蘭病害虫疾病対策局

2005年9月16日

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年中快調に咲きまくる蘭であるが、鉢の数が増えて目が行き届かなくなるといろいろ事故、葉やけ、害虫、病気などにやられる事件が起き始めた。これは日々蘭の安全を願い、敵と戦う記録である。

 

目次

害虫:バッタ、ナメクジ、コナカイガラムシ、カイガラムシ、アブラムシ、スリップス、ハダニ

事故:葉焼、落下、冷害、蒸れ

病気:ウイルス感染、軟腐病、黒点病、斑点病、スス病、葉枯れ病、

 

 

害虫

バッタに蕾を喰われた!

蘭の蕾を喰う奴と言えばナメクジと相場が決まっていた。ナメクジには鉄壁のセキュリティを誇っており、これまでナメクジにひどいめにあわされたことはなかった。ところが一般に知られていないもっと凶悪な奴がいたのである。

200396日午前10時頃、庭のはずれの蘭の棚にLcシレリアナを見に行くと予想通り開花していた。だが何かが変だ。昨夜ほころび始めたつぼみは2つあった。うわっと驚いたことに、もう1つのつぼみは喰われていた。よく見ると容疑者が花茎の根本で腹を膨らませてくつろいでいた。

写真に写っている喰われた蕾のほかにしなびて取れてしまったつぼみがあるが、これも数日前この種類のバッタに喰われたのだと考えられている。その蕾が無惨な姿で見つかる直前に容疑者のバッタは開花途上のBlc. Dal’s Horizonの花のリップに乗っていた。有力な容疑者と考えられていたのである。その花は花粉まわりの故障で不調になりしおれてしまった。なんという悪いやつであろうか。

被害者の蕾のアップである。うわー、痛そう。よく観察して周辺にナメクジの這ったあとはない。

このバッタの撮影をして、取り調べを行った。私は触覚をつまんで所払いの場所まで引っ張っていった。「いてててて、放せコノヤロウ」と暴れる。触角が取れてしまった。「おのれ、神妙にいたせ」

実に不敵な面構えではないか。

 

「つぼみ喰ったくらいでがたがたいうなよ。ほれ、返してやるぜ」とばかりに私の目の前でクソをしやがるのだった。ああ、変わり果てたお姿に。

二度もバッタに喰われるとは恥ずかしい失敗ではある。しかしまあ開花しているんだからと少々余裕がないではない。これで5種類のカトレアが咲いているという華やかな状態である。

みれば足が2本足りない。「身障者であったか。まあいい、放免してやるから、失せろ」、とこのときは仏心があった。

 

夕方になり被害者のカトレアが全開になったときリップが喰われているらしいことがわかった。やり場のない怒りを感じるが後の祭りであった。

 

カトレアの素晴らしい写真は撮れなかったとはいえ、

「バッタも……カトレアの蕾を喰う」

という新たな知見(トリビア)を得たのでよしとしよう。(4「へー」くらい?(^^;)

 

反省

 かように凶悪犯罪が起きるのは温床があるからで、みれば棚の周辺は草などがいっぱい繁茂している。そこで懸案だった庭の草抜きをすることにした。草があればバッタが来るのは当然である。そういえば夜回りをすると必ずヤブ蚊にしたたか血を吸われかゆい思いをする。それも庭が草ぼーぼーだからにちがいない。庭中多量に紫蘇が生えているのでちょっと儲けた気分になっていたのだが別に全部酢の物や刺身のつまにつかえるわけもなく、大半が不要なので抜いてしまう。そもそも勝手に生えてきたものだ。表も裏も雑草という雑草をせっせと抜くと汗だくになった。

 

その後

 喰われたつぼみだったがしっかり咲いてくれた夜中にみまわっているとLc.シレリアナの上で触覚が動いていた。またあのバッタである。見るとシースから蕾が出ていた。これからいただくところだったのか、食べ頃を待っていたのかも知れないがなんにせよ危ないところだった。とりあえず屋外は危険なので室内に持ってはいる。今度喰われてはたまったものではない。

取り込んでいた蕾カトレアをみると小さなバッタが蕾のそばで食べ頃を待っていた。とりあえず無傷でほっとした。点検して取り込んだはずなのに易々ととりつかれている。棚でも同じ種類のバッタをつかまえた。何かうまい手はないのであろうか。

 

 

カイガラムシ

カイガラムシは白い貝殻状の殻で葉に張り付いているためこういう名前なのであろう。英名をscale insectsといい、半翅目カイガラムシ科および近縁の科の昆虫の総称。一応虫なのである。メスは、脚、触角、複眼、羽がなく、葉に丸く張り付く。オスは脚、触角、複眼、後ろ羽が退化しているが羽をもっている。排泄物にスス病菌が繁殖する点がまたけしからん。

コチニールという色素がある。繊維の赤い染色に用いる高級染料でカイガラムシからできている。白い饅頭のようなもので、樹木に引っ付いていたのをつぶして遊んだ記憶がある。内部は赤かった。

蘭につくカイガラムシは平べったい円盤状をしており、これが張り付いているとカトレアの葉などはくぼんでしまう。カイガラムシが居なくなったあと、くぼみが残ってかっこ悪いこともある。無論葉から養分をちゅーちゅー吸っている不埒者だ。弱ると多くたかって気持ちが悪い。葉の裏に多く、カトレア、オンシジウム、胡蝶蘭に良く出る。日ごろからよく葉を観察して見つけたら指でこそぎ落とすこともできるが、歯ブラシでひっかけて落とすのがとりにくいものもよく落ちる。弱ったからつくのか、つくから弱るのか、つけばさらに弱るので防除に越したことはない。カイガラムシにたかられた株は、防除もふくめより手入れをして、弱りの原因も考えながら丈夫な株に育てたい。

よく効く薬剤はスプラサイドだが、そうそう売っておらずおとりよせだろう。購入には記帳と、免許書、印鑑(またはサイン)などが必要だ。

 

 

ハダニ

ハダニは目ではあまりよく見えないほど小さい害虫だそうで、実際に見たことはない。デンファレの花びらの上をゆっくりと動く赤い点を見つけたことはある。ダニはたしかにこういう大きさだろうなあ、というえらく小さい点だった。白い花の上だから目立ったが、葉の上ではわかりにくいかもしれない。ハダニにおかされた葉の写真を見ていて思うのは、「なんだ、このかすれは。ひょっとしてウイルス?」とウイルス感染を疑ったオンシジウムの葉にそっくりの症状である。健全な組織の間にかすれたような黄色い組織がまだらに広がっている。シンビジウムにも良く出るという。葉がよじれたり、白い点がでたり、葉の裏がべたついたりするという。ウイルスみたいに見えるのでいやだったのだが、本腰をいれて薬剤などで防除すれば葉がきれいになりウイルスでなかったことがわかる。ハダニは、葉水をして防ぎつつ、葉の裏に薬剤をかけることで防ぐ。薬剤はケルセンやアカールなど複数の薬剤を数回かわるがわる散布するのが効果的らしい。

 

 

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