではないでしょうか。蘭展でBc.マイカイマユミの色違いがならんでいました。個体は同じなのに濃い色と薄い色と、環境でくっきりちがってきます。

 

 

Q:デンファレの根本が枯れて、高芽が出ました。秋ですが植え付けてもいいでしょうか。

A:うちでは温度が保てず高芽をとっても寒さで弱って枯れてしまいます。2号素焼鉢に植え付け、出来るだけ暖かく13℃以上を保ち、よく乾くまで水を与えないようにします。なかなかリスキーですが、暖かければ大丈夫でしょう。

Q:シースのあるバルブの根本から新芽が出てきました。蕾が出るかどうか心配になりました。

A:カトレアはケースバイケースです。新芽が出ていながら蕾がふとってきたものがあります。完成したバルブにシースがあり、その根本から新芽が出てきた場合、新芽の完成を待ってその両方に花芽が出る場合もあります。私のようなシロウトの場合こういうケースではどっちも蕾が出なかったと言うことはよくあります。「シースが出たって開花は5割」ぐらいに思って置いた方がよいようです。

 

Q:キンギアナムは寒さに遭わせたのに花芽が出ませんでした。

A:キンギアナム系は寒さに遭わせる必要がないデンドロです。花芽が出たら室内の比較的暖かい、乾燥しすぎない場所で、乾いたらすぐに水をやるような管理をするようです。

 

Q:フォーミディブルの管理の仕方を教えてください。

A:夏涼しく、遮光50%、鉢小さめ(1株バルブ2本3号鉢くらい)、水多め。冬は加温8℃以上。花が咲いたら皿水とか。開花は5月か11月。結構管理でてこずるのか中級の蘭みたいですね。

 

 

専科

蘭を見分ける 開花株の取り扱い

シンビジウム デンドロビウム デンファレ 胡蝶蘭 オンシジウム カトレア パフィオペディラム バンダ ジゴペタラム

原種

 

症例

つぼみがピンチ

 茶色くなった 黄色くなった 食われた 折れた ひっかかった 

新芽がピンチ

 茶色くなった 折れた・折った 止まった 

葉がピンチ

 葉がたれてきた 葉にしわが寄った 

花が咲かない

茂るばっかり やたら増える ずっとマイナス成長

変な虫がいる

 白い虫が這う 丸くて平らなものが張り付いている 粉を吹いている 

害虫対策

 ナメクジ バッタ ダンゴムシ コナカイガラムシ カイガラムシ

株がピンチ

 ぐらぐらする 新芽が出てこない どんどん葉がおちて クール系を避けろ 

 

養生

 日光を稼げ 電球でも稼ぎにはなる 

植え替え

 水苔は2年を越すな 気根を見極めてコンポストを選べ 

遮光

 遮光で手を抜くな 40%と60%を使いこなせ

肥料

 NPKを覚えろ 株の状態に配合比をあわせろ 

水やり

 乾いたらやる 鉢底からたっぷり出せ 雨は低温で当てるな 乾かす

加温

 加温が必要な種をみきわる 加温は戦略 

涼しく

 夏は蘭もばてる 涼しさで大きな差がつく 遮光と気化熱で乗り切れ

 

産分科

株分け

バックバルブ伏せ

高芽取り

種のあつかい

里子

 

 

手術

 

集中治療室

高温室

低温室

 

ご臨終

枯れた

 

蘭中毒

蘭中毒とのつきあい方

蘭が欲しい

蘭を買う 蘭をもらうには

 

 

 

 

専科

シンビジウム

ラン科・地生ラン、開花時期11月〜5月。

育て方:寒さに強い洋ランで、温室でなくても十分に育てられます。適温は10度前後です。花後は十分な日光に当て、花芽が大きくなった頃に室内に取り込みます。春に屋外で咲かせることも出来ます。

必要な用土/肥料:水苔。置肥・液肥(1000倍)。

水やり/施肥:水は鉢底か流れ出るように与えます。冬は水を控え、週に2回程度植え込みが乾いたら与えます。生育期は毎日与えますが、数日与えなくても生育に影響はありません。施肥5月から7月まで、置肥を月1度、液肥を1週間に一度与える。他の期間は与えない。

病虫害/予防法:ダニ類、ナメクジがまれにつくことがあります。ナメクジにはナメキール、ダニ類にはオルトランが有効です。

デンドロビウム(ノビルタイプ)

ラン科・着生ラン、開花時期11月〜4月。

育て方:寒さに強い洋ランで、温室でなくても十分に育てられます。適温は10度前後です。花後は十分な日光に当て、11月末ごろ室内に取り込みます。

必要な用土/肥料:水苔。置肥・液肥(1000倍)。

水やり/施肥:水は鉢底か流れ出るように与える。10月から4月まで回数を少なくし、生育期は毎日与える。数日与えなくても生育に影響はない。施肥5月から7月まで、置肥を月1度、液肥を1週間に一度与える。他の期間は与えない。

病虫害/予防法:ダニ類、ナメクジがまれにつくことがあります。ナメクジにはナメキール、ダニ類にはオルトランが有効です。

デンドロビウム(デンファレタイプ:裏に絵が描いてあるから見分けられるらしい)

ラン科・着生ラン、開花時期9月〜2月。

育て方:花後冬は水を控え、出来るだけ暖かいところに置いて育ててください。寄せ植えは、素焼鉢に水苔で植え替えれば生育がよくなります。適温は15度以上です。花後は十分な日光に当て、つぼみが出来た頃室内に取り込みます。

必要な用土/肥料:水苔。置肥・液肥(1000倍)。

水やり/施肥:水は鉢底か流れ出るように与えます。生育期は毎日与えるが数日与えなくても生育に影響はありません。施肥5月から7月まで、置肥を月1度、液肥を1週間に一度与える。他の期間は与えない。

病虫害/予防法:ダニ類、ナメクジがまれにつくことがあります。ナメクジにはナメキール、ダニ類にはオルトランが有効です。

胡蝶蘭(ファレノプシス、ドリテノプシス)

ラン科・着生ラン、開花時期:通常4月〜7月。

育て方:花後冬は水を控え、出来るだけ暖かいところに置いて育ててください。寄せ植えは、素焼鉢に水苔で植え替えれば生育がよくなります。適温は15度以上です。花後はレースのカーテン越し程度のやわらかい日光に当てます。

必要な用土/肥料:水苔。置肥・液肥(1000倍)。

水やり/施肥:水は鉢底か流れ出るように与えます。冬は回数を控え、週1回程度です。生育期は植え込みの表面が乾いたら与えますが不在等で数日与えなくても生育に影響はありません。施肥は8月を除く5月か10月まで、置肥を月1度、液肥を1週間に一度与えます。他の期間は与えません。

病虫害/予防法:カイガラ虫類、ナメクジがまれにつくことがあります。ナメクジにはナメキール、カイガラ虫類にはマシン油が有効です。

オンシジウム

ラン科・着生ラン、開花時期:品種により異なります。

育て方:冬は水を控え、出来るだけ暖かいところに置いて育ててください。適温は10度以上です。冬は窓越しの直射日光にあて、春から秋にかけてレースのカーテン越し程度のやわらかい日光に当てます。

必要な用土/肥料:水苔。置肥・液肥(1000倍)。

水やり/施肥:水は鉢底か流れ出るように与えます。冬は回数を控え、週2回程度です。生育期は植え込みの表面が乾いたら与えますが不在等で数日与えなくても生育に影響はありません。施肥は8月を除く5月か10月まで、置肥を月1度、液肥を1週間に一度与えます。他の期間は与えません。

病虫害/予防法:カイガラ虫類、ナメクジがまれにつくことがあります。ナメクジにはナメキール、カイガラ虫類にはマシン油が有効です。

カトレア

ラン科・着生ラン、開花時期:品種により異なります。

育て方:花後冬は水を控え、出来るだけ暖かいところに置いて育ててください。適温は10度以上です。花後はレースのカーテン越し程度のやわらかい日光に当てます。

必要な用土/肥料:水苔。置肥・液肥(1000倍)。

水やり/施肥:水は鉢底か流れ出るように与えます。冬は回数を控え、週2回程度です。生育期は植え込みの表面が乾いたら与えますが不在等で数日与えなくても生育に影響はありません。施肥は8月を除く5月か10月まで、置肥を月1度、液肥を1週間に一度与えます。他の期間は与えません。

病虫害/予防法:カイガラ虫類、ナメクジがまれにつくことがあります。ナメクジにはナメキール、カイガラ虫類にはマシン油が有効です。

バンダ(ブルー系)

ラン科・着生ラン、開花時期:通常6月〜12月。

育て方:ブルー系バンダは、バンダの中では比較的耐寒性がある種類が多いようです。花後鉢に入っているものは根を露出させつり下げて育てるとよいようです。冬は出来るだけ暖かいところに置いて育ててください。適温は15度以上ですが8度で越冬可能です。冬は窓越しの直射日光で育て、夏はレースのカーテン越し程度のやわらかい日光に当てます。

必要な用土/肥料:木またはプラスチックのバスケットを使い、ぶら下げて育てる。液肥(1000倍)。

水やり/施肥:水は霧吹きで株全体に与えます。水はほぼ毎日与えますが不在等で数日与えなくても生育に影響はありません。施肥は5月か10月まで、液肥を1週間に一度与えます。他の期間は与えません。

病虫害/予防法:ほとんどありません。葉が落ちる場合はより暖かい場所に移すようにしてください。

 

原種

 原種とは自生種のこと。ある特定の環境に順応した自然種。ランの場合原種には明瞭な違いや特色があるものがおおい。原種といっても均質なものではなく、これはひょっとしたら異種ではというような変種や、数限りなく個体差が見られる。多くの原種にはまる場合と、特定の原種の個体差で集める場合(セッコク、フウラン、ワルケ)など愛好家もさまざまである。

 カトレアの原種を集める、という絢爛豪華な楽しみ方もあるが、愛好家が多くて大きな市場がある反面お値段もはる。

 雑多な原種は値段も安く、みょうちきりんな蘭の数々が楽しめる。ただ、種類は25000種もあり、手の届く範囲に1000種はあってコレクションが大規模になる恐れがある。バルボ専門、パフィオ専門、というようにある程度区切りを設けておられる方もいる。

 原種の情報は限られており、文献に当たってしらべるほかはない。英語が読めればネット上には原種について集大成したサイトがあるのでこれをもっぱら参考にする。いろいろな原種を手がけるためには英語は必要である。

 購入は原種を多く扱うナーセリーとある程度親しくなる必要がある。

 

 

 

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