蘭馬鹿日誌2004年12-11月および更新記録
ランのよしなしごとをつづる。下に行くほど昔
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2004年12月31日(金)蘭に感謝
昨年の記述の使い回しである。本日の行動はまったく昨年をトレースしている。
2004年の最後の一日は街をぶらぶらして過した。珍しいことに街の花屋でシンビジウム、胡蝶蘭に混じってBlc. Pamela Hetherington ‘Coronation’ FCC/AOSが売られていた。花5つつき、8400円だった。大変よく見るカトレアであるが、こういうカトレアが売られているというのは大変珍しいことである。してみると市場の限られた商品であるなあと思う。欲しいと思ってもどこに買いに行ったらあるのかわからない妙な商品である。
本来なら150鉢も開花してよい一年だったなあ、などという感想があってもよさそうなものだが、実は反省している。蘭には感謝している。「さけぇ〜、さかんかぁ〜い」とばかりに酷使しすぎたように思う。しかも調子に乗って100株以上増やしてしまい、蘭への慈しみを忘れていたという反省がのこる。
現時点で蘭への欲望は皆無である。来年は現有株を大事にしておとなしくやりたい。いつの間にか日課になってしまったホームページいじりであったが、なんとかペースダウンすべきとおもうのである。ちょっと日課が多すぎた。ホームページ更新よりもっとキツイ日課が平日土日酷暑台風お構いなしにあったのであるが、よくやりおおせたと思う。継続は力なり、か。蘭もご苦労様であった。
12月30日(木)
山口県の周防大島で年中行事のみかんとりをしていた。結構危険な作業である。大島は毎度のことだが春のようだった。水仙や菊、キルタンサスほかエンドウ、ジャガイモの花など様々な花が咲き乱れていた。いちごのビニールハウスがあって見事ないちごがなっていた。大きなハウスである。蘭を入れたら何鉢はいるだろうか。
岩国のいつもの園芸屋に行ったがなんと更地になっていた。「移転しました」とあってほっとした。残念ながら今回は買物は出来なかった。
そんなこんなでどうも蘭に縁のない正月になりそうである。
12月29日(水)Onc. cheirophorum開花。年間150件開花。
Onc. cheirophorumが昨夜開花し今年は150件開花となった。早速トップページの写真にしてしまう。これで120件達成である。よくもまあここまでうるさく掲載したものである。つぎつぎめくって眺めていると恐ろしく時間がかかった。古い画像はかなり大昔のように思える。
Onc.オルニソリンカムは開花することはしてくれたが、環境が悪いのかつぼみがぼろぼろ落ちる。これは残念だった。なにやら明暗があるなあ。
今年はしょっちゅうしょっちゅう開花していたためあまりにも密度の濃い一年になってしまった。今月は12株開花である。次はDen.SnowBaby‘GreenPocos’であるがこれは年明けになるだろう。
トップページの画像が尽きた。見事な開花株の2回掲載でしのぐ予定。
仕事から帰って6時間かけて毛筆で年賀状を書き(鳥の絵まで書いた)、1時間水やりをして、チューリップ花壇にチューリップ球根を撒き、400km移動し、やっと正月気分である。しかし更新はつづけるのである。休んだ日があっただろうか。休んだのはいつの頃だったろうか。
12月28日(火)Onc. ornithoryncam開花
Onc. ornithoryncamが開花した。横にでろーんと花茎が伸びたため場所を取り、やたら開花まで時間を食ったため厄介者扱いであった。ぎりぎり滑り込みで開花してくれた。
画像のストックがつきた。明日の撮影が今年の最後だが、これぞというものがない。
北海道に贈った、バンダ、Blc、カトレア、オドントニアが相次いで咲き、オンシやらデンファレやらノビル系デンドロも咲くという。要するに北海道はなんでもありの蘭天国というわけだ。先方は相当な手練れらしい。100鉢を超えたとか。ひょっとして花が咲いていない期間がもうないのでは。臨界に達していますね。(臨界とは、ウランなどの核分裂に伴って発生する中性子が次のウラン原子にぶちあたり、連鎖的な核分裂を引き起こして持続的な核分裂を起こしている状態じゃなかったかな。蘭栽培も似たようなものだ。つぎつぎ咲くようになるとますます蘭が増える。「高速増殖炉」ちゅう言葉もあるなあ。)
12月27日(月)
なかなかあと2株が咲いてくれませんねえ。まあええんですけど。
Paph.
primulinumが開花しつつある。長いなあこのパフィオも。
Lyc. Jim
Riopelleは4つめの花がほころんできた。すごい蘭だ。夜もかすかに香る。
トップページの画像を前日から仕込んでおくと、なぜか掲示板にその花の話題がのぼる。Dar. Charm ‘Blue Star’やOnc. Twinkleなどである。まるで手持ちのカードを透視された上で早く出せと催促されているみたいで不思議である。
Sl.
Laylaのおかわりの花が咲いた。最初の花のドーサルセパルがコラムにひっついてうまく開かなかったのだが今回は問題ないようだ。
ノビル系デンドロはほとんどに花芽がついたようである。咲くまでまた神経を使う。
12月26日(日)Blc. George King ‘Serendipity’ AM/AOSにつぼみ
昨夜株を点検していると、注目していたBlc. George King ‘Serendipity’ AM/AOSのシースからつぼみが2つ出ているのを見いだした。前回開花したバルブの根本から成長した新芽は、開花中も成長を続け、花後しばらくしてシースがあることが分かった。まさかつぼみは出ないだろうと思っていたところ2つも出てきたのである。葉が開いた時は、小さなシースが見え、その先端が開口しているのを不思議に思っていた。無理矢理間に合わせたようなつぼみの出し方である。まったくたいしたカトレアである。天晴れと言う他はない。シース株は多いのだが、これほどどんどこつぼみをあげてくるカトレアは珍しい。「大きいから誰かにあげよう」と思っていたがもう一年つきあいたくなった。開花予定は1月20日ごろである。
そういえばDendrochilum glumaceumにも花芽がでてきた。5つくらい出そうである。
越冬棚の蘭に水やりをした。大変な混雑である。しまい込むのが大変である。加温しても10℃そこそこである。全体を中温扱いで今年はやろうかなどと思う。高温部隊は中温棚でライトを強めに当てている。
Dyakia hendersonianaが不調である。分をわきまえない買い物であったか。乾きすぎるように思えて水苔をコルクの間に詰めてみた。近縁のAsctm. ampullaceumを枯らしたのが記憶に新しい。Phal.'Hanashin'は枯らしてしまったようだ。葉が落ちたうえに根の活動がないのでお亡くなりになったのである。
12月25日(土)
うろちょろ見て回った一日だが時々蘭を見たというくらいで、最近珍しいものを見かけなくなった。
越冬棚に電気毛布、循環ファン、温度調節器、換気扇を取り付け、稼働させた。やっと加温することになった。最近手抜きをしていたなあと反省する。蛍光灯を点灯し、電気毛布や換気扇などの動作を確認した。一式そろった設備である。温度調節器が7000円で、蛍光灯が2つで4000円くらい。棚が3000円。ビニールは100円に満たない。ファンと電気毛布は廃物利用である。自動運転で加温と換気がなされる。10日はほったらかしでも冬場蘭が弱ることがない。
それにしても蘭がいっぱいで棚の内部の配置が思うに任せない。
12月24日(金)
トップページの画像を毎日更新体勢で年末に臨んでいる。31日まであと6つ必要だが、4つ備蓄があり、あと2つをどうするか。蘭がスパートをかけているようなのでこっちも力が入るのである。画像に迫力がある。「どうだコノヤロゥ」とレンズにガンを飛ばすように写る奴らである。あらためて蘭の凄みを感じる季節である。「トップページの画像」リストは蘭の攻勢で大きく重くなり、毎日のアップロードでえらく時間がかかるほどである。
越冬棚に加温設備を仕掛けなければならない。休みがありがたい。
リカステについてよく書く。4つ目の花が咲けば過去最高のできである。現時点でもすごい迫力だ。トップページの画像でも花を出すバルブは花に比べてかなり小さい。鉢は駄温平鉢(たぶん5号径)にしてからここ2年絶好調である。保水性がよく、表面にコケがビロードのように生えている。葉が傘をさしかけたようで優美な姿をしている。2001年3月の購入からまもなく4年になる。2002年に素焼鉢に植えていたようだが、その年は作落ちした。以後駄温平鉢である。おかげで安定がよく、姿も良くなったように見える。
こういうリカステを見ているとまた他にリカステに手を出したくなる。実のところもっとすごい仕上がりになったアングロカステがある。Angcst. Paul Gripp × Lyc.
aromaticaである。こちらは大きくて香りの良い花が9つも並んだ。実に見事だった。
夏も多く咲いてくれたが、冬はさすがに見事だ。蘭をやっていて良かったと思う季節である。
思い返してみると蘭は50鉢を超えたあたりからおもしろくてたまらなくなったように思う。50鉢を超えると開花期間と開花頻度が増してくる。50鉢あると世話がまめになってくるからかもしれない。数が少ないと忘れていることも多いが、50鉢もあればいろいろな活動が育てる人間の関心を惹いていろいろと手を尽くすようになるから、それに応じて技術が向上し、環境も良くなってある種「臨界点に達した」ように人間も蘭も気合いが入るのだろう。ネット上を観察しているといままさに臨界点に達した人が幾人もいて、楽しくて仕方がなさそうである。
12月23日(木)
休みだ。中温棚にビニールを張ろう。寒いので蘭を出すのは気が引けるが、庭にほとんど出して棚をからにした。棚は常時窓を塞いでいたんでそのあたりのふき掃除を徹底して行った。棚を木ねじで補強し、透明マルチを1枚伸ばして上面、3側面、底面にガムテープで張る。底面に張ったので水が垂れても床を汚さずにすむ。底面には車輪があるが、これはビニールを突き破っているので棚は移動できる。
ビニールの効果は、部屋の暖かい空気を窓から遮断し、かつまた窓で冷やされた冷気が蘭に降りてくるのを防ぐというものである。ビニールがない場合、窓際に寝転がってテレビを見ていると冷たい風が吹き下ろしてくるように感じられるほどだ。ビニールがあれば夜間リビングの気温低下もある程度防ぐことが出来ると考えている。ここ3年はこういうことをやっており、結果は良いようである。
以前に「トップページ画像120を目指す」みたいなことを書いたような気がする。「3日に1度の更新」という非常識な目標だった。あと7つである。本日画像6つを備蓄した。あと1つでその120件に達するが、年末はあわただしいページになりそうである。
球根園芸は子供らに興味を持ってくれたので指導して作業を手伝う程度でやってくれそうである。花壇の作成や植え付けを任せて監督だけしている。楽になった。
12月22日(水)
いろいろきれいに咲いているので丁寧に撮影した。といっても最近は黒布を背景に使うことはまれでもっぱら空だの地面だの山だのを背景に使っている。楽ではあるし、自然光なのがよろしい。
中温棚に仕掛けた最高最低温度計を見てみると、最高23℃、最低8℃と記録されていた。そろそろビニールシートが必要であろう。
12月21日(火)
仕事で大規模攻勢をかけたため相変わらず蘭の方が手薄になっている。本日は「やっと寒くなった」という一日だった。蘭はしかし元気そうである。これはすごい!という開花株がいくつもある。バーケリアとリカステなどはうっとりものだ。ダーウィナラも素晴らしい。Onc.Twincleがまた実にきれいに咲いている。多くが写真で表現できないのが残念である。
数日前ダイエーでシンビジウムを見ていたら、現在4カ所で開花中のバンダ・池田の下賜に尽力してくださった園芸仲間とバッタリ会った。「会うべくして会いましたね」などと笑う。「ダイエーは阪急と違ってB級品が出る。それだけにおもしろいものが出る」とおっしゃる。よくわからないが目の前の蘭を見ていると阪急とはひと味違うおもしろみがある。2000円程度で結構花にボリュームのある鉢が並んでいる。ふと鉢の陰に目をやると花の終わったシンビジウムが300円で出ていたのだが、なんと葉をすべてばっさり切っていた。「うっ、これは蘭好きには見たくない犯罪行為・・・」。別に抗議はしないが、たぶん現場の判断でこういうことをなさっているのだろう。かさばるから気持ちは分かる。本日見に行ってみるとなくなっていた。ご多幸を祈る。
12月20日(月)Bc. Maikai ‘Mayumi’開花
Bc. Maikai ‘Mayumi’が開花した。新規開花は嬉しいものである。
LycJimRiopelleは見るたびにどひゃあというすごい株になりつつある。花がでかい。我が家ではめずらし蘭展クラスのできである。しかし悲しいかなほとんど鑑賞されていない。ヘタに動かすとつぼみが変な方向を向いて咲くおそれがあり、5つの花がばっちり決めているところを見たいがために棚のしかるべき場所に固定しているため鑑賞出来るようになっていない。夜になって棚の奥から出して眺めている。リカステは見事に咲くと素晴らしいものである。ちょっとリカステにこってみたいなあ、と思っていてもなかなか手に入らないか、高い。しかし優雅な葉が場所を取る。本体のバルブはゴルフボールよりちょっと大きいほどだが、葉も花も結構かさばる。大変おもしろい植物である。こういうのがずっと家で咲いているかと思うと誇らしい。
Den.anosmumに花芽が出つつある。このデンドロは律儀だ。年々バルブが長くなってくる。
Den.グリーンポコス、岩国、竹本とつぼみがくっきりしてきた。開花は年明けだろう。
C.intermedia?にはシースが4つある。今年は花茎3本だったが来年は4本になる可能性がある。4つのシースにそれぞれ陰が見えるからだ。
カトレアにシースは色々あるが不発というのは大いにあり得る。Blc. George King ‘Serendipity’ AM/AOSは2花咲いたあとさらにバルブを伸ばしてきたがまず咲かないと思っている。この固体は咲くと7000円程度で売られている。まあ確かにそういう風格のカトレアだった。
ハーゲンダッツアイスクリームが安かったので買って食べていたのであるが、パッケージに描かれているバニラの花とおぼしき花の絵が妙だ。よく思い出せないが、リップの向きがおかしいように思った。こんな蘭があるか、とぼやいていた覚えがある。
明日から寒くなると言うのに中温棚はまだビニールも巻いていないし土日水もやっていない。
12月19日(日)
晴れのち曇り、時々雨という天気だった。棚に冬ごもり用のビニールシートを張らなければと考えていた。ビニールシートを探したところほとんど残っていなかったので出かけたついでに農協によって買ってくる。これは本来畝を覆うためのマルチングとして利用されているシートで、売っているものは厚さ0.02mm、幅1350mm、長さ100mという巨大なものだった。これがわずか680円で手に入った。前回購入したのは50m巻きだったのでこの太い巻物は何年分あるのだろうか。早速かみさんに散髪してもらうため流用した。
棚から蘭を庭に出して棚の位置を変え、掃除をしてからビニールを上下、左右に巻いてガムテープで留める。今年は3重巻きにした。
昨年いつ頃この作業をしたか記録が見いだせない。中温棚は12月5日にビニールを張っている。半月も後ろ倒しになっているのはさぼっているからであるが、暖かいので油断しているということもある。
トレイがなくなればすっきり入るかとおもって入れてみたがもうぎゅうぎゅう詰めになっている。あまりの蘭の多さに驚きあきれた。これでは蘭を良い位置に調整してやることが困難になっている。来年は苦戦しそうだなあ、と思う。
巷はクリスマスらしい。好物のバタークリームのチョコレートケーキの売れ残りが出なくなって以来この時期はふてくされたように仕事をしている。
嫁いだバンダ3株のうち3つ目が開花したそうでお知らせをいただいた。もらったバンダ4株はすべて咲いたわけである。ありがたいことだ。
蘭店の情報もいただいた。大阪での新春洋蘭展は守口市の京阪百貨店で1月20日〜26日行われるそうだ。ちなみに京都高島屋洋蘭展は1月12日〜18日とか。これらの百貨店は高くてほとんど買えないから行くべしと思っている。
バンダは3花ずつ2花茎についているために写真にしてみると散漫な感じを受ける。大変きれいなのだが、サンサイブルーと酷似している。
Dar. Charm ‘Blue Star’はほのかにフウランの香りを感じる。青く感じるのだが、写真はよくピンク色に写っている。この花のほれぼれするような魅力をなかなかうまく撮影できない。
Barkeria skinneriは新旧二本の花茎から開花しており、ほぼ満開になった。なんというか2号鉢で小さいのだけれど大変魅力的な蘭である。写真ではこの暖かみのある明るい色がわからないが大変強い個性と魅力がある。こういうのが280円だった。根が通気性を好むので植え付けにはベラポンなどを用いると良い。
何度も書いてしまうがLyc. Jim Riopelleがまたすごい。この時期になってバンダ、リカステ、バーケリア、ダーウィナラなどうっとりものの株が目白押しに咲いている。
Onc.Twincleがまたもこもこふさふさに咲いている。
Bc. Maikai ‘Mayumi’がほころび始めた。あと2つか。
12月18日(土)
ひさびさに休日であるが天気が悪く肌寒い。巡回した花工場などでも特に出物はみられなかった。庭にチューリップを植える他は特になにも出来ずに夜になってしまった。
チューリップ園芸も繰り越し球根で庭が埋まるほどになり、昨今は新規な品種もあまり出てこなくなったことや、コストが蘭に比べて割高に感じられ、趣味としては下火になっている。球根の植え付けも、植えると言うよりは撒くに近い。実にいい加減な花作りをしている。
12月17日(金)
つぼみ株3つが開花確実となったため150件開花がほぼ確実になった。今月は12株開花であろうか。
フィギュア集めという趣味がある。生き物や怪獣、キャラクターをかたどった精巧な射出成形樹脂製品である。レアものはふつうに買えば200円でもその筋の市場で7000円もするものがあるという。蘭にはまっている当方としては他のものにはまっている人を笑えないのである。フィギュアの方が増えないし、水をやらないからといって枯れることもない。責任がないぶん楽かもしれない。しかしながら、妙だなと思う点がある。レアとはいえ、人の作るものであるから、型があって、多く作っても良さそうなものである。レアは最初からレアと決めて作る。ゆえに需要に対して供給が少なく一過性のものであるが高値をつけ、欲望をかき立てる市場が形成されている。蘭にもレアものはある。受賞したパフィオは増やそうにも株分けで増やす他はなく、故に高い。しかし長年欲しいと願っているといつかは驚くような値段で手に入れることが出来る。フィギュアの市場はいつまであるか知らないが、蘭はいつまでも思い続けることが出来るし、いつか出会うことが出来る。かなりの有名株でも増やせるものは増やして安く供給してくれる良心的な市場があるように感じる。蘭にもそれなりの財布を相手にする高級な市場はある。フィギュアにせよ蘭にせよ高価な買い物をする心意気というのは、「500円なら買う」という心情よりも元気があってちょっとうらやましいと思う。
12月16日(木)
たくさん咲いてくれているのだけれど味わいきれていない。大変もったいないことである。せめて写真を撮って人様に見えるところに飾っておく他はない。
Dar. Charm ‘Blue Star’(今年1月の画像)の花がこのたびは大変格好がよい。手持ちの本をめくるとたちまち3冊に載っているのを見つけた。よほど有名固体である。昨年より数段よいできである。
V. ? ‘Ikeda’はそろそろ本領発揮という状態であるが、期待した淡い青ではなくだんだん色が濃くなってきた。それでも立派なバンダにはちがいない。
Den. Chinsai ‘Miyabi’が満開である。購入時点も入れると今年3回目の開花になる。
Lyc. Jim Riopelleが過去最高の出来で完成しつつある。
いろいろ弱ったようなものも多いが実に立派な花も結構ある。
Lc.
Aloha Case var. coeruleaは新芽が4つでてきた。これ全部花がつく可能性がなくはない。
枯れそうに見えたC. bicolorに新芽が2つ見いだされた。
Cym. Line Stone ‘Cute’につぼみがぼこぼこついた花茎が1本あがってきた。
月下美人を強風で倒し、有力な枝を折ってしまった。デンマークカクタスの赤いやつが咲いた。しろいのもおっつけ咲く。
Onc. obryzatumが花茎5本を分岐させて盛大に広がりつつある。Onc. croesusは新芽3本がバルブとして太りつつある。昨年つぼみのつきがまばらだったOnc.
cheirophorumは今年はかなり密につぼみを付けているようだ。Burr. Stephen Islerは花茎2本を長く伸ばしてきている。花は深い赤色で長く咲いてくれた。
12月15日(水)Sl. Layla開花
Sl.
Laylaが開花した。深い赤色の花だった。いかにもソフロ的な色をしている。
水やりをしていると1時間くらいがあっという間に過ぎる。本日もさしたる発見はなかった。休眠期で活動は鈍い。こっちの活動も鈍い。週末はいよいよ冬ごもり準備である。棚にビニールを貼って、トレイを撤去するだけだが。
12月14日(火)Onc Twincle開花
山奥の出張先で夜勤の次は2km走の挙げ句昼飯抜き(高くて気後れしたため)で皇居の堀端でプレゼンであった。「忙しい」と言うと己に負けたような気がして業腹なので「まあぼちぼちやってます」といいたい。
家に帰ると本日はOnc
Twincleが開花していた。明日はSl. Laylaが開花するようだ。リカステもバンダはまだ6分というところ。
花屋でたいそう立派なパフィオを見た。3株寄せ植え5000円である。こういう立派なパフィオなら欲しいなあと思いつつも、パフィオはまだほいほい咲いてはくれないので意欲は低い。しょっちゅうパフィオを見るためにはいったい何株必要なのか。今年の実績は2鉢開花であった。手持ちは12株である。これは新規召し抱えが多いとはいえ低い実績である。カトレアなら10鉢あれば7鉢は咲いてくれるだろう。胡蝶蘭、デンファレなども似たような率で咲いてくれる。しかしパフィオはそうはいかないようだ。小さな花のパフィオでもよく見ていると幸せな気分になる。まだまだ修行の余地があるのがパフィオである。
12月13日(月)Lyc. Jim Riopelle及びDar. Charm ‘Blue Star’開花
夜勤明けでへろへろである。
Den.花工場の花がでかい。事故もなくすくすく育てばこんな立派な花が咲くのかと驚く。
Lyc. Jim Riopelle及びDar. Charm
‘Blue Star’が開花した。これらの鉢も開花期間が長い。バンダはじわじわ大きくなってきている。
本日でEpi. ‘Hanakoujou’は1年間1日もとぎれず花を咲き次いで咲き続けた。我が家初の偉業である。蘭の世界では珍しくもないのだろうが、私はそいう鉢を見るのは初めてである。これ一鉢あれば毎日花が見られるのである。
12月12日(日)
出張先なのでランを見られない。出張していても街を行けばランをみられるが、本日はずーっと仕事なのでまったくランを見ない1日になるのではないだろうか。
開花件数は143件で、開花当確が6株ある。あと一株が読めない。昨年も数値目標120件の目前で届かず119件だった。今年も149件でええか、と思う。
Lyc.JimRiopelleが開花目前である。つぼみが5つほどみえる。それぞれ長期間あけて開花するようなので春まで花があるだろう。これはまったくすごい株になった。リカステとはこれほど素晴らしいものかと思う。花が美しい、株の姿がよい、香りがよい、開花期間が長いなどいいことづくめである。同じことをしょっちゅう書いているが、まいどほれぼれさせられるのだから仕方がない。
12月11日(土)
まあまあいい天気だった。大急ぎでランを出し、みずをぶっかけ、家にしまった。本日は出張で出発時間が迫っている。ランが多すぎて文字通り収拾がつかず、うまく配置できないまま出発することになってしまった。土日はかきいれどきなので残念である。本来なら棚にビニール張りをする必要があるのだが、1週間寒いのをガマンしてもらおう。ビニールを張って、トレイをはずせば冬ごもり体勢である。
仕事を終え宿泊先で本日撮った写真を整理し、あれこれファイルに手を入れる。アップロードでの挙動が妙だ。ひょっとしていよいよ容量パンクか?。いや、なんとかいけているようだ。画像は2000に達しているらしい。
巷はボーナス時期らしくお買い物をあおる装いにあふれている。ラン中毒になってなにが困ると言ってあまり欲しいものがなくなるというのが困る。「デジカメ?。まにあっている。とても2万円を切るとは思えない冴えを発揮しているなあ」「パソコン?。XPはいや。仕事でしょうがなくIBMを注文したけれどWin2000の古いものは名機揃いだ。2000入れて使おうかなあ」「おいしいもの?。自分で作ればいいのだ」「うーん、欲しいものといえば、田圃が欲しい」ボーナス時に小遣いをもらわなくなった。この冬も欲しいものが何一つない。ランが欲しいか?。見れば欲しいものがあるだろうが、水やりのたびに「こんなに数が多くなければ日がよく当たって良い花が咲くのに惜しいなあ」と思うので、「もうあまり欲しくない」と思っている。
学力低下が問題になっている。やたら文字の多いこのサイトは若い人には見てもらえないのではないだろうか。それは本サイトの目的に反するようにも思われた。「ランは理科だ」と思っている。「つぼみがしけた、なぜそうなったのだろうか」「バルブが80cmになってしまった。なぜこんなに大きくなったのだろう」「う、ナンプ病だぁ…。なんで?」と自分で考えなければならないことだらけなのである。
12月10日(金)Den. ? '花工場'開花
Den. ? 'Hanakoujou'が開花した。
12月9日(木)Den. ? 'Saty'開花
Den. ? 'Saty'が開花した。つぼみがほころんでいたがどうも引っかかっているようだ。そのままにするとあたかも段取りが狂うのか変な開花の仕方をする。このためセパルを引っ張って張り付いていたような部分を引っぺがすとほどけるように開花した。明日は「花工場」が咲く。こちらは鉢を落とすなどの事故に遭わなかったため生育が順調でつぼみがやたらと大きい。思うにデンファレの大敵は寒さと鉢を落とすことではないだろうか。むしろ後者の方がこわい。
蘭も気候に慣れたのか調子が出てきたようだ。V. ? ‘Ikeda’はいくぶん色の薄い空色の花をつけた株を奇貨として手元に残した。まだ花は小さい。これからぐんぐん大きくなってくるが湿度に気をつけなければならない。電球の光を当てないようにした。
バーケリア・スキンネリがきれいに咲いている。今年は花茎2本立ちで見事だ。
蘭の扱いを聞かれても答えはない。問うた人間になりかわりその蘭の前に居ることはできない。その蘭になりかわって日照、温度、湿度、風を想像するのは持ち主にしかできない。そのうえで蘭のことはその蘭に聞く他はない。本に書いてあることをふまえた上で、最適と思われる処置を選び、判断し、実行し、蘭に問う。処置がよければ期待した効果が得られ、そうでなければ若干の褪色を看ることになる。処置の結果を記録し、吟味し、次回に生かす、その繰り返しである。この記述の目的はそこにある。人に説けるほど蘭を知らず。聞くなかれ。蘭に問うべし。(今日は風邪でいかれているらしい)。
12月8日(水)V.?‘Ikeda’及びLhta. oerstedii開花
ちょっとお疲れ状態に風邪の侵入を許したのかちょっと調子が悪い。家に帰るとV. ? ‘Ikeda’とLhta. oerstediiが開花していた。新規開花がダブルで見られるとはすごい。バンダは今年3株がすべて開花した。真価はこれから花が展開する一週間後くらいにあらわれる。Lhta. oerstediiは小さいながら実に味のあるおもしろい花である。
へろへろの状態だったが水曜日は水やりをしようとおもっていたので水やりバスケットに株を移して丹念に水やりをした。半分を終えるのに2時間もかかった。まあこれもある種楽しみではある。
今にも咲きそうなつぼみが数多くあるのでしばらく開花ラッシュになりそうである。明日はデンファレが開花するだろう。
本日Den. ? 'Takarazuka Red'とDen.Kurashikiが終了した。
12月7日(火)
書き忘れていたが、日曜日に鉢の配置転換をいろいろやった。特筆すべきは花芽付きデンドロを加温棚に置いたことである。花芽がついてしまえばこっちのもので、あとは温度湿度を保ってつぼみを大きくしてやろうという作戦である。
Epi. ‘Hanakoujou’は切れ目なく咲き続けて今月14日で1年になる。花の見た目が買ったとき、真冬、春、夏、秋、また冬とあまり変わらない。かみさんがおっことして花茎を1本にしたこともある。現在は高芽ばかりが3つ咲いて、4つ目の高芽が咲きつつある。通常の芽も下からあがってきておりいずれ花芽をあげてくるらしい。とにかくただの一日も花がなかったことがない。とうとうきっちり1年咲き続けた蘭を手に入れたわけである。推定400日咲き続けたPaph. glaucophyllum?はときおり10日間ほど花のない期間もあった。このエピデンドラムは赤い色の大変きれいな花をいつも楽しむことが出来た。
ノビル系デンドロであと花芽が見つかっていないのはDen.ノビルと、Den. Spring Poesy ‘Mon
ami’であろうか。ほかはなんとか花が見られそうである。
現有株数に1年経過開花率0.7をかけると、開花件数はだいたい180という数字になる。昨年が119、今年が150とすれば十分達成可能な数字である。毎月15件程度開花する。つまり2日に1件だ。ほとんどが違う種類の花が咲くというのがすさまじい。1年間で100種類以上の蘭の花が至近距離で咲烈するわけである。これはたまったものではない。来年もへろへろに疲れそうなページでゆくわけであろうか。ともあれ来年のロードマップは180件開花である。
12月6日(月)Den.宮島開花
久しぶりに蘭が咲いた。Den.宮島である。5つある花茎のもっとも小さいものから開花した。これから5月くらいまで咲いてくれそうである。デンファレの花がとぎれそうになっていたものをうまいことつないでくれた。あと2株が続く。真冬のデンファレが春まで咲き続けてくれるだろう。
Lc.Irene Finneyの新芽にシースがあるのが見いだされた。
Bc. Cliftonii ‘Magnifica’ FCC/RHSの2本の新バルブそれぞれにシースがあるのが見いだされている。このFCC株はネット上に画像がない。画像があっても古い本にしかないのではないだろうか。埋もれたお宝という株で大変期待している。
C.intermedia?のシースにつぼみが見えた。今年も例年並みだ。57日きっちり咲いた驚異のカトレアである。別に「もっと長く咲いて欲しい」と思っているわけではない。
Bc. Maikai ‘Mayumi’に3本目の花茎があがってきた。人気があるわけだ。即戦力である。
バンダは本日で終了である。V. ? ‘Ikeda’がまもなく開花する。
Lyc.JimRiopelleがまもなく開花する。花5つが開花すれば過去最高の開花になる可能性がある。バルブといい、葉といい今年の充実ぶりには目を見張る。蘭はときに大変素晴らしい成長をして見違えるような開花をすることがあるのも楽しみの一つだ。
原種画像の整理である。パフィオとカトレアをでかいリストから切り離した。姫路の手柄山植物温室で行われた蘭展の写真で種が同定されたものをリンクしていた。すでに掲示板で公開しているパフィオは省略。Enc. ciliareエンシクリア・シリアーレはなにやらカトレアのような雰囲気がある。S. wittigiana、S. brevipendunculataソフロはええ色をしている。Angcm.
distichumこんなんがアングレクムか?。Den. biggibum var compactumいまさらだが、これがデンファレの根本か。Lockhartia luniferaロックハーティア・ルニフェラ。
ゴンベッサ氏からの戴きものの原種画像もリンクした。S.
cernua秋によく見るようだ。Trichopilia marginataちっとも売っているのを見ない珍しい蘭だ。Cirr. watsonianumなぜか鞍馬を思い出す。Coelogyne rochusseniiセロジネにはとんでもないものがたくさんあるのだと言うことに最近気がついた。原種画像は382種に達した。こういう数字をあげると「よーしおれも」とがんばってくれちゃう嬉しい蘭数寄がさらにすごい蘭図鑑を作ってくれると期待している。球根ページは700種を集めたページを作ったが、最近はもっとよいページが出来ているようである。
画像の背景にじゃまなものが写り込むことがあり、今までは気にもしていなかったのではあるが、結構簡単に消せるということも分かってきたのでためしにやってみた。背景の一部写っていても気にならない領域をコピーして貼り付けるのである。この手で電線や家などを消した。
12月5日(日)
今日もとくになにもない。雨と寒さで出来る作業も限られている。昨日同様陰にこもった作業をする。カトレア図鑑にとりかかるが、パフィオより文献の記述が多いのは何故であろうか。用語がまたパフィオとは異なっていて往生する。
カトレアの次は何だろうか。胡蝶蘭だろうか。まちがってもデンドロやオンシということはない。ましてやバルボなどは及ぶところではない。何故パフィオとカトレアの原種リストを作ったのか。強烈な魅力があるため、つい出来心でやってしまいました、というところである。大変危険なリストではないだろうか。これを打ち出して定期入れに入れて持ち歩くようだと実に危ない。
カトレアの原種はざっと53種あるそうである。なんとなく集まっちゃいそうな数字ではある。「すべてを1000円以内で集める!」という目標なんか立てたくなる。なるでしょ!。なるなる。うーん。
ラビアタ、インターメディア、ワルケリアナ、ボーリンギアナ、マキシマ、シレリアナ、アメジストグロッサ、トリアネ、ガスケリアナ、などざっと思いつくだけでもため息ものの綺羅星のごとく見事な原種のオンパレードである。このうち持っているのは4種だけだ。あと49種・・・。バカなことを考えたらいかんいかんいかん。ふるふるふる(頭を振る)。
本日は雨だと思っていたら朝にはやんでいて気温が高かった。総出撃である。全部出してしつこいほど水をやった。これで一息ついた。特段弱った株も見あたらない。いろいろがまもなく開花である。
ステレオキラス・ダァテンシスにつぼみが見える。8月25日に開花したのだがまた咲くかもしれない。
Onc. SharryBaby ‘Red’ が大変きれいに開花している。香りもかなりよろしい。「当たれば大きい」ハイリスクハイリターンな花というのはある。
12月4日(土)
今日もとくになにもない。雨と寒さで活動も停止している。のたのたデータ整理をしている。この一年でもっとも低調な一日かもしれない。
こういう日は陰に籠もってデータ整理である。とうとうパフィオ図鑑の入れ物が出来た。こんなことをやって何になる、と心に打算の嵐が吹き荒れる中ものすごい文字数のパフィオリストができあがった。ざっと90種である。多いのか少ないのか。
一区切りついたが、やらんでもいい仕事がいくらでもあってきりがない。仕事といいつつ純然たる楽しみなので、記述をしながら熱帯の島や石灰岩の崖、鍾乳洞の入り口、ヒマラヤの山裾に生えるパフィオを想像できた。本当に素晴らしい植物である。
つぎはカトレアだ・・・。
12月3日(金)
今日もなにも咲いてくれない。こういう時期が4月に11日間、5月末に10日間あった。今回で9日間になっている。要するにめずらしいことではない。今月の開花予定はDen. ’Miyajima’、 Den. ? 'Hanakoujou'、デンファレ・サティ、V. ? ‘Ikeda’、Lhta. oerstedii、Onc
Twincle、Onc. ornithoryncam、Lyc. Jim
Riopelle、Bc. Maikai ‘Mayumi’、Sl. Layla、は堅いところで、12月はかなり多そうである。Lhta. oerstediiは超ミニの握り拳を2個つきだしたようなかわいい姿である。これと、Bc. Maikai ‘Mayumi’、 Onc. ornithoryncam、V. ? ‘Ikeda’とSl. Laylaは新規開花である。
未整理の画像が90枚もたまっている。トリミングやサイズを小さくする行程は終わった。名前を特定してリンクを張り、整理すると図鑑の画像は原種交配種併せて700種を超える。1枚見るのに5秒かかるとすれば、画像を見るだけでざっと1時間かかるし、クリックは1400回に達する。
12月2日(木)
交配属のリストを手に入れていた。これを編集しているのであるが、かなり大きなデータなのでなかなか加工しきれない。こんな交配種があるのかと驚く。蘭辞典のデータがどんどん増えている。蘭辞典は索引が使いやすいので「なんじゃこりゃ」という属名やつづりに遭遇したときに引きやすい。改訂したいのだが、元データのCSVファイルが行方不明になり往生している。
寒くなったと思う。蘭の活動ものったりしてきて開花するものが少なくなったと感じている。水やりも週一というペースになりつつある。
台風27号はフィリピンのルソン島で猛威をふるい、台湾経由で沖縄方面に向かっているようである。この台風がもっと北上すれば温くなるか?などと変な期待を持った。
昨夜京都で地震があり、なぜか速報が入る前に京都らしいとおもった。次は京都か、などと以前から思っていた。これが前兆なら落ちそうなものはおろしておこうと部屋を見回した。「震度5くらい来そう」と日誌に書いて職場の危ない箇所を点検したのは阪神淡路大震災の2ヶ月前だった。秀吉が桃山城で遭遇した大地震のくだりは歴史小説で何度も読んでいる。160年周期で起きると言われる京都付近の地震の一つである。前回は明治の頃に起きているのでいつ起きても不思議はない。先週京都を歩きつつ、こんなんで備えは大丈夫なのだろうかと危惧を抱いた。クルマとバイクと自転車がいやにえばっている街だと思った。日本に安全な土地はなく、備えは常に必要である。
12月1日(水)
太陽電池ファンをビニール温室の内部に仕掛けて、最高温度を測定した結果最高気温は38℃だった。内部のファンと水を張った洗面器などは効果なしということである。温度が上がった場合外気を取り入れることは不可欠であることが分かった。保温性についても連日2℃という温度が測定されていることから、加温も不可欠ということがわかった。結論としてビニール温室は「締め切った場合、昼は高温夜は低温のいわゆる砂漠気候を作り出し、その種のサボテンに向く」ということがわかった。利点としては、締め切らずどこかをあけておけば低温に耐える蘭を雨に当てずにすむ、ということであろう。これを温室たりうるようにするためには少々の技術開発とエネルギーを外部から供給してあげなくてはならない。今後さらに検討を行う。
胡蝶蘭「Kashin」が枯れそうだ。根は元気だが葉が枯れそうなのだ。春先ならまだ復活もあり得るが時期が悪い。
蘭のリソースが仕事に流れ込んでいる。年相応に仕事をしたいということで結構なことなのだが、適切な世話をしないと蘭に申し訳ない。欲も見栄も欲しいものもないが、仕事をしたいと思う。こういう状態に至ったのは蘭の影響ではないかと思う。
原種蘭図鑑の記述書式について、以下のように考えている。
「ビルマの標高1000から1200m付近の水辺に近い石灰岩崖に根をコケに覆われて自生する。中高温生。花茎に1花をつけ、冬から春に開花する。花茎は暗緑色で毛が生えている。葉は斑入りで裏は赤みがかっている。花径8cm。1800年代の英国の蘭コレクターの名にちなむ。パフィオペディラム亜科。ミックスコンポストにプラポットでよく育つ。炭酸カルシウムの小片(100円ショップで手に入る大理石を砕いて与えても良い)を入れるとよく育つ。水やりは周年。冬は回数を減らす。5月に油かすと骨粉の玉肥を1つ程度、春から秋にかけて週一回1000倍希釈の液肥を施す。入手は専門店か2月頃の蘭展で」
自生地、標高、自生地の様子、生育温度領域、花の様子、葉の様子、株の様子、種名の由来、コンポスト、水やり、施肥、入手という点に留意して記述する。
でもまあとてもそんなには書けない。しかしコピーペーストで変わるところだけ記述すれば案外数をこなすことは出来るかもしれない。
困難なのは株と花の特徴の記述で、この部分はプロでなければ難しいとおもわれた。定型かつ圧縮した記述方法がいくつかあり、これを覚えると記述は楽になるようだ。「円錐形のバルブに革質の2葉を頂生し」「花はロウ質かつ肉質ですみれ色、リップにカルスを生じ、芳香を放つ」。まあ時間はあるからじっくりやろう。原種画像はまだたかだか400種をあつめたにすぎない。
ふと思ったのだが、本になっていて世の中にすでにあるものを作っていて良いのだろうか。本のほうがずっと素晴らしいできになっている。こういうジャンクなHPが本の神聖な領域を侵すことにならないだろうか、と。優れた蘭の本が出なくなるというのは困る。しかし蘭へのとっかかりとしてこのHPがあるのだとすれば、蘭にはまっていずれは本を買う人口が増え、結果的に本の売れ行きが伸びるのでは、という考え方もある。
11月30日(火)今月は8株開花
太陽電池ファンをビニール温室の内部に仕掛けて、最高温度を測定していた。本日は曇りで寒く、最高気温が24℃だった。太陽電池ファンが回っているところを見たわけではないので、これが寄与したのかどうか分からない気候条件だった。
今月の開花件数は今年もっとも少ない8件となった。今年のこれまで10ヶ月間を見るに今後ずーっといつまでも月に10鉢以上開花し続けるのではないかと思っていたのであるが、このたび小休止となった。つぼみの多くが足踏みをしているように見える。本日も寒かった。
衛星写真でアジアを見ると大きな台風らしいものが見え、1日見ているうちに日本列島ほどの巨大なものになった。こんな大きな大気の流れがごく短時間に出来てしまうということは天気予報というのは大変難しいのではないかと思う。この台風はフィリピンに襲いかかる進路をとるそうだ。
パフィオ図鑑の記述にゴールが見えてきた。なにが楽しくてこういうことをしているのかといぶかしい。こういうものをつくっているともっと良いものがまもなく現れるのである。少々寂しくはあるが、ネットにおいて利用できるコンテンツが増えるのはありがたい。パフィオの次はカトレアをやろう。
11月29日(月)
ビニール温室の最高温度を測定していた。昨日日陰になるように素焼鉢や洗面器をいれて、その陰に温度計を置いた。本日計測された最高温度はなんと38.5℃だった。これは温水器に使えるなあ、と驚く。もしビニール温室を使っていて植物の具合が悪くなったのだとすればこの高温が原因と考えられる。入れっぱなしはよくないのだ。次は自作の太陽電池式ファンを入れてみよう。
今月は開花株が10株を切りそうである。つぼみはたくさんある。しかしここまで8株の開花にとどまっている。まあええんですけど。
いけいけどんどんだった蘭の趣味も寒くなると急に弱気になる。いろいろな株が弱っているように見えてくるのである。なにやらホームページの活動まで低調になっている。株が増えれば日光を十分に当ててやれなくなる。夏に稼いだはずなのだが、冬の日光もはやり重要と言うことであろうか。
今年デンファレを涼しい家で栽培して失敗したと思った。世界一暑いといわれる大阪府の平地に持ってゆくべきだった。暖かいとすくすくのびる性質があるのがデンファレのようである。株の成長も今ひとつで、開花も後ろ倒しになってしまった。また、湿度変化の激しいところでは花が早くいたむ。オフィス向きの花である。
昨年はこの時期に赤いカトレアが咲いていたが、今年はこれも後ろ倒しになっている。夏に咲いたからだろう。新芽4本が昨年のように咲くとすればこれまた2ヶ月の長い花期になるのであろうか。
Den.キンギアナム?に多数の花芽が出ている。もらったDen. kingianamにも1つ花芽が出てきた。空振りの少ないデンドロである。
Trichoglottis
pusillaに花芽らしいものが出てきた。花を見たいものである。
この間素晴らしい花をつけていたPaph. ?
'Yanai'にまた花芽が出つつあるように見える。名無しでも実に素晴らしいパフィオだった。パフィオの花の「面のでかさ」というのはある程度効くものかもしれない。ずーっと咲いているPaph. primulinumは大変すてきなのであるが申し訳ないことに最近ありがたみが薄くなってきた。職場の机の上が鑑賞には良いかもしれない。こういう花が「にぱー」とほほえんでいれば仕事にはげみが出るだろうか。
11月28日(日)ビニール温室を買った
コーナンにてビニール温室1980円を買った。いろいろ見て回って要求仕様を満たしつつもっともコストパフォーマンスがよかった。10分ほどでくみあがる。なかなか堂々としたビニール温室で、これで2000円は安い。4段、158cm、トレイ4つがまるまる入って余裕のある大きさである。夏場はビニールを取って棚として使える。
これで早速屋外に蘭を置く、と早計なことを考えているわけではない。温度変化のデータとか、加温方法の検討とか、高温対策とかいろいろ検討を行い、データーを取って特性を理解した上で、それなりの使い方を検討しようと考えているのだった。とりあえず最高最低温度計を仕掛けて置いた。最近の最低気温は2度で、加温なし、覆いなしでは外気温と同じになることだろう。問題は最高気温である。低温よりも危険で、真冬に高温になるとすればこの高温こそが危ない。
今後は、「夜はカバーをさらに掛ける」「夜は簀巻きにする」「夜は風呂の残り湯をバケツで置く」「夜はキャンドルサービス」「夜は石油ランプ」など種々様々な保温、加温作戦を行い、「昼は太陽電池ファンで循環」「水で温度平準化」「やっぱりファンで換気」などの高温対策を検討する。
話は変わるが、本日100円ショップで「暗くなると光るランプ」を見つけた。ランプはAC100Vで光るタイプだ。センサーはCdSらしいものが外に見える。このランプは暗くなるとAC100Vを供給する回路として使えるわけである。これを利用すれば暗くなれば蛍光灯などをつけて蘭を照らすというような制御を自動で行えるわけである。そういう回路キットを秋葉や日本橋で探した覚えがあり、それが100円で手にはいるというのは「ラッキー」などと思っていた。しかしそれで具体的になにをするかというようなことはあまり真剣に考えてはいない。現在は温度が15度を下回るとAC100Vが供給され、電球、蛍光灯、または加温器がつくという制御を2カ所で行っている。
本日も少々寒いながら蘭を外に出して水やりをしていた。特段変化はない。記述をさぼっていたのだが、Lhta. oerstediiのつぼみはまもなく開花という状況である。
11月27日(土)
神戸蘭友会の展示というのはどうも先週だったそうだ。残念である。会のページを先々週からチェックしているのだが、どうも入れない。3カ所から試してみたが何故かは入れない。そういうわけで情報の確認が遅れてしまったのであった。思うにあまりに客が来るので制限したのかもしれない。
本日は一部水やり程度でたいしたことはしていない。
Den.Formidibleがかなり美しく咲いている。香りもほのかではあるがよろしい。
Onc.シャーリーベイビー‘Red’が満開である。「チョコレートの香り」と言われるが、それ以上に良い香りだと思う。
最低気温は2度ないし1度を記録するようになった。バンダテレスとワルケリアナをうっかり屋外のデンドロの棚に忘れて数日置いていた。ひどい目に遭わせたものである。このところこの手のミスが多い。
屋外植物テントというようなものが市販されている。畳1畳分くらいで2500円のものがあった。そういうものの内部をあたためる石油ランプというのも売られている。値段を聞こうとしたが店員を捕まえ損ねた。まあ石油ランプは蘭には悪いという。そりゃそうだろうと思いつつ、しかし室内の蘭は石油ファンヒーターで暖めていることになる。まあそういう実験もおもしろいかと思ってみているだけで、値段が分からないため見送る。
売られているオンシを見ると大型化の傾向にあるのか、「百万ドル」など驚くほど大きかった。ほかにも大きなオンシをみた。このところいろいろとオンシから花茎が出ているので気になるのである。
Blc. George King ‘Serendipity’ AM/AOSは本日終了である。良い香りだった。現在伸びてきているバルブから開花があり得るのか興味がある。
Bc. Cliftonii ‘Magnifica’ FCC/RHSにシースが見つかった。シースが出たからと言ってなんともいえないが、こいつはやってくれそうな気がする。
Bc. Maikai ‘Mayumi’につぼみが出ている。冬の定番だから安心してみていられる。Sl. Laylaにもつぼみが出た。Dar. Charm
‘Blue Star’とV.
? ‘Ikeda’ のつぼみも順調である。バンダのつぼみは花茎2本それぞれに3つずつと少な目だ。
11月26日(金)
本日も京都に日帰り出張であった。休憩時間や帰途に京都の街を歩く。へろへろのシンビジウムのほかにもひょろひょろ垂れ下がりデンドロビウムやらもみかける。うげ、土植えのオンシジウムが花をつけている。蘭のセオリーを無視した植え方に驚愕しつつも「けっこうええ花つけてるやんけ。どないなってんねん」とはなじらむ。そういうオンシジウムは屋外栽培で7号鉢に真っ黒くなった腐葉土みたいなコケやらバークやらに生えていた。「さむい、しぬー、咲くしかない」という開花なのだろうか?
蘭の棚の下でごろごろしていると上からコロンとボレアの蕾が落ちてきた。寒いところに出しっぱなしにしていたため蕾がしけたのである。「いやみなやっちゃなあ」。
明日から神戸蘭友会の展示会が須磨離宮公園である。素敵な株が多数展示されるので撮影意欲がわく。わけ株の販売もまた魅力的である。トリアネーの切れ端がほしいなあ、などと考えている。
11月25日(木)
日帰り出張で京都に行っていたが、どうも腹具合が悪い。それでも時間の合間にやたら歩き回った。シンビジウムが好きなのかよく見かける。ひょろひょろかボーボーである。暑い街で日が当たらないとこうなるのか、などと思いつつ過ぎる。カトレアやオンシほかさまざまな蘭になれるとシンビやデンドロだって結構難しいというか思うに任せないところがあると感じるようになった。プロがそれなりの設備で気合いを入れて作っているものなのだから簡単であろうはずがない、とも思った。
ホームセンターを見かけた。ミニ・ミディカトレア1500円。まあ妥当な値段だろう。
バルボがいっぱいの京都府立植物園まであと2km。だが力つきて下鴨神社から引き返した。無謀な昼休憩であった。明日も早朝からでかけて京都だ。
11月24日(水)Onc. SharryBaby ‘Red’開花
Onc. SharryBaby ‘Red’が開花した。かなり赤い。これもシャーリーベイビーかというほど赤い。赤不動などとあだ名をつけているほどである。
連日よく咲いてくれる。「続く幸せ」というコーヒーのCMがあって、毎月花の鉢が届くという懸賞があった。蘭はそんな生易しいものではない。「幸せ?の埼京線恵比寿行き」くらいの頻度とボリュームがある。週一ペースでちょうどいいのだが、実際はその3倍のペースである。しかし驚くかなそのさらに3倍の開花頻度を誇るHPがある。「中央線でも止められない山手線3分間隔どうだどうだ」的な「毎日開花」頻度である。
こういう開花頻度というのはいってみれば「フェーズ」の違いで、蘭好きはそのロードマップにきっちりそういう将来の生活が組み込まれているのだった。年々蘭を置くスペースもどんどん増え、鉢の集積度は上がり、開花速度は増す。蘭栽培もムーアの法則か?というくらいグレードアップするのである。3MHzの286から3GHzのペンティアムIVまでいろいろ付き合ってきたが思えばあっという間だった。
それゆえ「なかなか咲かなくてぇ。どうしてでしょう?」と聞かれても「わしもそうだった」というほかはない。「うわ、おもろい植物」と「ミドリ電化」で買ったカトレア300円から初開花まで700日を要したのである。今の200分の一の頻度だ。今なら「設備、技術、環境でかのカトレアはきっちり定刻どおり咲いてくれる」と豪語できるが、当時は「遮光?どないすんねん。肥料?、なんぼすんねん。温度?庭じゃだめなんか」と、もうわからんことだらけだった。知識と経験、設備と技術の積み重ねがモロに効くのが蘭栽培というものではないだろうか。
昔の私がこのHPをみてばんばん咲いている状況を見たとすれば、ある種憧憬と焦りを感じるかもしれない。「なんやこのおっさん、あほちゃうか?」くらいは思っただろう。しかしながらこれからの楽しみを思えば、「咲きまくりでひいひい言うとるな」と看破し、「わしはもっとじっくりやったろう」と計を練ったのではないだろうか。
11月23日(火)Bark.skinnery?開花
Barkeria skinneriが開花した。本来この時期なのだが、夏に開花して別の新芽が延び、さらに花茎を出してきておっつけ2本で開花するようだ。
天気がよく、気温も高かったのですべての蘭を出して水遣りをして日に当てて観察していた。
逆光でみたバンダに魅了された。これは効く。咲いたものをただ飾るのではなくいろいろな光線や角度でみるとこれまたさまざまな魅力がある。
本日はBlc. George King ‘Serendipity’ AM/AOSも実によかった。香りといい、温かみのある色合いといい、姿といい、たっぷり味わって鑑賞した。ただ、花は全開しきれず、その実力を引き出しきれたとはいいがたい。
開ききれないといえば、Den.フォーミディブルも少々はんびらき気味である。そろそろあの素敵な香りがし始めている。
スチール製組み立て式蘭の棚の解体を子供に委託し、おやじは球根の植え付けをやっていた。懸案をいろいろ片付けた休日だった。球根園芸のほうは今年はさっぱり振るわない。売り手も12月を前に売り抜けてしまっている。寂しい花壇になりはしないだろうか。
11月22日(月)
寒いためか開花に足踏みをしているものが多い。このところあまり咲いてくれない。
そういうつぼみ株のボレア・ビオラセアをうっかり一晩屋外に出したまま忘れてしまった。今夜つぼみをみると「あきまへーん」という雰囲気に変わっていた。夏に咲くものをこの季節に咲いてもらおうという無茶もあったが、悪いことをした。株が元気なら御の字だ。
う、バンダのつぼみがしけたか?光を当ててよくみる。こちらは単にもともとの色が悪いだけだった。
しけるつぼみはよく見ればわかる。咲くつぼみというのはこれから開花に向かう張りがある。その張りが失われる様子は明瞭である。温度、乾燥、低温など原因は様々だ。「あ、こりゃだめだ」と思ったものが蘇生した経験はない。
昨日は午後3時から10時まで頭痛でめろめろだった。最近の風邪の傾向らしい。こういう危機管理はうまいので種々の手を打って進入した菌を征圧し、数時間でこの状態を脱した。風邪で寝込むなんて贅沢をしている暇はない。献血をするとなぜかいつも隙が出来るらしい。
このたび姫路で入手した蘭画像はなかなかの収穫で有名原種がいろいろはいっていた。順次画像掲示板に公開しつつ、整理する。
11月21日(日)
CRTの調子が悪いので中古のものを探してたまたま見つけた中古PC屋にゆくと無惨にしおれて乾いた「開店祝い」のオドントがあった。店主は客と長話をしていて接客してくれなかったが、CRTを買うとなればオドントを引き取ろうと持ちかけてみようなどと考えていた。結局CRTの件は相談したかみさんに一蹴されてしまったのであわれオドントも枯れ果てる運命であろうか。
天気が良かったので庭に展開していた。買い物をして3時半に帰るとすっかり日が陰っていた。寒い時期になった。どうしたものか頭痛がする。季節の変わり目なので蘭と体に気をつけたい。
パフィオ「柳井」が本日終了である。パフィオというのは実にすてきだなあ、とよくわかるかわいい株であった。にっこり笑ったようなリップが気持ちを明るくしてくれる。インシグネというものの系統のように思えるが、よく似た交配がこれでもかというほど行われている分野らしく特定は困難である。おかげで大変魅力的な花が300円で手に入る。他にも花茎が出そうな気配がある。
Blcが本調子に開花している。なんともゴージャスな花である。香りもたいそうよろしい。
11月20日(土)姫路手柄山温室
I氏を兵庫県フラワーセンターのカンラン展にお誘いしたが、不在であった。家族でふらりと出かけるが、天気がよいので目的地の選定に迷いが生じた。姫路の洋らん展も捨てがたい。ぎりぎりのところで姫路に向かうことになった。こちらの方が家族サービスになる。
秋の洋らん展ではかつてLc. Elcerrito を買ったところである。大変素晴らしいカトレアだった。展示もなかなか立派で画像が多かったように記憶している。ランだらけのこの時期だから、今日は買い物はなかろうと思っていた。
温室の切符売り場から中に入ろうとするといきなり家族分のじぎくの鉢をプレゼントされてしまった。なんという気前の良さだろうか。家族に1鉢というのならわかるが、子供3人分までどかどかくださる。理由をつけて断る隙さえなかった。夫婦して「キク科はどうもよくわからん」とおもっているのだが、私は「これを元手に仏壇用の花を作ろう」と思った。鉢をぶらぶらぶら下げて歩き回ることになる。
お、今回もなかなかの内容、と画像データがどんどん手に入る。かなりの数撮った。思い返すと、変な原種に注目し、知らない交配種も記録したが、ワルケやカトレアのお歴々などはスキップしていた。この時期に咲くラビアタはえらく小さくなるようだ。
今回買い物はなかろうと思っていたのだ。ここの売店はそう安くないと思っていた。現に花付き株は結構な値段だった。ところがである。初日と言うこともあってか姫路蘭友会や播磨ラン会の分け株が安く多数出ていた。特に播磨ラン会の札がついた分け株が激安で、高かったと思う原種デンドロ200円なんてのやら、500円のワルケやらをつかんで瞬く間に4鉢のお買いあげになってしまった。やはり安い、珍しい、原種、となるとつかんでしまうようである。どれも小さいので今後の楽しみということで手に入れたものだ。
C. walkeriana var. alba カトレア・ワルケリアナ 変種アルバ
2004年11月20日手柄山温室売店播磨ラン会の分け株500円
結構500円ワルケというのはある。しかもアルバというのがどんなものか見てみたい。先の楽しみである。
Coelogyne asperata Lindl. 1849 セロジネ・アスペラータ
2004年11月20日手柄山温室売店播磨ラン会の分け株500円
「美花」なんてラベルに書いてあるからつかんでしまった。「マレー半島からソロモン諸島の海岸近く」ちゅうと高温性だろうか。アスペラータは「毛でざらざらした」という意味だそうで、リップのいぼいぼ突起によるとか。香りがよいそうだ。でかぶつらしい。
Dendrobium
platycaulon Rolfe 1892 デンドロビウム・プラティコウロン
2004年11月20日手柄山温室売店播磨ラン会の分け株200円
扁平なバルブが特徴的な「値の張る原種」という記憶があり、値段がまたすごいのでつかんでしまった。フィリピン、ニューギニアの近隣原産、高温性。花期は初夏と秋。
Dendrobium amethystoglossum Rchb. f. 1872デンドロビウム・アメジストグロッスム
2004年11月20日手柄山温室売店播磨ラン会の分け株300円
あのあこがれのアメジストグロッスムがえらく安く出ていたためつかんだ。フィリピン原産だから高温性だろうか。
先の長い楽しみである。
売っているものをみるとバンダセルレア花付き7000円なんてのがある。バンダは満足しているので、すごいものが売っているなあ、と思いつつもさっと見て通り過ぎる。
花付き株にはあまり興味がない。どれも1500円くらいする。やたら花の大きなデンファレがあった。Den.Arikaによくにていたなあ。
カトレアの分け株は、トリアネーなどは高いなあ、と思った。身の程も知らずトリアネーに興味が出てきたのである。ある種格があるのか、トリアネー2000円>ワルケ1500円>ラビアタ1000円>インターメディア800円>ロディゲシー500円という雰囲気がある。この順に手に入れやすい気がする。あまりカトレアには近づきたくないといいつつ手が出る。カトレアは魅力が強くて危ない。私のようなヘタはたまに見事に咲いたりすると有頂天になり、うまく行かなくてもまた入れあげる、あたかも負けばくちみたいになってつっこむから気をつけたい。
画像整理がおわった。残すものが90枚もあった。かなりのデータである。
11月19日(金)
バンダ党が増えているように思う。嫁ぎ先から画像が届いて思ったのは「うちより生育がいいのでは?」ということだった。実に見事に咲いていた。その隣で誇らしげに咲いているカトレアも前に嫁いだやつで、「こんなに品格のあるカトレアだったかなあ。世の中でもうわかれて3株になっている」。ところ変われば花も変わる。
このバンダの良いところは、大輪のカトレアに匹敵するボリューム、4倍の花期、2倍の開花頻度、律儀、ということである。トーシローの私がBlcは2年に一度咲いてくれれば御の字と思っている側で、年2回は咲くぜ、とがんばってくれるのである。1900円で花付き株を買ったのであるが、以来開花すること6度。バンダを育てる幸せというものである。このバンダは海外で増やして育てて日本で花を出して出荷しているそうである。メリクロンで増やし、花が出るまで5年ほどかかるという。日本中多くのホームセンターで5000円前後で売られており、ものすごい数が出回っている。お猿の乗った象の絵札がかかっていた。この札はデザインが良いなあ、と取っている。
「千円以上だせへんぞー」というI氏以前から、「税込み2100円以内」を2000年から墨守してきた。この金額はPot.HawYuanGoldの2000円によって決められてしまったのである。この苗が1ヶ月後軟腐でバルブ一本になってしまい、「2000円どぶ捨て」の恐怖にさいなまれたのである。以来2000円以上は眼中に入らなくなってしまった。これまで300種類を2100円までで手に入れてきたのだった。来年花が咲く3000円の株より、3年後咲くかもれない500円の株を買う。「良い花は常に咲いている。急ぐことはない」と将来の良花を安く買うのである。変なもので2000円の「来年咲く?」という株はあまり来年咲くということはなく、1900円以下くらいの株が即戦力になることが多い。これを2000円のジンクスと呼んでいて、我が家では2000円は縁起が悪いのである。これゆえ実質は「1900円以上出さない」という揺るぎない線があるのだった。
「それでは銘花を知るまい」。まあそうかもしれない。しかしFCCだのAMだのは1900円以下でも手に入る。1000円台のFCCは年に2回以上遭遇する。金額を云々言ったところで気に入った花は名なしの300円だったりするので要するに気に入りさえすれば何でも良いのである。
「そんなにけちなのか?」。けちだろうけど、蘭って草でしょ。大切な草だけど300円くらいでちょうどよいのではないか。鑑賞料とおもって最近は1000円台をよく買う。結局私は蘭の審美眼がないということをさらけ出しているわけだけれど、命としての大切さはFCCだろうが名なしだろうが軽重があるようには思えない。不幸にして丈夫虚弱の差はあるがどの株もたいそうすてきな生き物に見えるので、弱いものに手厚く、丈夫なものはそれなりに扱う。アリを踏まないように歩き、アスファルトをのたくるミミズは地面になげてやる。300円の名なしをおろそかにしたことはない。されば値段とは何か?。蘭を育て、商ってくださっている方々への手間賃ではないか。思い入れの値段ともいえる。それもまたおろそかには出来ない。高いものにはそれなりの資本と手間がかかっている。良いものをよりよく育てようとする努力への対価にちがいない。買い手の私に審美眼と欲望がないばかりに安い名なしを買うが、高い蘭にはそれなりに敬意を払っている。けして「あんな高いものを買って金をどぶにすてるようなもんだ。金の使い方をしらん。己に投資せよ。高価なもの華美にとらわれ己を失うとはおろかな」などと蘭に対して思っているわけではない。ある種の高級品ほど不要なまでに欲望を喚起することはないので蘭はたちの悪いものではないし、たいそう安価で息の長い、絶えず学ぶことの多い心に有用な趣味である。
お金か。私のしたいことは重い荷をしょって坂道をのぼるようなことで、お金はかからない。上り坂を行く合間に蘭をみて憩うのである。
11月18日(木)
Blc. George King ‘Serendipity’ AM/AOS(資料画像)が展開し終わったようである。なかなか立派なBlcである。
「城塞を守る」という武将の話を読んでいるとそれに類したことをやってみたくなる。「墨攻」という本もおもしろかった。庭に城塞を築いてみたいというようなことに考えが及ぶ。思考のなかで温室の実験を行ってみる。庭のどこに立てるのか?。桜の木がほぼ枯れたような場所があり、付近がクサボーボーになっている。ここを1m掘り下げてみる。かつて庭を2mほど掘り下げたことがある。1mほど掘ったところでかつて田として用いられていたころの土が出てきた。水が出るのは2mほどの深さである。かなり深いところまで田の土があったことに驚いた覚えがある。歴史のある田を埋めたのは惜しいことであったろう。取りうる限りの面積を掘り下げ、四隅に柱を立てた。ツーバイフォー材4本である。この柱にビニールを内と外から貼ってみる。2重の空気断熱ではある。面としては強度がたよりない。冬だけの壁ではある。透明で強度があって安い素材はなんだろうか。当地は風が強い。ビニールだと風がはためいてうるさいだろう。このあたりで思考が頓挫している。
そういえば隣家ではスチールアングルと強化プラスチックトタンでガレージを手作りしていた。これをまねればある程度形にはなる。形に断熱材を貼り付ける。形があれば種々様々な工夫を試してデータを取ることが出来る。温度の計測などは得意分野だ。このような検討は衣装ケースでも出来るのではないだろうか。断熱の実験、加温の効率を調べる実験など、様々に研究課題がある。
熱源はなんだろうか。電気で温水をつくるのは安直である。温度制御も簡便に出来る。日中は天日がなかなか侮れないほど水を温めてくれるだろう。大きな熱容量があるためなかなか高い温度にはならないと思えた。天気が悪いときには期待できないが。じわじわ石油を燃やすというアイデアもある。排気ガスは外に捨てる。外から空気を取り込み、外に捨てる。技術課題が多そうだ。
種々の思考実験から強度、断熱、熱源、換気をうまく行うことが温室の要諦と見た。換気とは温度が上がりすぎた場合熱を捨てることなどを意味する。これは実のところそう難しくはない。強度は材質と組み立て技術がものをいう。これも出来そうだ。やはり断熱と熱源である。囲う、塞ぐ、暖める、という小規模実験を通して自作温室への道を探ることが出来る。
とりとめもなく書いたが、こういう思考は楽しい。
11月17日(水)
トップページのバンダがただならぬ有様なので何度かぽーっと眺めていた。ときどき強烈に感応する写真が撮れることがある。玄妙な色合いである。
献血で血の気を抜きつつ、今日もたっぷり蘭をやった。このところ水やりをずーとさぼっていたためからからである。風呂場にトレイを運び込んで湯をかけた。なんとか元気そうであった。
Burr. Stephen Islerに花芽が2本見つかった。規模は150円で1月に買ったときの倍になっている。
なにやら調子の悪そうなカトレアの原種様であるC.
bicolorに新芽が出そうなので安心した。
宮城谷昌光著「楽毅」を読んでいて塞を守るくだりを読んでいるとコーフンする。極上の読書通勤生活である。この感動がどこへ向かうかと言えば蘭の砦を寒さから守り抜く、という発想につながってゆくのである。気分は兵を指揮する将軍である。蘭を守り、蘭を励まし、蘭に咲いてもらうのである。よく蘭を観察し、用心して、適切な手を打ってゆくことが蘭栽培にも必要なのだろう。
今週末から加西フラワーセンターではカンラン展が、姫路の手柄山温室では洋らん展が行われているそうである。飛び石休みまでやっているそうだが、どっちに行こうか。それとも今回は見送るか。
「このパフィオはどういう種類のものでしょうか」という問い合わせをいただいた。自分のパフィオもわからないのだから余所様のパフィオがわかろうはずもない。よく見て目が肥えている人は分かるかもしれないので掲示板の論客にお願いした。問い合わせてくださった方もホームページがあり、ここの亀のページに子供の頃を思い出して感激した。飼っている亀が卵を産んで増えるのだそうだ。年々増えてゆくというところがすごい。亀好きだった私もそこまですてきな亀の楽園の持ち主を知らない。亀だけでなく、育てておられた蘭の写真がまたよかった。素晴らしい開花をしているだけでなく、背景が店の中なので、蘭の大きさや艶に質感と奥行きがあり、活き活きとしていた。常々思っていたのは背景を消すことは蘭の置かれている環境を消すことであり、質感の喪失につながる。作品として望ましいかもしれないが、生活の場と解け合っている姿の方が安らぎを覚える。私自身プロでないのだから格好をつけても仕方がないのにと思いつつ、「背景を消して欲しい」という要望に従っていた。蘭の写真は一面飽きやすい面があるように思われるが、へんなものがまわりに写り込んでいるとなんだか長く見ていられそうに思える。最近は田園風景などを入れるという一面贅沢な方法を使っている。
11月16日(火)
大輪のカトレアはなお展開中である。どうしたものか昔からのわくわくする気分がなく、ぼーっとみている。いずれ花の良さにはっとさせられる瞬間があるのだろう。
リカステに興味がゆく。たいそう美しい花があり、香りがよく、株の姿も好ましい。葉芽と思って育てていた芽がどうも大半花芽らしい。肥料を取り除いた。「リカステは30℃以下」という記述に近いものを見たことがある。うちでは「この種は風通しよくすれば34℃以下」ということになっている。同様に「マスデバリアは最高27℃以下」なども「暑ければ風のある日陰に避難。34℃でも生存可能」である。書籍での記述はある程度「うそつき」と言われないようにグレイゾーンは「守りに入った」記述になっているようだ。さらにつづけると「バンダは最低温度18℃以上」は「種類によっては最低8℃で越冬可能」であるし。「デンファレも18℃以上」は「デンファレは乾燥気味にして最低9℃でも越冬可能」である。工夫と作戦でいろいろ上手に乗り越えてきたのかもしれない。「危ないので記述していない」という部分もあるような気がする。たとえば電気ものはあぶない。特殊なファンだの(4機が稼働)、直流電源(3つ)だの、蛍光灯2つ、電球2つ、金魚の温度調節器だの電気毛布だの本来の使い方をはずれたものはおすすめできない。いろいろ汚い手を使っているのかもしれない。
汚い手といえば、上司がPHSを便所にぼっちゃんとおとしてしまった。もちろん「電解質」のなかに、である。通常はこれでジエンドだ。「はたしてそうかな?」と、そのばっちいPHSから電池をはずしてPHSをよく洗い、蒸留水でよくすすいで、水を切り、60℃で真空乾燥した。はたしてPHSは見事に生還した。なしがたきをなしてゆきたいものである。
11月15日(月)Blc. George King ‘Serendipity’及びEpi. porpax開花
Blc. George King ‘Serendipity’ AM/AOS(資料画像)が開花した。まだ半開きの状態である。ここからが気を遣う。こういう大輪が咲くとなるとかつては「早く家に帰らなければ」と家路を急いでいたものなのだが、最近は落ち着いたものである。
Neolehmannia porpax(Epi.
porpax)は二度目の開花だが、こちらは1輪だけの狂い咲きである。こういうのを開花とカウントして良いのか、という疑問はあるが、まあせっかく咲いてくれたことだし、開花として賞揚する。我ながら実にせこい。
我が家で人に見せられるような鉢の開花というのはほんの数例というくらいではないだろうか。大半はちいさいかわいい鉢の開花で、買ってきたものとあまり変わらないか、かなり負けている程度のものばかりである。この間もバンダが咲いたものを展示しようとして思いとどまったが、やはり売り場に行くとそっくりな売り物があって、売っているものと変わらないのなら展示する意味がないなあ、と落胆した覚えがある。具体的に展示できうるのは、本日開花のBlcがちゃんと咲いた場合と、カトレア・ラビアタ、リカステ、カタセタムというところしかない。やたらぱかぱか咲いているのではあるが、どれも実に小規模な開花である。どあっぷで撮影しているので華やかにみえないこともないが、実はささやかな小花を愛でる日々なのであった。
鑑賞に堪える鉢をどんどん展示できるということはなるほどすごいと思う。分限の差を思い知らされる。そういう形の社会的貢献を素晴らしいと思う一方、家の中だけのささやかな栽培というものもそれはそれで個人として十分楽しく意義のあることである。大変立派な株を育てておられる蘭友会を見学させていただいた際に、「これはとうてい私の及ぶところではない」と思ったことがある。レベルの差は一朝一夕には埋まらないから(畳1枚と30坪の温室の差くらいある)長く時間をかけて取り組むべきもので、気長に望みを持ち続ける他はない。そうはいっても現状は楽しく、手持ちの株はどれも満足の行くもので、これ以上望むものはない。
Paph.
primulinumの第9花が開花した。一方のPaph.
primulinum var. purprascens(写真左)の第7花がまもなく開花である。花茎はどちらもやたら長い。6月に買ってはや半年か。
胡蝶蘭に花芽が出ているものは、Dtps. ‘池袋1’、Phal.'Arima'、Phal. Amanogawa x Grand City
‘Venus’、Phal.‘Royal’、Phal. 'YellowGreen、「池袋5」と6株になっている。開花の記録のない「池袋5」が注目株である。弱っている3株、新参1株、夏咲きの2株、開花中1株のほかは花芽だらけである。春の開花まで長丁場だ。
11月14日(日)
「冬の太陽光線は夏より弱い」、○か×か?。実のところあまり変わらないと思うが、冬の光線は大気層に斜めに差し込む分ひょっとすると長く大気の中を透過してくるため弱まるかもしれない。「じゃあ、何で寒いのよ?」といわれると、単位面積が受け取る太陽光線が減るから、という答えと、南からの暖かく湿った空気の代わりに北の寒い空気に覆われるから、という答えがある。そこで思うのは、北海道だからといって日照時間が短いだけで、差し込む日光の質に変わりはないということである。冬場は、寒くて日照時間が短いぶん蘭の生育もにぶるが、適温を保つと旺盛に生育するものもあるなあ、と感じている。冬とはいえ、多くの蘭は眠らず、活発に活動を続けている。
バーケリアが再開花しようとしている。8月10日から1ヶ月ほど開花していたが、夏に新芽が出て花が終わり、このたび新芽につぼみが付いた。それと呼応するように不発気味だった夏の花茎からつぼみが出てきた。ある種開花ホルモンと開花抑制ホルモンみたいなものの存在を感じる。「新芽が出るからちょっと花はやめとこーぜ」と開花抑制物質が新芽から出されるのではないだろうか。その新芽が咲きたくなったので、「花出すぜ、咲くぞ咲くぞ」という物質を出したところ古い花茎からもつぼみが出た、とまあそういう仕組みなのではないだろうか。そういう「咲きたくなる物質」を蘭にぬったくるかすればほいほい咲くということはまあ私の趣味としてはやりたくないなあ。「こいついつになったら咲くのか」という鉢はいくつかあるからそういうのには試してみたくはある。
Bc.Maikai‘Mayumi’には花芽が2つみえる。新芽もある。このカトレアが知名度では最も高いかもしれない。なにしろ鉢の数が半端じゃない。どこに行っても見かける。かみさんの世代に‘マユミ’がめったやたらと多いので、マイカイ・マユミ45歳、と書くともう「会社員のご主人に、子供は2人、高校生2年生の女の子と中学生1年生の男の子、庭付き一戸建て、趣味はママさんバレーとレース編み、両親はクルマで20分ほどの郊外に住んでおり、パソコンは苦手」などのイメージが浮かぶ。まもなくこのカトレアの季節がくる。写真をリンクしようとしたらなんと交配種の画像ライブラリに画像がない。なんということだ。こんな有名種を網羅していないとは。
もっとも有名なカトレアは何か?Blc. Pamela Hetherington ‘Coronation’ FCC/AOSだろうと私は思うのだがどうだろうか。なにしろやたらめったらの大株が1月の蘭展にゆくと賞を取って飾られているのである。パメラ・ヘザリントンとは何物か?。
用があって出かけた場所で、暇をもてあまし、付近を散策した。住宅地で温室を見かけた。雰囲気のかっこいいガラス温室であった。だが、近づいてみると庭も1坪温室も、どこもかしこもセッコクの鉢で埋め尽くされていた。
さらに林を散策していた。すぐに春蘭らしい植物を見つけた。ざっと見ただけで5株はあった。よくみるといくつかの株に見慣れたつぼみの袋がある。もう花芽がこんなに出ているのかと驚く。大手スーパーのショッピングセンターまで300mというところに花芽のついた春蘭が何株もあるのである。結構な環境だ。
11月13日(土)
Blc. George King ‘Serendipity’ AM/AOS(資料画像)が開花目前となった。つぼみが開花体勢を取りつつある。つぼみが大きい。今年度最高の開花になる可能性すらある。今年はBlcは咲かないと思っていただけに少々ありがたい。1月に買って11月に咲くとはありがたいことだ。まさか今伸びている新芽も咲くというのではないだろうな。この個体は冬の蘭展に行くとちょくちょくお目にかかる有名株である。我が家では一番有名な交配種か。
Lyc. Jim
Riopelleの芽5つのうち、いくつかは花芽のようである。夏中立派な花を観賞したあとでまたたっぷり咲いてくれるというわけだ。リカステというのはまったくありがたい蘭だ。2001年からのつきあいであるが年々パワーを増してくるようである。3月から5月、8月から12月などこの花を見る機会は多い。このまま育てているとひょっとして一年中咲く蘭になってくれるかもしれない。芽が5つとも花芽という可能性がある。
Onc. ornithoryncam x
flexosumの花がなかなかよろしい。香りも上品でよろしい。なぜか新芽が急成長中である。花を咲かせながら新芽を大きくするというのは珍しい状態である。
ウチョウランの地上部が枯れたので、厚く生えているコケを取り除き内部を点検した。芋は小さいながらも出来ている。鹿沼土+赤玉土を重ねておいた。コケもよくちぎって重ねておいた。
Angcst. Paul Gripp × Lyc.
aromaticaのバックバルブから芽が出たものを2号鉢に植えて置いたら元気に芽が大きくなっていた。
洋種エビネ(いわゆるカランセ)のバックバルブから芽が出たものを2号鉢に植えて置いたら元気に芽が大きくなっていた。
寒波がきた。久しぶりに寒くなってきたのでいろいろ用心をしている。
古本屋に行って2枚250円のCDなどを買っていたが(安くても良い曲はいくらでもある)、100円コーナーに清水裕紀著「洋らんの育て方(上手な管理の仕方と優しい咲かせ方)」日本文芸社、(1991)1200円があった。なにやら文字が多く、網羅している属数が多そうで、情報量に期待がもてる。蘭関連の文献がじわじわふえてゆくなあ。
花工場を巡回すると、見た瞬間Slc.リムファイヤーというカトレアがあった。それほど特徴的なのである。また、よく出回っているようである。
一昨日の事故でDen.シルシフローラムの大きなバルブを骨折したようである。もったいない。
11月12日(金)
激戦の末週末にたどり着いたという一日だった。瞼が降りてきて蘭を見る能わず。明日はゆっくり眺めることにしよう。
温室について議論がなされている。あれば本格的に蘭を栽培できることだろう。もっとも5月から10月のあいだ蘭はもっぱら屋外にあるので、需要は11月から4月の間、もっぱら冬だ。冬場15度に出来たらさぞ生育がよいだろうし、枯れずに済んだ蘭もいくつかある。しかしながら15度というのは保つには結構大変な温度だ。コレクションの多い栽培者は温室で育てないと冬場保温や光が不足する。現在の250鉢はほぼ限界とみている。これだけの数を家の中に収容するのはふつう困難である。まず家族の理解を得るのが大変だろう。ざっと書いてみてあまりにも複雑な要素がからまっていて整理して書けない。蘭、自分の趣味、家族、お金、温度、場所が複雑に絡まっているのである。他人事ではないのだが、「もうこの冬は適正に収容できて大丈夫みたいだからとりあえず落ち着いて仕事をしよう」などと冷めているのであった。来春のことは来春考える。一時の狂おしいほどの蘭への欲求は「ほのかな嗜好」と「好ましい習慣」程度になっている。また、温室にお金をかけるのは、子を持つ親として家族に申し訳ない。蘭か子かといわれれば子をとる。
家の中で育てる利点は、生活の場で蘭を見て過ごせる、というところだろうか。朝飯前に蘭が目に入る。晩飯後に蘭の鉢を手に取る。温室が庭にあったらそこにいて時間を過ごすだろうか。あればそうするかもしれない。サンルームに連結した温室もある。素晴らしい空間には違いないが、何故かまだ必要を感じないのであった。この仮想の蘭棚が私にとっての温室の代わりなのかもしれない。たくさんの蘭がある壮麗かつ広大な仮想時空間である。あの蘭はどうしている、と指先で簡単に鉢を引き寄せることが出来る。その鉢の過去を見、現在を記述すると、未来の花が見えることもある。
11月11日(木)Den. Formidible‘Ryoma’開花
本日は朝から暖かかったが雨なのでなにも出さなかった。寒さに当てていたデンドロが雨に当たっていたので軒下に移動しようと持ち上げたら、もう一つのトレイがシーソーの片一方に載っていたような状態だったため、ゆっくりと落ちていってしまった。この事故によるけが鉢はいない。
家に帰り食事中に雨蛙が「ぐぇぐぇぐぇ」と室内で鳴く。一日家にいたかみさんが「今日は初めてだ。ずっと居たろうに」という。「蘭守が主人の帰着に伺候して挨拶をのべておるのだ」と説明。私は毎晩聞いている。庭に蘭を出すときに追っ払っているのだが、もどって蘭にひっついて部屋に入ってくるのであった。フォーミディブルについていたカエルは小便を1mもとばしたのに驚いたことがある。しぶきが遠く離れたコンクリートに跡をつけたのでその飛距離が分かった。カエルの位置、高さ、水平距離、重力加速度から小便の初速が計算できる。しかししぶきの水滴は小さく、かなり空気の抵抗を受けるが、そういう効果をどのように計算に組み込むかということを大まじめに考えて眺めていた。
Den.
Formidible‘Ryoma’が開花した。冬はどういう香りがするのか期待しているが、この花はどうしたものかちゃらんぽらんな向きで固まって咲く。
Blc.ジョージキングの2つあるつぼみの位置がまだ良い位置にこない。この鉢はあこがれのカトレアということで今年の1月、1500円という巨費を投じて購入したものである。春に植え替えをした際バックバルブを4つばかり切り落としていたと思ったが、本日数えてみると新バルブから数えて九代前までが鉢の中にいる。年間二バルブ出るのであれば五年前のバルブが見えていることになろうか。何という長持ちな草か。さらにみると咲いたあとが一カ所だけあるようだ。いま出ているつぼみは僥倖かもしれない。
蘭のリストを整理していたら、保有している蘭のうち、我が家で咲いたもの(規定では購入後3ヶ月世話をして以後に咲いたもの)の割合が61%とこのたび初めて60%を超えた。咲いたものを送り出しているのでこの割合は手がけた蘭でみるともう少し高くなる。保有種類240に0.4をかけると96種がまだ咲いていない。もっとも技術や設備が整った今日では、まだ咲いていない蘭の咲く確率はこれからの1年で7割なので、楽観している。少々咲きにくくなってもいいから枯れないで欲しいものである。過去帳が長くなるのは辛い。
11月10日(水)Den. Chinsai ‘Miyabi’開花
本日は朝から暖かく、晴天であったためまたまた90%の鉢を出して出勤した。たっぷり稼いだことだろう。だしながらDen. Chinsai ‘Miyabi’が開花しているのを見つけた。チンサイとは何なのだろうか。「珍斎」という雅号か、はたまた「鎮最」という「僧侶がいた。都の貴族だった彼は帝の女御との恋に破れにわかに出家した。承久5年(985年)第5次遣唐船に乗り五島列島沖で時化に遭い、寧波近くの漁村に流され、苦難の果てに長安にたどりついた。しかし、学問に疲れ異国の生活になじむことができず、酒色に溺れる日々を過ごしていた。だが、イラン系の少女との出会いが彼を変えた。その蒼い瞳と峻険な山岳にもにた鼻梁に魅了され、いつしか西域に向かう隊商に加わることとなった。ヒマラヤを越え、インド、イラン、トルコ、ローマと壮大な旅が展開する。これは日本人として初めてヨーロッパを見た男の物語である」
でたらめだから気にしないように。ちょっと仕事をしすぎるとおかしくなる。気息奄々。疲労困憊。四字熟語。
今月はあとBlc.ジョージキング、Den.フォーミディブル、Onc.シャーリーベイビーがつづく。なんとなく10株ぎりぎりのような気がしてきた。まあ月に5株も咲いていただければ御の字である。
11月9日(火)
本日は朝から暖かく、晴天確実であったため90%出して出勤した。たっぷり稼いだことだろう。
トップページの写真は先行して備蓄しており、100件に達した。あと20はゆくかもしれない。何しろ3日に1枚のペースである。粗製濫造かとおもえば、「なんかええなあ。とても17000円のデジカメで撮ったとは思えん。きっとめちゃめちゃ腕がいいからだろう。うっとりもんじゃ」と自分で思うものを掲載しているのだ。しかしである。蘭の写真というのは現物を見ているものでないとあまりありがたみがわかず、自分の写真はかわいいがよその写真はぴんとこない、ということは大いにありうる。私がいくらいいとおもっていても人様からは「変な花」というものばかりであろう。「ふん、わしがよければええんじゃ」と開き直る。
送り出したバンダ3つのうち北海道へ行ったものが開花した。このまま順当に4株すべてが開花すると信じている。何にせよありがたいことである。蘭好きは蘭を呼ぶのか、蘭がよってくるのか、何にしても縁がある。開花当初はぱっとしないが、10日もすると、ああもうたまらない、というすごい花に化ける。うちのV.Sansai
Blueはこの間の村上園芸に展示しようかと考えていたこともあったが、思いとどまった。実はDAIKIが3鉢ほど同じバンダを同じ蘭園から仕入れて展示してあったのである。お値段5600円。売り物を見ながら持ってこなくて良かった、と思った。このバンダはたぶん日本中にすごい数が出回っているのではないだろうか。こういっては何だが、誰でも手に入れることが出来る。通販もあるようだ。我が家で6回も咲いた、というと欲しいと思う人がいるだろう。「いやあ、このバンダええっすよ」というほかはない。
この間村上園芸で購入したBulb. fascinator バルボフィラム・ファシナタのつぼみが開花した。おもしろいなあ。お化けである。近いのは唐傘お化けだろうか。
マスデ・アデューが姿よくいっぱい咲いていいねえ。「夏は日陰で休め」政策が功を奏して今年の猛暑を見事に乗り切りマスデ3鉢が咲いている。マスデは実のところ開花期間が長い。このアデューは積算すると3ヶ月は咲いているのではないだろうか。ワインレッドもやたら長く咲く。
そろそろフォーミディブル開花か。これが冬咲くのは初めてである。購入以来3回目の開花になる。猛烈に大きいバルブがあるため置き場所に困っている。
11月8日(月)Onc. ornithoryncam x flexosum開花
天気が良くて暖かい日であった。Onc.
ornithoryncam x flexosumが開花した。
ひなたぼっこをしている私の蘭を人が見ていた。「蘭がお好きですか?」と声をかけた。蘭好きは声を掛け合うことにあまりためらいがない。
「あなたはいつぞやの」と言われるので思い出した。5月31日にバンダ「池田」を初めて見たときに、「おりしもこのバンダに見ほれている見知らぬおじさんがいて立ち話をしていた。ちょうど四国で3500円出して青いバンダと赤いバンダを買われたそうである。奇遇だなあ」というおじさんであった。なんでもセッコクを30鉢持っておられるという。私の花茎にょろにょろのデンファレを見て「うまいなあ」と感心しておられた。
「あのバンダはどうなりました?」と聞かれるので。
「4株とも花芽がでて、3株もらわれてゆき、1株はもう咲いているそうです。うちのやつは来月開花予定です」というと驚いておられた。
「うちの四国で買ったバンダも花芽が出ているんですが大丈夫でしょうか」
「大丈夫でしょう。そりゃそうと、どうです、このデンファレ、ひと鉢いかがですか、えらい長く咲きまっせ」と勧めるが、持ってかえるのが大変なのと環境が寒いとのことでご辞退されてしまった。
ゴンベッサ氏から豊橋蘭友会の便りが届く。超有名株の花付きが500円とかいう話だった。ちょっと壮絶な値段である。それでは蘭に申し訳ない。見れば買ってしまうだろうが、「もうはいりません」というのが正直なところだ。春までみんな元気に乗り切ってくれれば御の字である。今年加温になにか新しい手はないだろうか。何かうまい手は。
一案として電気ではなく化石燃料を使うという手を考える。灯油が使えれば格段に熱効率はよい。小型ランタンをいれ、排気を外に出すのである。しかし安全性の問題は言うまでもない。火の気を放置しては置けない。何か安全で安価なエネルギーはないだろうか。
「猫をいれる」
猫は好きだがそれでは猫に悪い。夜中ににゃーにゃー泣かれて気になって仕方がない。
「犬を入れる」
犬は好きだがバルブをかじられるだろう。
「風呂の残り湯」
実は加温ケースは週一回しか開けている暇がないのである。そうちょくちょく風呂の残り湯をいれられない。中温棚ではバンダの下に風呂の残り湯をバケツ2杯置いて加温と加湿に努めたことはある。
「おやじをいれる」
ちとせまいなあ。悪い案ではないが。収容できる蘭の数が減ってしまうのが難点だ。なにやら今年は画期的な技術革新というのが期待できそうもない。
昼の熱を蓄え、夜を暖かくするような熱容量の大きなものを入れるという方法がある。「融解潜熱」を使うという方法を考えたが、ちょうど良い融点を持つ物質を知らない。「氷酢酸」がある。融点は5度くらいか。5度まで下がらないうえ、くさいしそんなもの売っていない。無難なところで水だろう。昼間急激に温度が上がるのを防ぎ、夜はなかなか温度が下がらないように密封した水を入れておくと効果があるだろうか、と思った。水パック150円があるが、多量に買えば費用もかさむだろう。日の当たらない領域に水の袋を下げると良いかもしれない。鉢の隙間にペットボトルを立てるか。冬場かなり詰め込むためなかなかそういう場所はなさそうだ。
Bc.マイカイ「マユミ」はあまりにもよく出回っている超有名株で「やっぱり私にも回ってきたか」という具合にもらってしまった。花茎が2本出てきた。大事に育てよう。
11月7日(日)
お留守番である。天気が良くて暖かい日を期待していたが、曇りがちで寒い。昨日花壇を耕していたら腰にきた。10時には良いお天気で気温が上がってきた。昨日同様庭に展開する。
Onc. ornithoryncam x
flexosumが開花しそうである。3つで500円という豊橋的超お買い得品ではなかったろうか。
昨日セロジネ・ユニフローラが開花した。なにやらかわいい花ではある。花1つで終わりというわけではないようだ。バルブはたいそう美しい。なぜか新芽がでつつある。
セロジネ・グルマセアの新芽は5つになった。1バルブから2つ芽が出るとかで、よく増えるそうだ。香りが素晴らしいので期待している。
Sl.レイラというミニカトレアにつぼみが見える。しけやすい時期なので注意を要する。Lc.プリプリ‘ユキ’の2新芽にもシースがありそうだ。Bc.マイカイ‘マユミ’にも花茎が見える。カトレア類の活動と花は年中なのでカトレア類だけやっていても楽しめるだろう。
付近の野菜市に行って大根(中)150円、白菜(小)100円、春菊100円を買い、コンビニで鶏肉を買い、昆布出汁で鍋を作った。本日はたいしたことをしていない。
宝塚園芸サービスに回るが、見切りカトレア450円などと見てもさすがに手は出ない。
大変大規模に生育記録やらリストへの登録やらを行った。まるで「行政」である。
11月6日(土)
大変良い天気で朝からすべての蘭を出して直射日光で日光浴をした。写真を色々撮影した。このたびはバンダが素晴らしい花をつけており、光線の具合も良く、かなりの枚数を撮影した。
Hwra. Lava Burst 'Puanani' AM/AOSが大化けしている。昨年より遙かに大きくなったバルブから花茎2本が出ていた。その開花した先端部分の下から思いがけず枝がいくつも出てきた。この多くの枝からさらに開花すると大変見応えがあることだろう。
近所の店に行ったがカンランは売れてしまったそうである。街に出て園芸店をのぞいてみたが、2800円からという手の届かない値段だった。地味な割に人気のある植物である。
散歩をしていると稲刈が済んだ田圃の刈り跡から稲が伸びてたわわに米がなっていた。中身もしっかり詰まっている。温い気候が続いたためだろうが、山間の田圃ですらこうなのだから今年は大変温かったのであろう。集めれば多量の米になると思うがあれはどうなるのかと心配になる。
本日は日没まで日照時間が長く、気温も高かったのでよく稼げたと思う。
11月5日(金)マスデバリア「明幸園」開花
マスデバリア・明幸園が開花した。今月最初の開花であった。マスデ「ワインレッド」もおかわりが開花し、マスデは3株が咲いている。
リカステの花2つを出した今年のバルブから芽が5つばかり出てきている。つぼみや新芽らしい。今年はやたらと活動が活発だ。リカステはなにやら挙動がおもしろい。株姿、花姿が華奢なようでいて威風堂々としている。これだけリカステを好んでいて1株しかないのは惜しい。しかし案外手に入りにくい。
昨日Blc.GoegeKingのつぼみがシースから出てきた。いよいよあこがれの名花にあえるのであろうか。この段階でしけた経験がないが、まあ大事に行こう。1500円の巨額の投資があのつぼみ二つにかかっているのかと思うと緊張する。そういうことを考えたらいかんと思いつつも
送り出したバンダが開花したという知らせが届いた。しかもあらたに花芽が出てきたという。まことに結構なもらい物だったというべきだろう。寄せ植えで5月まで咲いていたものがまた秋に咲くのだから花付きの良さは抜群である。かつては花付きが悪く、今でも「10年目にして咲いた」等という話を聞く。バンダは、咲けばこれほど素晴らしい蘭があるのかと認識を新たにするはずだ。もっとも咲いて数日は花が小さいので分からない。あのすごい花をしょっちゅう見ることになるのがもったいないような気がする。年間日数でならせば6日に1日はみていることになる。
本日の話題の蘭はすべて交配種である。原種や交配種にこだわりはなく、相変わらず交配種だろうが原種だろうが名なしだろうがFCC付きの有名株だろうが、安くてパフォーマンスの良さそうなものはだぼハゼのように食らいついてしまうのだった。原種→変な蘭、交配種→きれいさを追求した蘭、名無し→安い、などという風に見てしまう。名無しは名札ではなく、値段でもなく、蘭そのものへの愛で育てているわけで、そのためか伸びやかに育ったものが多い。ただ、名無しは多量に出回っているものが多く、それだけに選び抜かれた麗質をもち、中身は名無しではなく、もともとは名のある蘭だったわけだ。
近所にセッコク、フウラン、春蘭を扱う店があった。カンランもあるかもしれない。覗いてみよう。市内にはそれらしい店があと二軒ある。
水曜日の休日に市役所に出てみると菊の展示があった。見物すると、ひときわ花が華美で大きな一群があり、見れば近所の老人会のもので、多くの参加団体を押さえ、おそらく最高賞とおぼしき「兵庫県知事賞」に賞されていた。住んでいる付近には高名な園芸家も居ることや、蘭の生育がやたらとよろしいことを思うに、土地柄としてよほど園芸に向いているのかもしれない。風がよく吹くからか、水がよいのか、ともかくも良いところのようだ。
菊の見物が終わり、見るとバザーをやっていた。古本一冊20円というのでごっそり買ってきた中に「山野草」「はじめての花づくり」などがあり、掘り出し物だった。
Ctsm. fimbriatumの「飛び出す花粉塊発射トリガー」にふれてみたいと思っていたのだが「花の終わるぎりぎりまでまとう」と今夜まで待っていた。花もだいぶくたびれてきたのでトリガーにさわってみると、バネ仕掛けのように「やくぼう」と花粉塊が指にぶつかってきた。「ちょっと弱いか。待ちすぎたなあ」と思った。なんにしてもこんな機能まであって姿形、香りまでよろしい実におもしろい花である。値段は3つで1000円だったのだが、後の二つは4年になろうというのに咲かない。
11月4日(木)
特段蘭に動きはない。マスデバリア・明幸園が開花目前ではある。
子供が珍しくテレビの上に置いていたデンファレの鉢を落とした。花は無傷で鉢が割れただけだった。子供が3人もいてこの手の事故が極めて少ない。記憶にあるのは本日の一件だけでもっぱらオヤジが落としている。それゆえおとがめはない。しかし昨日ふるまったアイスクリーム、寿司、ケーキに紅茶といった豪遊の返礼としてはいただけない。
頭の中でまたもあの蘭好き刑事が暴れている。作り話というのはもっぱら己の楽しみのためにある。この話はかなり以前に構想があった。こういうものはプロにかなうはずもなく、もっぱら頭の働きの妙味を楽しむのである。ただ書きたいから書く。妙な趣味に発展しつつある。元手がいるでなし、安上がりで、頭を使うことおびただしく、結構夢中になれる。しかしながら思考が淡泊なのか、文章に厚みがなく、素っ気ない。普段話題の乏しい男で、電話といえば用件しか話すことがなく、ケータイで長々と話したりメールをする才能がないことが災いしている。
蘭の鉢それぞれが素晴らしいのであるが、そのすばらしさに見合う扱いが出来ていないのが申し訳ない。大切な預かりものという意識があるのだが、手が回らなくなっている。すばらしさ故にあれもこれもと手を出し、増えすぎたのである。いろいろな人に手伝ってもらって育てているような格好だ。それでもなお手を出してすごい数になっている。数えたわけではないが原種がえらく増えた。本来手に入りにくいものばかりである。それが今年は濡れ手に粟のごとく手に入れてしまった。今後は出来るだけ手控えてすでにあるものを慈しんでゆきたい(といつも書いているなあ)。
バンダ・サンサイブルーが見頃になった。神々しいばかりである。
11月3日(水)
屋外でじっくり蘭をながめて写真を撮影したいと思っている。バンダがまたまたすごい花になってきた。これは撮影しなければ。購入した超たれ胡蝶蘭のつぼみが開きなかなかの花が咲きそろっているのも見逃せない。画像の種はつきない。
よく巡回している花工場で色のおもしろいデンファレがでていた。ビギバムの色変わりらしい。かみさんがおもしろいというので398円で買ったが、2種2株ふえてしまったことになる。名無しなので識別名をどうするかが問題である。Den.?‘WhitePurple’ デンファレ・白紫、だのDen.?‘PurpleStripe’ デンファレ・縞紫だのになるか。
Den.?‘WhitePurple’ デンファレ・白紫
ビギバムの姿で、中心部が赤紫、他は白。ビニールポットの寄せ植えだったので2号鉢にはめ込んだ。
Den.?‘PurpleStripe’ デンファレ・縞紫
ビギバムの姿で、中心部が赤紫、他は白と赤紫のストライプ。ビニールポットの寄せ植えだったので2号鉢にはめ込んだ。
11月2日(火)
トレイで蘭を移動中、つぼみが膨らんできたデンファレの鉢を落としてしまった。3本もある花茎のうち最大のものを飛ばしてしまい、蕾7つを失ってしまった。最近蘭がヘタになったなあ、と感じている。
蘭関係の空想は楽しい。いろいろ馬鹿なことを考えているが時に着想として出てくる。これを書き留めていじくり回しているうちに面白い文章の構造物が出来た。
蘭は見ていた
小島は京浜東北線蕨駅を降りて東に向かった。(川口はなにかと推理小説にでてくる土地柄だなあ、宮部みゆきの「火車」は面白かった)、などと思いつつ改札を通った。事件で呼び出されてこちらにまわるように指示を受けていた。埼玉県警に配属される以前にこの付近に住んでいたことがあるので土地鑑はある。ほどなく住宅街にある古びた平屋にたどり着いた。
関係者の車が見え、無線で報告を入れる同僚の後ろ姿が見える。
「第一発見者は菅谷平三、69歳、隣の住人です。死人は吉田富子、67歳、頭部から軽い出血が見られますが、これは致命傷ではないようです。普段から心臓を患っていたそうで、発作の線が濃厚です」
その菅谷氏と話をしている若い同僚の顔が見えた。玄関をくぐり現場を見る。すると思いかけないものが目に入った。
「フラグミペジウム・コーダツムだ」と思った瞬間洪水のような思念と映像が流れ込んできて小島は思わずたじろいだ。(またか…)
「小島さん、どうしました。顔色が悪いようですが」
「気が小さいもので、ガイシャをみたら驚いてしまって」とうめくようにいいつつ、ほんとうは死人をまだ見ていないことに気がついた。目線を下に落とすと、リビングとおぼしき部屋の絨毯には小柄な婦人が目を見開いた驚愕の表情をはりつかせている顔を天上に向け、転がっていた。
「ガイシャではなくてどうも心臓発作か何かのように見えるね。隣のじいさんが庭から窓越しにみつけたとき額からでている血をみて「人殺しだ!」て通報したらしいけど。鍵はかかってるし、争った形跡もない」
「額の傷はこのパフィオペディラムの鉢が棚から落ちてきて当たって出来たものでしょう」
「パフィオペディラム?、ああ、この植物の名前か。変な植物だなあ。蘭とか言うものですか。食虫植物みたいな花だな。いや、人面草か。目があって鼻があって口があって。部屋中こんなやつがいますが」
「好きだったんでしょう。ガイシャが。」
「コロシに見えますか」
「ええ、まだ説明は出来ませんがそのようです」
部署違いの同僚で、ベテラン刑事田端治は小島をいぶかしむように見ていた。小島刑事には変な噂がある。机の上に蘭の鉢を置き、普段は昼行灯のようでいるのだが、恐ろしいばかりの地獄耳で時々困難な事件をあっと驚くようなところから証拠をみつけてきて解決してしまう、というものだった。
小島はまた死人を一瞥した。(かわいそうに。死人はあまり多くを語らない。だが…)。視線を一人暮らしの老人が住む日当たりのよい茶の間にめぐらせてみる。庭に面して棚があり、多くの蘭、大半がパフィオペディラムやフラグミペジウムといった鉢が並んでいた。フラグミペジウム・コータツムが部屋の中央のテーブルの上にあるひときわ大きい鉢に吹き上がるように生え、長い髪を垂らした老婆のような花を多く付けている。その花の視線が小島を注視しているようだ。小島の視線が促されるように床に向かう。薬を入れた袋が落ちていた。
「心臓発作をおこしたらしいガイシャはこの薬を飲んだ…。だが、薬は心臓発作の薬ではなかった…」
このつぶやきに部屋にいた警察関係者は手を止め小島の方に目を向けた。
「なんだって…」田端が近寄り、手袋をした手で薬の袋を持ち上げた。中には包装を切られていない錠剤と、使い切った錠剤の入れ物があった。
「錠剤の入れ物が微妙に違うでしょう」
プラスチックと銀紙で出来たそれを見ていた田端は形こそ似ているが識別番号が書かれていない空の容器をみてうなった。
「小島さん、薬にくわしいんですか?」
「ええ、まあ」
そこへ人がやってくる気配がした。40代の女性と老人、同僚の刑事だった。
「お義母さん!」といって入ってきたが、捜査のじゃまにならないように側には寄らず身を小さくしている。まるで死者を恐れているようだ。
「吉田信子さんです。仏の息子さんの嫁さんで、息子さんはタイへ単身赴任中だそうで、こちらには明日もどるとのことです」と同僚がささやく。
「義母はどうしたんでしょうか」
「まだわかりませんが、どうも心臓発作をおこされたようです」
「そうですか」、と言った吉田信子の表情にかすかな安堵の色がみえたと小島は確信した。ひらりと信子の前に体を滑り込ませると、鋭い目で女の視線をとらえ、よく通る声で言った。
「貴方が殺したんですね」
「え!?」女の表情が険しい驚愕に変る。
「小島…」と田端刑事が止める間もなく小島は畳みかけた。
「貴方は、被害者の服用する心臓発作の際に飲む薬をすり替えた。発作が起きたときそのすり替えられた薬はもちろん効かず、吉田富子さんは亡くなってしまったんです」
「そ、そんなことしていません、何を証拠にそんな」
「いまから一週間前の午後7時ごろ貴方はどこにいましたか」同僚の刑事が顔を見合わせる。信子は目を見開いた。
「貴方は被害者を観劇にやり、ここに合い鍵ではいりこんで薬をビタミン剤にすり替えた。帰りがけあなたは隣の菅谷さんと出会っている。老人はあれは吉田さんの嫁さんでは、と思ったことを記憶しているはずだ。そうでしょう、菅谷さん。吉田さんが劇を見に行った晩、黒い帽子にサングラスをかけたこの人と会いませんでしたか」
「ああ、そういえばこのひとだったような。何しろ暗くてよく分からなかったのだけれど。でもなんでそんなことを…」
「それから貴方は昨夜8時17分頃自宅近くの公衆電話から吉田富子さんに電話をかけていますね。息子さんがタイで事故に遭われて重傷だとかいう内容で」
信子は蒼白である。「なんで私がそんなことをしなくちゃなんないんですか…」と絞り出すように言った。
「言っていいんですか?。いいんですね」小島はおもむろに被害者の亭主を祭った仏壇の引き出しをあけ、茶色の封筒を取り出した。一同なぜそれを小島が迷いもなく取り出してきたのかいぶかる。小島はよどみなく言った。
「これは富子さんが息子さんである隆さんの留守中貴方の素行調査をした興信所の報告書です。富子さんは同居に応じてくれない貴方の瑕瑾を探していた。調査結果はおどろくべきものでした。富子さんはこの報告書の内容を貴方にほのめかした。富子さんは息子さんが悲しむことをおそれ貴方に、貴方の浮気相手伊東和宏氏と別れることを迫った。だが、貴方は富子さんがこの内容を隆さんにしらせて離婚に追い込まれることを恐れ、富子さんを殺害した。違いますか」
信子は観念したようにその場にがっくりと腰を落とし、うずくまり号泣して言った。「ゆるしてください。わたしがやりましたぁ」。テーブルの上や棚の上から蘭が女を取り囲むようにしてひややかな視線を送って見下ろしていた。部屋にいた警察関係者はあまりのことの成り行きに呆然としていた。
捜査2課を1課の田端が訪れていた。裏付け捜査の結果を小島に知らせるため、それに腑に落ちない点をただすために。
「吉田信子の供述通り自宅から犯行に使われたビタミン剤がみつかり、ガイシャの胃の内容物と成分と一致したそうだ。かつて見た薬の番号をひかえていたんだな。いまじゃネットで検索すれば薬のことはわかるし、よく似たビタミン剤も簡単に手に入れることが出来た。服用量の2錠だけのこしておけば貧乏性世代の富子は少ないものを飲むから証拠は消える。まさか心臓発作で薬がすり替えられていたと気がつく人間はいないはずだった。あやまってビタミン剤を飲んだのだとしらばっくれればいいものを小島さんに畳みかけられてパニックになり、つい観念して吐いちまったんだな。あの女の自白がなければどうにもならなかった。そういう意味では綱渡りだったね」
「ええ、そうです」小島は冷めたインスタントコーヒーをすすりながら言った。視線は机の上で誇らしげに咲いているカトレアを見ていた。
「息子さんの事故というのは乗っていたタクシーが追突されたくらいでたいしたことはなかったそうだが、この知らせを亭主の会社から受け取ってすぐ近くの公衆電話から電話をしたんだな。これを運良く近所の人が目撃していて、家の近くの公衆電話から電話をかけている信子を不審に思って記憶していたそうだ。大げさに言って姑が死ねばめっけもの、そうならなくても聞き間違えましたととぼければいいと軽く考えてガイシャにウソの電話をしたらしい。ところがこれが大当たりだったんだ。筋書きはりっぱだったが、肝心の本人の腰が据わってなかったな。お嬢様育ちが災いしたんだろ。
信子の浮気相手も共犯と思われたらこまるって震え上がってべらべらしゃべってくれたねえ。信子が日頃から富子の殺害をほのめかす言動があったと証言している。「あのばばあが死んでしまううまい手はないか」ってね。いたずらのつもりでも結果は人殺しになってしまった。殺意も、証拠も、目撃証言もあるので立件できるだろう」と同僚の田端刑事は言った。
「殺された吉田富子は信子に孫が出来ないことや、同居してくれないことがさみしかったんですね」
「かたや信子は遊び好きで、資産家の奥様の生活を手放すのがこわかったんだろう。それにしてもだれか側で見てなけりゃあんな情報はとれないだろう。どうやったんだ?」田端は小島の横顔をのぞき込むように言った。小島は田端を振り返って言った。
「実は以前近所に住んでいたことがあって、吉田富子さんや菅谷さんとは顔見知りだったんですよ。玄関先で咲いていたシンビジウムを眺めていた私に声をかけてくれましてね。私の好きな蘭の話が縁で、育てている蘭を見せてもらったり、育て方を教えてもらったりしてね。その間嫁の悪口とかいろいろきいていたのでピンときたんですよ。」
「なんだそうか。じゃあ事前に菅谷氏から連絡があったんだな。でも電話をかけた時間は?」
「すぐに通話記録を調べて置いたんでね。時間をきっかりいわれると、犯人にはなにもかもお見通しだとおもうわけで、はったりをかけたわけです」
「はったりで押し倒したのか。無茶をするなあ。でもなんで興信所の封筒が、ああ、菅谷氏がしっていたわけか」
「いや、田舎の母が大事なものは仏壇に入れるくせがあったもんでね。私は人の家になにがあるか不思議に分かるんですよ」
「泥棒の才能がある奴がいい刑事になるということか」田端刑事は大声で笑った。小島は苦笑いを返した。笑いながらしかし田端にはなにか釈然としないものが残った。
数日後小島は再び川口を訪れた。
「菅谷さん」
「ああ、刑事さん。その節はどうも。ひさしぶりにあったら刑事さんだったんでびっくりしました」
「こちらこそいろいろありがとうございました。よい隣人を亡くされてお気の毒です」
「花の好きな気だてのいい人でしたが、息子さんと離れて暮らすのを寂しがってましたね。あの犯人が潔癖性で、こんな風にこけずるずるの蘭の鉢を家に入れるのがどうにもだめだったそうですよ」
「そうだったんですか…」土の付いたものをさわる機会がないお嬢さん育ちだけれど、ずいぶん遊んできたという吉田信子の顔が浮かぶ。「それで、その蘭は菅谷さんが育てているんですね」
「ええ、息子さんにお願いして形見にいただきました。彼女のおかげで私まではまってしまいましてね」
「フラグミペジウム・コーダタムですね。立派な株だ。ちょっとおしゃべりなのがたまに傷だけど。ああ、このパフィオはいい花ですね」小島は仏の側に転がっていたパフィオペディラムの鉢を手に取った「この子はまだ咲いてるんですか。我々に知らせようとして決死のダイビングだったのかも知れない」
「え?」
「菅谷さん、悩んでないで医者に行った方がいい。いまならまだ間に合う、ってこいつが言っています」、そう言って鉢を驚愕する老人に手渡し小島は去っていった。
つづく
うー。3時間もかかってしまった。シリーズか?まさかねえ。
11月1日(月)
「咲いた白いカトレアは当初さえない花だと感じていたものだったが、次第に愛着がわいてきた。4月10日に突如しおれるまで2月29日から6週間も咲いていたのであった。しおれたときの寂しいことといったらなかったので、7月末の現在まで書くこともためらわれていたのであった。これまでこれほど愛着を持った花はなかった。」2000年7月28日
花がどんなものか知らずに2年育てた初めての蘭、カトレアが最初に開花した日、「期待したのにおおはずれ」の気分でふてくされていたのを覚えている。「もっと色の派手なやつを期待していた」。しかしながらこの最初の花は筆舌に尽くしがたく可憐清楚であり、今日まで多大な影響を与える花となったのである。
赤いカトレアについては「少々くすんだ赤い8cm径の花である。咲く向きがうつむき加減だ」2002年1月15日が、「きっちり2ヶ月美しく咲いてくれた素晴らしいカトレアであった」2004年1月25日となった。
バンダ・サンサイブルーの咲き始めは花が驚くほど小さい。3cmくらいだろうか。これが10日もすると10cmにもなり玄妙な青みがかった光を放つのである。この魅力は写真では分からない。
蘭はつきあいが長いと同じ種といいつつも咲き具合が様々に変化する。花芽の出るところからしおれるまでを観察して、がっかりしたり喜んだりする楽しみの深い植物である、と思う。
知り合いと話す機会があり、話題がとある掲示板のことになった。その知り合いに関係者が掲示板での書き込みを打ち出して手渡していたのを見せてくれた。かかずもがなのことを書けばこうやって打ち出して懐に持しているものか。かかれたものの気持ちがよくわかり、言霊の恐ろしさを見せつけられた。軽々に言葉を操るものではないと自戒のため銘記した次第。
今月の開花予定は、デンファレ3株、エピデンドラム・ポーパックス、フォーミディブル、デンドロ・チンサイ、Onc.シャーリーベイビー、Onc.オルニソリンカム*フレクソサム、Onc.オルニソリンカム、Blc.GoegeKingなど10株というところか。豪華キャストだ。
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