蘭学事始

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更新2004-01-01

ラン科の植物は地球上に約750属2500種が存在するといわれている。多いのか少ないのか見当がつかないが、種子植物中最も種の数が多い、といえばなにやらすごいと思わせるものがある。いうまでも無いが種子植物というのは、平たく言ってタネで増える植物で、現在の地球はこのもっとも進化した植物で覆われている。タネで増えない植物というのは、胞子で増えるシダ類、コケ類やら、キノコ類、分裂やらよくわからない増え方をする原始的な藻類などで、これらは探して見に行かなければ普段目にすることは無い。目にする植物のほとんどが種子植物で、25万種を超えるそれら種子植物のだいたい10%の種がランだというのだから実にすごいのである。そのすごいランのすごさを勉強してみたいというページであった。

 ラン科の分類 

「属」ってなんやねん?

ランをやっていると「属」ということをよく意識するようになる。普段は植物をせいぜい科でしか見ず、ユリ科にはゆり、チューリップ、ヒヤシンス、ムスカリなどの属があるのだろうぐらいにいまでは思っているが、これまで気にしたことも無かった。チューリップはチューリップであり、ヒヤシンスはヒヤシンスで明瞭だからであろう。しかし、ランではこれが大変気になりさながら時代小説を読むときの「徳川家」「毛利家」的なある種家系のように気になるのである。「レリオカトレア御家中アロハケースは、かのミニパープルとワルケリアナの嫡子としてその質英傑と誉れ高いとのこと」「おお、ご母堂はワルケリアナさまであられましたか。さてもリップの涼やかなことは血が争えぬ」的なことをラン数寄はやっているのだった。時代小説の人物はあちこちの家が人物のやり取りをして出自が気になるようにランはほかの科では見られないほど形態の異なるものが交配できてしまう。チューリップ×ヒアシンス×ユリ×たまねぎというものは考えられないが、ランではそのあたりに実に多くのいろいろがありえる。それだけにあいのこがあまりにも多く、ものと出自を意識するようになるため、どうしても属を気にする羽目になるのである。

属については、植物図鑑や辞典にも「種をあつめたもの」程度にしか載っていないのがけしからんと思うのだけれど、シルホペタラム属がこの間までバルボフィラム属だったり(有名な種が出てきて分家でも立てたかな)、多くのランの属名がころころ変わるところをみると案外いい加減なものかもしれない。属とは、種をその共通する特徴的な形態でくくったもの、と定義してよいのではないだろうか(ろくろく調べずに言うのだけど)。きっとシルホペタラムは、バルボフィラムの中にあって花に特徴があったため、新たに分家を立てることが出来たのであろう。しかし、その一方でエンサイクリアは改易になってしまい、もとのエピデンドラムに吸収されてしまっている。このあたりの属の成立と滅亡の学問的な話はまだよく分からないが興味があるのでさらに勉強しよう。

作成中の属名リスト ラン属データベース

 

ランはいつごろ地球に現れたか?

恐竜はいまから5000万年前に滅亡したとか、哺乳類はいつごろ現れたとかよく言われるんですが、植物については皆さんあまり関心が無いのかよく知られていないし、記述がほとんど無い。

ランを含む大きなグループである種子植物が古生代の二畳紀ごろ「ソテツシダ類」から進化したと考えられている(参考書がふるい。最近はちがう説が出ている)。ざっと2億年まえだ。ランは種子植物の中ではもっとも後発で、地上に現れたときはもう先輩の種子植物に多い尽くされていて、木の上で居候みたいに生えていたり、岩の上とか、日陰の地面とかしか残っていなかった。もっと早く地上に現れていれば高さ40mのランの大木なんてものがあったかもしれない。

まあそういうわけで、そのあたりを調べています。

 

つづく。

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