蘭馬鹿日誌2004年10月および更新記録

ランのよしなしごとをつづる。下に行くほど昔 

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10月31日(日)Den.「ロイヤル」開花、村上園芸、Hwra. Lava Burst 'Puanani' AM/AOS開花。

100円デンファレ「ロイヤル」が開花した。リストには「デンドロビウム タネットストライプ?」という登録になっている。お気に入りの株だがなかなか大きくならない。そういう低空飛行デンファレはいくつかあるのだが、これもその一つで、細々と咲いてくれる。いつか巨大化のきっかけをつかめばどーんとでかくなるのだが、その方法をまだ見いだしていない。真冬の2月によわっていたものを買い、その年のうちに開花した。真冬に弱ったデンファレを買うというのはばくちも良いところであるが、当時は「オレは枯らさねえ」という妙な過信があった。なんにしても今月はよく咲いた。

来月はデンファレの開花が多そうだ。なんのかんのいって10株以上は開花してくれそうである。予定の150件開花まであと20件になった。来年は180件というのは堅いところかもしれない。つまり2日に一株咲くというますます忙しい状態である。個人の楽しみは別としてこのサイトにおいては「こんな風に育ててこうなった」というデータ取りを目的としているのであるが、もはや処理能力を超えている。種別にデータが整理されていることが望ましいが、記録が日誌のみに死蔵されている可能性はある。参照したくても、A4で400p(日誌2003)にもなる日誌を探し回ることになる。

累積開花件数は300件に達したようだ。2000年2月28日の最初の一件以来ざっと5年で350件にはなろう。今年が150件、昨年が119件とすれば、最初の3年間というものあまり咲かない時期があったわけである。蘭を始めた初心者の頃の私がこのサイトを見たとしたらなにを思うだろうか。「よーし、わしもつづけ」と思うか、「うへえ、そんなに咲くのか。ちょっとセーブしよう」と思うか。それにしても蘭というのはものすごく咲く植物である。私などはまだ序の口で、「そんなせこい花ぽこぽこ咲かせてなにがおもしろいんや。わしはどーんと大株ばんばんさかせとるで」という人がわんさといるはずである。我ながら素人だなぁ、とおもうのは「デンファレがすき」「名なしでも好きなものは好き」「温室はまだ若輩ですので遠慮しときます」という点である。世の中には毎日花でいっぱい、香りが充満した温室ですてきな日々を過ごしておられる人がいるのであろう。ある種理想像だが、たぶん忙しいのではないだろうか。結構な未来像である。

温室があると500株は入れるだろう。すると開花頻度は毎日より多くなると予想される。それは忙しいので、むしろ100株程度で細々とやりたい。結局今後どうしたいのかがさっぱり見えない。

全日誌はA4で1000pに達しているようである。1p900字でざっと90万字。これを全部読んでいる人がいるらしい。新潮文庫500p700円2冊分+400p550円1冊分か?(1p19行×39字=663文字で計算)。ちりも積もれば山であろうか。昨今日誌を持っているサイトは多い。固定客がつくのをねらっているわけではなく、書いて楽しく、読み返してまた楽しいからであろう。そういう日誌のあるサイトはついつい毎日覗いてしまう。

朝から村上園芸である。9時にI氏宅に押し掛け、車に乗せてもらって出かけた。

Dendrobium moschatum Sw. 1805 デンドロビウム・モスカタム

その赤花というのを勧められるままにまず手に入れた。高芽取りだそうで、赤花はかなり珍しいとのこと。ありがたみはまだわからない。調べると「生えて、ちょっと上に伸びて、さらに伸びて伸びて2mに達し、ぶら下がる。花茎もたれる。花はムスクの香り花命1週間」とか。

Bulb. fascinator バルボフィラム・ファシナタ

1000円。ちっこいバルブにど派手グログロの花が「お化けだぞぉ」という雰囲気で出ている。姿はシルホペタラムだが、1花がつく。

転属か?Mastigion fascinator (Rolfe) Garay, Hamer & Siegerist 1994。なんじゃこの属は。

Chelonistele sulphurea  ケロニステレ サルフレア

1600円もした。ラベルには「swiphrea」とあった。名札のつづり違いはよくあることなので気にしない。フォリドタによく似た香りの良い花があった。また花が出そうな芽があって、珍しく、花もきれいで、香りがよいので購入に踏み切った。おや、ゴンベッサ師匠のDendrchilumsp32とそっくりではないか。

データベースを検索するとChelonistele sulphurea (Blume) Pfitzer 1907がかかる。なお調査中である。

Eria bractescens エリア・ブラクテスケンス

1000円。これもたいそう香りの良い清楚な花だ。香りは結構強い。

ゴンベッサ師匠がEria bractescens持っておられた。あら、似てもにつかないねえ。

Gram. elegans グラマトフィラム・エレガンス

1000円。MAJという個体のシブリングクロスとのこと。グラマトフィラムだけは手を出したくなかったが、あまりにもバルブが美しいので手を出してしまった。属集めの色彩が強い。

Grammatophyllum elegans Rchb. f. 1882 Cymbidium elegans Lindl. 1828をみよ?おいおいそりゃないぞー。株はとてもシンビジウムという雰囲気ではない。

Phal. speciosa  ファレノプシス・スペシオサ

1000円。驚愕の胡蝶蘭だった。ちょっと小さめの胡蝶蘭の株から花茎がどこまでも伸びて1mくらい下に白い花がついていた。花には香りがあった。すごい。つぼみの出た後を数えると60カ所もあった。ここまですごい胡蝶蘭というのは見たことがない。写真は下から眺めたもので、遙かな高みに本体の鉢が見える。おなじものを横から見るといかに長い花茎であるかおわかりいただけるのではないだろうか。ラベルには「Phal. speciosa tetraspia ×sib」とあった。Phalaenopsis speciosa var tetraspis [Rchb.f.] Sweet 1968 Phalaenopsis tetraspis Rchb.f. 1881 を参照せよとある。調査中だ。

Zootrophion atropurpureum [Lindley]Luer 1982 ズートロフィオン・アトロプルプレウム

Cryptophoranthus atropurpurans クリプトフォランタス アトロプルプランスとラベルにあった。しらん。なんじゃこりゃ、とつかんだ。最初レストレピアかと思う草姿だった。データベースではCryptophoranthus atropurpureus [Lindley]Rolfe 1887 Zootrophion atropurpureum [Lindley]Luer 1982を参照せよとある。これまたさっぱりわからない。調査中だ。どうも聞いたことがない後者らしい。本当に聞いたことも見たこともない珍種である。とここまで書いて、「蘭」を引くと載っていた・・・。属名は「動物園に関係?」とおもったが「野獣」に由来。花は開花せず隙間が空く。その隙間の空いた花が獣の顔に見えるのだそうだ。

気がつくと原種ばかり7つもゲットしてきたようだ。別に原種礼賛という訳ではないが変なものやおもしろいものが原種に多く見られたためだろう。

引き上げてきてI氏にBulb.バービゲラムの分け株をもらっていただいた。ふと見るとHwra. Lava Burst 'Puanani' AM/AOSが開花していた。今月は16株の開花であった。月刊16株開花はかつて2003年2月、2004年7月に記録している。あと1株で新記録である。夜までになにか咲かないだろうか。

なんやかんやと忙しい10月であった。村上園芸で買い物をしながら、今後どういう方針で蘭をやるべきか?というようなことを眉間にしわを寄せて考えていた。I氏との話題は「仕事が山ほどあるおっさんはいかに蘭をやるべきか!?」という点ついて10分、蘭の各論に120分終始し、地震関連やイラク人質事件については1分という扱いだった。やはり今後どうするのか、というのが悩ましいところである。

 

10月30日(土)Z. Artur Elle開花

 Z. Artur Elleが開花した。昨年お休みしていたので久しぶりの開花である。今回もあぶなかった。4つのつぼみのうち2つがしけて、1つは腐って花茎の中程から黒い腐った部分が拡大しつつあって開花が絶望視されたこともあった。決して難しい蘭ではないようだが、1種しかないうえ、1度でもしくじると苦手意識を持ってしまう。香りよし花もちよし、花もおもしろい。今月はこれで14株開花となった。今にも咲きそうなつぼみがまだある。

 雨の中外に展開して水やりをしていた。長いこと家の中にいたので調子が落ちているかもしれない。ツニアは葉がかれたのでコンポストをむしってバルブだけにして年を越すようにした。サギソウは地上部が枯れたので植え替えをした。コケが2cmの厚みにもなり、これでサギソウの調子が悪くなったらしい。鹿沼土などに芋を浅く植え、水苔で覆うようにして植えた。

 I氏とつなぎがついたので村上園芸はあす本格的に見に行く予定になった。

 あろうことかいただいたばかりのをOrnithodium sophoronitis枯らしてしまった。「ようわからん属だ」と怪しんでいたのを気づかれてしまったか、機嫌を悪くして根本が腐ってお亡くなりになってしまった。えらく小さい株だったのでもうすこし気をつけてやれば良かった。かわいそうなことをした。いやに湿っているプラポットだとは思ったが、小さいから乾かさない方が良かろう、このままで、という判断だった。季節の変わり目は気をつけないと目の届かないところで蘭が弱っているかもしれない。

 お亡くなりリストにバルボ・デアレイ、レリア・イカルス、パフィオ・花工場を追加。新芽出しに失敗して世継ぎなしとしてお家断絶に至った。

10月29日(金)

 村上園芸から葉書が届いた。どうやら予定通り明日からダイキ神戸北町店で展示会を行うらしい。驚いたのは、「次回12月8日から12日に宝塚店での展示会が店側の都合で中止になった」と書いてあったことである。「ぬわんだとー!」と思いつつも実はほっとしていたりして。今年は1月から3月6月8月9月10月と6回も村上園芸に足を運びかなりの数を購入してしまっているので、「まあ一回なくなるくらいいいか」と思った次第である。今回はカンランがあれば欲しいと思う。I氏の去就が不明なので、今回はかみさんに連れて行ってもらう。このためあまり長居は出来ない。

 もう6日も家に入れっぱなしであった。水もやっていない。そろそろ弱りそうである。オンシジウムが開きそうだ。

 デンドロ・キンギアナムというのは「もっとも育てやすい」部類の蘭という認識がある。毎度猛烈に花茎があがってくる。香りも良い。どうしたものか「低温にあわせ、乾燥させなければ花がつかない」と思われているそうである。そうしたら咲かなかった、という報告を受けた。「そりゃぁノビル系デンドロの扱いじゃなかったか?」オーストラリア原産のキンギアナムとノビルは産地が赤道を挟んで数千キロ離れている。私は性質が耐寒性のあるデンファレだろうぐらいに思っていた。寒さに当てなくても花芽は出ているようだし、水も比較的よく与えていた。花芽が出るころには8℃ぐらいの部屋においてカトレアと同じく中温性の扱いをしていた。ノビル、デンファレ、フォーミディブル、キンギアナムは4大取引多量デンドロである。それぞれ管理方法が異なる。それぞれつぼを押さえないとしくじる。ノビルはすでに述べたので、ほかフォーミディブルについて述べると「カトレア扱いの遮光、夏涼しく、水多め、花付き悪く、つぼみしけあり、巨大化あり、4類中の難易度はやや難、初夏と冬に咲く」である。えらい違いだ。デンファレは「直射日光、新芽を早く出せ、肥料をたっぷり、1年中花を見ることが可能、花付ききわめてよし、冬加温12℃以上、夏水多く冬控えめ、33℃から遮光、冬場花付きは暖かいオフィス向き」冬の加温さえクリアーすればこれぐらい楽な蘭はない。

 

10月28日(木)

 贈った蘭のうち、Lc.シレリアナが135mmと大きく開花したという嬉しい便りが届いた。「え?あれが咲いた?香りがある?別のバルブにもシース?」。バッタにつけねらわれたり、やたら出る新芽やバルブがくさったりと私には結構難しいカトレアだった。他にもうちではまだ開花したことがないものが花芽を伸ばしているそうである。バンダ、デンファレ宮島、オンシ・オブリザタムなど花芽も順調だそうだ。やはりかなりうまい人らしい。ノビル系は昨年のバルブから開花して、今年のバルブはどうなるのだろう、と心配しておられるそうだ。ノビル系はかつて、「その年に育ったバルブには咲かず、昨年のバルブに花がつく」といわれていた。いまでもそういうノビル系は多いのだと思う。だからまあ咲けばもうけとおもって育てていた覚えがある。特にユキダルマキングは初年度花を見られなかった。

 このように異常なまでに開花するほどの株を輸出している理由は、「咲きすぎ」によるものである。せっかくの花もあまりに多いとリビング、玄関、机の上などもはや置く場所がない。召し抱える蘭の数が100をこえることはままあることのようだが、分限をわきまえ、定員を決めてその7割くらいでブレーキをかけないと身動きがとれなくなる。我が家は現在も100鉢はオーバーしているように思う。250種あるということは、1年以上経った株の咲率7割という昨年のデータから来年は200件開花する可能性がある。そんなに咲かれては記録が追いつかない。

大株の大半はもらっていただいた。これでひとごこちついているが、「3年たてば大株」という認識でいる。腕が上がると3号鉢からでもとてつもなく茂る株が出来る。蘭は、変な例えだが、小学生がバケツに足をつっこんで立ったような状態で生育がよい。しかし蘭は大人がバケツに片足をつっこんで片足をあげ手を水平に保ってバランスを取っている状態を目指しているのである。こんなものはどこにも置けないからトレイに入れたりつり下げたりと通常の園芸では考えられないような現象に直面する。植えてある鉢よりも植物の方が大きいのはざらで、バンダに至ってはビキニパンツくらいのバスケットしかない。そういうアウトローな植物を取り締まってゆくのである。

パフィオええなあ。このたび咲いたパフィオは、全体に黄色で、ドーサルは黄緑で周辺が白い。よく見るオーソドックスなパフィオである。咲けばなるほどパフィオはいい。パフィオにはまる理由は分かる。しかし滅多に咲いてくれない。今年たったの2件だ。パフィオが年中つぎつぎ咲いてくれる(購入株が長く咲いてくれるが)という環境を目指したことがあるが、なかなか及びがたい。

今月はまだ咲きそうだ。

 

10月27日(水)Liparis griffithii開花

 Liparis griffithiiが開花した。花はたった一つだが、万歳したような緑色の花はかみさんにおもしろいと絶賛されていた。もう今月は咲かないだろうと思ったのでもうけた。

 寒いねえ。最低気温は5℃である。ノビル系デンドロはつぼみぼこぼこになりつつある。

 ノビル系デンドロについて「温室がなくてもOK。凍らせなければ大丈夫」といううたい文句がある。「じゃあ私でもそだてられそう」とおもうところである。しかしまあここに誤解があって、「寒くても大丈夫」は「寒い場所で扱っても咲く」という意味ではないのだ。良い花が見たければ花後むしろ加温して芽を大きくするに越したことはなく、スタートが早ければそれだけ葉の展開が早く、葉がのびれば茎の伸びに勢いが出る。バルブは高く太くなり止め葉が早く出てバルブがきっちり完成するのである。「寒い場所であつかったものは新芽のスタートが遅れ、これからというところで秋になってしまい、先端部分に止め葉が出ず、先が細いバルブになり、花は下のほうにちょぼちょぼという開花になるのだった。ポイントはスタートを早く、鉢は小さく、肥料は7月まででやめ、直射日光、風をよく当てる、秋の雨に当てない、ということである。最近花つきの良い種が多く出回るようになったが、なお基本を守らないとさっぱり咲かないという品種は多い。

 

10月26日(火)

 本日はあまり話題もない。さぼっていた原種画像のリンク作業をしていた。原種画像は372種に達している。交配種は272種だ。まだまだだなあ。未公開画像がいろいろある。Ctsm. fimbriatumなどはなかなかインパクトがある。こういう作業はいちいち更新案内もなく人知れず行われている。一時は人様に呼びかけて巨大な図鑑を作成しようかと考えたこともあったが、人生長いのだからじっくりやるかと思い直し、ちまちまやることにした。

 デンファレDen. Jacqueline Thomas x bigibbumが今年は盛大に咲いている。花数が30ほどあるのではないだろうか。今年は花茎2本出し以上のデンファレがやたらと多い。

 カウンターがよく回るなあ、と気にし始める。いろいろ話しかけてくださる方も増えた。それはそれで結構なことではある。それで客のことを考えていろいろ整備しようなどと思い始める。しかし客のためのホームページか?といえばそういうことはなくて出発から己の楽しみのためのホームページなのである。客に気を遣って無理をしても良いことはないような気がする。客を気にするよりやはり蘭を気にかける。それくらいの時間しか残っていない。私がみて楽しければ人が見てもおもしろいページかもしれない。

 

10月25日(月)バンダ・サンサイブルー開花

 もほや年中行事となったバンダ・サンサイブルーの開花である。これから40日間の開花である。

 昨夜当ホームページの英語ページにリンクさせて欲しいとのメールをいただいた。「日本の園芸は世界のトップレベルでありながらあまり世界に紹介されていない」とのこと、「蘭方面に詳しい貴HPにリンクさせて欲しい」とのことだった。先方のページをちらりとみて、「ええかんじやんけ」と思い、どうぞ、という返事を返した後でじっくり見てみると「うわ、こらすごいページや」という充実の内容だった。蘭の記述もかなり充実している。色遣い、デザイン、内容、どれをとっても上手である。しかも英語。とうとうこういう世界レベルのページが作られるようになったのか、と驚く。これはうかうかしていられない。あの一夜城のような英語ページは海外からは「売ってるんだったらカラホーニャに送れる?」という商売ページと勘違いされていることがあった。少々磨きをかけておかなければなるまい。でもどこから手をつけたものか。「奴らが京都議定書に調印するまでおあづけぢゃ」などと悪魔がささやく。まあ気が向いたら。

 スーパーで野菜の値段をみて笑う。わあ、すごい、キャベツ500円大根400円。「パンがなければブリオッシュ」ではないが、栄養価も繊維も多いカボチャは安いらしく、これが食卓に出た。蘭は豊作だったがなぜ野菜は高いのか?蘭は何年でも生えているが野菜は数ヶ月の命で、生育期に日照りや台風など気候変動にでくわしたためらしい。蘭は暑ければ遮光をきつくして水をこまめにやれるし、台風がくれば家の中に逃げ込める。

 カトレア98円はかなりよろしい。ええ色をしている。これが98円でいいのかという出色のできである。なんでまた名無しの売れ残りばかりがええカトレアなのであろうか。このあたりがさっぱり理解できない。安かった→ええ思いをした→花までよく見える、という心理であろうか。

 掲示板に書き込みのあった徳田氏のHPを見物してきた。「バルボ専科」であった。長さ1.5m幅28cmの葉っぱ!。なんどか見たことはあるが、そういう巨大葉が昆布を干すように並んでいたのに驚いた。とうてい私の及ぶところではない。バルボフィラムとは「バルブと葉っぱ」という実にいーかげんなネーミングの属であるようだが、それだけ「バルブと葉っぱ」が目立っていたからついたのではあるまいか。以前「蘭の観葉茎根」というページを作ってこれまたほったらかしだが、蘭の魅力は花だけではないというのはまちがいないので、これを発展させて素晴らしいバルブや葉を味わうコーナーの充実をあらためて検討するのであった。

 そこでまず思い出すのはCirr. wendlandianum ‘Abe’である。形が良く曇りもない凛とした葉、いつまでもつやを失わないキュートなバルブ。この株は花なしで強烈な魅力を放っている。こういうものをいまだに紹介していなかったとは残念である。ゴンゴラ・ガレアータは花序がおもしろいとはいえ花自体はぱっとしない。しかしバルブが富士山型でいい感じだ。リカステのバルブもいい。忘れてはいけないのはエンシクリア・コクレアタである。小さなバルブでも咲くがゆくゆくは極めて大きくなり、盛大にしかもながーく咲く出世バルブである。アジアの蘭を追いかけておられる先生は著書のなかであまりいい感じは持っておられなかったようだが、バルブものが私には大変魅力的なのである。まず「ため込んでいる」という感じがいい。ためただけでなく「上手に使っている」ところがまたいい。古くなってぶちっともいだそのバルブからまた一株ふえるというところがまたうまい。かくもバルブというのは楽しみが多いのである。今夜のバルブ自慢の最後は、Bulb. falcatumである。花に気を取られるが、この花茎3本を生んでいるのは1本のバルブである。2葉を頂生している。つや、しわ、葉、新芽など最近は実におもしろい格好をしている。

 

10月24日(日)98円カトレア開花

98円カトレアことカトレア「花工場」が開花した。結構ええかんじのカトレアである。購入後約10ヶ月で開花した。明日はバンダが開花予定だ。

本日は球根をもとめてホームセンターやら明幸園に行った。明幸園ではSlc.Rimfireが並んでいた。これはひょっとして丸山画伯から聞いていた、この間いただいた絵のモデルではないだろうか。実物は結構立派な花が大きいカトレアである。見切りコーナーをみるとそのSlc.Rimfireが花おわり見切り450円(←1350円)で出ているではないか。ついつかんでしまった。花の終わったバルブの横にでかい新芽が出つつある。長く売り場にあった株なので、こういう新芽からは咲かないのであるが、ひょっとしたらということはある。その新芽も含めたバルブは6つあり、花の出た後は4つもある。これは好打率カトレアだ。しかも3号鉢でかさばらない。まことに結構な買い物であった。

Eria pachystachya エリア・パキスタキア480円もつかんだ。かみさんがこれがいいというので、まあそういえばええかんじだなあ、と手が出た。セロジネ風の葉とバルブがあり、葉の付け根の下あたりから花茎が出ているのが珍しいと思った。

昨日地滑りで埋まった溝を開削する土方をやっていたため筋肉痛でへろへろであった。蘭の出し入れで往生したがなんとかこなした。元気なときなら何でもない出し入れだが、体調の悪いときには大変煩わしい。

 

10月23日(土)

ボレアの花はおもったより早く終わってしまった。リップにあるカルスはきっちり中身が詰まっていた。ヘルメット状のズイチュウも肉質で、花粉は4つあった。別に咲いている花と、これから大きくなるつぼみがある。

Ctsm. fimbriatumはなかなか心地よい香りがする。花はあまりにも特異なので画像を見てもぴんとこないかもしれない。実物を鉢を手にしてながめでもしない限りどんな花かつかみかねるのではないだろうか。写真がヘタといってしまえばそれまでだが。

来週末は村上園芸が近所に来る。この時期はなにが来るのだろうか。特に欲しいものはないのであるがみればつい手を出してしまう。

本日は総出しで水をやった。台風の前後は水やりもままならなかった。なにやらカイガラムシをよく見る。先週散布したスプラサイドが効かない時期なのかもしれない。敵は簡単には動けないのだからよくみてこそぎ落としてやるべきなのだろう。出張の時にもらった歯ブラシがある。あすはころろゆくまでこすってやろう。

パフィオ・柳井がなかなか立派である。あれをだれも人面草とはいわないが、目、鼻、口、耳、頭、などほぼ一式そろっている。もし20cmの大パフィオが咲いていたら夜中にトイレにゆけない。めいっぱいコワイ顔のパフィオというのが将来作られるのではないだろうか。夜中人が通ると下からLEDで照らす仕掛けがしてあると流行るのではないか。

オンシジウム類は、記録が追いつかないのでさぼっていたが、花芽がオブリザタムに2本、オルニソリンカムに2本、ケイロフォルムに多数、トゥインクルに多数、シャーリーベイビー‘レッド’に一本、ハウエアラ・ラババースト‘プアナニ’に2本つぼみつき、オルニソリンカム×フレクソサムに4本、開花中2株、終了3株、まだみえず数株という忙しい状況である。

カトレア98円がまもなく開花である。つぼみ3つでそれぞれが結構大きい。花茎が高いので見栄えがしそうだ。

お亡くなりになった株の記録をさぼっていた。先週バルボフィラム・デアレイとパフィオ‘Hanakoujou’がお亡くなりになってしまった。手入れが行き届かなかったようだ。新芽が夭折し、以後世継ぎに困ってじわじわ弱っておわってしまった。家名断絶である。

 

10月22日(金)レストレピア・ブラキパス開花

6時50分起床、12トレイを屋内から庭に展開し、ぶらさがりものを木に引っかけ、どんぶり飯をかっこんで、トイレは息子に妨害され省略、7時7分に家を出た。このようなカタパルト発進的な立ち上がりはけっこう綱渡りが多くて危険である。

Restrepia brachypusが開花した。蘭にはいろいろ不思議があり、通常の園芸常識を大きく逸脱した植物が多くあるが、このレストレピアもその一つではないだろうか。この株は、この4ヶ月間、つぎつぎ花が出て咲く2.5号鉢であった。なにが変といってとってもちいさな鉢がいつまでも花をつけているのには驚く。花もちは3日ほどじゃないだろうか。蘭ではかなり短い。しかしそれでも2ヶ月とぎれずに咲いたのを見ていた。花は小さい。しかしとても奇妙な姿をしている。繊細であるが故によくゆれて撮影困難な花である。おかげで今月も二桁開花となった。

Lc. Aloha Case ‘#32’× C. intermedia var. delicateにまたつぼみがあがってきた。

ジゴペタラムが2年ぶりにつぼみを出しているのだが、蒸れやすく4つあったものが2つに減ってしまった。

バンダ・サンサイブルーの開花がまもなくである。開花間近のつぼみがふんだんにある。

名無しのパフィオは色といいつやといいなかなかよろしい。しょっちゅう咲いてくれればいいのだが、なんと今年2鉢しかパフィオは咲いていない。カトレアの20分の1くらいの頻度だろうか。パフィオと原種カトレアは滅多に咲いてくれないのではまりようがない。おかげで蘭をやっているにしては比較的冷めているサイトではないだろうか。

夜10時庭に展開していたトレイを屋内に撤収し、0:00頃から更新作業をする。昨日の最低気温は7℃。台風24号はそれた。こいつはもうこない。

 

10月21日(木)バンダ‘池田’にもう一本花芽

V. ? ‘Ikeda’にもう一本花芽が出た。バンダのダブル花芽は初めてである。バンダの快進撃が続いている。

花芽といえば、昨年大化けしたデンファレ・宮島が花茎を5本も出してきた。3.5号鉢の最強デンファレで、2004、2003、2002、2001年のバルブからそれぞれ1,2,1,1本の花茎を出している。なぜこう古バルブまで動員して咲くのであろうか。1株で寄せ植え状態の株が多い。

今月もあと1件で10ヶ月連続二桁開花達成である。今月は楽勝ムードだ。150件開花まであと26件である。来年の目標でなくて予想は200件である。忙しくてしようがないだろう。

丸山画伯から新たな絵画画像が送られてきた。本格的なボタニカルアートである。Blc.とLc.のようにみえる。Blc. George King 'Serendipity'のようにも見えるが、ちょっとリップの赤が濃い。うちのBlc. George King 'Serendipity'はつぼみが2つくっきりしてきた。根本では新芽が伸びてきているのだが、つぼみも着実に大きくなっている。Blc.というのは咲きにくいモノだと思っているのだが、今年は新入り2株からつぼみがあがっており、いろいろ痛い目に遭ってきたくせにBlc.を見直しているのだった。

 

10月20日(水)Paph.‘柳井’開花

パフィオペディラム ? 「柳井」が開花した。買った場所が山口県の柳井で、花付き見切り300円だった。購入以来4年近くかかってやっと咲いてくれた。黄緑色のパフィオである。

台風23号がきたがどこ吹く風で仕事をしていた。帰る頃にはおとなしくなっているだろう。職場のみなさんは午後には逃げるように帰っていった。いつもの時間に帰る。星空で月も出ていた。本日は客足が少ないはずだから夜のスーパーは見切り品の嵐だろうとおもったらその通りで普段は買えない高価な食材を嘘のような値段で買って帰る。電車はJRが止まっていたが私が乗り込むと1時間半ぶりに動き出した。いつものバスにも乗れた。ところが家まであと4kmというところでにわかに風雨が激しくなったばかりか、倒木に阻まれてバスが立ち往生してしまった。倒木に驚いたらしい若者の車が道を踏み外して為すすべもなく傾いていた。バスは300mバックして側道に入ることになった。バス会社の軽トラの先導で側道に入る。ここでも竹がたおれこんでいたのを私まで参加して押し返し、バスを通す。しばらく進むと今度は小屋が倒壊したらしく、これも運転士、軽トラのおっちゃん、私の3人で押し倒し、バスを通した。10年通勤して前代未聞の夜だったがまあおもしろかった。なんにしても更新はせねば。

帰ってきたらすごい風で家がゆれつづけていた。こうやって書いていてもコワイ。

HPの写真を見ていて思うのは、「なぜでかい・・・」ということであった。17インチCRT(いまだに)いっぱいに広がるから目の前にどーんと花のアップが展開する。よそさまはもうすこし節度がある。画像サイズは30kBほどが多い。オフィスのワードで本文を記述し、エクセルで表をつくり、フォトエディターで写真を加工している。スタイルシートだのジャバ・スクリプトだのは全くしらない。書く、貼る、リンクする、これだけである。フレームというのが苦手だ。用語集はエクセルでつくったデータをフリーソフトに食わせて作成している。あまりにも単純な作りなのである。愚直な集積の結果がこの雑ぱくなHPになった。基本的には好きな蘭の情報へのアクセスを重視し、「育て方」などお客への配慮はあまりない。お客は「蘭のことを調べていたらなんだか変なサイトに行き当たったなあ。写真も多いけど、文字ばっかり。世話人はどこ?こいつ何モノ?」というふうに感じるのではないだろうか。言ってみれば街角を散歩して「ええ花さいてるやん。あのおっさんがそだてとるのか。背中しかみえんけど」というサイトではないだろうか。ここでは花を愛でることしかできない。

徹底討論「蘭の鉢は不衛生か?」

「みなさまこんばんは、NPKスペシャル徹底討論「蘭の鉢は不衛生か?」の時間がやって参りました。司会のkojimaです。本日は冬場になり蘭の鉢を部屋に持ち込むことによって引き起こされている様々な問題、中でも鉢の衛生について討論してゆくことにいたしましょう。それでは論者のみなさまを紹介いたします。全日本主婦生活連合、児島節子さん、姑の権利を守る会、小嶋ツルさん、独立行政法人園芸技術総合開発機構蘭課小島源五郎さんです。

増え続ける蘭を冬場部屋に取り込むと「なんですかこれは」と驚かれる方が多いのではないでしょうか。果たして蘭中毒のみなさんはこれら増え続ける蘭、これにともなう家族との軋轢といかにして向き合っていったら良いのでしょうか。どうでしょう小嶋さん」

小嶋「もうほんに「なんですかこれは」でね。蘭の鉢ちゅうとこけずるずるでしょ、それによくみるとヤスデなどもいますわね。不衛生きわまるモノではないでしょうか。うちの嫁はほんに無茶をします」

児島「ですが、小嶋さんの時代は便所に大きな蜘蛛は張り付いているわ、天井をアオダイショウが這うわ、ネズミは米びつをかじるは、子供が飼っていたヤドカリは逃げ出して半年後に生きたまま流しの後ろからでてくるわ、くみ取り便所でおつりはくるわ、いろいろご苦労もおありだったんでしょ」(会場がざわめく。「天井のアオダイショウって何だ?」)

kojima「そうそう、私もこえだめに落ちたことがあります。トタン板がかけてあってねえ。幸い水がたまっていただけでしたけど深かったですね。あのころをわすれちゃいけませんね、日本人は。くみ取り便所の時代に今頃みたいな水害がきたら大変でしょ。もうぷかぷかで。だから現代の我々はずいぶん抵抗力が落ちてるんでしょうねえ」

小嶋「なにもかもきれいにしてあるところにああいうずるずるの鉢を置くと不衛生だというんです。わたしらの時代とちがっていまの家庭では孫なども抵抗力がおちてるでしょう。息子もなんだか気持ちが悪いって言うし。」

小島「なんでもきれいにするけえよわっちいガキやらつり革がにぎれんようなケッペキ人間がでてくるんじゃあ。ギョーチューがおったほうがアトピーがでんとかなんとかいうデータがなかったかいのぉ。現代人は元気なときは汚いモノをさわらないけんおもうんじゃけどはあどおじゃろうか。植物の話をいえば、鉢をおいたことでビョーキになった人間の話は聞いたことがないで。あんまりきれいにするとMRSAのような薬がきかんような強力な病原菌ができてえらいことになりゃせんか。菌は強くなって、人間はよわくなっとる。こりゃまずいで」

kojima「ちなみに私は虫下しを飲んだことがあります。虫のおかげかやたら丈夫です。いまじゃ1000人に1人もいないそうですね、虫もちが。わたしらの前の世代は新聞紙しいてサナダムシを引っ張り出してたっていうじゃないですか。たくましいなあ」(会場がざわつく「なにを引っ張り出すって?」)

児島「確かに嫌いなモノをおかれるのは問題があるとおもいます。不衛生か、という点で見た場合あながちそうとばかりはいえない面もあるんです。冬場乾燥しがちな室内ですが、蘭の鉢が多くあるとある程度湿度が保たれるわけです。また、蘭のために保温につとめようとカーテンを引いたりします。このことで室内の保温と保湿が図られるわけです。インフルエンザに罹患しやすい環境というのは寒くて乾いている状態ですから、蘭があるばあいそういう状態になりにくい環境になるわけです」

kojima「まあ確かに感情としていやなものを置かれるのはちょっとつらいものがあるんでしょうねえ。そのあたりは家族の理解を得つつ進めてゆかないといけない個々の問題ということではないでしょうか。ところで小島さん、蘭の鉢というのはばっちいものなのでしょうか」

小島「きれいでたまらんということはにゃあけど、持ち込む前にずるずるのコケを水をかけながら耐水研磨紙でおとしゃあだいぶきれいにゃあなるで。ヤスデやらナメクジやらもようおとしておけば問題ない思うけど、アリの巣ができとったときにゃあ机の上にいつもアリがおって往生した。冬場は乾燥気味にするんでそんなにきたないもんにはみえんけどなあ。不衛生かもしれんけどああいうもんがあるとなんか気分的にも健康になるような気がするけど、こればっかは人の好きずきじゃけぇ」

kojima「まあよく掃除をしてもちこみましょう。でもまあふつう姑さんが持ち込む鉢を嫁さんがいやがる、ていうパターンがありそうですが、まるで立場を入れ替えたようなディベートでした」

 

10月19日(火)マスデバリア・アデュー開花

連夜の開花で調子が出てきたようである。いろいろ長いトンネルであった。マスデバリア・アデューの開花頻度は強烈である。今年3回目になるが、のべ2ヶ月近くつぎつぎに咲く。夏も弱る様子がなく、今回の開花では最大級の花がついていた。クール系に強い栽培環境である(一方で胡蝶蘭、リンコスチィリス、レナンテラなど本格ホット系にうちは弱い)。

トップページの交換は3.3日に1度という頻度になっている。つまり週一ではなく、週二に達しているのだった。年間100件の達成はほぼ確実であった。

明日はパフィオが開花しそうだ。

レストレピアは購入した6月から8月いっぱい毎日のように新しいつぼみが開花していた驚異の植物であったが、9月末から休止し、最近になってまたつぼみがあがってきた。こういう場合我が家の開花規定ではどうなるのか。一度とぎれて新規な花茎から開花する場合は我が家の環境で咲いたことになる。しかしこの株のとんでもないところは、愛らしいハート形をした葉の裏から「うそぉ」というくらいおびただしい数の花茎を出すという点である。新しいバルブからの開花なら大手を振って「うちで咲いた」といえるのであるが、機関銃のように花を出すバルブから咲くのだからなんとも判断しづらい。クール系で夏を越えて咲くのだから「天晴れ!」ということで開花実績とする予定ではある。レストレピアを育てる幸せである。

10月18日(月)リパリス・ビリディフローラ開花

これまでまるで咲いてくれなかったリパリス ビリディフローラが開花した。ざっと2年かかった。バルブが不調で根本から腐りながら開花してくれた。バルブがよく腐る。いろいろ検討してきたがいつ見ても調子が悪そうな蘭だった。未だによくわからない。新芽はいつも元気そうなものが出てくる。変なもの開花が続くなあ。

台風が衝突コースに入ったようなので徹底的に蘭を家に入れた。このところの良好な日差しでたっぷり稼いでいるので、これから金曜日まで家の中でも大丈夫だろう。蒸れるのが嫌いなフォーミディブルやらジゴペタラムのつぼみは少々気になる。台風は超大型の「トカゲ」より次の「10回ノックせよ」がくればこちらのほうが被害が大きくなりそうだ。予想では11回の上陸で終わりだが、ひょっとして13回ということはありうる。地球に怒られとるんじゃないか、と感じている。熊まで使ってねえ。電気をこまめに消しているので勘弁してもらっているつもりでいる。普段から当地は強風地帯というか風の谷というか、すごい風なのでこれまでの台風であまり堪えていない。

今月は10件開花は難しいか、等と思っていたがあと3件なので何とか達成できそうである。パフィオ、マスデ、カトレア、バンダ、デンファレ、オンシ、のつぼみが続々と続いている。明日はパフィオだろう。このパフィオにも3年待たされた。かなりつぼみが大きいと感じる。今年は咲きにくかったものがよく咲いているような気がする。

10月17日(日)ゴンゴラ・ガレアータ開花

先月豊橋蘭友会において購入したゴンゴラ・ガレアータが開花した。形はおもしろいが、色は地味な花である。3号鉢にしてはインパクトがある。花はよくよく見ないとどれがリップやらセパルやら分からなくなる。かなりへんてこな蘭だ。こういうへんてこな蘭をよく目にする機会が増えた。スタンホペア、レストレピア、ボレア、カタセタム、ゴンゴラと、実に妙なものばかり咲いている。ということはいよいよ蘭の奥座敷に入ってきたと言うところではないだろうか。こういうどうにも変なものがあるからはまる人が出るのではないだろうか。

最近パワー不足、リソース不足(よーするに時間、体力、気力などの不足)で蘭の記録が追いつかない。個々の蘭の記録がええかげんになってきているなあ。やっとこさ株の出入りを記述した。大変な大移動だった。出てゆく量もすごかったが、入ってきた数もまたすさまじいものがある。今年手に入れた株は108種にもなる。なにやら煩悩を抱え込んだような数で笑える。

 

10月16日(土)Blc. Mishima Gloryに花芽

Blc. Mishima Gloryにシースなしで花芽が出たようだ。「シースがないからこのバルブははずれ」ということを考えたように思うがこれは間違いだった。かつてカトレア・ラビアタもそういうつぼみの出方をしたことがある。

9時半から外に展開する。暖かい日差しに風がよく吹いている。絶好の蘭日よりである。写真撮影やら、リンカリ液肥、カイガラムシ対策のスプラサイドかけまでやって夜には取り込んだ。調子がよいようではあるが、このところ開花をみない。

ゴンゴラ・ガレアータのつぼみが大きくなってきた。豊橋蘭友会で購入したときは花茎2本につぼみぼこぼこをぶらぶらさせつつかえってきたが程なくバッタに食われてしまった。この時点で出ていた2本の花茎が見事に成長した。この花茎は恐ろしく細い。こんな細い花茎にぶらぶらとつぼみをいくつもぶら下げるのである。

Lyc. Jim Riopelleの花芽がしけた。代わりに新芽らしいものが3つほどでている。3つも出たらたわけになり、育ちが悪くなりそうだが、そうとばかりも言い切れないので様子を見る。

アングロカステは台風で新芽がぐらぐらになってしまい生育が思わしくない。ゴムバンドで止めておいたのだがあまりよろしくない。当分新芽も花芽も出ないのだから鉢の中に埋め込んで固定することにした。

バックバルブ伏せをしていた「洋種カランセ」やらアングロカステに新芽が出てきた。ただ、バルブの転がっていた方向が悪かったためか新芽の向きが悪い。バルブを傾けて2号鉢に植え付けた。

芳香があるといわれたボレアには香りがなく、結構グロイ姿をしたCtsm. fimbriatumによい香りがする。

Den. chrysotoxumが鉢からはずれてしまった。プラスチックのバスケットに戻りたがっているようである。また、鉢で生育が思わしくなかったDen.aphyllumも一緒にしてバスケットに植えることにした。この2株は今年しくじったと反省している。

10月15日(金)バンダ‘池田’に花芽

V. ? ‘Ikeda’に待望の花芽が出た。4株中なぜか最後になった。出くわした瞬間からこいつにしようと決めていた株であった。開花は12月頃だろうか。今年手がけたバンダ6株にすべて花芽が出たのは快挙と言っていいだろう。バンダはかつて花付きが悪いと言われていたが、このように年2回ペースで花芽があがるというのは蘭の中でもかなりの孝行者である。

今朝の最低気温はなんと7℃だった。今夜も耐寒性のあるもの以外取り込んでいる。14個のトレイの取り込みに10分、出すのに10分かかる。勘が戻らず作業に手間取りバスに乗り遅れた。11月いっぱい出し入れをして日光を稼ぐ。

マスデ2株に花芽があがってきた。どのマスデも猛暑を耐え、枯れずに生き残った。

10月14日(木)

出張先で夜勤である。今夜は結構冷えてきている。屋外に出している蘭が気になる。

なりふり構わぬ「もらってください」作戦で大株の大半をもらっていただいた。聞けばトレイ4つすべてをもらってくださったそうである。出荷件数は64に達している。これでなんとか冬を越せそうだ。蘭好きにとって蘭好きほどありがたい人はいない。

7株ほどいただいたそうで、これを見るのを目下の楽しみに慣れない夜勤をこなしている。

また台風接近中だ。今度も衛星写真で見る限り大型で強力な台風に見える。たぶん来るな。また関東ではないかと思う。

13日の朝8時から14日の18時まで2時間睡眠で働き、へろへろになって家に帰ってみると、いただいた株は7株どころか12種にもなる新規な種類の譲渡株が並んでいた。これは嬉しい。12種買い集めようと思ったらなかなか大変である。魅力的な品種が目白押しだった。蘭だけでなくダリアの花をたくさんいただいていた。ダリアはこれほどきれいなものかと認識を新たにするような種類の多さと花の良さに感激した。くださった方に厚くお礼申し上げます。

Bulb. lilacinum (=Bulb. crassipes) バルボフィラム・リラキヌム

房状の花穂をつける有名種。開花期は冬だが、先は長そうだ。

Bulb. medusae バルボフィラム・メデューサ

花が糸状にわーっと垂れ下がる有名原種。

Den. kingianum デンドロビウム・キンギアナム

赤紫色とか。

Encyclia polybulbon エンシクリア・ポリブルボン

有名原種

Max. marginata マキシラリア・マルギナータ

ブラジル産。花は夏から秋。

Onc. phymatochilum オンシジウム・フィマトキルム

ブラッシアぽい形のオンシ。「花茎は50cmから1.5m」!?

Paph. gratrixianum パフィオペディラム・グラトリクシアヌム

パフィオの原種

Ornithodium sophoronitis オルニソジウム・ソフロニチス

調査中。交配種のような雰囲気の属名だ。

Incdm. Popcorn‘Haruri’イオノシジウム・ポップコーン‘ハルリ’

有名交配種

Onc. Gower Ramsey ‘Stella’オンシジウム・ゴワーラムセイ ‘ステラ’

有名交配種

Cym. Lady Jewel  シンビジウム・レディージュエル

(Sweetheart x Redwood)株の姿が美しい。

Phal. Musashino x Hakuhoh-Shiranami ファレノプシス・武蔵野x白鳳-白波

白い胡蝶蘭。

Ctsm. fimbriatumが大変かっこよくご開帳であった。これぞ原種という強烈な個性がある。びしっと決まってかっこいいのであるが、これほど妙な花は滅多に見ることが出来ないだろう。

気温が10℃になり、耐寒性のあるもの以外取り込んだ。トレイ4つ分減ってかなり楽になった。これから11月いっぱいまで出し入れの日々である。

10月13日(水)

出張先に山があり遊歩道が整備されている。そこは巨大な一続きの建物にぐるりと周囲を取り囲まれた奇妙な山であった。建物の職員が憩いの場にと遊歩道を整備したらしい。沼の側になんと蘭が植えられていた。「キンラン」という立て札があった。この葉っぱだろうか。葉っぱでは案外分からないものである。「カキラン」の立て札もあった。これも葉っぱではよくわからない。石斛の巨大な塊がぶら下がっていた。こういう遊歩道でわざわざ掘ってかえる人間はいないだろう。何にせよ蘭を植えてくださるとはなんとありがたいことか。多くの人々が自然の蘭を大事にして欲しいと思う。というのも日本の蘭は育てにくいものが多い。採って帰ってもなかなか増えず、枯れてしまえばそれっきりである。自然に自生しているものが大変貴重なのである。自然の中にある蘭をみると人手で植えられたものとはいえ、畏敬の念に打たれる。もっとみたい。自生しているものは春蘭とネジバナしか見たことがない。

休日に東洋蘭(シンビジウムの一種)をみかけた。カッコイイ。たまらん。なるほどこれを愛好する人が居るわけだ。我が家では報歳蘭「金鳳錦」が唯一このジャンルに属するものらしい。バルブ1つが増えただけだ。美しい葉が少々痛んでいるところがへたくそである。花は期待できそうだ。この蘭は葉芸で評価されている。

そういえばまた石斛が開花する。先月石斛のつぼみを食ったバッタは最近見かけなくなった。産卵期を過ぎたのだろう。蚊がまだ出るところを見ると秋とは言えない。温いせいかサツマイモの太りが今ひとつだ。

10月12日(火)カトレア・おまけ開花、祝新記録120件開花。

昨年の開花件数は119件で、今年はすでに一昨日の10日にタイ記録に達していた。1月からずっと二桁開花が続いている。いろいろ予期せぬ拾いもの開花も多くなってきた。しかしながら、たくさんもらっていただいて株数を減らし、なんとかこの怒濤の開花にブレーキをかけ続けているのであった。

今年の開花ラッシュのピークは通常2月3月なのだが、なぜか7月にあって16株だった。二日に1件の開花である。あのころは忙しくてしょうがなかったような気がする。これから年末まであれほどのピークはこないと思う。

朝になってカトレア・おまけ(東京ドームで3鉢1000円で買った名無しのカトレア。差し上げたものが出戻ってきたもの)が開花していた。今回はかすかに香りを感じる。昨年の写真を見るとほれぼれするほどきれいだ。名無の素晴らしい花は多いが、このカトレアも数年ですごい株になりそうである。これで新記録年間120件開花となった。

本日はまた出張をしている。たくさんの譲渡株は全部もらわれていったそうだ。よいところにもらわれていったようで、暖かい嫁ぎ先で元気に育ってくれることだろう。いただいた株がどんなものか大変気になるのであるが、これからキョーレツな仕事が待っている。夜冷えるかどうか気にしているところであるが、本日大変暖かだったので大丈夫だろう。

10月11日(月)

もらってほしい株を取りに来てくださるというので庭の特設展示場に並べていたらトレイ4つを越えた。高芽取り以外は、どれもよく育ってたっぷり咲いてくれそうなものばかりと思っている。

トレイが品薄になるなあ、などとおもってたまたま行ったコーナンで多量のトレイがひっくくられているのを目撃した。少々図太くなってきた私は駄温鉢68円2個を買うついでに、「あのトレイはもし捨てるのならいただけないだろうか」と聞いてみた。「花屋に返すのですが、よろしければどうぞ」といわれ、なんと過去最高の11個をせしめた。こんなもんで大変ハッピーな気分になるのが蘭好きの悲しさである。これまでにトレイをくださいとお願いしたのは、ホームセンター2件、園芸店2件、花屋1件で、そのいずれでもことごとくもらってきたのである。お願いしてみるものである。

庭中の遮光ネットを撤去した。最高気温は25℃、最低気温は16℃という一日だった。例年からするとかなり暖かい。

キンギアナム?を放出候補にあげたところかみさんからクレームがついた。香りがよいのでかなりお気に入りだったらしく株分けをしろといわれた。盛大に開花すると期待されるがいかんせん大きい。育ちがよくて鉢にひびが入るほどだ。これではたまらんともらってもらう候補にしたのであった。夜に鉢をかちわって苦労して二つにぶっちぎった。4号鉢と3号鉢が出来た。後者を残す。そもそもこんな時期に株分けなどしていていいのであろうか。3号鉢には無理やり詰め込んだのであるが、春には3.5号鉢になりそうだ。このまま3号鉢だとどうなるのか興味がある。デンドロはどれも小さい鉢だと恐ろしく大きくなるようだ。

Den. Queen Southeastをトップページにもってきた。掲載中にその花がしおれると大急ぎで取り替えているのである。在庫が豊富になってきたのでせっせと交換する必要もある。このデンファレは蘭を育て始めてから2番目に咲いてくれた蘭で、付き合いは2000年から5年になる。5回目の開花である。育て方をまったく知らなかった単身赴任時代に日照は午後1時からだった団地でも咲くお勧めの品種である。最近生育が思わしくないなあ。鉢がでかいらしい。花茎はそれでも2本でた。側面を虫にかじられ曲がってしまったりもした。来年は小さな鉢に植えて再起を図ろう。ぐっと小さい鉢にいれたものはどれも面白いほど生育がよかった。植付けは最初の一歩だ。

10月10日(日)Ctsm. fimbriatum開花

夜中にCtsm. fimbriatumのつぼみがほころび始めた。地域の祭のため観察は出来なかったが夕方にはまあ開花という状態まで開いた。つい調べてしまうが2001年3月21日の購入から実に1300日目の開花であった。3年半少々かかったわけである。1400日かかったブラソレリオカトレア ミシマデザイアーよりは早い。それにしてもなぜか切りのいい数字になっている。偶然だろうが。(後で気がついたのだが、この時点で開花件数119件という昨年の記録に並んでいた)

昨日Blc. George King ‘Serendipity’ AM/AOS(資料画像)のシースに蕾を見つけた。新芽が伸びつつあるのでこの蕾もどうなるかよくわからない。まあ大事に行こう。思えば1500円も出して買った憧れの個体であった。今ではこういう大物をやる資格がないと思っているので「なんかすまんなあ」と思いつつ育てている。しょぼい花が咲いても世話人のせいである。この実績ある個体が悪かろうはずが無い。思えばBlcで咲きそうなのはこの鉢だけで、あと3鉢はさっぱり見えない。

おらが村の祭は酒をたらふく呑んで(飲めないが)、山車を転がして大人も子供も12kmを練り歩き、豪華過剰弁当を詰め込み、餅撒きの容赦ない餅攻撃をハイライトに、山車の解体収納作業など実に過酷である。古きよき日本の風景があった(でもみんなタバコ吸い過ぎ)。朝出遅れたおかげで蘭を配置することが出来ず、本日は稼ぎそこなった感がある。例年になく暑い。18時というのに20度もある。株をすべて庭に出し、リンカリ液肥をたっぷりいれてしつこく水やりをしておいた。

Lyc. Jim Riopelleがまた花芽を出している。これで在庫は3つになった。なんという強力なリカステであろうか。こいつも化けたといえよう。買ったときはリカステにしてはバルブが小さいと思っていたが、今は立派な緑の結晶のような塊が鎮座している。花も葉も株姿も実によろしい。香りよく、花よく、次々にながーく咲くという蘭のお得なところをすべて持っている。なかなかこういう株には出会えないものである。リカステ類というのは今後流行るのではないだろうか。

マスデバリアのどれかにつぼみが出ていた。

夜になり驟雨があった。うーん、また読み違えたか。

10月9日(土)

台風は南側を通過していったので軽かった。豊橋が何度もテレビに映る。横浜、東京、千葉などが大変だろう。速度の速く、しかも勢力が強い台風は中心から見て進行方向右側が大変危険である。

出荷予定株を取り揃えていた。ラベルつけをさぼっていたものにラベルを付ける。これ全部出て行ったら助かるだろうなあ。同じ種の株が結構あるからおいていかれるかもしれない。デカブツは開花確実なのでもっていって欲しいものである。なんのかんのでトレイ3つを越えつつある。

Den. Yukidaruma ‘King’は、新芽2本はほれぼれするほど見事だが、今年開花したバルブは、折れ曲がり垂れて高芽がでていた。これらバルブは容赦なくぶっちぎったため切り株がたくさん出来てこれも格好が悪い。

Den. White Rabbit ‘Sakurahime’も高芽バルブを1本ぶっちぎった。

Cym. All Star ‘La vi an Lose’は花芽が4つもあるが、こんな雄大な株をどこに飾るのか。こういうのはもらってくれるのだろうか。

10月8日(金)Onc.‘Asahi’開花

台風接近に伴い早朝から蘭の取り込みをしていた。避難の際鉢を落とし、あいついで三つも割ってしまった。開花直前の蕾付のカトレアを落としたときにはびびった。今日はかなり不調だった。昨日の肉体労働で肩が張っていたためらしい。一日ろくなことが無かった。

オンシジウム「アサヒ」が開花した。毎年律儀に開花してくれる。花数は少ないがなかなか美しい花を長く咲かせてくれる。

リカステが咲き誇っているが、8月21日から49日間と結構長い。そこへ持ってきてさらに花芽らしいものが2つも出てきた。3ヶ月咲くリカステになりそうである。バルブといい、葉といい、花といい、実に素敵なリカステである。

出荷予定のバンダに花芽が出ているのを確認した。これで出荷株すべてに花芽がついたことになる。「花芽つきのバンダを3株も人に差し上げる」ところまで来たのだなあ、と感慨無量である。もらってくれる方がこちらに取りに来てくださるそうなので多量に提供株を用意しておきたい。ありがたいことにまた珍しい品種の鉢をくださるそうで、実に楽しみなことである。5月にいただいたものは即戦力の豪華ラインナップだった。

パフィオの花芽が出掛かっていたものがしけたようだ。まあそういうことはある。

あと1鉢の開花で昨年の年間119件開花に並ぶ。その後は2ヵ月半新記録の日々である。年間150件開花は目標ではなく予定である。このところ景気が過熱気味なので、世話も観察も行き届かない。来年はもっと控えめに、鉢数を減らしつつ、おとなしく、つつましく、小さい鉢ばかりでかわいくやりたいと思っている。

Liparis viridifloraに花穂が出ている。咲かずの蘭だったがこのほどは開花してくれそうである。

ボレアはまた花が大きくなった。香りは無い。

パフィオ・プリムリナムがやたらとかわいい。しもぶくれたリップがすばらしい。まっ黄色でてりてりとつややかな花である。6月に買ってまだ咲いているし次の蕾もある。

明日は台風なので本でも読んでゆっくりして取り込んだ蘭でも眺めてすごそう。

10月7日(木)ボレア・ビオラセア、Lc. Aloha Case ‘#32’× C. intermedia var. delicate開花

ボレア・ビオラセアとLc. Aloha Case ‘#32’× C. intermedia var. delicateが開花した。

よく考えるとボレアの花を見るのは初めてではないだろうか。見たこともない花をつぼみが出てくるところから咲くところまで観察してしまった。濃いすみれ色をしている。青か?というくらい青っぽい。肉厚で見たこともないような「カルス」などと呼ばれる「なんじゃそりゃ?」という構造物がリップに鎮座している。鯨の口を思わせる。とにかくこんな花は初めて見る。つぼみはあと1つある。そういえば蕊柱がヘルメットというかフード状であることも驚く。たぶんまだ出てこない芳香もひと味違った香りかもしれない。これって売ったら高い?なんてことも思ってみた。

Lc. Aloha Case ‘#32’× C. intermedia var. delicateは今期3度目の開花ではないだろうか。四度目もありうる。毎度ありがたいカトレアである。

夜の見回りでバンダ.A「池田」の送り出す方に花芽が見えたような気がした。すでに花芽付きで送り出したサンサイブルーらしいのをBタイプとすると、こちらは雰囲気ががらりと異なり、大型で、茎が長いタイプだ。これが12月頃に咲けばやはり年二回開花タイプとなりうる。いまのところ未確認である。

数日前からたぶん襲いかかってくるだろうとおもった台風が急速に迫ってくる。「今度のは中心気圧が高いから大丈夫だ」と行っていた上司に「いや、あれは日本近海に来ると急速に発達します」と予想していたとおり「今年1,2を争う」台風になった。私は海水温がなお高いことからあと2つはくるのではないか、と思っている。根拠はない。また、根拠はないが地震が気になっている。このところ広範に地震が多い。まあ、蘭の取り込みは明日だ。

ラビアタはドーサルセパルがたれてなお咲いている。良い花だったなあ。

デンファレ宮島は2回も鉢からはずれて生育に躓いているが、昨年のバルブからでた花芽が虫に食われた後、さらに2つを出してきた。さすが巨大バルブはやってくれる。

10月6日(水)

2日間大半の蘭を家に収容し、寒さに強いものまで軒下に入れていたが、朝から大移動だった。大半を庭に展開した。今年はなかなか寒くならないので蘭の生育はよい。デンファレからおもしろいように花茎が出てくる。

9月5日に豊橋蘭友会にて1000円で購入したボレア・ビオラセアのつぼみがほころんできた。購入時はつぼみがなかったので来年に期待というばくちのような買い物だった。4号鉢でかさばるものをほかの16株とともに普通電車で運んだのであった。今思うとあまりたいした手間ではなかった。ボレア・ビオラセアはネット上でもあまり画像がない。

カタセタム・フィンブリアタムの開花を期待したがまだだった。この種もネット上ですら画像が少ない。

原種画像をいただいているので紹介したい。Okada氏よりいただいたものから。

Paph. henryanum:咲く時期の関係であまり見かけないうえ、ネット上でもあまり画像が見られない珍しい種である。

Meiracyllium trinasutum Rchb.f 1854:聞いたこともない珍しい種である。

Den. cruentum:知らないねえ。

Liparis rhodocheila:記述がないのでつづりからして確かなことはいえない。きれいなリパリスである。ゴンベッサ師匠所蔵。

 

10月5日(火)

ドイツにはマイセンという有名な陶器がある。かなり独特な雰囲気があり百貨店などで陳列されていると遠くからそれとわかるほどだ。その図柄に「ブルーオーキッド」なるものがある。興味津々で一見したところ「ちょっと無理があるんじゃないか?」と思う図柄だった。「ドイツに着生蘭はないだろう。カトレアみたいだがどこか変だ」。蘭を知らずに蘭を描くとどこか蘭らしくなくなる(めちゃめちゃいうてるけど間違っていたらご指摘ください)。わかった人が描けば属名と種名が50マイクロセカンドほどで頭にひらめくが、下手な絵ではだめだ。新潮社の文庫本に蘭の花が描いてあることがあったがデンドロとわかるまでかなりかかった。「何だデンドロじゃねえか。ノビル系の。葉が変だ。へたくそー」

ゴンベッサ師匠のすすめがあったようで絵描きさんが絵皿の画像を寄贈してくださった。これはばっちり種名まで特定できそうなほどみずみずしく描き込まれていたすてきな作品で思わずとびつき、その日のうちにページを立ち上げたほどである。丸山画伯のOrchid Artの始まりであった。こういう画廊があるとなにやら当ホームページも著者の意図などおかまいなしにぐっと格調高くなったような気がするねえ。大変なホームページになった、という予感がする。わかる、私には。

しかしまああのケータイの画像である。ケータイとはかようにカメラがしょぼいのであろうか。ますます必要を感じない。そのしょぼいカメラですら作品のかなりの魅力が伝わってくる。今後に期待したい。

ところでボタニカルアートというのは横に種名を描かないのであろうか。蘭マニアはラベルがないと落ち着かない人がいるだろう。そういう人があの皿をもらって種名がわからず「もだえ苦しむ地獄の味噌蔵」状態にならないのだろうか。「あれだ、ほれ、サンデラーエとかいう、バンダだったけれど最近属名が変わった、フィリピン原産の比較的海抜の低い、冬暖かくしないとだめなやつ」「赤いバンダはなくて、たぶんアスコセントラムが入っているからアスコセンダに違いない」「フラグミだがベッセーの入った交配種だ。種名がわからないのはフラストレーションがたまる。アンデアンファイヤーか」「サンサイブルーかなぁ。なに見ても青バンダはサンサイブルーか」「セイントスイシンみたいだけど、うーん」「アングレクム・ディディエリだ。間違いない」「ミルトニアはよくわからん」「カトレアはラベルがないとさっぱりわからん。ラベルなしは安い。手が出ない」「ぐちゃぐちゃ言っててもラベルがないとやっぱりわかんないよねー」うーん、なるほどこれは結構くるなあ。それにしてもモデルはどうしているのだろう。実物をどうやって調達しているのか。サンデラーエなんてお目にかかったことがないぞ。さすがは豊橋蘭友会というところか。謎の多い丸山画伯である。もちろん面識はない。

 今日もなにも咲いてないなあ。ボレア・ビオラセアが咲きそうだ。明日は外に出す。早起きせねば。

10月4日(月)

購入以来3年半未だ花を見たことがないCtsm. fimbriatumの初花の開花が迫っているのであるが。とくに待つでなくぼーっと見ている。

パフィオのつぼみもあがってきた。これも初花である。

昨日入手した「蘭への招待」を読み終わった。野生蘭の話が圧巻で、背景の素晴らしい自然を思い浮かべながら読むなんともさわやかな印象の読書になるのである。しかし家を埋め尽くす蘭を振り返ってみると、それぞれすてきなのであるが、野生蘭とはまたえらく世界の違いを感じさせる。すまんのう、こんなところで咲いてくれて。何にせよこれまでふれることがなかった広い世界を知らしめてくれた本であった。

モニターで育てているデンドロビウム スノーベイビー ’グリーンポコス’に花芽が出ているのを見つけた。一番乗りか?

丸山画伯のOrchid Artというページを作成した。

10月3日(日)Vuyl. Edna ‘Stamperland’開花

食われたと思っていたVuyl. Edna ‘Stamperland’ FCC/RHS, FCC/AOSがまともに咲いていた。大事にしたいが、今年はマイナス成長であった。なにが効くのであろうか。暑さは平気で日照を好むのだろうか。

「蘭への招待」塚谷裕一著、集英社新書、2001、をアマゾンで購入した。注文から3日で届いた。こういう本は見つけたら買っているはずで、たまたま目をすり抜けてきたらしい。新書といえば「一般向け」の本である。大変メジャーになったものだ。ざっと拾い読みをしても大変おもしろい内容でおすすめである。早速で申し訳ないが、186p写真69の「スタンホペア」は「ゴンゴラ」ではないだろうか。

北風が吹きすさんでいる。すごい強風で棚が危ない。気温も9月とは一変して低下している。今夜は取り込む他はない。トレイは全部で13枚あった。寒さに強いもの以外はみんな取り込んだ。今後フォーメーションを組み直さないと容易には出せない。

照明、三脚、暗幕、など、めちゃめちゃ気合いを入れて臨んだスタンホペアの撮影であったが、データを取り込む段になってコンパクトフラッシュを破損し、お釈迦になってしまったようだ。「・・・・」(我ながら感心するくらいよけいなことを書かない)

Den. Formidible ‘Ryouma’の鉢を手にとって畏敬の念に打たれる。買ったときにはバルブ1本のごくふつうの大きさのデンドロだった。翌年は2割り増し大きくなった。その翌年はさらに3割り増し、今年は買ったときの2倍、75cm、節は23という我が家最大のバルブになった!。すごい、バットくらいの長さがある。感心する一方冷ややかに「けっ、図体ばっかりでかくなりやがって」という感想もある。ふと昨年のバルブにまだ残っている葉の間に目が行く。「おっ、花芽でてるやんけ。ごっつうもうけ。うけけけけけけ」、と久しぶりに花芽にうかれる。ひそかに落ち目の著者だが、たまにはいいこともある。

デンドロの成長著しいものがいくつかある。Den.セカンダムやアノスマムもうれしいくらいでかい。ユニカム、シルシフロラム、スカブリリンゲ、セッコクもいい感じで、キンギアナム?はたぶん猛烈に咲くだろう。ノビル系交配種はどれもよい調子である。日照がものを言ったというできだ。一方、クリソトキサムは植え付けに失敗し出遅れた。初夏に咲いたノビル系デンドロが少々伸び悩んだ。鉢からはずれた宮島もちょっと躓いている。ピエラルディ(アフィラム)がどうもかんばしくない。こいつはちょっと勉強が必要かもしれない。

10月2日(土)Den. 'Kurashiki'開花

久しぶりに蘭を点検したが特段新しい発見はない。咲いたことがないにLiparis viridiflora花芽が出ていた。ちょっと弱っているようだ。うげ、本日開花予定のVuyl. Edna ‘Stamperland’ FCC/RHS, FCC/AOSが食われていた。開いてはいるが失敗開花なので、Lc.MiniPurple同様カウントしない。まあこの株も少々弱り気味なので休息してもらおう。かわりにDen. 'Kurashiki'が咲いていた。デンファレは4株が咲き誇っている。

ホームセンターDAIKIに行く機会があり、使用済みプラポットが10円と安かったので各種取りそろえていろいろ買ってきた。プラポットが向いている種もあることがようやく理解できるようになった。いつも物欲しそうに見て通り過ぎる園芸トレイに50円のシールが貼ってあったため意を決して「これは売り物でしょうか」と店員にたずねたところ「売り物ではありませんが、よろしければどうぞ」といわれ小躍りするような気持ちで4×6タイプを3つせしめてきた。最近は蘭を手に入れるよりもトレイを手に入れた方が嬉しい。ああいう良いものをなぜ売らないのであろうか。

写真がたまってきつつあるのでさっさとトップページを入れ替えて年間100件掲載を目指そう。

Hab. rhodocheila ハベナリア ロドケイラ 最近はロケで撮影するようになってしまった。Hab. rhodocheila昨年の画像。

10月1日(金)まだ真夏日。スタンホペア開花。

10月というのに真夏日だと驚かれているそうだ。ずっと真夏日だらけだったのだから別にこれからも真夏日でかまわんけど。なにしろ蘭の出し入れがなくて楽だ。今年のデンドロはバルブからして違う。こういうよい季候が続くと蘭の生育がよくて結構なことである。昨夜の最低気温は13℃と少々肌寒かった。そろそろ取り込み環境は整備しておく必要がある。

鉢のそこから出る水のpHを測定した。デンファレの鉢に100mlの水を加え、出てくる水のpHをH社のpHメータにより測定したのである。水道水7.21に対し鉢底から出た水は5.17だった。弱酸性である。水苔を通ってくる水はこんな酸性かもしれない。もしこれをアルカリ性にしたら蘭の生育はどうなるのであろうか。また、炭酸カルシウムを与えた砂利植のパフィオはどんなpH環境に生えているのだろうか。疑問はつきない。

Onc.Kalihiがこのたびはえらくかっこよく咲いた。1つの花茎から1年以上にわたり4回目くらいの開花である。驚異的な植物だ。そういえば一週間ほど前から、グラウコフィラム?のつぼみが開花している。17代目にあたる。もうすぐ1年半になろうかという長い花期だ。購入後1年中咲いていたことになるかもしれないエピデンドラムは花数が減ってはいるもののまだ咲いている。

書き忘れたが、出張から帰ってきた水曜日バルボフィラム・ロビーのつぼみがしけていた。あんなに大きなつぼみになって開花目前でしけるとはやってくれる。なかなか待たせてくれる蘭だ。異動したロビーの方が咲いていたりして。なにしろ異動先はそうとううまい人が育てているようだ。うまい人は世の中まだまだいる。月に10鉢咲いたと喜んでいるが、15鉢、20鉢と咲いているサイトがある。

明日はVuyl. Edna ‘Stamperland’ FCC/RHS, FCC/AOSが開花である。色々撮影だ。

スタンホペアの第三花茎が開花した。よい香りである。

 

 

 

 

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