蘭馬鹿日誌2003年10月および更新記録

ランのよしなしごとをつづる。下に行くほど昔 

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10月31日(金)C.Dolosa?開花、セコイながらも100件開花達成

なかなかのぽかぽか陽気である。バンダも屋外に出した。三連休はよく日に当てたい。

連日バンダづいて、バンダに関する記述を読みあさっているのであった。思うに黄色いバンダを欲しいと思った。青黄赤と揃えてみたいのである。黄色にも素晴らしい色のものがあるようだ。

 

昨日Mtdm. Pupukea Sunset Hawaiikai(明幸園300円)に花芽らしい細い茎を見つけた。親がケイロホルムだから似ていなくもない。ケイロホルムが花茎5本を出しているので、時期的に花茎が出るのかも知れない。

 

年末までの花算用をする。Phalミシマクリスタル、バンダ・サンサイブルー、デンファレ・宮島、デンファレ・サティ。オンシジウムスイートシュガー2株、Lc.SpecialLadyOnc.TwincleOnc.ケイロフォルム、デンファレ・セカンドラブあたり10株の開花は堅そうである。

 

蘭を増やす?」で述べたように、著者は蘭を増やす気が毛頭無い。それでも蘭は恐ろしいほど増える。顕著な株にDen. Spring Color 'Hohoemi' デンドロビウム スプリングカラー 'ほほえみ'がある。購入時3本のバルブの鉢300円の見切り品が、3年で25本+高芽3本になった。高芽を取らないと株の生育が悪くなるという。「結構じゃないか、是非もうすこしおとなしく生育して欲しいものである」。株をふると立派なバルブが互いにぶつかってぼんぼんいい音がする。実に増える怖さに高芽取りも出来ないのである。株の重さでむやみと鉢が倒れる。恐るべきデンドロである。たぶん花がぼこぼこにつくのであろう。

 

夜になってC.Dorosa?が開花しているのに気がついた。本年度の目標だった100件開花達成である。実に結構な花だ。100件開花が株を拝み倒すように無理矢理咲いてもらったようなセコイ咲き方であり、今回も1輪こっきりである。さも派手にぱかすか咲いているように見える開花画像の数々だが、セコイ花もどあっぷで撮影すれば美しく見える(^^;)。蘭はありがたい植物である。

 

10月30日(木)

なかなかのぽかぽか陽気である。こういう日が続くとありがたい。これから花が咲く精鋭部隊を屋外に展開した。「今年は葉も落ちたし、あとはぬくいところで寝よう」という風情の蘭は室内の日当たりが今ひとつの場所に置き、窓辺のがんがん日の当たるところにこれから成長中のものを展開した。

 

今月中に開花件数100件を達成して欲しかったのではあるが、カトレア「宝塚II300円今年2度目の開花が遅れている。

 

切り花になってしまったデンファレ・アリカの90mmの花が終了した。花茎が黄色くなり、他の花も姿がしっかりしているにもかかわらずぼろぼろおちてきた。その花の短い茎をさらに水につけている。昔京浜東北線の車内で一輪のデンファレが落ちていて、もったいないとばかりに持って帰りグラスに漬けて置いたところ2週間も咲いていて驚いたことがある。デンドロの中では花弁が分厚く、しぶとい花である。しぶといが故に愛されるが、しぶとい故に珍重されないところがある。しぶとくない花の対極には月下美人(Epiphyllum oxpetalum:サボテン科、南アメリカ原産、台湾ではたくさん生えており中華料理の食材でもある)がある。数時間しか咲いていないのであるが、大きく、雪のように白く、えもいえぬ香りがするため大層珍重される。小さな株をもらってシンビジウムと一緒に育てているが大層大きくなったので来年は咲いてくれそうである。

 

バンダ・サンサイブルーの蕾がくっきり見えるようになってきた。順調に仕上がっているようである。いつも7ないし6つ花がつく。出来がよければ8つつくことがあるだろうか。予定では1110日前後の開花である。

このところバンダづいているので思い出したのだが、加西フラワーセンターでかつてかみさんさえ「あれは青い」と言わせるバンダがあった。それとおぼしき写真をみつけた。20011123日の日付である。そのころ行けば「きっちり青いバンダ(?)」をまた見られるかも知れない。そのころ加西フラワーセンターでは寒蘭展をやっているのでこれに引っかけて見に行ってみたい。

 

10月29日(水)

「素焼鉢はSiO2が主成分である」、ということが分かったのであった。ほかに焼結助剤としてMgOだのKだのAlだのがはいっているのであろうが確認はしていない。そもそも赤いというのが妙で、Fe(III)をわざわざいれているのであろうか。340円とえらく安いがどこで作っているのであろう。

べつにそれがどうしたというわけではないが、いっそCaPO42とかK分をもっと混ぜ込んで「マガ○プ素焼鉢」とかいうものを作ったら肥料がうまく効いたりしないかなどと思った。トルマリン入り、なんてのも受けるかも知れない。TiO2を表面に塗って「かびない、苔がつかない」というのもいい。蘭に凝っても素焼鉢には凝らないし、凝れないようだ。カスタムメイドの素焼鉢でより一層蘭を引き立たせようというようなことを考える趣味家が居ても不思議はないのである。火焔土器型素焼鉢とか、埴輪型素焼鉢とかあるとおもしろい。デンドロキラムをたらりと頭から垂らした土偶のような素焼鉢を見たことがあり、これはインパクトがあった。

そういえば東洋蘭では器も重視していたようだ。一方ラン展においては洋ランは苔ずるずるの鉢をバークで埋めて隠していた。まあ蘭をやっていると素焼鉢はコンポストの一種で、2年ごとに取り替えるような消耗品ではある。それじゃもったいないし、たまると鬱陶しい。そこで苔などで通気性の低下した素焼鉢を電気炉で焼いて再生するということをしている話も聞く。

卓上電気炉なるものがあるのだから家庭で焼ける素焼鉢セットなんてのがあると面白いかも知れない(かつては家庭で作る超伝導材料セットなんてのがあったようだ)。表面にひだひだをつけて、やたらめったら乾きやすい素焼鉢というのを研究して作ってみたい(いつもいうばっかりだったりして(^^;)

 

このところ開花しなくなったなあ。1週間もあいてしまった。

 

昨日言及した「花の園芸12ヶ月 バンダ」もどきをつくってしまった。こういうパスティーシュをちょっとやってみてわかるのは、本を作るのは実に大変だ、ということであった。「こいつわかっとらんなあ」と笑っていただきたい。

 

ゴンベッサ氏より見事なデンドロキラムSP、コビアナムらしい)をいただいた。なんと大きな見応えのする鉢である。うちのデンドロキラムはちっとも咲かない。

 

10月28日(火)

よい天気だが夕方から雨が降るという。外には出さず、棚の中で日当たりをよく考えて配置を決めた。

昨夜は開花促進肥料(リンとカリウム)を株の状態をみつつ、選んで与えた。ここで一首。

 

秋きたが 花芽がみえぬ 株がある リンカリ液肥を かましたるねん

 

なんや元ネタがわからんようになってしもた。

 

花芽を出すのが遅れたデンファレがけっこうある。4株くらいあるのではないだろうか。12月中に咲くペースでこれから出れば何とかなるが、1月にずれ込むようだとちとしんどいかも知れない。こういう株が出るというのは確かにデンファレの難しいところかも知れない。夏場は日当たりの面から庭が有利であるが、冬場はマンションなどの集合住宅の方が有利である。

 

風呂に浸かりながら12ヶ月シリーズの「シャコバサボテン」を読んでいて思った。いつの間にか園芸指南書ではこのシリーズが最も強力で競争力が強い。そして蘭ではもはや新規な12ヶ月シリーズは出ないのだろうか、と。

これまで「デンドロ」「パフィオ」「カトレア」「シンビ」「オンシ」「デンファレ」「エビネ」などが出た。このあと流通量が多くてその栽培指南書が望まれている蘭が果たしてあるだろうか。まさか「ミルトニア」「ジゴペタラム」「オドントグロッサム」「リカステ・アングロカステ」「マスデバリア」「ディサ」「プレイオネ」は出ないだろう。なんとなくそんな気がする。流通はしているが、欲しいと思いたってもなかなか買えない種類だったり、クール系などは夏場どうにも困難な地域があるからだ。出るとしたら「エピデンドラム」か「バンダ」だろうか。案外「レリア」なんてのが出るかも知れない。

とくにバンダは種類が多いことや、マンションなどバンダ向きで、流通量も増えており、これから流行りそうだからである。実際「バンダ」を待ち望んでいる人は多いのではないだろうか。先回りして書いてしまおうか、などと馬鹿なことを考えたが、思えば高温系のバンダは持っていないのでかけない。バンダ類はフウラン、アスコセントラム、リンコスティリス、トリコグロッティス、レナンテラなど、それらの交配種まで含めてみると強烈に魅力的なラインナップである。この「バンダ」の企画がないわけはない。早く出せ、と思う次第である。著者はバンダ類が豊富な広島市立植物園のあの方であろうか。まっちょるけんね。

 

10月27日(月)

よい天気だが朝晩の冷え込みがきついので蘭の出撃を見合わせていた。畑で腰ががたがたになっているということもある。いい天気なので惜しいことをした。

 

ゴンベッサさんからHwra. Lava Burst 'Puanani' AM/AOS(ハウエアラ ラバブラストプアナニの画像をいただいた。名前がハワイ的な感じだ。種名を「溶岩噴出」と訳せばまったくぴったりの花が咲いている。花があたかも溶岩でろでろでろ、という感じに吹き出している。

 

10月26日(日)

レリオカトニア・ペギーサン‘トモミ’は復活開花後更に蕾が増えている。これは長く咲きそうだ。驚いたのは終了していたはずの花茎を切らずにおいたところ、先端部分が枯れているのに側面から新たな蕾が出てきているのである。こんな妙な咲き方をするカトレアは聞いたことがないので、ブロートニアの特徴なのであろう。花茎が先端が枯れて終了した後に枝が出て咲く蘭はファレノプシス類に見られる。南米産の蘭にもあったのかと驚く。そういえばエピデンドラムやOnc.Kalihiもよく見てみると切った花茎から分かれて花茎が出て咲いたように見える。

 

朝天気がよかったので蘭を全部庭に展開した。カイガラムシやコナカイガラムシが増えていて気になったので薬かけをした。「スミチオン」である。1000倍に薄めて用いる白い乳剤である。細い強力なビームにしてカイガラムシを直接ねらうとなぜか面白いように落ちる。カイガラムシやコナカイガラムシはちょっとやそっとでは駆除できない。ケチだから安い薬剤で小競り合いをしているが、本当にやるのならそれなりの薬剤で勝負しなければなるまい。

 

昨日作成した木枠の鉢ホルダーを気に入って更に作ることにした。木のグレードを落して1.8m128円の棒を買ってきた。これにけがきをして子供に同じ物を8つのこぎりで切り取らせた。さらに子供らをこき使って庭を耕させた。

 

週末蘭をとりこむとぐったりくる。結構寒いので玄関に配置していた鉢も室内に取り込む。いつもながらすごい量だ。外に放置していたシャコバサボテンにも花芽がついたので処遇を考える。栽培指南の本は買ってあるがまだ読んでいない。風呂に浸かりながら読む。花芽がついたら温度環境の急変に気を付けるのだそうだ。

 

銀塩写真も記録するためにフィルムを買ってきた。ASA400の24枚撮5780円である。Ascda?Peggy x Kasamは当初あまり好きな色ではないなどといってあまり重きを置いていなかったのであるが、だんだんよい発色をするようになってきた。何度も撮影するのであるがうまく撮影できないのである。とうとうフィルムで撮影ということになったのであった。夜中になってオーソドックスな三脚と照明を使った撮影を行ったところなんとかこれならという画像が撮れてトップページに設定した。

 

Onc.「アサヒ」4株中3株が次々もらわれていって最後の1株である。株が小さいのでぐっと引き寄せて眺めるとなにやらいい花だなあ、と思う。Onc.SweetSugarよりも幾分花が大きいような。

 

記録を忘れているがOnc. ornithoryncam x flexosumが先週から開花している。薄紫色のかわいい花がついている。Twincleに近い大きさである。

 

サーバーの不調か「ほにゃららに同意できません」というメッセージが出て接続できなかった。このため日誌の更新が出来なかった。

 

10月25日(土)ボタニカルアート?。転倒防止枠の開発

バーケリア・スキンネリの姿が単純そうなのでかねて懸案だった水彩画を描いてみた。下手なりに味があってよろしい。たくさん描けばうまくなるかも知れない。

 

寝坊して起きてみるといい天気であった。家中の蘭を外に出して水やりをする。6日ぶりの水やりになる鉢が多い。最近手入れが行き届かないような気がする。

 

ぽろりと取れてしまったエピデンドラムの新バルブ一本を2号鉢に植えた。ずしりと重いバルブである。根が少しだけついている。とても支え切れまいと思ったがなんとか鉢に立っている。また1株増えてしまった。

 

倒壊した悲劇の美デンファレ・アリカに懲りて鉢の転倒防止具を開発した(鉢はOnc. Sweet Sugar?)。作り方は写真を見てもらえば一目瞭然であろう。本日ホームセンターで桧の棒幅30mm178円を買ってきて、のこぎりで125mm の板4本を切りだし、縁から16mmのところに9mm切れ込みをいれ(この幅は板の厚みに対応している)、これを組み合わせて井形に組むのである。内部の幅は75mmである。3号鉢と3.5号鉢に対応している。3.5号鉢の場合は底が浮く。ぐらぐらするのでヤスリではまりやすいように削ってみた。なんとかはさかって安定するようである。見た目もよい。これは売れそうだぞ。誰か売ってくれないだろうか。正直な話もう一つ作る気力はない。物を作るのは大変である。のこぎり23行程、ペンチやらヤスリかけやら1時間ちかくかかった。ヤスリかけを娘にやらせているとへりが折れて吹っ飛んでしまったりして、そういう部分は木工ボンドでひっつけていたりするのである。いくらで作ると言われたら「1000円っ!」とか言ってしまうくらい手間であった。100円ショップあたりで出してくれれば良さそうなものである。

こういう物を見かけないのである。「発明」という可能性もあるが、普通は「もう誰かがやっていて、使い物にならないことが分かったため誰も作っていない」のではないだろうか(^^;)。まあそういうものだろう。

この転倒防止具はちょっと見ていると「あら、いいわねえ、どこで買ったの?」といわれそうな感じがしてきた。鉢を押してこかそうとしてみたがこけないのである。また、鉢が浮いているため株の立ち上がる角度を調節できた。桧の質感がよろしい。時間が経つにつれもう一つ欲しくなってきた。うーん、しぶい。

 

庭は全域で掘り返して腐葉土を混ぜ込んでいる。明日日曜日に球根畑(小球根の養殖)の畝を作って来週植え付けである。

 

10月24日(金)室内ミニラン展

昨日は子供の友達が遊びに来ていた際窓を埋め尽くす蘭と開花株をみて「うわーきれい!」と言っていたそうである。「うげー、なにこれぇ」といわれなくてほっとした。今朝見ると斜めから差し込む朝日でどの花もえらくきれいである。開花株は13株もずらりと並んでいて室内ミニラン展の様相を呈している。こんな状態が春まで続くのであろうか。バーケリア・スキンネリは実に小さいが、「たらっ」と垂れた小さく細い蕾がたまらなくいい。花も小さいが濃い赤紫で実に存在感がある。

3年目に咲いたデンファレ・ブラナチャーミングは3年を経過した裸バルブから1輪だけ開花していたが、このほど新バルブからの蕾が開花した。この花は我が家で最も色の濃い蘭の花である。これよい濃い色の花はチューリップのクインオブナイトくらいではないか。それでいて切れのよい赤である。ただ、残念ながらデジカメで色がまったく再現できていない。何度撮影しても魅力をとらえた画像が得られないのである。

 

白状すると当サイトの画像の数々は色がデジカメの癖で実際とは異なっている。一頃蘭のピンクが青く写るひどいデジカメもあったが、最近使っているデジカメは比較的ましとはいえ、やはり目で見た色とはわずかに異なっている。バンダに至っては「おうちいろ」が「青」に写る。銀塩写真でも記録を残そうと考えてはいるが、カメラは「電池を入れるところがない総メカニカルな一眼レフ」しかないのであった。「このくらいの明るさならこのくらいのシャッター速度」と当てずっぽうで撮影していた。時々素晴らしい写真が撮れることがあるので侮れない。しかしながら、デジカメに較べ割高になる。デジカメなら10枚撮って1枚を選ぶというくらいのことをよくやるが、フィルム代、現像代、プリント代を考えるとそんな贅沢をこのケチケチ園芸おやぢが出来るはずがない。まあ色見本代わりに撮影することにしようとフィルムを探した。ASA400とか800とかはみるが100は少なくなったのであろうか。安くない。まだ安いフィルムを探すところでうろうろしている始末である。

 

北海道に送り出した13株が無事ついたそうで一安心であった。株数は異動や統廃合で191になった。今後も出来る限り減らそうとたくらんでいるのでる。

 

待ちに待った休日は庭を掘り返す作業に費やされる予定である。莫大な量の繰り越し球根を植えるために花壇を造成しなければならない。

 

気になって調べてみたのだが、この日刊!?「蘭馬鹿日誌」は今年の分だけでA4サイズ(ただし14ポイントの文字で)で300pに達していることが分かった。容量は1.6MBに達している。

 

10月23日(木)Gomesaに花芽

昨夜今年は作落ち気味だったゴメサをみていたら花芽が3つ、新芽が1つあることがわかった。よしよし。蘭をやっていてガッツポーズが出るのは花芽を見つけたときで、一方、咲いたときは「ほっ」とするわけですよ。

 

ゴンベッサ氏よりLc. Wrigley Blue Heavenレリオカトレア・リグレイ「ブルーヘブン」をいただいた。こりゃまたきれいな花ですねえ。レリア・アンセプスのような花がついている(親かどうかはしらないが)。

 

今夜から寒くなるようだ。出したり入れたりもそろそろ終わりであろうか。

 

10月22日(水)Onc.「アサヒ」II開花。

夜になってOnc.「アサヒ」IIが開花した。先行して咲いていた株は近所にもらわれていった。こちらの株は花茎2本である。オンシジウムとしては株の姿が小振りでかわいい。これで開花件数は99件になり、あと数日してC.Dorosa?が開花するので100件到達である。今年は3日に1鉢というペースである。来年は「もっとやろう、がんばろう」などと思わなくてももっと咲くのだろう。

先輩のOnc.SweetSugar?はものすごく大きな花茎を花束ほども広げて盛大に咲いている。典型的なオンシジウムである。これのバックバルブ分け株にも花芽が出てきた。小さい株だけれど育ててゆくと巨大なブーケ状の花茎を出すのであろう。

 

我が家はデンファレに強い、といえるところまでよく咲いている。「デンファレは高難度」と世間では考えられているフシもあり、指南書もめいっぱい守りを固めたような内容になってしまっているようだ。自作のケースで12もあれば越冬できる。ケースの中が30になるようなことも度々あったが、これが早い時期の芽出しにはよかったのかも知れない。早く芽を出してがんがん日光に当てれば株が大きく、花が大きく、花を多く付ける。最近の知見として、素焼鉢がぎりぎりまで小さいと生育がよろしいようだ。根を傷めない程度にきちきちにしたい。また、植え付けて2年を過ぎると生育が思わしくないようだ。それにしても小さい鉢にすると生育がいいということはますます安定を欠いた鉢になるわけだ。

ところで「デンファレ」の語源になったDen. phalaenopsis Fitz var. statterianum Hort. ex Sander というのは気になって探していたのであるが、実はDen. bigibbum Lindley 1852ということらしい。要するによく見かけるビギバムのことである。

 

アスコセンダらしい蘭が満開になった。ついている名札には「Kasam×Peggy」とあり、これはV. Kasams Delight ×Ascda. Peggy Fooじゃないかと考えている。この交配から予想された色は「赤」だった。これはずばり的中し、独特なツヤのある赤色を出している。その赤はAscocentrum curvifolium [Lindley]Schlecter 1913の血を引くものらしい。

 

10月21日(火)Phal. pulcherrima(Dor.)復活開花

Phal. pulcherrimaDor.が復活開花した。7月から9月まで咲いていた同じ花茎から蕾を出して咲いた。9月ごろいったん終了したのはいわゆる「太陽エネルギー」切れのためらしい。収入があるとまた花を出す余裕が出てきたらしい。このところ直射日光に当てていたのでたっぷりエネルギーを吸収したものらしい。

 

もらっていただくことになった株13株を宅急便で送りだした。無事についてくれればいいがと思う。

 

葉っぱについていろいろ考えてみた。葉が焼けるのは紫外線というよりは温度上昇についてゆけないからではないだろうか。紫外線ならば空気の澄み切った10月の方が、葉に当たる角度から考えてもむしろ危ないのであるが、10月に葉やけはあまり聞かない。そこで温度を下げれば葉やけに対する抵抗力を高められると期待できる。

葉の温度を下げるには風が有効である。風がないと暑い空気が葉の近くに滞留してしまう。また、葉は水を蒸散させることで温度を下げているのであるが、蒸散は水分子の拡散に頼っていて、気孔の外の水分子の濃度が高いと水が蒸散しにくくなる。ここでも風の役割は重要であり、気孔の近くに滞留した水分子を吹き飛ばすことで蒸散を行わせている。

葉は水を蒸散することで根から水を吸い上げて、必要なものを葉に運び込んでいる。葉から水分が失われると、浸透圧により水を吸い上げる力が生まれる。たとえて言うなら塩辛くなると水を吸い取りやすくなる。植物の内部には細い管がたくさんある。細い管ほど水を高く持ち上げる作用がある。管の半径をr、水の表面張力をγとすると管の断面積あたり2πrγの毛管力が働く。この毛管力がつり上げる水の高さを計算してみよう。管の断面積はπr2で、水の密度ρ、重力加速度をgとすると毛管力と水の重量は水柱の高さhで釣り合う。

2πrγ=ρghπr2

これから

h2γ/ρgr

γ:72mN/m、g:9.797ms-2ρ1000kgm-3、rを仮に10ミクロン、すなわち10-5mとすると

hは1.47mになる。もし植物内部の管が1ミクロンだったら水は14.7mまでポンプも無しで揚がってゆくのである。

 

10月20日(月)Barkeria skinneri?開花

Barkeria skinneriが開花した。赤紫色のかわいい花である。正月に開花株を280円で買い、1年を待たずに開花した。ものすごく小さいランである。株全体で10gあるのだろうかという細さで、線香花火のような蕾がいくつかついていて、なんだかこういうか弱そうなランを見るとコーフンしてくるのであった。こういうセコイ蘭にはたまらない魅力がある。これほど小さい2号鉢でやってゆけるというのもすごいが堂々咲いてくれるところがまたすごい。このかぼそさで花期が3ヶ月あるというが本当であろうか。環境の安定したオフィスなどに置いて世話をすればそれぐらい持ちそうにおもえる。この蘭にはそういう侮れないところがある。

100件開花まであと2株である。思えばこんな小さい株ばかり咲いてもらっているような気がする。ホームページの名前をえらそうに「蘭」としているが「セコイ蘭」とか「ミニミニ蘭」とでもしたほうがいいかも知れない。

 

よい天気の一日であった。多くのランを出して直射日光であぶっていた。

 

10月19日(日)

 そう言えばLc. Special Ladyに蕾があるようだ。新芽がぽってりと膨らんでいるのでそれらしいと分かる。

 

ゴンベッサ氏よりCeratostylis rubraの画像をいただいた。うちのも咲いているがこちらの株の方がさすがに見事である。本やネットではケラトスチリス・レティスクアマCeratostylis retisquama Rchb.f 1857で載っている。フィリピンの固有種で、高温性のランのようだが中温性で栽培は容易だそうだ。水や肥料についてはよくわからないのでカトレア扱いしていたが花が出たのでそれでよいのであろう。花が年に数回でるという。リップがかなり小さい。

オレンジ色が美しい。外からの光を透かして顆粒状の組織がきらきら光る。これでかみさんに気に入られてしまった。成長点が5つある。

 

本日も外に出していた。株が多い。出たり入ったりでぐったりしているのであった。

 ランの棚を分解した。この棚は冬の間すっかり姿を消すのである。跡地は球根の花壇にする。本日は芋掘りをしつつ花壇づくりをしていた。リサイクル球根が莫大あり、これらはランの棚の下段で保存していた。保存状態は良好であるようだ。

 

花工場をみただけであるが、特に出物はなかった。全般にしまらない一日だった。

 

10月18日(土)多属栽培の方法論

本ページは節操のない多属栽培について記述している。このページでは72属ものランについて記録している。これまでその育て方については個別にしか記述していなかったか、もしくは記述をさぼっていた。

これほど多くの世界中のランだが実は驚くほど似通った取り扱いをしているのである(ずぼらでいい加減と言うことだ)。ランの育て方は日光、温度、水、肥料の取り扱いで決まる。それぞれに日光3通り(直射、遮光50%、遮光60%)、温度3通り(最低12度=高温、8度=中温、5度=低温)、水3通り(皿水、多め、乾いたらたっぷり)、肥料2通り(液肥、固形)、の取り扱いをしている。しかし大まかには直射日光冬高温、直射日光冬低温、遮光50%冬8度、遮光60%冬8度、遮光60%冬12度という5種類に分けて管理しているのである。水は手元で加減しているから株を見て判断する。肥料も同じだ。それぞれの属対応は以下のようになっている。

直射日光冬高温(直高):デンファレ、いくつかの原種デンドロ

直射日光冬低温(直低):ノビル系デンドロ、シンビジウム、フウラン、春ラン

遮光50%冬中温(半中):カトレア全般、バンダ類、オンシジウム、数は最も多い。

遮光60%冬中温(陰中):パフィオ全般、リカステ、ミルトニア、

遮光60%冬高温(陰高):ファレノプシス

よく見ると、日光の遮光は夏の話で、温度は冬の話なのである。夏3種類の環境、冬3種類の環境で、結局年を通じて3通りの区分けしかない。

温度の管理は室内では比較的容易であるようだ。室内の最低温度は低温とされる5度である。中温8度は電球加温で作り出せる。高温12度は自作ケースで工夫しなければならない。本格的な高温20度もかなり気合いを入れれば作り出せるのではないだろうか(マンションなら容易かもしれないが)。人間の知恵をもってすれば大変多くの種類のランを身近に育てることが出来るのである。

さて、手に入れたランは素性を調べ、書籍やネットを利用して可能な限り情報を集めて5種類のどの管理を行うか決めてやる。葉や根の動きを見て選択の良否を決める。株をよく見てこまめな手入れをする。

この上にもっとよい環境があるらしいことがわかってきた。夏は申し分ないのであるが、冬が問題なのである。冬の最低温度をあと5度高めることが出来れば開花成績が飛躍的に向上すると予想される。いろいろ咲くのを喜んでいるのであるが、上には上がいて、すごい花を咲かせていることがよくわかってきた。

 

デンファレ・クイーンサウスイーストは今年3本の花茎を今年、昨年、一昨年のバルブから出して咲いた。その一昨年のバルブの花が終わって昨夜そのバルブは真ん中からぼっきり折れてしまった。内部は黒くてすかすかになっていた。これでよく咲いていたものだとおもう。花茎が出た箇所は4つもあった。デンファレにはよく感激させられる。

 

休日といいながら朝7時に起きて早速ランを出す。休日はじっくり株を見ることが出来ていろいろな手入れをやる。

バニラがだらしなく鉢からあふれ出しているのでこれをかねてから懸案だったヘゴタワー(90cm)をしつらえて巻き付けることにした。長いヘゴ棒を磁器の植木鉢に立て、四隅から石を食い込ませて固定した。ヘゴ棒を持って持ち上げても鉢が落ちない。購入以来ばらしたことのない鉢を引っこ抜く。なんと土に植えてあり、よく湿っていて、それでも多量の根があった。こういう環境にすら対応できるランなのだ。よほど強健らしい。ついていたヘゴ棒から引きはがし、つるをわけてみると5本もあった。2本は2mにもなる。枝分かれはまったくない。根本付近の葉の痛みは少ないことから葉の寿命がかなり長いと考えられる。

すでに水苔で十分育つことが分かっているので、今度は椰子殻チップで植え付けた。大つる2ほん、中つる1本で結構なボリュームになった。小さなつると中くらいのつるがあまった。これを小さなヘゴ棒と水苔で植え付けた。かくしてまた株が増えた。あーあ。これもあげますコーナーにいれた。

 

越冬高温ケースには蛍光灯がもう一本欲しかったので買ってきた。20W、電気コード、スイッチつき2075円であった。早速取り付ける。やはり40Wに較べるとおちる。とはいえ、40Wは大きすぎるので取り付けにかなり工夫が必要だ。なんとなく気後れして20Wで妥協したのであった。

 

10月17日(金)作落ち

「天気晴朗なれども気温低し。良株の興廃この日光にあり。各員奮励努力せよ」とばかりに朝も7時からトレイ艦隊が庭に総出撃するわけでね。いや、いい日光ですねえ。やけちゃったりして。

 

秋の葉の 日焼けのあとの 穴をうらみ わがカトレアは まーた作落ち(^^;)

 

昨日C.ラビアタの作落ちが決定してしまった。この1年えらい期待していたのに。のにのにのに。シースもでんでスカタンこきよりましてん。あんなに日に当てたのにねえ。いい葉っぱ出てますやん。なにしてけつかんねん。でも、どつくのはガマンや。

大きなカトレアはあまり咲いてくれませんねえ。

 

昨日、かみさんのつてで近所の人にオンシジウムをもらっていただいた。

「わしは菊が得意。菊はよほど気合い入れてやらんと咲かん。石斛や春ランならある」という雰囲気の方々だったとかみさんから報告を受けた。「中温性なんじゃあ。ううう、生き延びてくれぇ」と手を合わす気持ちである。

菊は確かにランよりも難しい。世間では誤解があるようだが、いろいろ園芸をして思うのは、「ランがもっとも制御しやすい」ということである。菊やバラ、球根園芸などの難度には到底及ばない。チューリップを200種咲かせる費用とエネルギーは莫大だったが、この200種を毎年咲かせるのは至難の業である。球根の多くは小さくなってしまうのである。うちではマイナス成長の園芸になってしまう。(別途球根太らせようの花壇をつくって自給を試みている)。これは百合も、カラーも同じで、水仙だけがかろうじて黒字になる。しかしランは圧倒的なプラス成長をする。2年で2倍ないし3倍になるのである。これはこれで恐ろしい。

 

10月16日(木)Den.Pramort開花、ケラトスティリス・ルブラも開花

連日仲里園芸産のデンファレの話題になっているなあ。トップページは昨日倒壊したアリカの画像にした。大きいねえ、90mmは。97mmあるこちらのカトレアの花5つでもこのボリュームなので、こんな大きさの花が21個もぼこぼこ咲いたらすごかったろに。しかもArikaは花が76日間咲いていた実績がある。

本日はそのアリカと交代するようにDen.Pramortの開花である。昨年単一の花としては1214日以来131日、株としては1114日以来161日という猛烈に長い開花を記録している。今年は昨年より1ヶ月早い開花だ。100件開花まであと3つであり、今月中の達成は確実である。思えばせこい咲かせ方ばかりしている。だが、せこい花はアップで撮影して楽しめばいいのである。

 

夜中しこしこ鉢磨きをしていた。100円ショップで買ってきた耐水研磨紙で素焼きの鉢を水を流しながらこするとどんどん苔のぬめぬめが落ちてゆくのであった。こういう単純作業は延々やってしまうため寝不足になる。作業の合間に害虫の有無などを検査し、歯ブラシでカイガラムシなどをこそぎ落したり葉を洗ったりする。冬ごもりの準備は着々と進んでいる。

本日は快晴で7時前から株を庭に展開した。気温は6度だったが日が差してきたので大丈夫だろう。

 

Den.ArikaもすごいけれどVuyl. Edna Stamperland FCC/RHS, FCC/AOSもすごい。ほぼ満開に近いのだけれど、どの花もしゃんとしている。何とも言えない美しい赤に、金色にもみえる黄色が入る。2.5号鉢でこれだけ派手な株も珍しい。なるほどいい賞をもらうわけだ。

 

贈呈11株の発送準備が整ったが、発送は箱の調達などの関係で明日以降になる。鉢をエメリペーパーで磨いて苔を落し、鉢の中の肥料カスなども洗い流し、害虫がいそうなところは重点的に歯ブラシでこすり、水をたっぷりやってから屋外でよく日に当てておく。ラベルを鉛筆書きで付けた。記憶で書いたため綴りが違っているかも知れないが、株の経歴などの情報は本HPを見れば明瞭である。棚1つ分くらいの分量になる。即戦力(近々咲く)はデンドロ類で、他は1〜2年程度かかる見通しの株である。よく育ったジゴペタラムが入っていれば1月から咲くのだけれど、注文には無かった。また、デンドロの名品、ユキダルマキングも立派に育っていておすすめである。今からでも間に合いまっせ(^^;)。(間に合いました)。

 

ケラトスティリス・ルブラも開花していた。花芽が見えない状態からの開花ではあるが、この株は購入後3ヶ月経っていないため、(勝手に作った)開花規定(ようするに、購入後3ヶ月を経たあとから花芽が出て開花したものを、我が家で咲いたと見なす。複数の花茎による開花は1件とみなす。)により開花実績としないのであった。

さえない花だと思っていたが、これはこれでいい感じだと思えるようになった。

10月15日(水)Den.Arika倒壊

本日11時頃予期せぬ窓開けの結果、風にあおられてDen.Arikaが棚から落ちた。現場を見たとき朝は開いていなかった窓が開いていて鉢が見えない。いやな予感がして床を見ると鉢が横たわって変わり果てたお姿になっていたのである。本日の計測で90mmにも達していた大きな花4つがついた花茎は根本から吹っ飛び、もう一本の花茎もつぼみ5つを残すのみになった。大変立派に咲いたので喜んでいた矢先だっただけにショックが大きかった。切り花にして机の上で眺めるがほんとうにデカイ。今は落ち着いているが、思い出しても血も凍るこれまでで最大級の悲劇であった。現場から2m離れた同じ棚から風にあおられてシンビジウムが落下し、花茎4本を折っている。こちらは1ヶ月咲いたあとだからあまり惜しいとは思わなかったが、今回の株はこれからまだまだ咲いてくれるはずだったのである。これに懲りて再発防止に努めたい。株は鉢が割れていたので早速3号鉢に植え替えた。蕾5つでまた大きな花を咲かせてくれるであろう。悔しいのはほぼ垂直にすっと伸びた86cmの株の姿を写真に納めておかなかったことである。まあ、ランは少々落しても枯れることはないのでまた素晴らしい姿を見せてくれるだろう(場所が許せばだが)。それにしてもここ3年まともに咲けない運の悪いデンファレである。しかし花はかつて見たデンファレの中では最高だった。来年はもっとすごい株にしたい。  

さて、今後の対策である。鉢が窮屈なほど株が元気で花も見事になる。当然そよ風が吹いてでさえ倒れてしまう。洒落た台を開発する(うそ、なにか見つけてきてうまいこと使う)ことにした。内部が過湿にならず、通気性を向上させるような台が欲しい。

 

本ホームページではひっそりと「余剰株差し上げます」のコーナーが存在していた。このたび余剰株の大口のもらい手が見つかって喜んでいた。なんと11株ももらってくださるという。喜んでもらっていただいて、たぶん大事に育ててもらえるところが見つかるというのは実にありがたいことである。残ったランのためにも冬場棚が広く使えるのはありがたいことだし、今後さらにランが買えるというえもいえぬうまみがあるのだった。増えたランの値段はただ同然だが、スペースは金を出しても容易には買えない(ずいぶん作り出したが)。

我が家のランは机上に載るサイズを好むこと、温室がないことや、棚のサイズやらの制約で大株にしていない。ある程度になると分けてしまう。切れ端のようなバックバルブも大事にしてしまったため一度株分けをすると3鉢になってしまう場合がよくあった。江戸時代ではないが支給される石高のように種により家格に相当するスペースが決まっている。これを相続する場合、長子相続となり、次男株以下は養子に出されるのであった。冬場次男株は「部屋住の日陰者」扱いになってしまうおそれがあり、生育が思わしくないので出来るだけもらってもらうようにしていた。夏場よく日に当たって花が出た株はかみさん経由のご近所というルートがよくはけるのであるが、ランを知らない人が多く、その後の行く末が心許ない。しかし趣味でやっている人は気合いが違うのであとの心配が無くて実に助かるのである。なお、差し上げたあと相談には乗っても「あの鉢元気ですか?」というような鬱陶しいことはおうかがいしないことをきまりにしている。

恥ずかしいことにコナカイガラムシが我が家のランにはいる。駆除に努めたのであるが手ぬるかったようである。あの害虫は弱ったランに集中的にわくようなので、それをみてこっちも弱ったランとしてよく手入れしている。コナカイガラムシが原因で枯れた株というのは今のところ無い。

昨年大口のもらい手が現れたことがあったが、海外であった。もらい手側でいろいろと努力をしてくださったが、某省のお役人様と「Blc.とはブラッシアとはちゃうのか?」という面白いやりとりなどがあり、種々の関門もあって成立しなかったらしい。思えば、「これ名無しだけど原種みたいだし、大変そうだ」というものも混ざっていたためなかなか難しいのであろう。しかしランを趣味にされる人はそのうちいやと言うほどランまみれになるものだとおもう。世の中には「たのんます、もらってください!」と両手をすりあわせている私のような変なおやぢが結構いるのではないかと思う(でも好きな株はがっちりね(^^;)

そろそろバンダに蕾が見えてきそうである。このバンダは2年で4回目の開花になる。まったくすごい株だ。こういうのに限ってちっとも増えない。

 

10月14日(火)Onc.アサヒ開花

曇りのち雨とかで気温も低く、こんな日にはランは出せない。

Onc.アサヒは3株とも花芽が出て順調である。1株は花芽の枝振りもよく、花が本日ほころびはじめた。

デンファレ・アリカの花がさらに大きくなっていた。88mmである。デンドロではフォーミディブルの110mmに続いて大きい。Den.anosmumくらいあるのではないだろうか。デンファレでは最大である。株の高さ86cm。ぱっと見「うわ、デカイ、花もデカイ」というもので、店で見かけたら「すげー」といって眺めてしまうような立派な株である。「横綱審議委員会」ではないがAAA(自分で勝手に付けている評価)を与えるかどうか検討している。明確な基準はないが、AAA「見ほれて頻繁に目が行く株」、AA「手放せない株」、A「まあええんちゃう」というところだろうか。「デンファレはまあデンファレ」とあまり高い評価を受けている株は少ないようだけれど、この株は効く。ものすごい化け方だとおもう。蕾と花の合計で21個もある。

もう一株宮島のバルブが巨大化しているが花はどうだろうか。

 

ゴンベッサ氏よりCoelogyne unifloraの画像をいただいた。「Coelogyne uniflora Lindl. 1828 Panisea uniflora Lindl. 1854を参照のこと」とある。Panisea4種がヒマラヤを中心に分布する着生ランの属だそうだ。だが本種は高度250 1500 mアジアに広く見られる。プレイオネに準じて育てるとよいようなことが書いてあった。変な属のデータが増えるのは嬉しい(^^;)

 

10月13日(月)

朝からものすごい風でカトレアの鉢が倒れて葉が負傷してしまった。

オンシジウム・アサヒの3株目に花芽が見えた。これで全部に花が出そうだ。オンシジウム・スイートシュガー?の分け株にも花芽が出たようだ。最近花芽が出る頻度が下がっているので少々嬉しい。

 

昨日同様やくたいもない計算方法をずーっと1日考えていた。「水平に生えているランの葉っぱ1平方センチあたりが受け取る光の量を計算する方法」の続きである。昨日は「ある日の光の当たる最大角度」を求めた。これにより昨日真昼に日が差し込む長さを求めたのであった。

「日の出日の入りの時刻はどうやって求めているのか?」というところから攻めてみた。100円ショップで買ってきた地球儀を眺める。夜の部分は地球の半分を覆っている。日本のご当地は地球の周りを24時間で一周している。冬は夜の部分が被さってくるし、夏は昼の部分が多くなる。地球の中心を頂点として当地の1日の軌道である円を底面とする円錐を考える。この円錐は中心軸(地軸)とのなす角が90-Φ(当地の緯度)である。地球を陰の部分ですっぱり切る面はこの円錐の頂点を通って斜めに切ってゆく。切り口から中心軸までの距離をxとする。中心軸とのなす角は昨日もでてきた23.5sin2πdays/365)らしい(証明していないもので(^^;)。この角度をξとする。円錐の高さをh、底面の半径を1とおく。tanξ=x/htan90-Φ=1/h、なのでx=tanξ/ tan90-Φ)になる。

これがなんやねん、というのが数学のいやらしさだが、記述する順序がそうなってしまうため小難しくなる。本当は図をさんざんいじりながら答えを直感で見つけておいてそこから記述してゆくので、ここでの記述を読んで理解するのは困難ではないか、等とおもった。さらに筆者が未熟であることは言うまでもない(^^;)

円錐を下から見ると、昼の部分と夜の部分が円グラフのようにみえる。昼の円弧の真ん中が南である。中心と南に線を引き、日の出日の入りの方角にも中心から線を引く。中心からみて日の出と南、南と日の入りの方角のなす角はほぼ等しく、αとおく。αから日の出日の入りの時刻が分かる。日の出、日の入りの時刻は明石では真昼の12時から24時間*α/360を引いたり、足したりした時間である。

ところで先ほどのxは図を眺めているとcosαと等しい。これゆえ緯度Φ、春分の日からの日数dayでの昼の時間は、

昼の時間=24時間*2cos-1tan23.5sin[2πday/365]/tan(90-φ)/360

検算してみた。107日の新聞とつきあわせる。11時間20分の昼間がある。新聞では日の出5:58,日の入り5:35。妙なのは日の出から真昼まで6時間2分、昼から日の入りまでは5時間35分で昼間は11時間37分であろうか。17分差がある。計算式がおかしいのであろうか。確か日の出と日の入りは、太陽の中心の位置でカウントしていなかったように思う。確認は後日だ。こまったことにまだまだ続く。(確認:日の出日の入りは太陽の中心が地平線にかかったところを見ているのではなく。出てきたところと入りきったところの時刻であった。太陽の直径に相当する角度1.8度分すなわち7.2分だけ計算した時刻より多くなるはずだった。しかし実際は17分も差があるため計算式がおかしいのではないかとがっくり来ているのだった)

 

10月12日(日)Onc. Sweet Sugar(?)開花

本日は村の祭りで朝8時半から50ccも酒を飲み、これでしたたか頭痛を催しつつ、時折雨の降る中タバコの煙に燻されながら山車を押して12kmを歩き、神社の餅撒きで直撃弾を腰にくらいつつたっぷり餅を拾い、コワイ思いをしながら重量のある山車を解体して、酔っぱらいの集会に辟易しつつ帰ってきたら16時だった。

暖かい雨で、時折日が差すとかなり暑い一日だった。こういう日にはランを出しておきたかった。

祭りは豊作への感謝である。全国的にあまり米が出来ない年だったらしく、米の値が騰がった。それでも豊作だった当地のようなところでは儲けが大きかったのか、誰の顔も明るい。それも決め手は日光である。歩く間中ひたすら日光について考えていた。

 

「窓の高さがLmである時の家に差し込む日の長さxはいくらか?」

日の差し込む角度をθとしたときに、tanθL/xだから次式で与えられる。

x= L /tanθ (1

 

「今日のθの最大値を計算する方法は?」

当地の緯度(北緯34599秒、面倒なので35度にしよう)をΦとする。地球は公転面に対して23.5度だったか傾いているため、冬至の日は90-Φ-23.46度で夏至の日は90-Φ+23.46である。当地では冬至に31.5度(えーそんなに低いか?と調べたがあっていた)、夏至に78.5度になる。その間はよく分からないが23.5sin360度*days/365):(daysは春分の日を0とする365までの整数)というファクターでかかって来るように思われる。証明していないのであやしいが春分の日を起点に考えた場合のある日の最大太陽高度は 

θ90-Φ+23.5sin360度*days/365) (2

この式を321日の春分の日を起点にして計算し、本日1012日では最大太陽高度46.1度になった。本日窓から差し込んだ日光の長さは()式から1.73m(最小)になる。ところでエクセルでsinを計算しようとすると、角度がラジアンだったりして変な値が出る。その場合は、

θ90-Φ+23.5sin2*3.141592days/365) (2)’

を使う。

 

「角度θで差し込む光を水平な面積1平方センチの葉っぱが受け取る光の強さは?」

同じ月の光でも差し込む角度によって照らされた地上の明るさは違ってくる。最もまともに当たる光を光の束ψと考える。θで差し込む光は,

ψsinθ (3)

に目減りする。夏至の日の地面が受け取る光は0.98ψで、冬至では0.52ψとなる。倍も違うので冬が寒いわけだ。

 

「一年の任意の日中のある時刻の入射角θはどう求める?」

これを延々考えていた。最終的なねらいは、面積1平方センチの水平な葉っぱが受け取る日光の量を年間の任意の1日や1年間で計算することであった。そのためには任意の時間における入射角の関数を求め、時間について受け取る光の量を積分して求める必要がある。

子供の「自由自在理科」を調べながら考えるがなかなか式にならない。本日は時間切れである。こういう疑問はなかなか書いてある本に出会えないので自分でしこしこ計算するしかない。農業の本なら基本なのだろうなあ。よくものを考えたぼけ防止のような1日だった。

 

やっとこさOnc.SweetSugar?が開花した。東京ドームで買った3株千円のなかにあった初めて手にしたオンシジウムである。バルブの魅力にまいったが、花もよかった。今回3回目の開花である。今回は花茎2本で盛大に広がっている。最初に開花したとき3ヶ月も咲いていた。今回はどうだろうか。オンシジウムはこれまで病気みたいな株が多いのでうとましく思い始めていたが、最近花芽をどんどん出してめざましい活動ぶりなので、やはりオンシジウムはいい、などと見直している。

今夜は23時で22度もある。暖かい夜である。

 

10月11日(土)

以前「花の園芸大百科」(主婦と生活社、1993)という本を古本屋で500円で手に入れた。定価3900円の大著で恐ろしく種種様々な植物の育て方を網羅している。ランの項目も多く、100p分ほど記述がある。その中にCoel.ビレッセンスという緑色のセロジネをかみさんが気に入り、まあさがしてみようか、ということになった。

ランはこれぞときめて買うと高い。かみさんのために高い買い物になって結局咲かなかったという情けない鉢もある。

 

開花種率(持っている種類のうち咲いたことのある種の割合)はやっと53%である。開花まで時間のかかる新規召し抱えが今年40(25)増えたにも関わらず年々じわじわこの率が上がっており、年間に開花する件数は昨年の53件から一気に120件となる見通しだ。来年の目標に200件開花を考えたりしているが、これはだいたい3日に2鉢咲くというとんでもない頻度に近づく。ラン1鉢はだいたい30日以上開花し、年間通じて3日に2鉢咲くという頻度を仮定して考えると、開花株の数は常に20鉢ということになる。実際は集中期があり、今年の最高27株という数を思えば今後更に増える。このため咲けば人にあげてしまうということをしないと置き場がなくなるのである。これはランがあまりにも素晴らしい植物であるため、世話をするほどにこれでもかというほど咲くのである。120件開花するラン200鉢を置くための面積は屋外で3平方メートル、室内では棚に載せるため2平方メートルに過ぎない。花は好きだけれど花壇は苦手という人はランを試して欲しいものである。花壇の花を夜楽しむことは出来ないが、ランなら目の前に置いて置くことができ、どこまでも近づいてアップで花を楽しめるのである。ああ、いいなあランは(^^;)

ぱかすか咲く蘭についてゆけなくなるときがくるのかもしれない。蘭友会で聞いた話では、温室の奥の方にわれ知らず咲いている花が葉の隙間からみえるという。温室持ちは500鉢クラス以上なのでメリハリを付けたラン栽培をしないと忙しくて仕方がなくなるのではないだろうか。気に入った属をみつけてそれにのめり込むという楽しみもあるらしい。なかなか咲いてくれない蘭を集めるというのも、咲いたときの喜びが味わえていいかもしれない。己を振り返ってやたら咲くお得なランばかりを集めた結果、恐ろしいばかりの咲きまくり状態が近い将来に見えてきてあわてているわけである。最初開花津波第一波は11月にくる、かなあ?

 

以前物置の上に自作の太陽温水器をつくったことがある。プラスチックの衣装ケースをならべてホースの口を取り付け、ホースで繋いで風呂場から水を揚げ、夕方風呂桶に流し込むという仕組みである。水の重さで物置が傷んだり、メンテナンス中屋根をへっぺがしながら私が落ちてしまったこともある。なるほどガス代は結構節約できたのであるが手間暇なんやかんやで道楽と言われた。ふと思うのだが、ランケースの上に衣装ケースをしつらえて風呂場の残り湯を送り込んでやればかなり温くて電気代の節約にもなり、かつ安全なのではないだろうか。しかし高低差約2mがポンプで上がるだろうか。

 

以上のようなことを夜中に検討していたのであった。一夜明けてホームセンターに行った。材木(ツーバイフォー材、長さ1800mm220円)4本を買ってきた。ポンプも探したが高いのでパス。この日宝塚園芸サービスもみてきたが特に出物はなかった。

 

冬ごもり棚を高温化のために作り替える。この棚は、横木の板材と、ツーバイフォー材をはめ込んで棚の支柱にする樹脂の枠と木ねじ(8個*400円=3200円)で組み上げる簡単設計になっている。木ねじをはずして横板と支柱をはずし、支柱4本を交換して高さ160cmだったものを180cmにした。横板に140cm40Wの蛍光灯を取り付けた。巨大な蛍光灯が丁度よい大きさに見える。しかし棚を作ってみてどうも強度が怪しい。ランを載せるには十分だが、風呂の残り湯作戦は無理があるかも知れない。

それぞれ棚の間隔を広げた。一番下の棚は昨年背の高い耐寒性のあるランが集中したため、今年もそれらを配置することにして加温を行わないことにした。

ついでにビニールを張る。昨年までは値の張るビニールを張っていたが、今年は「透明なマルチ」を使ってみた。マルチは畝を乾かさず、雑草が生えないように覆うためのビニールである。農協の1ロール500円で売っていたもので、幅も長さもたっぷりある。上二段、まず側面をぐるりと覆う。さらに2段目の底面から側面、頂面、側面と覆う。昨年ずさんだった側面の隙間は今回完璧に塞いだ。加温ケースといいながら昨年11くらいだった。今年は20を超えられるだろうか。とりあえず棚は完成した。

 

ブイルステケアラ・エドナ‘スタンパーランド’は花茎2本がほぼ満開に近づいて姿も色も申し分ない。これはお勧めである。

リカステ・ジムリオペレもまだまだ健在である。

アスコセンダも開いてみると花は小さいが朱赤色がなかなかよろしい。

デンファレ「倉敷」も白い花が清楚でかわいい。

デンファレ・ブラナチャーミングはものすごく濃い赤紫色をしている。大層美しいのであるが写真に撮れなくて困っている。我が家で最も色の濃い花で、こういう色はあまり見ない。3年前に購入したときの裸バルブから花茎が出て咲いたものが延々咲いている。昨年と今年のバルブからも花茎がでていてこれから咲く。これは手放せないデンファレである。

デンファレ「ロイヤル」は花が終わり始めたとはいえ長く楽しめたよい花だった。

デンファレはまだまだこれからばんばん咲く。

ハベナリアは咲いているが散るのも早い。散り際がよろしくない。

バーケリア・スキンネリ(?)らしい株がまもなく開花である。一応カトレアの近縁である。見た目はエピデンドラムに近い。花つき株が280円というお得ランだったが、買ったときはさえなかった。昨年の裸バルブの高さは10cm。今年のバルブは8cmほどである。先端から20cmの花茎が細々と出て、実に細い蕾がひょいひょいわかれ、かすかに太ってきた。なんというか、全体にほそーい姿が素晴らしくいい。根、バルブ、葉、花茎、花と見せ所を心得た(わきゃないんだけど)いいランである。実にしぶい、たまらん。このちっこい2.5号鉢をぽんと机の上に置いて眺めていられるのである。聞くところに寄ると3ヶ月ぐらい咲いているそうである。

 

えらくながながと書いてしまったが、原稿仕事を締め切りに間に合わせるためここしばらく我慢していた反動であった。

 

10月10日(金)アスコセンダ?Peggy×Kasam 開花

昨夜は吐く息が白かったが出したままにした。デンファレやバンダ類は家に入れた。Peggy×Kasamがほころびはじめていた。朝更に開いてさえない赤茶色をしている。夜には結構好みの赤色になっている。

 

ゴンベッサさんの温室は開花ラッシュなのかすごい花の写真が続々と届く。今後は逐一紹介したいところである。さすが温室は数や株の大きさ、蘭友会で目の前を怒濤のように流れてゆくランからよりどりみどりという状況では実によいものが向こうからやってくるという状況ではないだろうか。

2003/10/9開花分

Bulb. ecornutumBulbophyllum ecornutum J.J. Sm 1914、とデータベースに乗っている。タイ、ボルネオ、スマトラの高度4001400m石灰岩の山の森に生える単花性着生種だそうな。

Angraecum ramosum Typicum: この項目が無く、Angraecum germinyanum Hook. f. 1889を読めと書いてあった。こちらはマダガスカル産でクール系らしく遮光率が高い。白いタコみたいで面白い花ですなあ。

Lc. Cuiseag Mankaen PC/JOS :えらく有名でどの本にも載っている。なんでこのつづりをキューシングとよむのであろうか。何語であろう。万花園さんは職場から5kmと離れていないのだけれど行ったことはない。

 

10月9日(木)

昨夜から快晴で本日は暖かくよい天気なので総出動する。本日はそうとう日光を稼げそうだ。

Peggy×Kasamとだけラベルに書かれたアスコセンダらしいランの蕾が膨らみ始めた。倉敷の花屋で見切り品を350円で購入後2年ちょっとになる。色は赤ではないかと予想していたが、蕾がどうもそういう色をしている。

バーケリアの蕾がはっきりしてきた。えらく小さな植物である。うちのランはこういう机におけるものばかりだ。4m先の花と40cmの鼻先に咲いている花では後者のほうが面積が100倍拡大されて見える。一般的にオフィスの机の上ではランは弱ると思われているが、家よりもむしろ長持ちしている。異なる3カ所のオフィスでそれぞれ2ヶ月以上の長期開花記録がある。

カトレア宝塚IIに蕾が出てきた。Lctn.PeggySanも返り咲きである。さえない花だと思っていたOrnithophora radicanseは花のおもしろさや姿の良さなどで気に入っている。

開花したデンファレ・アリカは花が78mmにまでになった。ミニカトレアクラスの大きさで、背が高いため目立つ。

 

10月8日(水)

朝から曇りである。最低気温は9度だった。出してもしょうがないと入れたままにする。室内は暖かく、日が入るようになったので悪くない環境である、と昨日の文面を使い回す。このところ外に出せないので稼ぎが悪く調子を崩しそうに思われてしまう。

明石ラン会の講習では、毎年1010日に遮光をはずすという。気温も低く、葉やけの心配が少ないためらしい。3連休はランの棚の作り替えや、球根のために庭の掘り返しなどをする必要がある。サツマイモがとれはじめたのでこれをせっせと食べなければならない。埋蔵量は10kgほどである。サツマイモはこの夏はランの撮影の背景代わりに使っていたのであった。庭にはこのほか柿が数個、黒豆(丹波の黒大豆)が数本なっている。

 

あと7株開花すれば今年度の達成目標である100件開花に到達する。今年はさらに2ヶ月あるので120件の開花を目指し、「三日に1鉢開花」という咲きまくりの一年で締めくくろうと思うわけである。

 

Den.Arikaが全開してみると花が比較的大きい。育てようによって花が化ける。

 

10月7日(火)Den. Hamana Lake、Den. Arika開花

朝から曇りである。最低気温は9度だった。出してもしょうがないと入れたままにする。室内は暖かく、日が差すようになったので悪くない環境である。

 

Den. Hamana Lakeが開花した。開いて数時間でもう香りがしている。バルブのてっぺんに咲いたのでかなり奇妙な姿になっている。Den.Arikaは昨年は寒さで咲かず、一昨年も寒さで縮れたように咲いたため久しぶりに見る花が見違えるようである。花茎が高く伸び上がっているため見上げるような蘭である。これは期待できそうだ。

 

カウンターは付けろと言われて付けて以来あまり気にもしなかったのであるが、7000が近づくにつれ気になるようになった。本日7000に到達した。たぶん1000位は自分で回してしまったのではないだろうか。数十分して見に行かないと廻ってくれない硬いカウンターである。もともと「ランの成長記録」として、人に見られることをあまり気にせずに作ってきたところがある。自分自身が使いやすいように出来ている。どうも世間的には実にしょぼいランにむやみと愛情を注いでいるような記録ぶりであることが最近わかってきた。きっとラン愛好家には変なページに見えているのではないだろうか。

 

こういうしょぼいラン、せこいラン愛好家は結構いるのではないかと思う。綺羅星の如く絢爛とした大輪ラン、大株のランを扱う個人や蘭友会もあれば、原種道一直線、パフィオ専門、変なラン専門という個人や蘭友会もあり本当にいろいろな人がいると思う。

 

10月6日(月)うう、さぶ。

朝は冷たい雨が降るのでランだしはしない。

 

このところ開花がない。意外と咲かない。今年はならしてみると3日に1株のペースなので、このところ比較的咲いていない状態が続いているのであった。寒くなったため足踏みをしているような株がいくつかある。

 

明石ラン会は素晴らしい内容だった。実に参考になる株扱いの講習や、ああいう素晴らしいランを毎月見られるとは実に結構な会だとおもう。しかし往復120kmはちょっとした旅行で、疲れが溜まっていたため堪えた。

 

夜はもっと寒くなった。デンドロの完成しているバルブに花芽が早くつきそうな気がする。今年は昨年より寒いような気がする。この週末は地域の祭りの合間に棚を作り替えて超強力な棚を作ろうと思っている。

 

室内に取り込んだデンファレに、バルブが高さで倍になったものがある。バルブだけで60cmあった。すごい高さだ。太さもすごい。かろうじて立つが、風が吹いたらだめだ。花茎が2本出ている。(世の中には3mのデンドロがいるというから驚くじゃないの)

デンドロ・ハマナレイクは1つだけ出た蕾が「ニッと笑ったように」開き始めた。おもわずこっちまで「うひっ」と笑ってしまうかわいらしさである。なんと今年3回目の開花である。紅一点の面白い鉢になった。こういうせこい開花を開花したと言うのもはばかられるが、ノビル系デンドロがこの時期に咲くのが面白いだけでなく株の姿がじつに楽しい。

絢爛豪華大株ショックがうすれてくると身近なこれらのランの良さをまた味わえるようになった。思うに私は怠惰な性格なので「安い」「変な、妙な、面白い」「軽くて手軽な子株」「支柱は面倒」「咲けばラッキー」「自分だけが見ていればいい」「頻繁な開花」「長く楽しむ」蘭というまことに手前勝手な栽培をやっているのであった。しかし蘭友会はいいなあ。

 

10月5日(日)明石ラン会

本日はI氏と明石ラン会に行ってきた。これに家族が便乗する(実質は家族に私とI氏が便乗という形になった)ことになり、このため後部座席で子供らにまみれての道中でつかれた。10時に待ち合わせ、いつものうどん屋を経由して明石に向かう。今更ながら思うに明石までは結構距離がある。

明石ラン会のみなさんは快く見学者の我々を迎えてくださった。先月行った豊橋蘭友会とは雰囲気がまったく異なる。豊橋蘭友会での、まるで「出走前に高まるエンジン音」的なざわめきではなく、こちらは静かに始まった。

蘭の開花季節になるのかすごい株が会議室の机にずらーっと並んだ。年長者の栽培者が開花期を迎えたランの取り扱いについて静かに語るような講習を拝聴するところから始まった。我々も含めて16人の人間が静粛してお話を聞くのである。時折「質問は?」との講師の声に、会員が口を開く。まるで大学のゼミのようである。「大輪のカトレアの蕾を美しく揃えて咲かせる」、という内容だと理解したが、ふと思うに今の私のレベルは「やっとこさ出たシースの中にいかにして蕾様に入っていただくか」というところなのである(^^;)。展示してある株はみれば見ほれるほど見事に美しく咲いている。「蕾同士が交差したり、リップが葉っぱにつくようなことは、シースを前のめりに倒して防ぐ」という。思えばこの間咲いたBlc. DalsHorizonは蕾が交差し、リップが葉に接して兄弟花に押されてつぶれたようになってしまったため切り花にしたり、縦に重なって咲いたりでさんざんだった。己のレベルの低さを痛感した。

展示されていた株はどれも素晴らしいものばかりだった。「交配種カトレア類に強い」「大変うまい人がいる」(納得)とのことだそうで、カトレアはどれも見事である。驚くほど奇妙なものもあり巨大ですらあった。

有名な原種カタセタム・ピレアタムの花が子供の手のひらほどもあり、あれほど大きいとは意外だった。

名前を聞き損なったが真っ黒い大きなパフィオがあった。しびれるような色とツヤだった。ジャコメッティの彫刻のような素晴らしい造形である。花茎を高々とあげ、大きく魁偉な花と、なお先につぼみまで付けている。「モーツアルトにレクイエムを注文に来た謎の仮面男、こいつがよけいなことをしなければ魔笛の先のオペラが聴けたのでは」というばかなことをイメージしていた。こんな素敵なパフィオがあるなら探してみたいと思う。

見たことも聞いたこともなかった高さ1mのデンドロ、Den. ovipostoriferum(ボルネオ産という記述を見た)は白い花がシルシフロラムのような房になって垂れ下がっていた。はじめは小さなバルブだったそうだが抱えるような大きさになっている。

Cycnodes Wine Delight 'Jem' FCC/AOS なるものがあり、キクノケスとモルモデスの交配種だろうか(帰ってから調べてみると、Morm. sinuataCyc. lehmanniiの交配とネットにあった。91年にFCCを受賞している)。株は一抱えもあるほど巨大で花も大きく、革質でたくさんついており、香りもよい。

セルレア色(青紫)のLc. Mary Elizabeth Bohnは大株でありながらどの花もきりりと美しく咲いていた。このおおきな花一つでも咲けば御の字だが、実に贅沢に盛られているのである。

遠くから見ていても見ほれるような美しいカトレアBlc. Eagle Eye All Victoryなどはついぼーっと眺めてしまった。実に大きな花である。よく見るとつぼみがぼこぼこついているのである。

季節柄C.ラビアタを多く見た。なんとあこがれのC.ワルケリアナの巨大な鉢が2鉢あった。これらは「交換会」で競りにかけられ、1500円から2500円で売られていった。これらはどれも恐ろしく美しい花がついていた。見学だから参加資格は無かろうと思うが、株も大きく、「このワルケはこれまでずっと観葉植物で、今年直射日光で育てたらやっと咲いた」という話に(うぅ、ワルケはそんなに難しいのか)と気後れしたのであった。あの大きな株だと分ければ4株はとれるのではないか、などと妙なことを考えていた。ワルケからはいつも一歩引いてしまう。(その夜ゴンベッサ氏からもワルケの写真が届けられた。あちこちで咲いているものらしい。今年の気候がワルケを秋に咲かせるのに適していたのであろうか。ワルケがしょっちゅう咲いたら楽しいだろうに)

他にも素晴らしいランがこれでもかとあったのだが、どうしたものか写真の歩留まりが悪い。勝手に撮影してきたバチがあたったのだろう。この場を借りてお詫び申し上げる。

素晴らしい明石ラン会の活動を目の当たりにして思うことは、「こんなすごいランはどれもうちの棚に入らない」ということであった。器が違うのである。聞けば温室20坪、8坪2棟、4坪などの話を伺う。しかし器の違いは温室にかぎらず、己自身について思い知らされるところだった。

 

帰り道明幸園に寄った。購買意欲やさっぱりであった。購入リストを参照しながら上の空で球根を買い集める。I氏は1年ぶりの明幸園だそうで、5株購入されておられた。なにやらうらやましい。

帰ったら7時をまわっていた。我が家の小さなラン達を取り込む。花はどれもぱっとしない、と思える。ただ、どれもかわいくて大事に育てているものである。2001年の東京ドームラン展でも同じことを書いているが、器拡張のために「もっと仕事をしよう」とおもった。

 

10月4日(土)

出して入れての一日であった。

いろいろと写真を撮影したものを掲載した。Lyc. Jim Riopelle Den. Burana Charming Vuyl. Edna Stamperland FCC/RHS, FCC/AOS Den.宝塚Den. Burana Charmingは大変魅力的な色をしているのであるが、デジカメでは再現できない。

 

本日は球根を探して園芸店やホームページを見て回っていた。球根の新品種がたっぷり出てきている。お得なばら売りで1つずつ丁寧に揃えた。蘭も売っているのであるが、もはや珍しいものはない。うちにたっぷりあるデンファレの1株売りが1400円もしている。人にあげようと思ったオンシジウムが800円であった。

 

419日にうちにやってきてから咲いた621日以来咲いていたPhal. 天の川xグランドシティ‘ビーナス’がやっとしおれた。この花は100日咲いており、株としては購入以来160日というかなり長い開花期間であった。株はまったく弱ることが無く、新しい葉も美しく大きくなっている。こんなすごい胡蝶蘭があるのかと驚いた。掲示板で半年咲くと教えていただいた通りすごい種である。

 

明日は明石ラン会である。

 

10月3日(金)

デンファレ・アリカの蕾が開花位置に着いた。開花直前になると明瞭に位置が変る。土日に開花するらしい。大きな蕾である。

 

咲いた蘭を置いてくれるという人がいるという情報を得て喜んでしまうほど今後は開花株が増える。花を見られなくなることより、世話が減るほうがありがたいほどに開花株が増えそうなのである。丹精して咲いてくれた株がもらわれてゆくと「超ラッキー」という気分である。何しろ送料当方負担でもらってもらおうとしていたほどである。「蘭が欲しくてしょうがありません。余っているのなら送っていただけませんか?」という人はいない(著者があまりにも怪しいからだろうか(^^;)。思うに蘭の楽しみは30%くらい「蘭を買う」というところにあるようなのである。そういう心理からして「売る」ほうがよくはけて大事にしてもらえそうではある。もちろん「売る」のはある種神聖な行為というか、かなりの責任を伴うので気楽な(重労働の)蘭栽培を楽しむことから遠ざかってしまう(たぶん売れないと思うが)。昨今は売る行為そのものまで楽しむオークションというものがあり、蘭が売り買いされている。一頃はよく見ていたのであるが最近はさっぱり興味がもてない。

そういえばよそ様のサイトを覗きにゆくこともあまり無くなってしまった。

 

年中花だらけの生活になり、球根への購買意欲が低下している。もっとも名前を知らない種類をほとんど見かけなくなった。蘭はまだまだ知らない品種が続々出てくるうえ、ぎょっとするほど安いので困っている。

 

夜になり11度になっているため総取り込みである。

 

10月2日(木)

昨夜は取り込みをさぼった。比較的温い朝ではなかっただろうか(といいつつ最低温度計から無意識に目をそらしていた)。久しぶりに水やりをする。このところめっきり水やりをさぼっているように思う。

パフィオペディラム グラウコフィラム6代目の蕾が開花していた。614日購入以来延々咲き繋いで、最近すこし間が開いていたがまたカンバックである。昨年から秋咲きになったファレノプシス ミシマクリスタルは夏から花茎をのばし、蕾が見分けられるようになってきた。10月に入り蕾はたくさんあるがまだ開花がない。デンドロビウム アリカは間もなく開花である。蕾の状態で待つことがながく、デンファレにしてはえらく大きな蕾になっている。オンシジウムスイートシュガー?はほころんでいるように見てかなり待たされている。オンシジウム ? 「旭」3株あり、開花後のもらい手が決まっている。デンドロビウム ハマナレイクは蕾が1つだけでて間もなく開花である。今年3度目の開花である。異常開花の多い株でおもしろい。今頃新芽が3つ出ているのであった。

 

通勤途上に作落ちしたようなシンビジウムの鉢がずらりと並んでいる場所があり、どうしたのかと見てみると「鉢に興味のある形はご自由にお持ちください」とある。こっちがもらって欲しいくらいである。

 

蘭栽培の楽しみと苦しさがともに味わえる季節ではある。朝晩の出し入れでやはり200株(実質150株ほど)は堪える。リタイヤしてやる分にはこれほど楽しい趣味もないであろうが、一応働き盛りということになっているため日々の勤めはある。早朝と深夜の蘭の世話が足腰にまでくるような量になっている(おまけに毎日日誌を書いている(^^;)。駆け出しの素人の一人として、ランにはまりつつある人がもしこのページを見ていたら「蘭は手当たり次第に手に入れず、じっくりと70くらいまでにしていいものを集めて欲しい」と申し上げたい。「2000円以上」にターゲットを絞っている人もおられる。「1000円以下」では増えすぎるきらいがある。「1000円以下で有名種名札付き」とするといいかもしれない。何にせよ欲しくてたまらない時期にぐっとこらえることである。まあそれが出来ないから苦労しているわけである。蘭の魅力はおそろしい。「購買意欲は低下している!」と言ったところで9月に11株増えているのであるからなにをかいわんやである。今度の明石ラン会では見学という身分なので株を手に入れることは無かろうと安心しているのではあるが、帰りに明幸園が待ちかまえているのであった。

 

10月1日(水)

冷え込むと予想したが68分とは驚いた。デンドロに花芽が早くつきそうである。つい半月前まで熱帯夜だったのだが、えらく急に冷え込むものである。10分早起きしてランを庭に展開した。本日は日中暖かい絶好の光合成日和である。

 

10月も蕾株がいろいろあり、たっぷり咲いてくれそうである。

今年はデンファレのほとんどが花茎2本以上を出してくる。去年、一昨年のバルブからも出して3本で咲いている株が2つある。まるっきり裸バルブから花を咲かせた株が、Den.BuranaCharmingDen.倉敷など2例ある。人肌で温めるようにして冬越ししたので芽出しがうまくいったことや少々葉やけしても直射日光でいじめたことがよかったらしい。鉢底から花茎の先まで1mを超える株もできつつある。ほとんど3号鉢に植えているので倒れやすい。背が高いので置き場にも困るのである。25号鉢のものを程々に育てて高さ30cmくらいのものにすれば机の上に置いて目の端で楽しむことも出来るが、高いと見上げなければならない。

9月に咲いたものは気温が高いためはなもちが今ひとつだったが、これから咲くものは相当長く咲いてくれる。

デンファレは芽だしが早いと暖かい時季にかなり大きくすることが出来て花芽が出るのも早くなる。芽だしが遅れると花芽が出るのが遅く、寒い時季に開花することになり弱って途中で蕾が落ちたりするのである。蕾は寒くなる前には咲かせるようにしたい。この2年間蕾が弱って泣きを見たDen.Arikaは今年芽だしが早かったため3ヶ月早く開花する予定だ。昨年とは見違えるように蕾の元気がよい。今頃脇から第三の花茎を出しつつある。これを咲かせるには暖かい場所で日当たりのよいところに置かなければならない。

最近はバックバルブを捨ててしまうということを覚えた。前はこれも生きているのだ、と捨てられなかったのではあるが、放っておくとバックバルブだらけになるので捨ててしまうのである。取って置いて棚にでも置いておくと株が増えてしまう。ランというのはすごい植物だと思う。

 

今夜は温そうなので取り込みをさぼった。夜中ではあるが、デンドロ類の台をより日が当たる場所、庭の中央に移動した。我が庭はお世辞にも美しい庭ではない。時々花が狂い咲きしていることはあるが、怪しい蘭の台が現れたり、芋や丹波名産黒大豆、サトイモが生えていたりと節操がない。隣の芝生がきれいに見える。

ふと見るとバンダについてきた観葉植物から葉がはらはらと落ちてしまっていた。かわいい観葉植物ではあるが、この方面にはさっぱり疎いのでこのていたらくである。蘭もたまたま環境が合っているだけで、本当のところわかってやっているわけではないと思える。

 

 

 

 

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