蘭馬鹿日誌2004年7月および更新記録

ランのよしなしごとをつづる。下に行くほど昔 

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7月31日(土)Den.Pramortおよびサギソウ開花

台風接近のため警戒しつつ(ごろごろして)すごす。気温は26度で一日中涼しい。

7月までの開花は87件に達し、昨年の72件を大きく超えている。昨年は8月から12月の開花で47件であったので、今年度の目標123件(3日に1鉢開花した場合の一年間の総開花数)に到達できそうである。しかしまあこんなに咲いていただいてももうしわけないなぁ、と思うわけで秋から大量に輸出してしまおうと検討している。

こういう集計をした後でDen.Pramortとサギソウが開花しているのを見つけた。これでまた8月の開花が減ったなあ。今月は冬場並みの14株開花であった。

Den.Pramortには新芽に花芽が出ていた。これは8月に咲くかどうか微妙。この株の持つ連続開花日数をEpi.’Hanakoujou’が更新していた。このエピデンドラムは本日で231日咲き続けており、購入時と花のボリュームにおいて変化がないばかりか、新しい花茎が上がってきたという驚異的な植物である。根腐れ必至の沼地のような植え付けになっているが弱らない。ある意味蘭の範疇では極限にあるような変わった植物である。これは普通にカトレア扱いして植えると弱るようだ。多分1年咲き続けるだろうと思っている。

サギソウはある年かなり数が増えたのであるが、植え方がまずかったのか今年は株が減っている。球根が採れる前に最適な扱い方を研究しよう。

昨日開花した Phal. pulchra3本目の花芽が見つかった。横に寝る長い花茎があるかと思えば短い花茎の先につぼみを出してくる場合もある。売っているのを見ない品種だ。これを買った豊橋蘭友会に入っていたら蘭が増えすぎてえらいことになっているだろうなあ、と思う。あそこで手に入れた蘭でこちらに来てまだ咲いていないのは花芽のあるオンシジウムとTrichoglottis pusillaぐらいである。

Lyc. Jim Riopelleの芽はどうやら花芽らしい。昨年3つ出てきたが今年は1つである。バルブがあまりにも立派だから今年は5花くらい咲いてくれそうなどと思っていたが1花らしい。「日本大賞をとったあのリカステのようにデカイ花が咲くのかもしれない」という期待の仕方もある。

8月の開花はオンシジウムスイートシュガー?、Den. Rainbow Dance、Phal. pulcherrima、Barkeria skinneriLyc. Jim Riopelle5株の予定。拾い物開花をどれだけ拾えるであろうか。

7月30日(金)ファレノプシス・プルクラ開花

ファレノプシス・プルクラが開花した。昨年9月に豊橋蘭友会で購入した開花株が早くも開花である。この花はきらきら光るようなロウ質で、得もいえぬピンク色をしている。

B.nodosaがしおれ始めた。急いでトップページ掲載を行う。

飲み会の席で園芸仲間と話をしていて、「花がない時期だねえ」という話になった。つい「いやいやうちは花だらけですぜ」と憎たらしいことを言ってしまうのであった。ゆりはほぼ終わりだが、蘭はすごい状況である。バンダ、アングロカステ、フウラン、カトレア2株、ファレノプシス2株、エピデンドラム、ゴメサ、パフィオ2株、デンファレ、他3株が開花して夏の蘭展状態である。今年は酷暑にもかかわらず強力な布陣である。

貸し出していたデンファレ「花工場」が終わっていたことがわかり、回収してきた。なかなかいい新芽がでている。一方、Den.Pramortはまもなく開花だったが、「デンファレで咲きつなぐ1年間」という記録は途切れてしまった。まあ今後に期待しよう。

強力な台風なのでびびっている。風の音がすごい。あすは200mmは降ると予報されている。

7月29日(木)

 Angcst. Paul Gripp × Lyc. aromaticaがよい香りを放っている。すごいぞ、このはなは。

 赤いカトレアは弱らないねえ。

 Den. White Rabbit ‘Sakurahime’が異常開花していたようだ。高芽から妙な花が1つだけでていた。これを咲いたとはちょっといえない。

 マスデのつぼみがしけていた。暑いからなあ。

 そろそろPhal. pulchraが開花しそうだ。

 しかし夜はもう寒いほど涼しい。すばらしい風が吹き抜けてゆく。エアコンをつけない夜は4日目になる。

7月28日(水)Angcst. Paul Gripp × Lyc. aromatica開花

Angcst. Paul Gripp × Lyc. aromaticaが開花した。うまく導けばすばらしい開花になるだろう。なにしろ1バルブから10個のつぼみが出ている。先頭を切って開花しているつぼみは自重でうなだれている。これは大きな花になりそうだ。

 台風接近によるものかすごい風だ。清涼棚は風で倒壊しそうである。ゴメサが風で落ちていた。これは危ない。しかし明日は日差しが強くて家の中は蒸れるだろう。そこで考え付いたのは落ちそうなトレイは日陰の低い場所に置く、ということだった。勝手口の階段は風が弱まるので都合がよい。

 「ぶらさがりもの」のバンダなどは家に入れてファンを回しておいた。葉が垂れていたバンダは復活していた。どれも活きがよい。

 蘭の大移動であったが新規な花芽の発見などはなかった。

 うわ、すごい風だ。パソコンが飛びそうである。この三日ほどエアコンをつけていない。わぁ!本棚の上においていた国土地理院の地図がばさーとおちてきた。

 赤いカトレアはすごいなあ。花は大きいし、こんなすごい色の花は見たことがない。最後のつぼみが開いた。まったくすばらしいカトレアである。よく出回っているようだから手に入れるのは難しくないだろう。

 夏も冬に負けず多量の花があるのだが、室内がどこも暑いため鑑賞困難である。開花株の多くは玄関や屋外の軒下にある遮光した棚で咲いている。北海道などは年中室内で鑑賞できるのではないだろうか。蘭は北国有利と思える。

7月27日(火)

スランプが続くなあ。本日も特段記載することがない。このところ花芽の発見などがない。やはり8月は少々開花するものが少ないようである。

この間明幸園で50円で購入した球根の花芽がでてきた。大きな植物である。この植物があの水仙大の球根から出てきたのかと驚く。これはこれで面白いのであるが、園芸全般に対する関心が低下しているなあ、と思う。

Den.レインボーダンスからつぼみがわらわら出てきた。このデンドロはバルブが成熟すると節操なく開花するタイプらしい。株がでれんと寝たがるのがまただらしないやつである。まあべつにええんですけど。

Pot.HawYuanGoldには立派なシースが出ている。多分9月ごろ開花してくれるのではないかとつぼみも見ないうちから期待している。

電気屋の広告で電子天秤が安くでていた。これを見て思ったのが、鉢の重量変化を記録したいということであった。

鉢の重量を時間に対してプロットし、関数を見出してパラメータを抽出し、根の診断に使おうと考えているのであった。質量を等しく取った鉢とミズゴケを数組用意し、蘭を植えたものと植えてないもので「時間重量曲線」の測定を行う。ランのない鉢はラン入りに比べ渇きが悪いと予想している。これらの実験から得られたパラメータを用いて蘭の根の活動を診断しようというプロジェクトであった。朝晩重量を測ることで簡単に蘭を診断できるような方法を見出すことを目的としている。

相手は生物だけれどなんとかして数学やら物理を持ち込みたいと、足技、寝技をかけつづけているのであった。とりあえず微積分に引きずり込みたい。植物というのは空間群で記述できないのであろうか。

7月26日(月)

夏場、園芸関係のホームページは軒並み低調になる。本サイトも例外ではない。庭に涼みに出るのであるが、水遣りがやっとだった。

書けない。これほど何も出てこない一日は珍しい。なんということであろうか。

赤いカトレアはうなだれつつ咲いている。つぼみがあと1つある。うなだれている花を上に向けて撮影したわけで、写真のみたままが現実というわけではない。また、Norbidium bulbosum?は鉢をまっさかさまにして撮影している。

暑いのでノビル系デンドロのDen. Saigyoku Queen × Sailor Boy ‘Pinky’も終わるのが早い。

7月25日(日)

Norbidium bulbosum?はなにやら面白い蘭である。どこかで見たことがあるような蘭なのであるが、思い出せない。花が逆さまに咲いているが、今後も逆さまなのかわからない。花はどんどん上がってくるようである。

かなり暑い一日だった。

絶滅したパフィオをよみがえらせるというSFを考えていた。パフィオが暴れて云々という落ちがないのでラストに苦慮している。

7月24日(土)Norbidium bulbosum開花

Norbidium bulbosumが開花した。エンシクリアの近縁みたいなのでその線で捜査を進めてきたがいまだに手がかりがない。花がはっきり開くとまたなにかヒントが得られるかもしれない。

世の中には最低気温30℃というドサグレタ街もあるというのに当地では18℃を記録した。一方最高気温は34℃と表示されていた。10度を超える温度差が必要、などという蘭があったような気がする。

トップページの画像を撮影した。4種。しばらく在庫がある。果たして年間100件掲載できるであろうか。数字にこだわる必要はないが、つい目標を設定してしまうのであった。こういう欲でもなんでもない目標のおかげで欲望というものをあまり感じなくなってしまった。

パフィオ・フグラウコフィラム?の14代が昨夜おかくれになってしまい、しばらく間が開きそうである。

7月23日(金)V.Wirat開花

購入以来305日目の開花である。買ったときはやめときゃよかった、と思っていたのであるが、なんとか冬を無傷で乗り切って見事開花を果たした。このバンダも初心者向きといっていいだろう。この時期に咲くということは年1度の開花ペースではないだろうか。

咲いてみるとぱっと見はさえない。バンダは咲いた当日は実にさえないものなのである。4,5日すると立派な花になる。胡蝶蘭もそういうところがあり、蘭の多くで見られる現象かもしれない。

デンドロの高芽が育ってバルブごと垂れ下がってきたので鉢に植えてやる必要が出てきた。今年はデンドロの高芽に花が咲いて、さらに高芽が出てきた、という現象まで見られた。3階建てである。「デンドロに高芽をつけたままにしておくのはシロウトの証拠」などといわれる。まあトーシローには違いがない。

明日も何か咲きそうだ。連続4日の開花になる。

昨年と比べ光線の量が多いのか蘭の生育が著しいように思う。冬場はまたますます厚みを増した開花しまくりの日々が来そうだ。

7月22日(木)奄美のフウラン開花

明日の見出しも開花なら本日も開花である。開花続きで結構なことである。本日で7ヶ月連続の二桁開花となった。元旦からの205日間に開花したのは86件で、打率4割2分というハイペースである。えっ、四割?。怒涛の連続開花は一休みして来月に回してほしい。

B.nodosaがよいかおりである。フウランもよい香りだ。

サギソウにつぼみがあがってきた。

7月21日(水)Gom. Verboonenii‘Golden Falls’CBR/JOGA開花

Gom. Verboonenii ‘Golden Falls’ CBR/JOGAが開花した。少々よわり気味ではある。真冬に咲いて夏にも咲くシリーズであろうか。L.lundii、赤いカトレア、このゴメサ、マスデバリア、Den. Saigyoku Queen × Sailor Boy ‘Pinky’などである。

B.nodosaも赤いカトレアもかつてない出来である。

Norbidium bulbosumという正体不明の蘭が開花しつつある。V.Wiratがまもなく開花だ。奄美のフウラン、アングロカステ、などが続く。なにやらつぼみだらけですごいことになっている。家の中が暑いので外に展示してあるという状況だ。デンファレ・村上やらオルニトフォラ・ラディカンスなどは花ごと直射日光に当てている。

 

7月20日(火)

暑い、という以外もう何も書くことがない。朝に水遣りをしておくべきだった。

「バスを降りて近所の小川のそばに来るとどぼんというかわずの音に毎晩びびっているkojimaです。それではお話させていただきます。

蘭といいますとなにやら心が通うような植物だとおもって育てておられる方もおおいんちゃいますやろうか。じっとみておりますと、なんやしゃべりかけてきそうなやつもおりますなぁ。今夜はそういう蘭に心が通いすぎたご隠居の話をいたしましょう。

どぶ池に忠吉はんちゅううでのえぇ大工はんがすんどりまして、この忠吉はんよめはんにあたまがあがりまへんどした。よめはんの用事で近所のご隠居はんのところをたずねてまいりました。

(扇子で台をたたきながら)ご隠居はん、ご隠居はん、どぶ池の大工の忠吉でおます。朝もはよからえらいすんまへん。

ああ、あいとるさかいに入ってきなはれ。

うわ、なんやようけけったいな草がそこたしじゅうに。

どないしてん

よめはんがこの鉢をよわらせましてん、ご隠居さんが詳しい言うとりまして、みてもらいにきましてん。

ほうほう、どれどれみせてみぃ。・・・ははーん。セッコクやな。肥料のやりすぎで根腐れしてけつかる。

しゃんとしますやろか。

これああんさんのおかあはんの庭木にあったやつをわけたもんやな。

ようわかりますなあ。よめはんからなんぞ話がとおってるんでっか。

まてまて、あんさんのおかあはんもごうやなあ。これ枯らしたら嫁いびりのねたにしたろうおもうててぐすね引いてはるなあ。

なんでそんなことまでわかるんでっか。気味悪いなあ。あのばばあならやりかねんけえど。そういえば嫁はんがご隠居さん蘭のいうことがわかるいうてたけえど、まさかねえ。

そのまさかや。

うそや。そんなやつおらへん。

信用しとらんな、まあむりもない。これを見てみい。

なんとけったいな草や。根っこがぶらーんとして天井からぶらさがっとる。

これはおまえはんがもってきた鉢の仲間で、蘭の一種や。

これが蘭でっか。蘭ちゅうとこれを煎じて飲めば一晩中あちゃらのほうが元気になれるちゅうあれでっか。

あほなことぬかすな。胃の薬がせいぜいじゃ。この蘭はなあ、遠くシャムから来たヒスイ蘭ちゅうて青うてごっつうきれいな花が咲くんや。

シャムちゅうとワシントン条約、もとい公儀のご禁制にふれしまへんの。

ぎく。ま、まあバテレンやないさかいにそのへんはええのや。ええか、この蘭はシャムの王さんのところにあった蘭やで。そこでつるっぱげのええ男の王さんがおってな、そこんとこのガキおしえにえげれすのきれいな姉ちゃんがやってきて、王さんとラブラブになるねん。

何の話や。つるっぱげのええ男の王さん?。らぶらぶやて。ご隠居さん品がないなあ。またそないなみてきたようなウソを。だれに聞きはったんでっか。

蘭がしゃべるのや。

えええ、またまた。ほたらうちとこのこの鉢にあてのへそくりどこに隠しとるかきいてくんなはれ。

おくどはんの灰の下に銭いれたかめがうまってる言うてるでぇ。

げぇっ!

なんや、長谷川平蔵におうたような盗賊の声だしてからに。

ようわかりましたなぁ。きみわるぅ。・・・ほたらついでにききまっけど、嫁はんのへそくりは・・・?

あんさんのかめからちょいちょいつこうてはる。

げぇっ!、あんのあまあ。こんど岡場所のアケミとしっぽりいったろうおもうて貯めた銭を。

そらそうとご隠居はん、なんでそう見てきたようにわかりますのん?

蘭をながねんそだててるとなぁ。なんやこう気持ちが通じるようになってなあ、蘭がみたもんやきいたもんがみえるようになってしもたんや。

そないなこというてほんまは公儀の隠密とちゃいますのん?うちの女狐は尊王派のくのいちちゅうんやあらしまへんやろね。

まあ、なんとでもぬかせ。

そらそうと、そういう便利なご隠居にちょっとおねがいがあるんでっけど。

なんやねん、便利やなんぞ人を便所のたわしみたいにぬかして。

いや、その嫁はんなんですが、なんやこう、浮気でもしとるんやないかおもいましてん。

浮気男でとおってる忠吉はんが、かみさんの浮気の心配かい。勝手ぬかしよんねん。

家に帰ると嫁はんがなんやそわそわして、かすかに男のにおいがしますねん。

そりゃおだやかやないなあ。

ご隠居、えらいにやにやしてはるけどまさかほんまにうちのやつに・・・

岡引の股三やな。

げぇっ!、あんのあまあ。よりにもよってあんなぶ男を。

まあ聞け。あんさんのよめはんなあ。あんさんのかめをどんと股三の前において。

かめを?

これでうちの亭主の浮気の現場をおさえてくんなはれ、ときたもんよ。蘭だけにごラン行がすぎましたな。

おあとがよろしいようで。

7月19日(月)赤いカトレアおよびB.nodosa開花

赤いカトレアが開花した。うわ、すげえ色。赤黒いほどである。花の色彩は人工的な色彩にくらべてどんなずるをしたのかというくらいきれいなものである。花を見ると人の手になるさまざまな色をつけてあるものが色あせて見える。色もさることながら細胞の大きさのレベルで光を「打ち返す」ような仕掛けが施されている。きらりと光っている顆粒状の組織が見える。生き物の色を再現できる技術が出来れば品物の売り上げも変わってくるだろう。もちろんそういう研究は行われている。

夜になりB.nodosaも開花した。半開きでも香りがしている。

7月18日(日)

パフィオ・グラウコフィラム?に15代目のつぼみが出てきたようだ。14代のつぎのつぼみがしけて、屋外で栽培して、次のつぼみが膨らんできた。14代は異例に長く開花してくれているようである。おっと、本日で花期401日に到達しているではないか。

コンパレチアがカイガラムシにたかられているのを見るとなにやら植え付けが悪くて体力が落ちカイガラムシにつけこまれた、と読めた。鉢からはずしてみるとやはりコケの中に根がなかった。根はよほど通風を好むものらしい。最近植えつけはミズゴケではだめなものが多くあるということに最近気がついた。ミズゴケ万能に思えた時期もあったのだが、どうも限界があるように思われる。胡蝶蘭の多くはミズゴケよりも幾分通気性を高めてやる必要があるように感じる。まあ蘭がそういうものでなければ穴をわざわざあけた素焼鉢やバスケット、へご板を使ったりはしない。ミズゴケは便利だからつい使ってしまうが、観察によってそれ以外も検討する必要がでてくる。

7月17日(土)

本日の最低気温は20℃、最高気温は30℃だった。日差しも柔らかめで、蘭にはよい一日だったろう。大阪は35℃という予報だったが実際はどうだったのだろう。こちらはよい風もあってすごしやすい。

埼玉でエアコンのない生活を2年していた。蘭はベランダで自然の風を当てていた。「今夜は32℃か、比較的涼しいなあ」という夜が続いた。エアコンを取り付けるのが面倒だったのと、単なるやせ我慢だったが、実は秘策があった。それはアイスノンにタオルを巻いてこれを体に引っ付けて寝ることだったのだ。学生時代もそれでしのいでいる。

熱の制御にはかなりのコストがかかる。蘭について言えば冬場に備えた温室には最低50万円はかかるだろう。だが、それとて夏場クール系の栽培は気候次第で困難になる。山上げというちょっと一般には成し難い手段をとる場合もある。冬は何とかなっても夏は案外手がない。胡蝶蘭の農業栽培を見学したとき、夏場クーラーで冷やして花芽をつけていた。付加価値が高い栽培だから出来る。蘭のためにクーラーというふうに考えられないのは私が単に素人だからである。

冬は案外難しくない。暖房完備で夏が涼しい北海道は蘭に向いており、北欧でもラン栽培は可能だが、むしろ温かい地域では育てられないランがたくさんあるとおもわれる。今年のように異常に暑い夏をどうするのか、とこのところ考え続けている。ランは夜熱帯夜だと弱るように思える。夜しっかり18度程度まで冷やしてやると生育がいいのではないだろうか。真夏のアイスノンで快適な睡眠を得ていたのをヒントに考えたのだが、蘭の数が少ない人にとっては断熱ボックスにクールパックというのは最善の手ではないだろうか。あの発泡スチロールの箱にコーナンで買った155円のクールパックを凍らせて毎晩涼しくすごさせてやるのである。昨年これを胡蝶蘭にほどこして花芽を出そうとした。だが株は元気だったものの花芽は出なかった。かみさんお気に入りのマスデを枯らすわけには行かないのでいよいよとなったらそういう手段に打って出よう。398円の衣装ケースなどはどうだろうか。ふたの下にクールパックを入れるポケットを作る。冷気が上から下に流れて空気のかすかな流れを作り出すだろう。屋外に置いておくのがよいが、朝になったらふたを開けないとえらいことになるなあ。

カイガラムシにたかられている蘭がおおいので第二回スプラサイドかけをした。時期はいいのであろうか、と思ったがやってしまう。劇物スプラサイド1mlをおよそ1000ccに薄めハンドポンプでシュコシュコかけてまわった。もらったディレナティイやら、Lc.Elcerittoやら、ドリチス・プルチェリマやら大きなカトレアなどに顕著にいたが、これをかけると面白いほど流れ出てくる。

昨日開花したLctna. Peggy San ‘Tomomi’ は今回色が濃い。

バンダはつぼみが7つで確定した。8つかと思ったのは気のせいだった。

パフィオのヘンリエッタ・フジワラ?は新芽がナンプにやられているようだ。前途多難である。

デンドロ・クリソトキサムの鉢を抜いてみたがいい根がでていたのでとりあえず安心である。見る目がくもったか。

7月16日(金)Lctna. Peggy San‘Tomomi’開花

Lctna. Peggy San ‘Tomomi’ が開花した。何かと付き合いの長いカトレアである。夏場よく咲く。咲けば長い。怒涛のつぼみ軍団が続いている。マスデバリア・ローズマリーもまたまた参戦である。購入時の開花も入れると4回目くらいの開花になるのではないだろうか。こいつは何回咲くつもりなのであろうか。

大阪府にあった蘭をごっそり引き上げてきた。明日も35度だそうである(こっちは32度くらいか)。もう逃げるしかない。胡蝶蘭、バンダ4つ、エンシクリア、パフィオ、デンファレ、デンドロ、シンビの10株である。バンダ類は7つがぶら下がっている。棚へのアクセスが阻まれ、水遣りがやりにくくなった。脚立を置いて上からかけるという手を思いついた。よしよし。

雷雨があったらしく清涼棚の木が吹き飛んでいたが、鉢がいくつか倒れただけで影響はなかった。

こういう雨が降ると実に楽である。生育には申し分ない。三連休中じっくり観察したい。

7月15日(木)

暑い寒いを言うのは嫌いなのだがどうにも本日はまいった。汗みどろの肉体労働やらエアコンのきいた部屋での頭を使う作業のギャップでへろへろになっていた。蘭もへろへろかと思ったら、昨日弱っていると報告したバンダは4株中先頭を切って根を出してきた。明日3度違う山につれて帰るので何とかなるのではないだろうか。

今日も水遣りか、つかれたなあ、と思っていたら通り雨が降ったのでたすかった。

家のバンダ・ウィラットはつぼみ8つほどでそうである。株の姿がよろしい。1000円で買ったときはしまったぁ、などと思っていたがなかなかどうしてやりおる。カトレアは3株がそろって咲きそうだ。胡蝶蘭の原種プルクラもまもなくである。マスデのつぼみは色を見るに「明幸園」らしい。奄美のフウランやら、ファレノプシス・プルチェリマやらオンシジウム2株など活動が活発である。そういう意味では世話人の夏ばてをよそに蘭は絶好調なのかもしれない。

Pholidota chinensis?にまた花芽が出る可能性がある。

大きなカトレア類の動向は読めない。シースができてバルブが完成したものもあるが、多くは花が出るかどうかまるで読めないものばかりである。

デンドロ・クリソトキサムをミズゴケで植えていたら新芽が腐って、株の根元も腐りつつあるように思える。「木についているような環境を要求する」ランであるようだ。

デンドロレインボーダンスの大きなバルブから4つばかり変な芽がでていた。高芽か花芽か。

7月14日(水)夏ばて

4株のバンダのうち1株の様子がおかしい。葉が垂れつつある。夏ばての可能性がある。3株が元気ならいいのであるが、それもいつまでも元気というわけでもないかもしれない。交配種のバンダは暑さにまいることはないと思っていたが、どうしたのであろうか。はじめてみる症例である。

バンダ・ウィラットは順調に花茎を伸ばしつぼみは7つまで確認している。

本日は汗みどろの重労働ありいろいろで気分的にどろーんとしている。蘭もあまり調子がよさそうに見えない。鉢を持つと軽いので少々多めに水遣りをした。夜は風があり、水の気化熱で温度を下げてくれるだろう。それにしても今年は水遣りの回数が実に多い。毎日よく雨が降った昨年が懐かしい。

7月13日(火)リカステに花芽

また暑くなってきたようである。今年は水遣り回数が多い。このまま梅雨が明けるというのは残念である。

Lyc. Jim Riopelleに花芽らしきものを見出した。昨年より一ヶ月早い。基本的に花期がちゃらんぽらんな植物といえよう。大きな葉を茂らせた新バルブの根元から1cmほど離れたところからとがった芽が突き出していた。昨年もこんなで方をしていた。問題は何個出るのか?ということである。昨年よりも生育がいいので期待も大きい。しかしこのままでは8月に咲きそうだが果たして暑さでまいってしまわないだろうか。お山に越してきてこれほど夏を暑いと思ったことがない。

Angcst. Paul Gripp × Lyc. aromaticaが過去最大級の開花に向けてちゃくちゃくとつぼみをあげてきているなあ。

赤いカトレアがまもなく開花である。夏は多分赤黒い色をしているのだろうか。L. lundiiといいDen. Saigyoku Queen × Sailor Boy ‘Pinky’といい今年の異常開花は6月の10度を切る低温が影響しているらしい。

 

「突然ですが『どうころんでも園芸』のお時間がやってまいりました。司会のヨシコでーす」

「え?掲示板の?」

「ちゃいますよぉ。実在の人物・団体とは一切関係ありません」

「まあええですけど『どうころんでも演芸』ですかい。ほなわてはボケでいきまっさ」

「漫才ちゃいます。園芸です。センセ、今日は蘭についておしえてください」

「なんやけったいな。ばくっとしてまあ、蘭やて。ほなノコギリ、角材、おしいれすのこ、木ねじを用意してください」

「なんでいきなり『趣味の日曜大工』になるんですか」

「ちょっと気ぃがはやいんですが、蘭の棚つくりまひょ。これがないと『ちょっとそのきちゃない鉢そんなところにおかんといて、たのむわ』ちゅうてかあちゃんにおこられますなぁ。せっかく咲いた蘭の置き場にこまるんですわ。冬にも50鉢をしっかり日に当てられるようにしたいですなぁ」

「なるほど・・・」

「スチール製の棚はなんや重いし、冷えるし、高い。そんで1つ2000円以下でこしらえた安普請の棚をこさえてみまひょ。」

「寸法はどないしはるんですか」

「角材のまあおっさんの手にちょっとあまるくらいのを4本こうてきますね。そのうち1本を棚を置きたい場所に立てる」

「はあ」

「そんで、まあこんくらいの高さ、というところで線を引いて、あとは4本この線に沿ってのこぎりで切る」

「えらいええかげんですねえ」

「最近のノコギリはようきれますねえ。1000円しませんがええストレス解消になりまっせ。さて、この押入れすのこの幅に角材2本の太さを足したくらいをまた角材あてて計る。これは横木やね。2本切り出します。この厚さ1cmくらい、幅4cmくらいの板棒もその横木と同じ長さ切り出します。あとすのこのたて幅と角材2本の寸法分だけ板棒から10本切り出します。あとは木ねじで組み上げるだけ」

「そんなん聞いてわかります?」

「やってみればでける」

「なるほどえらいはやくできましたが、なんやふにゃふにゃしたつくりですねえ」

「4階建てにしてすのこの幅が冬場まんべんなく日が当たるのに偶然ちょうどよくでけてます。キャスターをつけると軽やかに移動できまっせ」

「なんとええかげんですがちゃんと役にたっとるんですねえ」

7月12日(月)

最低気温が20度を切って涼しい気候になっている。マスデのつぼみがげんきそうだ。

名前がよくわからないなぞの蘭「Horbidium bulbosum」につぼみが出ている。一昨年明幸園で見切り品を380円でつかんだ際、ラベルはなく、値札に上述の記述があったが、以来該当する種はみつかっていない。HはNではないか、いや実はPとあれこれかんがえて検索したがわからない。まあ咲いてからのお楽しみである。姿と雰囲気はエンシクリアに似ている。

サギソウに花芽が出つつある。

フウランのつぼみが膨らむにつれ、「フウラン好きの将軍ってだれだったかなあ?」と気になり始めた。その将軍は11代徳川家斉(いえなり:1773-1841)という。田沼意次が失脚して松平定信が寛政の改革を実施しているころに一橋家から10代家治の養子になり15歳で将軍になった。当初松平定信に頭を抑えられて窮屈な生活をしていたが、定信が失脚すると自由で享楽的な生活を楽しむようになり、17人の腹から55人の子をもうけたという徳川家最子沢山(^^;)の将軍であった(^^;)。在職はこれも最長50年の長きにわたり、最高位の太政大臣の官位も得た。側用人を重用し、大奥関係者も重く用いた「あらあら」という状況で表面上は太平楽な時代だったそうだが、実際には封建制のたがが緩みきった時代であったそうな。それゆえこの時代のことはほとんど記憶できない。このあと幕末までがさあ大変という嵐の前の静けさという時代だったのだろう。しかし史料にはフウランのことはなんにも書いていなかったなあ。そういう道楽親父の愛した蘭だった、と書くと剣呑だろうか。まあ何にせよフウランはすばらしい。

7月11日(日)

昨夜から涼しい気候になっている。年中こういう気候だといいなあ、とおもう。

次々咲く予定の Lctna. Peggy San ‘Tomomi’  Angcst. Paul Gripp × Lyc. aromatica B. nodosa赤いカトレアPhal. pulchraGom. Verboonenii ‘Golden Falls’ CBR/JOGA、奄美のフウランは順調に生育している。今月も二桁開花は確実で、これで7ヶ月連続になる。今年度の開花件数は80件に達した。昨年の同じ時期を9件上回って前半戦を折り返した。

トップページの毎日更新で画像在庫が適正水準にまで下がってきたためしばらくは平常どおりの掲載でゆく。

本日買い物で訪れた別のスーパーでも胡蝶蘭300円があった。ひょっとしてこの時期は胡蝶蘭の見切り品が出回る時期なのであろうか。

ノビル系デンドロのDen. Saigyoku Queen × Sailor Boy ‘Pinky’が香り始めた。

昨夜Lctna. Peggy San ‘Tomomi’ 2本ある花芽のうち1本を毛虫に食われてしまった。小さいバルブから出た花芽だったので株の成長のためにはわるくないかもしれない。もう一本はつぼみが大きくなっており、順調である。

以下多量に記述していたが、「蘭のこと以外の記述は削除」というオキテにふれて削除をくらってしまった。使える部分を編集して再起を図った。

「保科正之」という本を読んだ。新撰組にも関係が深い初代会津藩主である。2代将軍秀忠の隠し子だったが、3代家光にその英明さを見いだされ武断政治から文治政治への転換に尽力した。大変な権力があったそうで、江戸城に天守閣がないのもこの方が「無駄だからやめましょう」といって「振袖火事」のあと再建されず現在に至るのである。また、大変な名君だったそうで、「災害保障」「老人福祉」「経済運営」等数々の善政が幕府や会津藩の政治に大きな影響を及ぼした。著者はこういう名君ものに弱い。ここからがラン栽培の話になるのだが、蘭に対して「名君たらんとすること」が栽培の要諦ではないか、と心中心がけているのであった。治水、新棚開発、疫病対策、不作対策、治安維持により民草の安寧を心がけ、むさぼることをしない。すると蘭の忠勤はなはだ好ましいものがあり、なにやらいい関係となっている。

7月10日(土)

朝から集中豪雨で水遣りをサボることができた。ランも雨に当てないと調子が悪いような気がする。

アスコセントルム・アンプラケウムが危篤状態である。購入以来2年間不調でこの春「渾身の植え替え、これでどうだ!」でもう大丈夫だとおもっていたのが、葉がぼろぼろおちて新葉だけになってしまった。だめもとで鉢からぬいてひんむきすっぽんぽんの状態でV. Kasam’s Delight × Ascda. Peggy Foo?のバスケットに同居させた。Angraecum didieriもそうやって調子を取り戻したのであったがここまで悪くなって持ち直すような気もしない。

葉がなくなり根だけで春を迎えたPhal. 'Takarazuka'は、出てくる葉の調子が悪くなるようなのでこれもひん剥いて植え替えることにした。3号素焼鉢にベラポン(と少量のミズゴケ+杉皮)で植え替えた。

ランの危篤で暗澹としていたため買い物中見かけた「ミルトニア200円」「デンファレ220円」「胡蝶蘭花茎2本花つき300円」というお買い得だらけにもかかわらず手が出なかった。白にピンクのくさびがはいるかわいい胡蝶蘭だったので惜しいことをした。

裏手の強遮光清涼棚にランが増え、50鉢ほどになり、2番目に大きな棚になった。安普請の脆弱な棚で、いつ倒壊するやも知れないつくりである。ランごとに要求する最適な環境が異なっているので、異なる環境の棚をつくって育てるのがうまい手だとおもってやっている。実に5箇所に棚がある。直射棚、40%棚、40%日照時間短い棚、60%遮光、と4種類の環境がある。それぞれ適した環境に蘭を配置している。

調子を崩す蘭もあるが、アスパラガスのように太い花茎をどーんと立てている元気なオンシジウムもある。あまりの花茎の太さに驚いた。どれほどすごい花が咲くのであろうか。この花茎のおかげで遮光ネットが垂れてくるのが邪魔になり、棒を渡してネットが張るようにしておいた。

Angcst. Paul Gripp × Lyc. aromaticaはつぼみが増えて10個になった。まだ増える可能性がある。Lyc.アロマティカの性質が色濃く出ているようである。この花はすごい開花をしそうだ。

7月といえば生育の前半戦の山場で、今月の稼ぎが秋冬にものを言うのである。今月はまた肥料を効かせる戦略的な月なのであるが、こう暑くては慎重にならざるを得ない。このまま暑いばっかりだとかなりの蘭が弱るのではないだろうか。下手に肥料をあたえて弱ってもこまる。しかし本日の涼しさにだまされるようにたっぷり油粕の置き肥を鉢の点検をしながら与えた。

胡蝶蘭池袋6、胡蝶蘭有馬、胡蝶蘭黄緑をベラポン(と少量のミズゴケ+杉皮)で素焼鉢3.5、4、3号に植え替えた。

バルボフィラム・ロビーがあふれており、花期も花なしで過ぎたため植え替えた。ミズゴケをほぐしてゆくと株が二つに分かれていた。もともと2株だったのであろうか。一方を3.5号素焼鉢、大きいほうを5号平鉢に杉皮+ミズゴケ+ベラポンで植えつけた。

7月9日(金)Den. Saigyoku Queen × Sailor Boy ‘Pinky’開花

 Den. Saigyoku Queen × Sailor Boy ‘Pinky’が開花した。つぼみの数は25個で大輪の花が期待できる。真夏にノビル系デンドロが盛大に咲いてくれそうだ。高芽も4つばかりある。デンドロばかりは増やそうとおもったことがない。もっともランを増やそうとおもったことはないか。

 奄美のフウランからもう一本花茎がでてきた。どこもかしこも花茎2本出して立派なフウランが咲いているようなのでうらやましくおもっていたのである。

 赤いカトレアの別のバルブからもつぼみが出てきた。開花は確実と見られ、年二回咲きのカトレアとみてよいようである。

 Angcst. Paul Gripp × Lyc. aromaticaはつぼみが9つ以上あるようだ。これが咲くと花束のようになるだろう。1バルブから出た数としては今回が最多になる。昨年は夏に60日も咲いていた。今年も逃げ切ったようなもんだ。アングロカステはリカステにくらべ耐暑性が高いのでお勧めである。香りが大変よいものが多い。

 本日はカブトムシ、クワガタムシの話がよく出た。クワガタムシは長生きらしく上手に飼えば7年くらい生きているそうである。大変上手に飼えば、である。ランが7年たてば3号鉢にバルブ3本だったとすれば、2年でほぼ倍になるので、=2(7/2)=11.3倍ということになる。クワガタムシにはもちろん株分けとか植え替えとかはない。カブトムシはつがいで飼っていると卵をよく見かけた。幼虫が孵化して来年一回り小さいカブトムシが育った記憶がある。これも一種の作落ちである。育てやすいランからすると格段に難しいと思える。植え替え、じゃない床の交換が結構手間であったようにおもう。クワガタムシの交配種というのもあまり聞かない。オオクワガタの大きさとミヤマクワガタのスタイル、ノコギリクワガタのツヤを併せ持つOmnクワガタ!なんてのはたぶんない。近縁属の?フンコロガシと玉虫を掛け合わせて属間交配種クワフンタマというのももちろんない。必ずお亡くなりになってしまうから固体名というのも無意味で、せいぜいが「クワちゃん」どまり。「スプリング・レイキ」とか「シャイニング・ホーク」というのは戒名にしかならない。一期一会を大切にということであろう。魅力は十分に理解している。しかし通常ランより高い。弱ったからといって「瀕死のオオクワガタ300円」と見切り品にされても困る。ランもかなりマイナーな世界であるが、クワガタはもっとマイナーかもしれない。

 

7月8日(木)奄美のフウランに花芽

奄美のフウランの花芽は数日前に見つかっていた。今年はフウランが見られないのではと心配したがにわかに出てきて安心した。

昨日食した月下美人パスタがえらく効いたのか肩こりやらぐったり感がなくなり、暑さをものともしない爽快な一日であった。さすがは高級食材。でもまあ気のせいだろうなあ。

「アリベデルチー。みなさん今晩は。はいそれでは月下美人パスタの作り方デス。パスタは1.4mmのものが今回はいいですねえ。なべにたっぷり水を張って塩を入れます。海のしょっぱさです。4Lに大さじ5杯という感じでしょうね。火にかけて沸騰するまで待ちましょう。ではフライパンにオリーブオイルを張ります。たっぷり入れてください。オリーブオイルは体にいいんです。「生活習慣病を防ぐ」岩波新書でもオリーブオイルはお勧めでした。20mlは使ってください。にんにく2かけを包丁の腹でぐっと力を入れてつぶしてください。さっとみじん切りにします。月下美人の花は花の根元、葉の付け根付近で切りましょう。昨夜は大変きれいに咲いていました。香りもすばらしかったですね。でも今夜はおかずになります。一人前に贅沢に1つ使いましょう。結構分量がありますね。どこにも売っていないちょっと手に入らないお野菜ですね。切り口がぬめぬめして体によさそうです。これをさっと洗ってさくさくさくと切ります。オクラみたいですよ。オリーブオイルを加熱してにんにくのみじん切りを入れます。焦がしちゃだめ、狐色にしてもだめ。さっと火が通ったころにお花を加えましょう。さっと油に絡める。なんだか全体がねっとりしてきました。今日はぶなシメジをあえて見ましょう。好みでシーチキンやオイルサーディンを入れるのもいいです。おっとおなべが沸騰しています。ここでパスタを入れてさっとかき混ぜておきます。きのこに火が通ったらいったん火を止めてパスタを見ましょう。時々1本ずつぬいてかじってみる。まだシンがあります。このシンがなくなる直前、パスタはアルデンテがいちばんですね。ゆですぎパスタはマっマミヤ!(なんてこった)ですよ。さあゆであがりました。さっとざるにあげて湯を切り、フライパンに入れ、具とオイルを十分に絡めましょう。もう出来上がりです。お皿にもっていただきます。うーん、ヴォーノ。皆さんもおためしあれ。チャオー」

こうやって食える蘭はないのか、と思う。ぬめぬめ感では蘭もけっこうなものである。しかしバルブは恐れ多くて食べられない。今度たくさん生えているシランの根をくってみたい。

7月7日(水)続くこの夏一番の暑さ。Den.Pramortに花芽

さらにぐったりである。マスデが危ないなあ。もっと水遣りをする。

Den.Pramortに花芽が出ているのを昨夜見つけた。この花芽の意味は大きく、これが早期に開花して現在開花中のデンファレ・花工場の開花期を引き継げばデンファレの花を一年間ただの1日も絶やさずにいた記録がほぼ確実に成立することになるのであった。デンファレが数株あれば年中花が絶えないといえるわけである。ぜひがんばっていただきたいものである。

Bc.HammingAngelMilt.Satyは本日終了である。

11時というのにコンピュータ前は30度を超えておるなあ。まだ体がなれていないのに連日こんなに暑いとまったくまいる。

精をつけるため昨日咲いていた月下美人のしおれた花をオリーブオイルで炒めてパスタにからめて食べた。オクラ系のぬめぬめ野菜とでもいおうかパスタ全体がぬめぬめした感じになった。前回食べたとき長患いによい兆候が見られたためひょっとしたら効くのかもと腹が太いのにわざわざ料理して食べてみた。台湾では高級食材として用いられているそうだ。次は第4花が2週間後に開花予定である。今度はポン酢か生姜醤油でいただいてみよう。

球根園芸のほうが最近おろそかになっている。ゆりの攻勢が一段とすごい。グラジオラスもカラーもよく咲いており、裏庭が注目され始めた影響か、バラまでがんばって咲いてくれた。家中に花の名所が点在している。

7月6日(火)この夏一番の暑さ

ぐったりである。マスデが危ないかもしれない。水遣りに精を出す。乾燥注意報が出ているそうだ。

先月今月の開花予想をした際にはまさかこれほど蘭に勢いが出ようとは予想だにしていなかった。5株も咲けば御の字かと思っていたのである。今月も二桁開花になる可能性がある。昨年との違いはよくわからないが、6月までの気温が低かったことと、雨が少なく、今月から気温が急上昇したことが影響したのではないだろうか。

3発目の月下美人の開花である。4発目は2週間後に開花予定だ。これも「うまみの多い園芸」に入るだろうが、鉢が大きいなあ。大輪のゆりで、オリエンタルハイブリッド+リーガル系の香り月下美人の香りが混ざり、夜10時というのにリビングが29度だったためなんとなく生ごみ風の香りになってしまった。あーあ。部屋の中は花だらけである。

先日記述した公演?原稿の殺し文句を書き忘れていた。画竜点睛を欠いていた。

「最後にまとめとして申し上げます。皆さんのご家庭で、窓辺に幅90cm高さ180cm、奥行き35cm、4段の棚を材木と押入れすのこ4枚、木ねじで簡単に手作りすることができます。窓側と側面にビニールを張ってください。そこにはおよそ50株の蘭を置くことができます。毎日どれかしら芽や花芽、根を出してその活動を楽しむことができます。そして素敵な花、かわいい花、変な花、かぐわしい花を年中絶やさずに愛でることができるのです。ただし、50株は注意深く選んでください。蘭はあまりにも魅力的なのでくれぐれも増やしすぎにご注意ください。」

50鉢で本当に1年咲きつなげられるか?と疑問に思って調べてみたら連続開花期間中の2002年中は54件の開花で1年中花が在った。重複開花する株もあるのでこの期間の50株の精鋭株を選べば一年中花が途切れることはないといえる。もっとも花もちのよい環境と悪い環境があるため一般的な現象とは言いがたい。つながっている期間の長い開花株を選べばなんと5株で1年間咲きつづけていた事がわかった。2003年の場合なんと3株で1年間。最近ではパフィオ1株でほぼ1年だった。12月に買ったエピデンドラムももう8ヶ月まったく途切れず咲いている。蘭というのはそれほどすごい植物なのであった。

トップページの更新は6日目に入った。あと2,3日続くと一息つける。

レリア・ルンディのピンクの花をネット上であまり見ない。蘭展で見かけた覚えはある。大半のつぼみがしけてしまったがまだ咲いている。よい写真がとれたので御の字である。

Psychopsys(Onc.) Kalihiは今回気合の入った開花をしてくれそうだ。

夏に咲く赤いカトレアの色に興味がある。季節によって色が変わるのだろうか。しかしまあこう暑いのではしけるかもしれない。

7月5日(月)Ornithophora radicanse、オサラン、Psychopsys(Onc.) Kalihi 開花。V. Kasam’s Delight × Ascda. Peggy Foo?に花芽。Phal. violaceaに花芽?。

マスデ・アデューが終了である。長かった。3月以来ぽつりぽつりと咲いてくれた。

V. Kasam’s Delight × Ascda. Peggy Foo?に昨夜花芽が見つかった。今月はどうなっているのかというほどいろいろ出てくる。昨年すばらしい色合いの花をつけたこの株が今年も咲いてくれるとは実にありがたい。

Phal. violaceaに花芽と思われるものが出ている。買ったばかりなのにあのすごい花が見られるのであろうか。購入時の植え替えストレスによるものであろうか。

Phal. pulchraにつぼみと別の花茎が出てきた。

Ornithophora radicanseオサランPsychopsys(Onc.) Kalihiが立て続けに開花した。Psychopsys(Onc.) Kalihiについては花茎が出てからの開花ではないため、開花実績としていいものかどうか悩ましいのであるが、「まあええやないか」と言うことで特例とした。なにしろ購入以来えらく長い期間あけてぽつりぽつりとでかい花が咲くのである。

それにしても、めまぐるしい活動である。Ornithophora radicanseの新規開花を祝うひまもない。5日連続のトップページ写真交換であるが、それでも在庫をさばききれていない。少々記述が追いつかなくなってきた。いったい今月はどうなっているのであろうか。

本日の最低気温は21度。最高気温は29度だったようだ。

7月4日(日)公演原稿。赤いカトレアおよびオサランにつぼみ。清涼棚稼動。

司会者「それではお時間となりましたので、本日の公演「うまみいっぱいの園芸」をはじめたいと思います。公演者の紹介を申し上げます。kojimaさんです。kojimaさんは園芸研究家、もとい・・・どこにでもおるそこいらのおっさんです。それではkojimaさん、ご公演のほうをよろしくおねがいいたします。

kojima「えー、ただいまご紹介いただきましたどこにでもおるそこいらのおっさんのkojimaでございます。」

司会者「ほんま、しょーもないおっさんですわ」

kojima「じゃがあしいわ、ぼけぇ。・・・失礼いたしました。本日はどうもわたくしのしょーもない話を聴きにお集まりくださりありがとうございました。

うまみいっぱいの園芸、といいましても昆布やしいたけをつくる園芸ではありません。うまみの正体は昆布のグルタミン酸や煮干のイノシン酸、しいたけのグアニル酸などで、これらのうまみ成分をあわせもった野菜を作る話でもありません。ではなにか。

ここにお集まりの皆さんは私同様ある程度園芸の楽しみを知っておられる方々だと私は思っているわけです。園芸は楽しいから皆さんは植物を育てておられるわけです。大輪の花が咲いてかぐわしい香りを胸いっぱいに吸い込む瞬間がありますねえ。小さなかわいい花を家事の合間に目にして安らぐこともあります。ボーっと見ている葉に光が反射してそのつややかさにおどろくことだってあるでしょう。けれど楽しみもあれば重いプランターを持ち上げて腰をいわした方もおられるでしょう。固い地面を耕して手に豆をすることもあります。せっかくできたつぼみを害虫に食べられることもありますね。毎年咲くと言われて楽しみにしていた球根が植木鉢の中でとろけていることだってあります。苦あれば楽あり、それもまた園芸というもではないでしょうか。

しかし今日紹介するのはその楽しみの部分は濃く、おどろきの開花、かぐわしいさまざまな香り、世界中から集められた奇妙な植物コレクション、年中途切れず咲きつづける目くるめくさまざまな花の開花、根や芽のダイナミックな動きとスリリングな展開で飽きさせない、そんなうまみの多い園芸があるんです。それらは皆さんが普段目にしているのですが、これに触っていない人々にはほとんど知られていない園芸なのです。それは何でしょうか・・・。

それは「蘭」です。

おや、「なーんだ」という顔をなさっている方がおられますね。無理もないと思います。蘭はみなさんが考えておられるように少々むずかしい、温室か設備が必要、世話が大変、値段が高い、すぐ枯れる弱い植物、という認識がこれまでもたれてきました。しかしあえて申し上げましょう。それは間違いです。

蘭は難しいでしょうか。私が単身赴任中の夏の間4ヶ月間4つになる息子に世話を頼んでいたカトレアは冬に40日間咲いてくれました。私にとってははじめて咲いてくれたカトレアでした。基本を守れば誰にだってすばらしい花を長期間楽しむことができるのです。

蘭は温室が必要でしょうか。我が家の蘭は冬場一戸建てリビングで、夏は庭でそだって途切れずに花を咲かせてくれています。

蘭の世話は大変でしょうか。雨がよく降った昨年は夏の間水遣りをしたのが3回で、ほとんど1ヶ月以上ほったらかしだったことがあります。冬は乾いたら水をやるので週一回みるだけ、という鉢も多くありました。

蘭は値段が高いでしょうか。高いものもあります。けれど見慣れてくると花の終わったものなどが300円という値段で売られていることもあります。コンテストですばらしい賞をとった蘭が300円で手に入りすばらしい花を一ヶ月間みせてくれることもたびたびです。ほとんどが1000円以下で手に入れることができて何度でも咲いてくれます。

蘭はすぐ枯れる弱い植物と思われている方もおられるでしょう。ほとんどが熱帯の植物です。けれど日本の植物を家の中に入れて育てるとたちまち調子を崩してしまいますが、熱帯の蘭の多くは家の中で半年以上咲いてくれるようなものや、元気に生育するものが多いのです。家の中、職場の机の上で、根を出し、葉を出し、花を咲かせてくれるのです。それをライブで見ることができるのです。先ほども申しましたように、基本を押さえればよく育ってめったに枯れず、長生きの実に強い植物なのです。160年以上生育を続けているカトレアも知られています。

蘭の魅力は何でしょうか。胡蝶蘭を「紙みたいな花」と思っておられる方はいませんか。私もそう思っていました。ホテルのロビーなどで花をそろえて咲いている姿は豪華ですが、どこかよそよそしい雰囲気がありますね。けれどこれが目の前で花茎を出し、つぼみを出して咲いてくれた花は輝くような生命感にあふれています。

蘭のすばらしい点のひとつはそういう素敵な花が長い期間人が暮らしている場所、働いている場所で、手を伸ばせば触れるところ、鼻先というどこまでも人に近い場所でずっと咲いてくれるということなのです。職場のスリムタイプのパソコンの上にデンファレという蘭を育てていたことがあります。その花は78日間咲いていて、大きなオフィスで自分の机がどこか、遠くのほうから私に知らせてくれていました。これで弱るかといえば、翌年はもっと多くの、より大きな花を咲かせてくれました。これは切花や通常の鉢花では困難な芸当です。カトレアは職場で長いこと咲いてくれます。1つの花が57日間咲いてくれました。途中でへたるわけでもなく、最後の日までしっかりしたきれいな花でした。

蘭の開花期間が長く、またつぎつぎと咲いてくれるため一年中切れ目なく蘭の花が咲きつづけてくれ、現在では1052日間連続で咲いてくれています。買ってきた花で間をつないでいるというずるはしていませんよ。また、3日に1鉢の割合で咲いてくれるようになりました。

そんなに蘭が咲くということはたくさんの株を持っているからではないかと思われたことでしょう。現在は240株の蘭を持っています。すごい数かもしれません。1年中蘭が咲き始めたころは100鉢ほど持っていました。100鉢の蘭は屋内でも屋外でも畳一枚分の面積が必要です。考えようによっては少ない面積ではないでしょうか。選び抜いた50鉢があれば、すばらしい花を年中楽しむことができると請合ってもいいですよ。

蘭の素敵な点は花の種類が豊富で、色彩も大きさもさまざまなので好みに合った花がかならず見つかるでしょう。花は、雪のように白いもの、青空のような青い蘭、真っ黒に近いもの、夕日のように赤いものや、実に渋い微妙な色合いをしたものなどさまざまです。

蘭の香りを忘れてはいけません。皆さんはフウランの香りをかいだことがおありでしょうか。私も37歳まで知りませんでした。甘く、おいしそうな、えもいえず素敵な香りがします。この蘭が咲いたとき、日本人でいてこれほどすばらしい日本の蘭の香りをかがないのはもったいないことだと思いました。バニラは蘭だということをご存知でしょうか。そのバニラの香りを蘭の花に感じることがあります。種類によって変化に富み、実にさまざまなすばらしい香りを楽しむことができるのです。私がまだ知らないすばらしい香りがまだまだあるそうです。「サクマ式ドロップの香り」「カシスの香り」「バラの香り」「ココナッツミルクの香り」「化粧品みたいな匂い」。部屋いっぱいに香るものもあります。最近では香りを求めて蘭を買っている人もいるほどです。

ではこれから少しだけお勧めの蘭について紹介してまいりましょう。まず定番から参りましょう。

Den. Hamana Lake 皆さんもよくスーパーなどで見かけるデンドロビウムです。実はきっちり守らなければならない管理の鉄則があるんです。7月で肥料はきっぱりやめる。4月から屋外でよく日光に当てる。冬になったら水を控えて寒い目にあわせる。というところです。最近はそういう鉄則をあまり気にしなくてもよく花がつくこのハマナレイクのようなミニタイプが出回るようになりました。花が終わっていたので300円でした。

Den.’宮島’  この蘭はデンドロビウムの一種で、1つの花が連続で89日間咲いてくれ、株全体でも3ヶ月は咲く大変長く楽しめる蘭です。冬寒がるので室内の暖かいところにおく必要があります。8月に花の終わった3株を500円で買ってすぐに植え替えて育てたところ11月には花が咲いてくれました。育てやすく空振りの少ない素敵な蘭です。

Cym. Line Stone ‘Cute’  定番のシンビジウムです。花が終わると500円で売っていることもあります。この蘭は真冬にごみ捨て場に捨てられていたのを救出して翌年から毎年欠かさず開花してくれるシンビジウムです。もらって花が出なくてもてあまし気味のご家庭が多いようですが、適切な手入れをすれば大変素敵な花を見せてくれます。

Phal. Amanogawa x Grand City ‘Venus’ 胡蝶蘭は高いのですが、このビーナスのように寄せ植えからはずして株1つ400円で売られているような場合もあります。胡蝶蘭は3ヶ月くらい長く楽しめます。花がよくつくという点もいいんですよ。ただ、寒がりだったり、直射日光であっけなく枯れてしまうという生育のポイントに注意する必要があります。

Epi.「キャンディベル」 エピデンドラムもよく見かける蘭です。これを蘭だと思っていなかった人も多いのではないでしょうか。500円で咲いているのを買ってきた株はそれから半年も咲いてくれました。丈夫で長持ちです。少々水を多めに育てるようです。 

Onc. ?'Asahi'  オンシジウムという南米の木の上にひっついて生活している蘭です。ホームセンターでみかけた見切り品100円の株を育てています。1年経たずに大変美しい黄色の花をつけてくれました。

これらよく見かける蘭のほかに、蘭の育て方がある程度わかっておられる方はこれから示すような蘭に挑戦してほしいですね。

赤いカトレア 鮮やかな赤色がたまらないカトレアです。300円でした。育てるほどに環境になれて色と姿がよくなりました。つぎつぎ花が出て2ヶ月も咲いてくれました。画像をもういっちょう。カトレアは最近手に入りやすくなりました。

Paph. glaucophyllum  パフィオペディラムと言う蘭で、食虫植物だと思っている人が多いのではないでしょうか。虫は入るには入るのですが、受粉のためにやってくるだけです。園芸店で780円だったこの株は次々花を出して380日も咲いてくれました。これ1株でお部屋の中に一年中花があったわけです。

V. Sansai Blue    バンダといいます。青に大変近い紫色のものがあり、この花も大変美しい姿かたちをしています。年に2回咲いてくれるといううれしい性質があります。

ほかにもまだまだたくさん紹介したい美しい蘭、香りによい蘭、面白い蘭があるんですが、時間が限られておりますのでこのくらいにします。興味のある方は私のホームページをご覧ください。

さて、どうすればこのような蘭を身近におくことができるでしょうか。皆さんが難しいと感じておられる理由の第一は、情報の不足からきていると私は思います。入門書を買うのが早道です。また、私が創っているホームページなどを見ていただき、気に入った蘭をまず見つけるところからはじめていただければと思います。気にいった蘭について整えなければならないおおまかな環境や、特徴を頭に入れます。ほしいと思う蘭それぞれについての対応はいっぺんにやると大変かもしれませんが、大事なものから徐々に解決してゆけばいいと思います。ただ、夏に暑がる蘭は、こちらの気候では少々困難なようなので避けたほうが無難です。それ以外の多くの蘭、胡蝶蘭、カトレア、オンシジウム、シンビジウム、デンドロビウム、エピデンドラムというところは基本となる情報さえ押さえておけばよい花を見ることができます。

手に入れる方法ですが、まともに買うと高いです。ただ、花を見て気にいったものを買うという点ではいい方法です。とにかくやってみたいという人は入門書などの写真をみて株を見分けられるようになると花のない見切り品の蘭を見分けて買うことができるようになります。ホームセンターや園芸店の片隅に花の終わった蘭を安くおいている場合があります。なんとなくこの葉っぱは好き、という株を選んで育ててみてください。

温室なしで蘭を育てるのはさほど難しいことではありません。冬越しのための鉢の暖め方はいろいろあります。夜は発泡スチロールのケースに入れて少しでも暖かいところにおく、といった方法もあります。集合住宅は温度が保ちやすいので、夜はカーテンを引いておくだけで胡蝶蘭、バンダ、カトレア、デンドロビウムなどほか多くの蘭を十分栽培可能です。

蘭をはじめるにあたって障害となるのが植え付けです。買ってきた蘭は花が咲くまで育ててきたわけで、植え付けてから1年以上時間が経っています。植え込みにはミズゴケがよく使われています。このミズゴケはおよそ2年で劣化してしまいます。劣化すると蘭の根が腐りやすくなり、生育に障害が出てしまいます。蘭はミズゴケと素焼鉢で植える場合がおおいということを覚えておいてください。しかし、この植え替えをマスターすれば面白いほど蘭が咲いてくれます。素焼鉢は案外手に入れるのが難しいようですが、鉢底に2.5、3、または3.5と刻印されているものをよく使うので、これらを探して入手してみてください。

蘭のポイントの二点目は遮光ということがあります。わざわざ太陽の光を少なめにしてあてるわけです。これをしないと葉の温度が上がりすぎて葉の組織が破壊され、かなりダメージを受けてしまうということがあります。以前は遮光ネットが高くてレースのカーテンなどを使って失敗していたこともありましたが、最近では100円均一の店でも見かけるようになりました。

水遣りについては、私は水遣りが好きなのでついやりすぎてしまいます。植え込みの表面が乾いたらやる、ということを守れば大体うまくいきますが、これも種類によりますので指導書でポイントを押さえてください。

肥料や、冬越しのテクニックなどこまごましたことはまだ株を手にしていない皆さんには退屈なので割愛します。

最後にまとめとして申し上げます。皆さんのご家庭で、窓辺に幅90cm高さ180cm、奥行き35cm、4段の棚を材木と押入れすのこ4枚、木ねじで簡単に手作りすることができます。窓側と側面にビニールを張ってください。そこにはおよそ50株の蘭を置くことができます。毎日どれかしら芽や花芽、根を出してその活動を楽しむことができます。そして素敵な花、かわいい花、変な花、かぐわしい花を年中絶やさずに愛でることができるのです。ただし、50株は注意深く選んでください。蘭はあまりにも魅力的なのでくれぐれも増やしすぎにご注意ください。

私の雑駁な話でも蘭に興味を持っていただければありがたいです。園芸好きの皆さんが蘭を手にしてうまみの多い園芸をなさっていただければと願っております。以上で私の話は終わりです。」

司会者「みなさん、だまされたらあきまへんでぇ。蘭はコワイんですよ。このおっさんなんか蘭に入れ揚げてもうへろへろですねん。腹も出てるし」

kojima「うまみで、食べ過ぎて生活習慣病的な蘭栽培です。ほっとけ」

 

今日は実に暑かった。マスデが弱り始めているように見える。ちょっと涼しそうな蘭の棚を作成した。そばを小川が流れており、遮光をきつめに、風が多めに通る場所である。これを機に大幅な蘭の人事異動もとい棚移動をやった。マスデの?に花芽が見つかった。マスデのワインレッドにも花芽があった。

オサランにつぼみ発見。花期は恐ろしく短いし、花も目立たないが。

 赤いカトレアの新芽からつぼみが2つ出られずに往生していた。つぼみの救出手術を行う。年末年始にかけて62日間も咲いてくれた株である。暑いから難しいかもしれないが、手は尽くしたい。咲けば金星である。

 

7月3日(土)うちのランが出版物に

先日当ホームページの画像Phal. schillerianaを子供の夏休み帳に使いたいというお申し出があり、快諾した件の続報である。さっそくページの画像が届き、驚く。「ひえええ、この写真が出版物になるのか」。かみさんに「植木鉢が写っていてきったねー」などといわれてしまった。さらにかみさんに誤植まで指摘されてしまった「ファレノプシス・スキレリアナ」とあった。そりゃまあドイツ語知らなきゃなじみのないつづりである。ラテン語読みするとまあそういう表記になるのであながち間違いではないのかもしれない。手持ちの本3冊には「シレリアナ」と表記されている。その旨出版社に報告した。一方同じドイツ語系の名前「Schoenorchis」はスコエノルキスと表記されている。Schönorchis(シェーンオルキス:美しい蘭)が属の語源だとおもうのだが確証がない。

この夏休み帳の内容は拾い読みをしただけでも結構面白い。出版前の内容をここでとやかく言うわけには行かないのだが、うちの花期380日パフィオをしのぐ長期間開花デンドロの記述があり、これには燃えた。早速庭にいるPaph. glaucophyllumを激励し、ぜひぜひお世継ぎをと余計なプレッシャーをかけてきたしだいである。15代目のつぼみが出ればそのデンドロの記録を抜き去ることができるかもしれない。こればかりは水戸家から養子に、というわけにはいかない。

Cirr. wendlandianum ‘Abe’に実が2つできていた。これを自家受粉というのであろう。同種の優れた別個体のかけあわせをシブリングクロスというらしいが、自家受粉はなんというのであろうか。たとえ自家受粉でも実生株は親とは異なってくる。種が育つことはなかろうが、まあ実もつけておいて鑑賞しよう。

ランも実のところよく種ができる。シランの種はごくありふれている。えびねも自家受粉していた。交配したデンドロは実がおちてしまっていた。

Restrepia brachypusにできていた果実が裂けてほこりのようなタネが舞っている。花のほうはタネにお構いなくますますたくさん出てきた。

原種の画像はある種社会的な財産かもしれない、などと思う。子供の教材としての価値があるのならせっかく咲いた原種は丁寧に撮影しておく必要を感じた。背景は無地かぼやけた緑色などがよい。これまでは黒い布をたらして蛍光灯の照明で三脚を立ててものものしく撮影していたのであるが、よく考えると庭で黒布をたらして自然光で撮影したほうがいいと思えた。せっかく咲いたエピデンドラムマリエであったが、端から色が変わり始めている。これはこれで珍しい画像かもしれない。

7月2日(金)B.nodosaにつぼみ

B.nodosaに花茎2本つぼみが6つ見つかった。7月中に開花する予定である。Angcst. Paul Gripp × Lyc. aromaticaのつぼみは6つ以上あるようだ。これも今月から8月にかけてが花期になる。Lyc. Jim Riopelleの葉はすばらしい出来だった昨年をはるかにしのいで立派になったので今年はさらにすごい花が咲きそうである。

蘭の活躍はますます目覚しいものがある。環境や、気候によるもので、助力はしているが基本的には「蘭が咲く」のである。以前から「咲かせる」という表現を自粛している。「花が咲く」のであって、「このおれが咲かせてやるぜ」と長谷川平蔵が盗賊を責め上げて盗人宿のありかを吐かせるようなわけにはいかないのが蘭である。なんにしてもどの株もよくやってくれている。

今夜はさっと雨が通って水遣りで楽をした。明日は裏庭の棚を完成して現在の込み合った状態を緩和したいとおもう。当分じっくり見ていない株が多いので数多くの花芽を見出せるのではと期待している。

英語版のホームページをみて英文のメールが来ていた。どうも商売するのならうちに登録すると客がたくさん集まりまっせ、というような内容だったようだ。蘭のリストに値段が書いてあったので商売をしているものと勘違いしたのであろうか。欧米人もあまり文字を読まないのであろう。

商売で思い出したが、商売の街といわれるある都市の立派なドームはあろうことか蘭展をやっていないのだった。かねがねこの「商売の街」は商売を忘れたのではないかとおもうことがある。蘭展をやれば人がたくさん来て「なるほどこういうところで野球を見たら楽しいかも知れんなあ。こんど見に来よう」とかおもうかどうか。なんにしても空いているときは蘭展でもやって儲けようと、東京、福岡、名古屋では蘭展をやっているわけで、総理大臣や皇族の方々がおいでになってNHKが来て中継するわけで、そういうことでもないと、「そのドームってどこにあんねん?」「ドームあったんかい、へえ、しらんかった」ということになり、果ては、金が儲からんから2つあわせてひとつにしまひょ、ちゅうような話になるんじゃないんだろうか。そういえばこの街の唯一の蘭展は、開催場所の百貨店とともに消えてしまった。「またも負けたか八連隊」という言葉を思い出す。

7月1日(木)L.lundii開花

今月もたっぷり咲いてくれそうである。早速L.lundiiが開花してくれた。白地にリップが赤い筋が入るような種類だとおもっていたが、全体にピンク色をしている。

今夜も新たにLctna. Peggy San ‘Tomomi’  Angcst. Paul Gripp × Lyc. aromaticaにつぼみが見つかった。また、L.lundii同様狂い咲きなのかGom. Verboonenii ‘Golden Falls’ CBR/JOGA に花芽が3つ見つかった。この株は例年12月に開花していたのである。Onc. ornithoryncam x flexosum にも今朝花芽が2つ見つかっており、例年にない忙しい夏になりそうである。

 

 

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