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2007年2月前半

 

2月18日(日)

Epi. porpax aureumにつぼみが出た。こんな時期に咲く蘭だったろうか。

寒い一日であった。それでも蘭がからからなので庭に出して水やりをしていた。かなりの数のつぼみがある。Asctm. miniatumDen. aggregatumIonettia Cherry DanceMax. porphyrostelePaph. gratrixianumPaph. primulinum苔玉胡蝶蘭Pollardia pterocarpaソフロレリオカトレア・プリンセスペルー ‘ラブ’、等。

花茎も多く出てきた。Slc. Rocket Burst ‘Deep Enamel’ HCC/AOSカトレア スキンネリ、、、等である。

弱った蘭もいくつかあり、Trichoglottis pusillaDen. unicumPaph. glaucophyllumデンドロビウム・クリソプテラムなどがかなり危ない。

Den.scabrilingueはどうも枯れてしまったようだ。

Angraecum leonisの葉がよく落ちるのがちと心配である。

 

 「蘇る蘭」

6.

 「雲南は温暖多雨の気候で、標高も高く、人間の多い中国にあってもなお秘境の部分が残されている、か」学生伊藤のガイドブックをよみながら田端が独り言を言う。「伊藤君。これすごい荷物だねえ。これ持って山に登るの?。なにこの『萌えワールド』って。『メイドさん写真会で萌えまくれ』ってちと古くない」

「でへへへ。警部こういうの好きっすか」

 「(うわ、典型的バカ学生じゃん。ひょっとして分数苦手とか?)いんや、この年になるとさっぱり(なんでこんな萌えデブなんかつれてきたんじゃろうか)。まあ重そうだからふもとのホテルにおいていった方がいいんじゃない」

 「でも結構足腰には自信があるんっすよ」

 「ああそう(あー、まじかよ。でぶのくせに。でも何度も来てるって言うし)」

 「街から船で移動です。途中までは観光船ですが、途中の村で小船を借ります」

 「ふーん。それにしてもあの山すごいねえ。細長いって言うか、あんなにょろにょろみたいな山がたくさん生えていて妙なところだ。たしかに水墨画みたいで素晴らしい風景だけどなあ」

 「にょろにょろってなんですか」

 「おじさんたちの思い出の中の生き物だよ」

 「あの山はもともとあのてっぺんより上まであったのが侵食されてこんな形になったんですよ。石灰岩の大きな塊があって、川に削られる侵食のほかに、石灰岩自体が炭酸ガスを含んだ水に溶ける性質があるので見慣れない地形ができるようですね。石灰岩っていうと2億年位前の古生代の生き物の死骸が積み重なって出来た岩なんですよ」

 「じゃあこれぜんぶ骸骨の山?すげーなあ。想像もできん。何百メートルもあるぞ」

 「骸骨ったって珊瑚礁がつみかさなったようなもんなんですけどね。広さもすごいですよ。幅数百kmになるところもあります。大昔それがプレートで数千キロも運ばれていつか陸地になって、侵食されてこういう面白い土地になるんですねぇ。いやあロマンだなあ」

 「なるほど学生君、学があるねえ」

「先生は山奥にある大きな洞窟をさがしていましたよ」

 「洞窟?。そんなもんまであるの。そういや石灰岩地帯ってのは洞窟だらけって聞いたな。でもなんのために?」

 「植物が堆積している場所があるんだそうです。このあたりは世界でも有名なパフィオの産地で、そのパフィオの葉の一枚でも見つかればパフィオを再生することが出来るのだそうです」

 「へー、じゃあDNAとかを抜き取るのか」

 「我々の研究室では出来るだけ細胞のきれいなものを取り出して、ミトコンドリアやいくつかの細胞器官も再生して植物全体を再現する研究をしているんですよ」

 「なんか難しそうだなあ」

 一行は川をさかのぼり小さな村で小船を借りて上流を目指した。

 「伊藤君、見直したよ。中国語うまいじゃないか(バカ学生かと思ったらびっくりしたぜ)」

 「いやあ、それほどでも」

 「それにえらく待遇が良かったなあ。食料もたっぷりくれたし、たすかったねえ」 

 「あの『萌えワールド』のおかげですよ。日本のおねえちゃんは中国では妙に人気がありますからねえ。それに高値で売れるそうですよ」

 「なんだと、あれと物々交換だったのか。やるなにいちゃん(なかなかしっかりしてるんだなあ。それにしても妙なパーティーだ。あの桂って課長は小島もそうだが物静かで本ばかり読んでるし)」

 「田端さん船頭姿が板についてますねえ」と小島が話しかける。

 「なんかつかれちゃったよ。交替してくんない」

 「はい。まだ流れが緩やかで助かりますね。明日あたりから降りて船を引っ張る場所もあるって言うじゃないですか」

 「なんだかまるっきり自然だわなあ。東京で暮らしてると気持ちがなまっちゃっておっかねえほどだ。さっきヒルにくわれちゃってなあ。ちょっと足を浸してただけなんだけど。血がとまらねえや」

 「ヒルもなつかしいですね。昔は田植えしてたら足首に引っ付いていて驚いてひっくり返ったことがありましたよ」

 「小島さんの世代でもそんなんですか」

 「それでも激動の世代じゃないですか。豊かさから一転不況時代へ。それからなにやらきな臭い時代にね。そりゃそうと、この川ときどき古代の青銅器が出るらしいですよ」

 「へ?。そりゃへんですね。ここらは古代史の舞台からははるかに離れているはずですぜ」

 「なんでも楚の末裔とかなんとか」

 「楚っていうと項羽と劉邦の、項羽がわ?。四面楚歌の楚?」

 「とか言ってたよねえ、伊藤君」

 「ええ、先生が現地の人とそんな話をしていましたねえ。蘭という文字のおこりがどうとかいってましたが。ここから出る青銅器に蘭という字に近いふるい文字がレリーフで付いているって話でしたね。テンコクでつかうテン書体よりも古いらしくて、よくみるとパフィオの花そっくりなんですよ。これが変化して蘭という字になったという。真ん中の東ってのは袋状に垂れ下がっていたとか、草冠は伸びてあの独特なひさしみたいな『がく』に対応するとか。門の部分が左右にのびた花びらとかいって」

 「へー、面白い説だねえ。なるほど、蘭の字はパフィオか。孔子がいう蘭草はキク科のフジバカマっていうけど、それよりぴんとくるねえ」

 「そういえばおれも聞いたことがある。伝説の蘭王朝のことかな。楚漢戦争で劉邦にやぶれた楚の残党が南の山奥に建てたちいさな王朝があったという伝説で、結構長く続いたらしいけれどね」

 珍しく桂が口をはさんだ「中国の学会では近年蘭王朝が存在したらしいという説が有力になってきているらしいよ。春秋時代の楚の前身にあたる王朝だったともいわれている。後漢の時代に南方に軍をやって攻め滅ぼした王朝があるらしいんだね。歴史書には、赤い人面草を献じて和を唱えるも、皇后に『怒ったあなたそっくり』と揶揄され、激怒した皇帝が『攻め滅ぼしてしまえ』とやったらしいんだな」

 「むちゃしますねえ。かみさんがらみで国を誤る例が多いね中国史は(このおじさんけっこうさわやかに話すじゃねえか。えらく教養がありそうな)」

 「赤いパフィオってのが世の中にあったらえらいことになりますよ」

 「へえ?そうなの」

 「ごく近年にまっきいろのパフィオが見つかったときはフィーバーになってコンテストの賞を総ナメにしてましたからねえ。赤色は深くて濃い赤色やうす桃色の花はあるんですが、明るい赤やピンク色のパフィオはないんですよ。赤い色が出せれば交配の幅も広がるでしょうねえ」

 「そういえばタナカナムも一部鮮やかな赤い色が入っていましたね」

 「あの赤色で結構高値が付いているっていう話です。市場に出せば一株100万円はしますよ。何しろ世の中に先生がつくった10株しかないというし。これ売って研究費を稼ごうなんてことを先生も考えていたのではないでしょうか」と伊藤。

 「10株?それっぽっちしかないのか?」

 「量産可能と実験室レベルでわかっただけです。特許と論文を出しただけで、技術の肝心なところは私ら学生と先生がばらばらに知ってるだけですね。その先生が行方不明という困った状況なんですよ。おまけに情報は盗まれるし」

 「あんたら詰めが甘いなあ。大学ってのはそういうもんなのか。なるほどこりゃ国家的な損失だわな」

 「はあ・・・。まさかあんな実験でうまく行くとは思っていなかったもんで、先生も好きなパフィオが咲いて浮かれてたんでしょうねえ」

 「そのパフィオがなんで東京湾岸にあったんでしょうねえ・・・」

 「・・・・」

 桂が声をかけた。「そろそろキャンプ地を探しませんか。あの小川の近く、岩の下はどうですかね」

 「腹も減ったしね。船頭のしすぎでつかれちゃったよ」

「釣りましょう。このあたりはうまいなまずが釣れます」と伊藤。

 「釣り道具も入っているのか。恐れ入った。俺の分もあるといいんだけど」

 「ありますよ。一緒に釣りましょう」

 「じゃあわたしは飯でも炊いています」と小島。

つづく

 

2月17日(土)

 C. schroederae 'Carlos Arango×Popayan'がかなりしぶとく咲いてくれている。

 Den. anosmumが咲いたため、香りの蘭がまた強化されている。かみさんが、「香りといえばアングレカムはどうした」などという。よほど気に入っていたらしい。安く手に入れたら今度は枯らさないようにしたいなどと思う。

 

 読者からのおたよりで「ハードボイルドミステリー仕立てにして、最後に小島を殺ってはどうか」というご提案があった。ひええ、おねがいですから殺さないでください。

 

 「蘇る蘭」

5.

 「なぜかあんたと中国旅行ってことになってしまった。いったい、どういう手を使ったんだ」と成田空港で落ち合った田畑はやってきた小島に言った。

 「上司がいろいろと顔が利くようで、私が推薦させていただきました。なにしろ田畑警部の辣腕ぶりは鳴り響いてますからねえ。警視庁の長谷川平蔵とか」と済ました顔で小島が答える。

 「そりゃまたえらく買いかぶってもらいましたねえ。俺は海外は嫌いなんだが、よりにもよって物騒な国に行かされることになっちまった。これでも中国史は好きで、あの国は結構気に入っているんだけどなあ」

 「北京オリンピック以来関係が冷え込んでいるうえ、日本人はマークされてるのでちとしんどいかもしれませんが、自然いっぱいの山歩きになるので田端さんの助けが欲しかったんですよ」

 「まあ俺は山岳部でならしてきたからな。生まれも育ちも山で、ガキのころから鉄砲ぶっぱなしてきたもんだ」

 「もうひとりお願いしている人が来ました。田中教授の教え子です」

 「学生かぁ」

 背の低いよく太った男が大きな荷物をしょってこちらに歩いてきていた。

 「小島さんこんにちは」

 「伊藤君こんにちは。田端警部、こちらは田中教授の研究室の学生さんで、博士課程1年の伊藤君です。田中教授が植物を発見した場所まで案内してくれることになっています」

 「伊藤です。はじめまして。私は山歩きはあまり得意ではないのですが、先生がおまえは勘がいいからついてこいっていつもむりやりひっぱっていかれてました。あまり役に立てないとおもうんですが、よろしくお願いします」

 「ああ、よろしく(こんなでぶに山はむりじゃ)」

 「ああ、桂課長、こっちですよ。田端さん、伊藤君、わたしの上司の桂課長です」

 田端はその男をみて強烈な印象を受けた。長身、そつのない身のこなし、俳優のような端正な顔立ち。そんなものは単なる外見だが、全身ばねという雰囲気がある、なにより隙がない。(こいつ、できる)と田畑は思った。

 「はじめまして、田端警部、今回は無理を申しましてすみません。よろしくお願いします。伊藤君、君も忙しいところ申し訳ないけれど田中教授のためにすまないが力になってください」

 「ええ、わかりました。どうも今回はおしのび捜査って言うのでちと緊張してますが、どうもやまがでかいようですね」

 「はい。詳しいことはのちほど。あなた方に危害が及ぶようなことは皆無とは言いませんが、極力防ぎます」

 「先生のためならしかたないっす。先生が帰ってこないと卒業できないもんで」

 「なるほど」

 一行は旅行者を装いながらまず韓国にとび、そこから香港、桂林に飛んだ。機中で田端がぼやく。

 「なんだか中国ってところはかわっちまったなあ。ヒコーキの中は金持ちばっかりらしいがなんでまあああキンキラキンに飾り立ててるのかねえ。また声がでかいというか。どいつもこいつも俺のガキのころにみた成金みてえじゃねえか」

 「貧富の差がひろがっちゃいましたからねえ。小皇帝っていう階層だそうですよ。そういう新しい階層が国を動かし始めているそうです。けれど、大部分の人が悪化する自然環境や砂漠化で土地を追われ、貧困層が巨大化して危険な状態になっています」

 「中国は人が食えなくなると流民が多量に発生して革命が起きるからそろそろあぶないんじゃないか。世界中で一番心配な地域になってしまった。そこへもってきて触らぬ神にたたりなしとばかりに日本政府まで何にも言わなくなってしまった」

 「それが現代では読みにくいところです。これからどうなるのか予想がつかない」

 「あのオリンピックからますますおかしくなっちまったなあ。選手村襲撃事件からね。暴徒が中国人選手の負けた腹いせに各国の選手を襲った事件で、幸いけが人がでた程度だったけれど、怒った選手団、主に日本、イギリス、アメリカはさっさと引き上げちまった。そうなる予感はあったんだけど、あれをやっちゃおしまいよ。人民が統制できなくなっているのかねえ」

 「だれかうらでやらせているっていうことはあるかもしれませんぜ」

 「だれが得をするの?」

 「さあね」

 

つづく

 

2月16日Leptotes tenuis × bicolor 開花(金)

Leptotes tenuis × bicolor が開花した(今月8、今年23、新規5)。毎度ちいさい。

京都高島屋で京都蘭友会主催の蘭展があるそうな。今年は蘭展をさぼり倒しているのでゆけるかどうか分からないのであった。

 

 

「蘇る蘭」

4.

 「田中教授の研究室の捜査を担当した斉藤です」と名乗った刑事は中肉中背で色が黒く目がぎょろりとしていた。さすが警視庁コワモテばかりだと「太陽にほえろ」を見てそだった世代の小島は内心ぞくぞくした。

 「田中教授の盗難事件は通常の盗難事件とは様相が異なっており、きわめて専門性の高い特殊な盗難事件として本庁が担当したものです。まず、盗まれたものがDNAやたんぱく質といったものが入ったフラスコ類、研究ノート、コンピュータのハードディスクドライブやメモリ結晶などです」

 「なんだいそのメモリ結晶ってのは」と田畑。

 「さいころ大の大きさに映画1000本分の情報が書き込める素子です。ざっと5テラバイトほどの容量です。レーザーでナノメーターサイズのドットを立体的に書き込んで記録する記憶素子らしいですね」

 「えー、もうそんなもんがでてきてるのか。おれっちは昔フロッピーディスクってもんに書き込んでたもんだったが、つぎつぎ容量があがってもうついてゆけないね。映画1000本見てる暇なんかない」

 「そのなつかしいフロッピーの500万倍の容量だね。それ、何が入っていたんですか」と三上。

 「たんぱく質の立体構造のデータです。大型放射光施設のSPring8で測定したとかいう。原子ひとつひとつの位置まで分かっているそうですね」

 「すさまじいばかりの情報盗難だ。これは国家的な損失だぞ」と三上。「世界で最も注目されている研究の多くが日本でなされていると聞いたけれど、セキュリティの甘さが懸念されていたんだ。これはやられたなあ。ことの重大さがまだ認識されていないのであまり大きく扱われていないのだけれど、これは大変なことだよ」

 「ああ、さいころ一個で研究室まるごとぬすまれたくらいのものがある。ところで、犯人につながる証拠のようなものはなかったんですか?」と小島。

 「当初学生が学会前であわてて自宅に持ち帰ってうっかりなくしてしまったのでは、と教授は考えていたらしいのですが、だれも知らないということがわかり、調べてみるとあれやこれやがなくなっていたということらしいです。事が重大なので学生一人ひとりを洗ってみたのですがいずれもシロでした。よほど水際立ったプロの仕業という雰囲気でしたね」

 「うーん、手がかりなしか」

 「教授もときどき不審におもうようなことが盗難発覚の2ヶ月前からあったそうですが、データ結晶がなくなるまで気がつかなかったそうです」

 「こりゃ、プロだ。ところで気になるのは教授が今どこにいるのかってことだけど」

 「学生に聞いた話では中国雲南省の山奥だそうです。有名な桂林の近くらしいです。なんでも新種のすごいパフィオがねむっているとかで」

 「あの気色の悪い人面草のなにがよくてそんな秘境にでかけてゆくのかねえ。あの草は何度か見たけれどさっぱりわからん。色は地味だし、形はよくみるとキモイ。うらめしやーででてきた爺さんみたいな面してるじゃないか。ねえ小島さん、あれはどこがいいの?」と田畑。

 「どこといわれるとこまるんだけど、ああいう花はほかにはなくて、しかも長く咲いているんで、見ているうちに愛着がわいてくるというところはありますね。つやや、渋い色合いとか、毛のつきかた、大きさ、花びらなどのねじれ方といった形の面白さとか。自然界で土地ごとの環境に適合して自生している原種と呼ばれるものは大体100種類見つかっているんですが、掛け合わせてつくる交配種はそれこそ数万種類にもなっていて、それらすべてが写真や系図と作り出した人のつけた名前とともに登録されています。系図は、交配種は掛け合わした順番と、原種のすべてがわかるようになっている」

 「うわ、なんじゃそりゃ。血統証まであるのか。たかが草にそこまでするのか」

 「世界中に愛好家が数十万人いて、しかも結構お金持ちが多いので、そのたかが草というのが結構な値段するんですよ。草1株が数百万円ということさえあるんです。とくに新しい原種が見つかったとなると愛好家の間でその価値は計り知れない」

 「なぜですか?」と三上。

 「愛好家なかには、自分の名前がついた新しい品種を作ることを喜びとしている人たちがいます。新しい原種が見つかれば新しい品種を多く作り出すことが出来ます。それら新しい品種は新しさゆえに注目もされるし、新味を求めて高値で売り買いされます。また、それまでになかった新しい特徴をこれまでの優れた品種に交配で取り入れることによってより優れた品種を作り出せる可能性が出てくるのです。そのような優れた品種はたびたび開かれているコンテストなどで賞を得れば大変名誉なことですし、その株は高値で売れます」

 「原種の特徴をみわけられるほどその人達は違いが分かると言うことなのですか」

 「そうです。鑑定家が骨董の目利きをするように、100種の原種の特徴をどこまでも見分けられる目を持った愛好家が多くいます。交配種になってもどのような交配をしたかが分かるようです」

 「へえ、好きでやってることってのはすごいもんだね。でも見つかった原種が見た目しょぼい草だったらそれほど価値はないだろうに」

 「そのへんがわかりにくいかと思うのですが、そのしょぼいところがたまらなくいいと思って育てている人もいるくらいでねえ。背丈が低くて、花が小さくて、斑点だらけで、めったに咲いてくれない、というのを極端に好んでいる人たちもいるようです」

 「おれにゃわかんねぇ。それにしても何でも量産体制のこの世の中でなんとか大量生産して売れば安くなるんじゃないのかねえ」

「株自体は育ててみると結構増えるので、昔百万円していた超有名株でもいつの間にか愛好家が倍倍に増やして値段が下がってきています。それでも100万円が千円になるまで30年はかかったそうです。そんなに待てない人も中にはいます。金に糸目をつけない金持ちはいるもので、手に入りにくくてもどうしても欲しいものは値段が上がってしまうものなのです。

さっきも言いましたけど、馬がコピーできる世の中でこの草はコピーが作れなかったんです。多くの蘭はクローン技術で同じ遺伝子を持った株を何十万株も作ることができるのですが、パフィオについてはそれがうまくいかなかった。ところがどうやら田中教授はその技術を開発してしまったらしいんです。これまでは植物の成長点をとってきて、その組織培養が中心だったんですが、教授の技術はまるっきり細胞からいじりたおしたらしいです。でもまあ馬のコピーに使われた最先端の技術を『たかがくさされど草』に転用したらしいですね」

「おれが悪い奴だったらそんな先生はとっ捕まえてきてパフィオを増やして利益を独占するだろうね」

 「やっぱり、そんなところでしょうかね」

 

つづく

 

2月15日Den. anosmum (Den. superbum)開花(木)

Den. anosmum (Den. superbum)が開花した(今月7、今年22、新規5)。今年は昨年よりもたくさん咲いてくれそうではある。

 

「蘇る蘭」

3.

警視庁で田端と同僚の三上警部が茶をすすりながら互いの情報交換をしていた。

「男性4人、女性二人、前科なし。身元不明。推定年齢、女性16歳、18歳、男性33歳、28歳、28歳、30歳。女性から例の薬物反応が検出されました。若い女の子ってのがなんだかやりきれないね」と田畑。

「女性の身元の特定は困難でしょう」と三上。

「はあ?。どうして?。」

「親の言うことを聞かずに好き勝手してふらふら都会に出てくる若い娘が多すぎるんですよ。一人暮らしで親とも音信不通っていう女性も多いし。捜索願も膨大なら、捜索願すらだされていないあきらめられたような娘も膨大で。今度の仏は煙になっちまってるもんでDNAだけじゃ探しようもない。最近では捜索願に髪の毛をつけるようにお願いはしてるんですけどね」

「やれやれ、世も末だねぇ」

「爆発物は国内で手に入るものを使ってつくられてますねえ」

「手作りであんなに吹っ飛ぶもんか?」

「むかしアメリカで肥料から爆弾を作ってビルのほとんどを吹っ飛ばしたっていうのがあったじゃないですか。あれに近いんですよ」

「かー、なんかプロって雰囲気だね。こんな凶悪事件みたことないよ。マスコミもうるさいね。一部始終を見てた俺は上から静かにしておくように言われているし」

「防衛省がらみってどういうことなんですかね」

「さあな、テロ対策だろう。あのありさまじゃなるほどね、と思うよ。警察は協力するしかないってことだろう」

「女さらってなにしてるんですかねえ」

「海外に売り飛ばすんだろう。日本の女は高く売れるらしいぞ。まえからものすごい数海外に売られているって話聞いてるけど。色白でよく肥えていてぷよぷよしたのが人気なんだそうだ。あんなコワイもんどこがいいのかわからんけどな」

「さすがにわしらのかみさんみたいになるとさらわれないでしょう」

「だよね」

人影がさして振り向いた田畑は小島を見つけた。

「田端さん、先日はどうも」

「ああ、こちらこそどうも。こちらは、同僚の三上です」

「はじめまして。鑑識の三上です。するとあなたがあの爆発騒ぎのときに田畑と一緒だった」

「埼玉県警の小島です」といって長身のやせた三上の鋭い眼光と目を合わせた。

「相当な鑑識眼をお持ちだそうですね。特に薬物に詳しいと同僚の亀山が驚いていました」

「ええ、化け学が畑でしたので。いまでもよく分析はやっています。放射光とか中性子とか」

J-PARKやSPring8にもいかれるのですか」

「ええ、もっぱら測定は同僚にたのんでいるんですがね」

「そりゃすごい。今度ビームラインについて教えてください」

「そりゃそうと今日はどうしました。私も聞きたいことは山ほどあるんですが」専門があうのか目を輝かせ始めた三上をさえぎるように田畑は言った。

「ええ、実はこの間の草のことで聴きたいことがありましてね。パフィオペディラム・タナカナムについてです」

「たしか日本人が発見して名づけ親になったという」

「発見した人が自分の名前をつける例が多いようです。だから有名な蘭にはそれを発見した人の名前が多いのです。中には一人で4種類も5種類も発見して名前をつける例も多いようですね。蘭に名前を残すというのは大変名誉なことで、中でもパフィオペディラム・タナカナムは蘭の発見としては今世紀最大とさえ言われました。ニュースになったのをご覧になったことはありませんか?」

「ああ、そういえばそうかなあ」

「今日ではパフィオペディラムの新種が発見されることはほとんどなく、発見すれば世界中のパフィオファンが目の色を変えて欲しがるはずです。そのパフィオを手に入れるためなら驚くような金額を積む富豪もいます」

「えーと、それで、何の用件でしたっけ?」いつになく饒舌で(この人こんなにしゃべったかな)という小島の様子に驚き、田畑は何の話かさっぱりわからなくなってした。

 「ああ、すみません、つい趣味に走ってしまいました。その発見者の田中教授が行方不明になっているのです」

 「田中教授?」

 「あ、たしか東京農業大学の先生でしたね。自然毒の相談でよく大学にいくんですけど、そのなんとかいう植物の発見で沸き返ってましたよ」と三上が助け舟を出す。

 飲み込みの悪い田畑にお構いなく小島は続けた。「ええ、その田中教授は新種のパフィオを発見しただけでなく、そのパフィオを増やす方法も見つけたらしいんです」

 「そのパフィオってのはたかが植物のくせに増やせないんですか」

 「そ、そうなんです。多くの植物はクローン技術で増やすことが出来るのにパフィオだけはうまく行かなかったんです。自然に分かれて増えるのですが、それでは1株が2株になるまで1年以上かかってしまいます。それだけに優れた品種はものすごい高値で取引されているわけです」

 「ということは、そういう植物を増やす技術というのは、パフィオとやらで儲けている人たちには都合が悪いんじゃないですか」と三上。

 「そのようですね」、とその目は(いい勘してるね)と言っていた。

 「草がねえ」と納得が行かない田畑。「有名な競走馬だってコピって走らせていた事件があったじゃないか」

 「クローン馬のハイセイコーIIだったかねえ。たしかDNAだけじゃなくて、母親譲りのミトコンドリアとか、種々の細胞器官、特殊なたんぱく質までコピーして寿命の長いクローンを作り出す技術が出来てきてるんだそうで。そのうち人間でやらないか心配になるね」

 「ところで、その先生がどうしたんですか」と田畑。

 「私も何度かお会いしたことがあるのですが、研究室の助手の人からここ2ヶ月ばかり連絡が取れないので捜索届けを出したそうです。なんでも中国に採取旅行に出かけてこれまでもちょくちょく音信不通になることがあったそうなのですがそろそろ新学期で大学の行事もいろいろあるなかでここまで不義理をする先生ではなかったことから不振に思った助手が私にも連絡をくれたというわけです」

 「2ヶ月は長いね」

 「でもなぜこちらの管轄の話が気になるんですか」

 「趣味とはべつに、今回の爆発事件と関連があるように思われるんですよ。見つかったものがモノですからね」

 「なるほど。そいつはわれわれもうかつだった。」

 「実は田中教授の研究室はたびたび盗難が発生して被害届が出ているはずなのです。大方のことは助手の木崎って人ですが、その木崎さんと伊藤という学生に聞いてあるんですが、肝心の田中先生には会っていないので状況がわからないんですよ。それで先生の被害届を受け取って話を聞いている担当者に合いたいと思いましてね」

 「なるほど早速調べさせましょう」

 そういって顔が利くらしい三上があちこちに電話をして担当者を探り出してくれた。

 「ちょうど下の階にいるので、今上がってきます」

 「いや、助かります」

 つづく

 

2月14日(水)

昨日から始まった作り話作業で莫大時間を取られる。ありそうでない、なさそうであるというぎりぎりのところを書くと疲れる。作法も、勉強もなく、ひたすら最後まで書ききるという方針で7回分を書いた。先は予想外に長い。大づかみのストーリーはあるものの、肝心なのは肉で、進みながら拾ってつけるという自転車操業である。いい加減な話である。パフィオのことをよく知らないというのがよくわかった。なんか無茶をしているなあ。

 

「しば○んこ」の件でかみさんからクレームがつく。著作物に対しみだりに替え歌などをこしらえるのはよろしくないとの指導であった。ち、気に入っていたのに。

ホラーチックにスティーブン・キンギアナム作「魔の国道」とかいってふざけようと考えていたのである。主人公シバ・Wancoはメイン州の片田舎フォートロックに教師として赴任してきた新米の音楽教師だった。ハンサムなベテラン教師Mike(マイク) Nyankoといい仲になるが、ショウシャンク刑務所帰りのジョーカーに気に入られ、つけねらわれる。警官が殺人鬼に変わってしまったり、巨大宇宙船が地下から出てくるなど、ホラーな事件がこれでもかと起きる魔の国道でMikeとジョーカーの息詰まるカーチェイスが、云々。驚愕のラストシーンでは復興したはずの大都市バンゴハンがお約束の大崩壊ちゅうことで、あははは。また怒られるぞ。

 

 

「蘇る蘭」

.

程なく埼玉県三郷近辺の丘陵地にやってきた。非常線の配備は完了していた。インターの手前からサイレンを消し、静かに丘の上に登った。そこは分譲地らしく、そのはずれに林があった。ここで車を降り、林を抜けるとそこは崖になっていた。その下に広がる下街のどこかに問題のアジトがあるらしい。

「あのマンションですよ。やつらあわてているようだがまだうごいていない」と、小島は持っていた田端にオペラグラスを渡した。「4階の西の窓。男が2,3人うろうろしているでしょう」

「ああ、たしかに。しかしまあ、中の様子がよくわかりますねえ?」

「向かいマンションの鉢植えに集音マイクを2つ仕掛けてあります。音を立体的に再構成して間取りと人数がわかっている。奥のクローゼットに女性二人が監禁されている。男は4人。女をトランクにつめてずらかる準備をしていますね」

「鉢植?。おむかいさんはえらく協力的なんだな」と、向かいのビルをみるとおびただしい数の鉢がぶら下げられ、黒い遮光ネットが張られていた。蘭栽培に特有な設備だった。「ありゃりゃ。小島さんと御同好の士ってわけか」

「そういうことです。偶然ですが」といって小島は手荷物からなにかを取り出して組み立てていた。

「なんだい、そりゃ?」

「神経ガスのランチャーです。薬を仕込んだ針が飛び散ります。瞬時に敵の動きを止めたいもので」

「はあ?、なんでそんなもんがあるんだ。俺はそんなもんさわったこたあねえぞ」

「田端さん射撃特Aって話じゃないですか。あなたのぶれない腕と目があればあとはこいつがやってくれる。部屋の中にテレビが見えるでしょう。立ち上がって3歩進んで、そのテレビをねらってください。距離は219mです。照準をそれにあてて引き金を引いてくれればOKです」

「へー、そういうもんか。さすが防衛省の装備にゃすげえもんがあるな」

小島が腕につけたパッドに話しかける。「各員配置よしか?」

「各員配置完了。潜行して待機中です」

Aポイント配備完了。閃光とともに各員突入のこと。送信」

「送信実行・・・・応答。各員了解」

「おや、やつらテレビの前に集まってきたなあ」

「む、いかん」

「え?」田畑は小島のつぶやきにスコープから目をそらした、そのとき室内では男4人が互いに寄り集まる様子が見えていた。

突如かのマンションの一室から強烈な光が発せられ、四方になにか飛び散るような煙、遅れて腹を震わす大音響が届いた。吹っ飛んだ物質があたりに散らばり、付近のいろいろを破壊してゆくのが見えた。煙が広範囲に広がってゆく。

「無線に切り替えろ。各員退避。消防通報。後の始末は俺が警察と行う。以上」

事の成り行きを田端は呆然と見ていた。黒煙が消えたあとマンションの一室はえぐるような穴になっていた。火はみえない。建物はかろうじて倒壊を免れた。崖の下から人々が互いに声を掛け合うのが聞こえてくる。

「なんだ!」「どうした?」「大丈夫か?」「あっちだ」「煙だ」。

消防のサイレンが早くも聞こえてきた。かなりの台数がこちらに向かってきているようだ。西日を浴びていつもと変わらない街の風景のなかで、破壊され煙がたなびく建物とあちらこちらに見える回転灯の光が毒々しく見えた。

「逃げきれないと判断して自爆したようです」、小島はしゃがみこんで片づけを始めていた。

「なんてこった・・・」、と田畑は呆然と立ち尽くしていた。

 

つづく

 

2月13日(火)

掲示板で、日誌を打ち出して読んでおられるという書き込みがあり、2005年が打ち出せないと言う相談があった。なるほどプリントしようとしても打ち出せないので、種々検討し、いったん全部コピーしてワープロソフトに貼り付けて打ち出すのが良かろうという結論を得たのでそのようにご案内した。夜中に返信の書き込みがあり、600枚ほど打ち出されたそうである。

「600枚・・・すげー」と絶句した。同時に打ち出した蘭自慢も180枚くらあったそうなので、「どんなプリンタや。一般家庭になんでそんなに紙がある」と驚くことしきりだった。

「2006年以降は書かれていないのですか」と聞かれたが、はいこちらです「2006年下期」「2006年上期」と申し上げる他はない。

さらにたまげたことに「蘭は見ていた」の続きはと聞いてくださるのであった。はいはい、じゃあさっそく続編いきましょうかねえ。

 

「蘇る蘭」

1.

小島は警視庁からの応援要請で臨海線の車中にあった。近未来都市のような車外の風景を見つつ、(乃南アサの小説「凍える牙」は面白かったけれど、犬が駆けずり回るという設定は、なんかむりがあったなあ)と、小説に出てきた風景を見回していた。

東雲駅を降りるとあたりは東京の物流拠点である。指定された場所にくると大きな倉庫の前に警察車両が並んでいた。現場とおぼしき倉庫の入り口に携帯電話を片手に見覚えのある刑事がしゃべっていた。

「押収物は麻薬などです。殺傷力の高い武器もあり、なにやら物騒な感じですね。大がかりな組織のシッポをつかんでいるような感じがします。また、照会したいことがあるので電話します。じゃあ」

刑事は小島に向かって手を挙げた。長身のがっしりした体格で、角刈り、浅黒い、屈強そうな中年だった。

「ああ、小島さん、どうも」

田端は、小島が刑事にしては色白で、すこし腹がでた普通のおじさんしているなあといぶかしく思った。物腰が柔らかく、メガネのつらがまた官僚っぽい。

「いつぞはおせわになりました。田端さん、あなたが私を呼んでくださったんですか」困ったような顔で手を挙げて応えた。辣腕を買われて警視庁に栄転になった埼玉県警時代の別部署のもと同僚への挨拶だった。

「ええ、例のへんな植物が押収品にあって、ひょっとして小島さんが詳しいんじゃないかと思って応援をお願いしたんですよ」微笑はしつつも油断のない意図のありそうな目を小島に向けている。

大きな倉庫の奥へと歩いてゆく。麻薬密売人をつけていた捜査の過程で見つかったという商品集積所とのことだ。事務所のような小部屋があった。中には鑑識の警察官や麻薬課の刑事が押収品を調べていた。冴えない倉庫にしては真新しい電子機器がいくつも置いてある。

「これなんですが」

赤と黄色のまだらの例の人面草の鉢が3つばかりあった。

「これは…、めずらしい。ここにあるはずのない花です。パフィオペディラム・タナカナムですね」

「タナカナム?。人の名前みたいですが。」

「発見者が日本人なんですよ。つい最近発見されて大騒ぎになりました…、うっ、これは…」

「どうしました?」田端は小島の表情にただならぬものを見てとった。前にも見た何かに驚愕するあの表情だ。目は開ききり、驚愕に口がひらかれ、喘いでいる。

「大変だ。今すぐ非常線を張らなければ」

「なんだって!?」

「人身売買です。誘拐した少女達をここにある麻薬や特殊な薬で薬漬けにして売り飛ばしているんです。ここが押さえられたことで奴らは少女達をつれ、国外逃亡を図るでしょう。早くつかまえなければ」

「何を証拠にそんなことを」近くにいた麻薬捜査の刑事が寄ってきた。

「この薬はただの麻薬じゃない。体の自由や思考を奪い、いいなりにさせるために開発されたものだ。それから、そこにあるのは催淫剤だ。どんなおぞましいことが行なわれているかあなたには分かるはずだ」これらの麻薬に心当たりがあり、どうもそうじゃないかと思っていた矢先にズバリといわれたその刑事は納得してしまった。どうもよほどの達人が来たらしい。

「なるほど、あなたのいうとおりかもしれない。ここは人身売買の出先機関ということですね」

「これほどのブツが抑えられたとなると敵も必死になるはずです。田端さん、確か射撃の名手ということをうかがっているのですが、ご同行願えませんか。まだまにあうかもしれません」

「いいですが、どこへ」

「我々がつかんでいる敵のアジトです。詳しいことは車で。急ぎましょう。車を一台貸してください」

小島は田端が助手席につくとパトカーを急発進させた。田端はめんくらいつつも、無言で足を踏ん張った。小島は、サイレンを鳴らしつつ、なれた手つきでハンドルを操り、高速に乗ったところで電子パッドを起動した。そのパッドがしゃべった。落ち着いた男の声だった。最近流行の秘書ソフトの一種らしいと田畑は興味深くその会話を聞いていた。

「何でしょう」

「監視拠点の通信量に変化はないか」

A1への通信に240%の増加が見られます」

 小島は、ちっ、と舌打ちをした。

「通信をジャミングしてくれ。かねて用意しておいた撹乱情報をながしてくれ。本省に応援連絡と非常線の設定もたのむ。プライオリティはAAA(トリプルエー)で」

「実行しました。桂課長はすでにA1に向かっています」

「それは結構」

小島はアクセルをいっぱいまで踏んだ。先を行く車が右へ左へと流れ去っていった。

「小島さん、本省って言ったね」と田畑が低く言った。

「私の出向元です。まあその筋のものってことで」

「だいたいわかりました」田畑はおどろいて絶句していた。

 

つづく

 

 

2月12日Lhta. oerstedii開花(月)

Lhta. oerstediiが開花した(今月6、今年21、新規5)。しょっちゅう咲いてくれる。

 

陽気が良かったので庭に出して水やりをした。ものすごく花が多い。

 

カトレア スキンネリのシースにつぼみの影が出た。

 

2月11日Spathoglottis affinis開花(日)

Spathoglottis affinisが開花した(今月5、今年20、新規5)。別の花茎から結構時間をあけて開花してくれた。

 

ソフロレリオカトレア・ウエンディスレッドストーン‘タイダ’におかわりのつぼみが出た。

 

2月10日Den. kingianum?開花(土)

Den. kingianum?が開花した(今月4、今年19、新規5)。2株あって、1株先行して咲いてくれた。

 

2月9日(金)

なにやら蘭の棚は花盛りだ。真冬に花の棚とは豪華だ。本当にたくさん咲いている。つぼみもいろいろあってにぎやかだ。なんだか本日は久しぶりに蘭を見たような気がする。

 

頭の中で種々の論戦をやっているんですねえ。今年も出てきた「東京ドーム蘭展見物議案」に対して、与党「けちけち党」は、「そんな金と暇があったら家の蘭の世話やらうまいものくってのんびり出来る」と一蹴した。

「ケータイどうですか議案」は、「公衆電話がある。需要なし」として却下。

連立与党:蘭党:今年の施政方針「蘭の生育のためにはもうすこし数を減らすべき」:「もっともらっていただきましょう」という方針を堅持。

不適切な発言をめぐってもめるが、野党が言うべきことを言うて食い下がる。

「蘭が花を咲かせる機械と仰いましたが、それならばどこかに発注してつくってもらえるのでしょうか。いかがでしょう」

「蘭は花2つ咲いたら健全とのご発言でしたが?。不幸にして咲くことが出来なかった蘭は不健全ということになるのでしょうか。そうではありますまい」

「蘭が咲きやすい環境をつくるのが我々の努めではないでしょうか。不健全なのは蘭ではなく、そのような環境を作り出してしまった我々の失策ではないでしょうか」

「蘭が咲きやすい環境とは、過度に蘭にたいして結果を求めるのではなく、蘭に協力、助力を惜しまず、湿度、温度を適度に保ち、蘭の負担を減らすことにより、結果として開花に至るものではないでしょうか。我々は蘭のように咲くことはできませんが、咲く蘭の立場に立って再考をお願いしたい」

 

2月8日(木)

デンドロビウム・グリフィッシーアナムに花芽が出た。2つある。バルブのへんなところからにょっきり花芽が出てくる。原種のデンドロにしては育てやすいかもしれない。

 

2月7日(水)Cym. Line Stone ‘Cute’開花

Cym. Line Stone ‘Cute’が開花した(今月3、今年18、新規5)。バックバルブを花壇に埋めて置いたら花芽が出たといういわくつきのシンビだった。大事に育てた株分けの2株はさっぱりふるわなかった。こういう番狂わせの開花も珍しい。やっぱり私はシンビというものがさっぱり分かっていない。

 

2月6日(火)Pleurothallis grobyi 開花

Pleurothallis grobyi が開花した(今月2、今年17、新規5)。これほどかわいらしい蘭もめずらしい。

 

2月4日(日)Onc. obryzatum開花

Onc. obryzatumが2鉢開花した(今月1、今年16、新規5)。

ばたばたと水やりをしていた。

 

あれ札はどこへいった、というカトレアがあって(オスマンダ植えでもらったもの)、これに花芽が出た。

 

2月3日(土)

香りの蘭が勢揃いだ。Cym. sinenseC. schroederae 'Carlos Arango×Popayan'B. fragranceLc. Aloha Case ‘#32’× C. intermedia var. delicateLyc. Jim RiopelleDendrochilum glumaceum、子供が学校に行くと花の香りがすると言われるそうである。本当だろうか。

 

撮影をしていると、Cym. sinenseが今年もえらくしっかりと咲いて、姿もすばらしいが香りもよいそうな。かみさんがいうには夜に大変よく香るという。私にはさっぱり感じられないのだが、「キンモクセイのような香り」がどんどん強くなるというのだ。人によって感じる香りが違うのだろう。私にはさっぱりである。

 

C. schroederae 'Carlos Arango×Popayan'は香りもすごいが花も素晴らしいなあ、とありがたみをかみしめるような咲きっぷりである。

 

スプラサイドのおかげでアブラムシは全滅したようである。やれやれ。

 

 

2月2日(金)Asctm. ampullaceum‘II’に花芽

アスコセントルム・アンプラケウムに花芽がでた。株が比較的しっかりしていたため甚だしく弱っている様子はないが、大事に行こう。

 

ランの花がとぎれずに咲いて連続日数が2000日を越えていたことが分かった。2000日ってのはぴんとこない。現在の花盛りを思えばランの花がとぎれるというのは考えにくい。デンファレをよく加温して育てているとデンファレだけで1年の大半はカバーしてしまうので(昨年デンファレの花がなかったのは1週間だけだったか)花はとぎれにくくなる。

 

また国会で妙なことをしているな。何か通したい法案、議案があると、わざとああいう猫だましをかますのではないだろうか。メール事件もあまりにもおかしい。細心緻密怜悧な東大出がああも簡単にガセネタに飛びつくわけがないじゃないか。あの騒ぎの影でなにが成されたのであろうか。さわいでさんざんたたかれた議員もあとでにこやかに復権していたりする。だます方よくやるとおもうが、わざとだまされているほうもすごい。日本人の知恵なのだろうか。

 

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