蘭馬鹿日誌2003年6月および更新記録

ランのよしなしごとをつづる。下に行くほど昔 

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6月30日(月)フウランの香り

フウランが良い香りを放ち始めた。今年の東京ドームラン展でのフレグランス部門最優秀がフウランだっただけにこのランの香りの良さは折り紙付きである。大層姿よく咲いたので見た目も素晴らしい。ほかにアングロカステも甘い香りを放っている。

 

昨日「宝塚園芸サービスは今日はやめておこう」とよらなかったところI氏が同じ日にL.purprataのカーネア(リップの赤い奴)を1000円以下でゲットされておられた。1000円以下で出ていたというのが驚きであるし(花の終わった奴でも3500円くらいしていた)、しかも買い損なったというのがショックであった。まあここ数年の高値安定がくずれて安く出回るようになったのだとすればまだチャンスがある。さすがはI氏。かの店はあのワルケリアナの開花株を780円で売っていたという恐ろしいところでもあり、このパープラタもある種珍しい出物かも知れない。

 

明日から7月である。固形肥料を施すのは3回目になり暑い夏の間はやめるので7月でいったん終わりになるため、いまのうちにたっぷりやっておこうと思う。

 

6月29日(日)フウラン開花

フウラン2株が相次いで開花した。香りはまだない。今月は3月以来ひさびさの2桁開花である。

 

雨がやんで気温も高くなった。ランの棚の下にあるまだひんむいていない球根をむいているとあせがぽたぽた落ちてくる。今年は球根掘りがスピーディーだったので歩留まりがよく、腐ったものが少ない。ランの棚を眺めるとラビアタの蕾を見ると少々調子が悪そうである。25mmまで大きくなったのだが暑いので気候にあわず落ちることもありえる。しかしまあ秋にはきっちり咲いてくれそうなのでとくに惜しいとは思わない。

 

本日寄ったコーナンウッディタウン店で見かけた胡蝶蘭千円3株はすごいお買い得品である。6000円の散ったやつを見切り品1000円で出していたがものが、季候がいいのと花茎を切らなかったことなどで新たな花茎が多数出てつぼみがぼこぼこついていた。これは夏中咲いているだろう。かなり大輪の白とみた。こういうのに飛びつかないとは付近にラン好きはいないらしい。

 

来月はファレノプシスプルチェリマ、カトレアおまけ、サギソウ、Bc.ハミングエンジェル、等が咲きそうだ。

 

6月28日(土)明幸園Dendrobium secundum購入

かみさんが気に入っているうどん屋のついでに雨の中明幸園を訪れDendrobium secundum [Bl.] Lindl. 1828を買った。前回3月同様「せっかく来たんだからなにか」的購入であった。購入意欲は一段と低下している。 

名前を聞いたことがある有名原種で、見切り品であったため目を付けていたが、ブレーキが働く。「原種ゆえに貴からず、よく咲くランがよいラン」という好みがあるためすこし考えて頭の中からデータを引き出しつつ売り場を廻る。デンドロ専用の棚に丁度同じ種類の株があり、花がついている。1080円と表示されていたためお買い得と判断して買ってしまった。花を見たかみさんのうけも悪くない。このデンドロは葉が落ちたバルブの頂上付近から真横に花茎が突き出すように出てきて花を密につけるという面白いデンドロなのである。葉のあるバルブが1つと裸バルブが2本、新芽はない。ランを買うたびにリストに登録し、購入記録に記述し、戸籍に記述し、日誌に記述し、今後のことを考えて写真を撮っておく。あとで調べてわかるが、熱帯の標高の低いあたりに生育することからどうも高温性らしい。2mまで伸びる、という記述もある。

 

他に昨年購入したあまり見かけないセロジネCoel. lacteaとおぼしきものの開花株が並んでいた。似たものを思いつかないほど大変良い香りがする。うちの株は芽があるだけでこれが新芽か花芽かわからず不安だったが、実は新芽でもあり花芽でもあるということがわかった。葉が開いて中から花芽がでてきてさらにバルブが出来るという生育の仕方をするようである。まだまだ知らないことは多い。そういう芽が4つもあるということはなかなか盛大な開花が期待できそうである。

このほか、デンドロの有名原種クリソトキサムの蕾付き1200円というのもお買い得だったろう。プロ仕立ての鉢にそそり立つ立派な株から大きな花茎が蕾をたくさん付けて伸びていた。花期は春なのだが今年はとぼけた植物が多いようだ。

相変わらずすばらしいお買い物が多い店であるが、それ以上に買いすぎて多くが棚にあり、定員一杯という状況ではなかなか手が出ない。

 

6月27日(金)

ファレノプシス・プルチェリマが間もなく開花しそうである。この開花で花を絶やさずに花の少ない2ヶ月乗り切ってくれると助かる。デンファレ倉敷が花芽を出してきたのでこちらも心強い。

ロドリゲチアという妙なランがある。花芽のようなものを上に15cmも出して、先端から葉が出てきた。つまり長い匍匐茎の先にちょこんと子株がでた状態になっている。根もにょろにょろでてきた。もともとこういう新芽の出し方をするものらしい。ちょっと困惑するランである。なにしろ新芽が出たら自動的に株分けすることになるのだ。それでは古い株はどうしたらいいのであろうか。買ったときどうも3つの寄せ植えらしいとおもったが、これは寄せ植えにでもしないと鉢が増えて困るだろう。

その空中に葉と根を展開している子株を懐中電灯ですかしてみるとどうも花芽が出ているらしい。

2日間日が照ったが、今夕からまた雨である。

 

6月26日(木)フウラン間もなく開花

フウラン2株が間もなく開花しそうである。1鉢は素焼鉢に水苔ですら根腐れしていたがその後植え替えて元気に育った。フウランは何とも言えず風格がある。蕾の付き方がまた素晴らしい。小鉢に堂々と力強くそびえている。また、今月は二桁開花が期待できそうである。

C.ラビアタの蕾は20mmまで大きくなってきた。本来ならまだシースの中にあるサイズだが、いいツヤをしている。

 

最近思うのだが、蘭はなかなかもらい手がいない。あげるというともらう方はいろいろ心の中でよくわからない葛藤が渦巻いているのかも知れない。自分自身を思うに、人のものはあまり欲しいとは思わないところがある。だが、300円激安蘭を見てしまうと心が騒いでしまうのだった。ネットで「蘭あげます」というのはあまり見ない。あっても怪しくて敬遠してしまいそうである。3000円近辺の値段を付けている蘭にはまず手が出ないが、300円と出ていたら結構真剣に考えてしまうのではないだろうか。サーバーの規定上商売は出来ないが、値段を付けたら「蘭をむやみと大事にしてくれる人」がたくさんメールをくれるのではないか、などと思ったのである。「あれをどーしてもほしいのですが」とメールを送ってくれた人はいない。それほどいいものを持っているわけではないからそういうものだろう。そういえば狂おしく欲しいと思った蘭はない。

しかし商売はしんどい。オークションなどは見ているだけでつかれるので最近はやめてしまった。私のような人間が増えるときっと景気が悪くなるのだろう。かみさんにまで「(通り道にある讃岐うどんが食べたいから)明幸園にたまには行ってはどうか」といわれるほど最近は蘭欲が低下している。それももう夏になるというのにほいほい開花しているためだ。蘭の年開花率(1年に開花する株の割合、現在70%)がじわじわ上昇しており(株がなじんで体力が付くため)、数年後に90%に達した場合開花は二日に1鉢、いや2日に1種が咲くという状況になってしまうのである。2月のある日、50鉢(今年は27鉢)が開花している状況があり得るのである。開花株をいったいどこに置いたものだろうか。

 

花というとすさまじいばかりのすかし百合の盛りも過ぎ(なめくじとの壮絶な戦いも一服し)、グラジオラスが咲き始めた。チューリップ同様色の発色の良さとみずみずしさが素晴らしい。蘭の花が地味に見えるほどである。しかしよく倒れて虫に食われている。花の命もかなり短い。こういう花は写真でがんばるしかないようだ。このあとはいよいよ豪華で香りの良いオリエンタルハイブリッドが咲き誇る季節になる。もういくつか咲いている。

 

6月25日(水)アングロカステ開花

Angcst. Paul Gripp × Lyc. aromaticaが昨年に引き続き今年も開花した。支柱がないと花が重くて垂れてしまうようだ。日照不足かも知れない。株分けした兄弟バルブのうちの兄貴分で、蕾が5つ、新芽が1つでている。また、もう1つ追加で蕾が出つつあり、新芽もあとで増えるかも知れない。弟バルブはもらわれていって開花したかどうかは知らない。差し上げたものの消息はこちらからは聞かないお約束であった。たぶん蕾3つがでていると思う。バックバルブで差し上げたものは新芽が出たそうである。

 

夏になり開花株の数が減るかと思うと案外花芽や蕾がでてきてぽこぽこ咲いてくれる。マスデバリア豊橋は蕾がさらに5つ出つつある。これはかなりいけてるマスデバリアではないだろうかと思う。年2回咲くのであろうか。

 

コンパレティアに花芽が出てきた。いつ咲くのか見当がつかない。デンファレ倉敷の裸バルブからでた長い芽は花芽のようである。

 

久しぶりに晴れ間も見えた。

 

6月24日(火)胡蝶蘭「有馬」返り咲き

胡蝶蘭「ビーナス」につづき返り咲きシリーズ第二弾である。329日から523日まで56日間も咲いてさらにこれから1ヶ月少々咲こうというのだから立派なものである。少々寒かったなどの環境の変化で蕾を出したりするものらしいが、経験を積まないとどういう状況でそれが起こるのかはっきりとはわからない。何にせよ、胡蝶蘭というのはすごい蘭だとおもう。

 

本当によく雨が降る。蘭が腐らないか心配になるほど降る。Pot.HawYuanGoldは昨日で終了である。予想外に保った。Den.ハマナレイクも本日終了である。咲く花あり散る花ありだが、株にどっしりと安定感があるのが蘭のいいところだ。

 

トップページの写真は1週間交代ではさばききれないので随時換えてゆくことにした。

 

6月23日(月)

曇りのち夕方から雨である。

昨日、虎の巻を見ていたら「ノビル系デンドロは梅雨にあてたらいかん」とあった。もう遅い。楽だから出しっぱなしにする。

 

駅の改札口付近で拾った謎のデンドロはビニール袋で蒸していたところ新芽が出てきた。2年位すればどんなデンドロかわかるだろう。

 

てっきり3日ほどでしおれてしまうと思っていたPot.HawYuanGoldはまだがんばっている。隣にあるフォーミディブルと大輪対決をしているが、大きさではフォーミディブルの方が大きい。大輪といえばC.ラビアタはまだあきらめずに蕾を12mmまで大きくしてきた。

 

6月22日(日)

フウランとサギソウが間もなく開花である。

ダーウィナラ チャーム ’ブルースター’に花芽が出てきたようだ。フウランと似た出方をする。

花工場へ行って来た。巨大パフィオ3800円に驚く。パフィオといえばかわいいものだと思っていたが、小型のシンビジウムかというほど大きなものがある。これは見切り品になっても手が出せない。

付近の電気屋からホームページを自分の名前で検索して見つけだし、掲示板に書き込みをした。CRTのトラブルでパソコンが使いにくい状態だったり(ビデオカードまで買って付け替えたりもした)、諸般の事情で更新がストップしていた。

 

6月21日(土)Bc. Humming Angelに蕾が出た。

ブラソカトレア ハミングエンゼルにそう言えば新芽が伸びているなあ、と思って覗いてみると蕾がコンニチハをしていた。花付き見切りだったもので、香りの良いカトレアであった。蕾は2つありそうだ。カトレアが続く。

 

宝塚園芸サービスを巡回中、ブルーベリーの見切り品を別途330円ほどで買ってきた。デンファレ5本立1000円というのがあったが、購買意欲が低く見送って帰ってきた。ブルーベリーには酸性土壌にすべし、ピートモス(水苔のくさったものらしい)必須というので探しに行ったが260円をけちって出せず、家に堆積していた植え替えカスの水苔廃棄物を用いた。

 

夕方になりやっと本日発売のハリーポッター5巻がとどくが、枕のような分厚い原書の最初の数頁で辞書引きにつかれてしまった。理系英語では困難であったか。

 

Epc.エルハチローの香りは化粧品みたいな匂いであった。

 

胡蝶蘭ビーナスの蕾が開花し、すでに60日以上開花している先輩の花に並んだ。新しい花と古い花が見た目あまり変わらないのに驚く。

 

パフィオ・グラウコフィラムの蕾が開花した。花がひとまわり小さい。これからゆっくり大きくなるものらしい。新しい蕾もみえる。一体いくつ花が出るのか大変興味深い。

 

アングロカステのつぼみがでれんとなっていたため驚いたが、支柱を立ててやるとそれらしく見えるようになった。支柱を立てなければ満足に咲けないという植物らしい。蕾が新たに出て増えつつある。大きな蕾はまもなく開花だ。

 

6月20日(金)

台風のおかげで夜中になり風が強くなってきた。危なそうなものだけを取り込んだ。バニラがヘゴ棒から風でもぎ取られ、ぶらーんと垂れ下がってしまっていた。

ディサとLc.サクラキャンディはトレイに入っていなかったため地面に落っこちていた。ディサの花茎が一本折れていたので切り花にした。ディサはこのところにょろーんと伸びた花茎にしおれた花がついて格好が悪かったが、蕾がなおあり、さらに長く咲きそうである。

胡蝶蘭「ビーナス」(開花株購入後はや60日)の続きが開花しつつある。パフィオ・グラウコフィラムの続きが開花し、胡蝶蘭「有馬」開花もまもなくである。

 

デンファレ倉敷の葉のないバルブから花茎のようなものが出ていた。高芽かもしれない。

 

6月19日(木)台風接近

昨日20日にやってくると見られていた台風はその後速度を速め今夜にも日本海側に抜けるらしい。山陰を通る勢力の強い台風は危険であることもあり、(蘭の棚に)警戒を要する。

エルハチロの花が開帳し、面白い格好をしている。こういう花も悪くない。

 

やはりC.ラビアタは蕾が1つだけになった。はて、このままゴールに突き進むのであろうか。

リンコスティリス・セレスティアは長雨でよわったのか、黒カビまみれのカイガラムシだらけになっていた。家に連れ込んでカビとカイガラムシをふき取って風に当てて乾かした。見た目は屋外に出す前と変わらないのでたぶん大丈夫だろう。植物は防衛物質を出して身を守るしかない生き物だ。害虫や菌類のいやがる物質を出し、つけ込まれないための表面コーティングをするケミカルな戦いをしているに違いない。蘭はよほど強いのかこれにたかるものは滅多に見ないが、今年の百合はどうしようもないほどつけこまれている。ナメクジ、「うんこ虫」を筆頭に、芋虫、尺取り虫、葉を食べる甲虫など実に多彩である。これらを毎晩撃退しているが、昼日中堂々と食いに来るやつもいるため苦慮している。今年は雨が多いためやら、むやみと蕾が出たため抵抗力が落ちたのか、虫に弱いだけでなく、花もさっさと散ってしまうのであった。3日というところだろうか。屋内の蘭の多くが短くて1週間長くて3ヶ月ということを思うと少々はかない。かみさんは庭のゆりのゴージャスな出来に満足しているようだ。百合も前半のすかし百合(アジアティックリリー、ほとんど香りはない)からそろそろ後半のオリエンタルハイブリッド(香りの強烈な種類)に移行しつつある。農学をやっていた人間に聞くと、ふれあうように生えている方が丈夫に育つのだという。ふれあうと花を痛めるので花卉商売としてはよくないが、育つには都合がいいという。そういえば寄せ合うようにしているところでがっしり育っているような。

 

「植物のケミカルな戦い」についてねぼけつつ想像を進める。地球上のどの生物も共通の言語(たった4文字)で記述されたDNAというこれまた共通の記録媒体に書き込まれたプログラムにより成長、繁殖を繰り返している。プログラムはアミノ酸の配列に翻訳され、アミノ酸がつなぎあわさってタンパク質という構造体にも分子機械にもなるものをつくり、この機械が働いて体を建設したり、必要なものを取り入れたり、不要なものを捨てたり、生物そのものを増やしたりする。たかがタンパク質、毎朝ご飯にかけて食べている卵ぐらいにおもってしまうが、コバルトだのモリブデンだの「切れる」アイテムなどさまざまに駆使して驚くようなものを作り上げる。植物の防衛物質はものすごく複雑な分子の薬であり、そういうものもタンパク質が寸分(pmピコメータ?)の狂いなく作る。漢方薬もしかりである。

蝶を見ていてこれを人間が機械として作ろうとするととても及ばない点が目に付く。まず小さい。こんな小さくも精巧な機械はまだまだつくれない。あの触覚を小刻みに動かすアクチュエータを人類はまだ持っていない。センサーがまたすごい、光、色や匂いに応答するのやら、体の各部分に感じる風の情報をとらえる。これらセンサからの信号を処理するCPUはこれまた猛烈に小さい。飛行プログラムがあったとしてそれはどのくらいの処理能力を必要とするのだろうか。世間はナノテク(ナノメートルテクノロジー)といって少々小さいものをつくって騒いでいるが、実は蝶々は「ピコテク」(ピコメータテクノロジー)で出来ているので当分かなわない。

人間そのものの設計図はどのくらいの容量があるのかしらないのだけれど、細胞1つよりも小さな領域に書き込まれている。これほどまで小さな領域に膨大な情報を書き込めるのであればDVDディスクはまだまだ大きすぎる。どんな映画コレクションもいずれはかさばるプラスチックのゴミと見なされてしまうのではないだろうか。

こういう驚くべきDNAとタンパク質について研究が進んでいる今日、人間のDNA解読が完了している。このDNAの暗号がタンパク質とどう絡んでゆくか、ということが今後の研究になる。特に重要なタンパク質に対応したDNAを確かc-DNAというのではなかっただろうか。この方面は日本が強いそうである。

DNA解読がどんどん早くなっている。ということはC.ラビアタの解読をやろう、次はV.セルレアをやろう、という話にいずれなる。さらに話が進むと、「セルレア」遺伝子のc-DNAがリンコスティリス・セレスティアあたりで発見されるわけで、「実は赤紫」でない本当のセルレア蘭がぞくぞくと生み出されるであろう。交配が旧世界的な行為になり、DNAをパソコンで記述・編集して蘭をバーチャルに作り出し、このデータを育種会社にメールで送ってDNAを合成して実際に細胞に組み込んで蘭を作る、という妙な趣味が成立しているはずだ。自分の臓器のDNAをいじくって強化し、培養して移植(スペアーに取っ替えたともいう)した御歳160歳の小島じじいは「けっ、蘭は自然のままがええんじゃ」とかなお矍鑠として言っているかも知れない。そんな未来がありがたいかどうかよくわからないが、長生きすればたくさん蘭がみられる。

 

 

6月18日(水)Epc. El Hatillo Pinta BM/JOGA開花

エピカトレア エルハチロ ’ピンタ’が昨夜開花した。購入から11ヶ月目の開花である。えらく花のかわいいカトレアだ。あとで花が広がるのであろうか。C.モシエとEpi.タペンタスの交配だそうだ。よく見ると別に花芽が上がって来つつあるようだ。アメリカのラン展の写真でも$15で苗が売られていた有名個体である。ぱっと見さえないが、そういう株に限ってありふれたものにはない面白い味があったりするのではないだろうか。

 

バンダが昨夜終了した。430日以来延々咲いていた。花を2つばかり押し花にしている。花は終わり近くなると次第に色が薄くなって空色に近くなるように思える。

 

最近読んでいる米国の蘭の掲示板はすごい。よくあんなに書くことがあると感心する。「香りのある胡蝶蘭を探している」という書き込みに、これでもかと香り胡蝶蘭の品種名が書き込まれている。バニラの花が咲いただの、人口光線でデンドロを咲かせるだのレベルが高いように思う。日本ももちろんすごいレベルの人がたくさんいるのだろうけれど、欧米人ほどキーボードになじみがないからあれほど多量のテキストを書き込んだりしないのであろう。日本にもどこかにそういう掲示板があるのであろうか。

 

C.ラビアタはつぼみの1つが不調に見えた。非常に微妙なツヤの低下を検出したのである。1つに絞り込むのであろうか。まず開花は時期的に困難だと思う。葉がものすごく大きいので秋には巨大な新芽が成長して問題なく開花できると思う。

 

次の開花はアングロカステ、フウラン2株、胡蝶蘭有馬の返り咲きがつづく。ここまでで今年の前半が終了というところではないだろうか。

梅雨で鉢はいつもぐっしょりだし、油かすと骨粉肥料は死体のような匂いを放っているが、株はどれも元気そうで、根が機嫌良さそうにのたくっている。新芽の生育は昨年よりも速くて力強い。

 

6月17日(火)Masd.「豊橋」開花

マスデバリア「豊橋」が昨夜開花した。昨年11月出張した豊橋のホームセンターで購入した見切りマスデバリアである。色好し、姿良しというなかなかのマスデであった。色は赤紫色で、ユニフロラという原種の色に似ており、それに何かを交配している様に思える。葉は肉厚で、つるつるした質感がたまらなくいい。蕾はあと2つあり、このほか3つほどが根本から出つつある。この株は我が家での今年最初の夏越しをするのであるが、果たしてうまくゆくのであろうか。

 

新規開花が3件続き、「育てて咲いたことのある株」の割合が5割を越えた。この比率は蘭をほいほい買っていると下がり、蘭をせっせと咲かせていると上がる傾向にある。方針としては新属が手に入る可能性が低くなったので今後はあまり買わないようにして、手元の蘭をよく育ててこの比率を高めてゆきたい。

 

6月16日(月)Onc.SharryBaby‘Red’に香り

昨日の休日は家にいたので朝晩にかげない真昼の匂いを嗅ぐことが出来る。香りがないので残念だったオンシジウム・シャリーベイビー「レッド」にいわゆる「チョコレート」の香りがしていた。ただのチョコレートよりももう少しおいしそうな匂いがしていた。こういう香りに出会うとうれしいねえ。

 

先日購入したパフィオは蕾の出るところが3つ見える。見えている花と堅いつぼみを合計して5つの花が咲けばたいしたものである。これぞお得なパフィオである。しかも株さえ育てば不定期に咲くという。こういうパフィオを探していたのだった。

 

C.ラビアタのつぼみは毎日大きくなっている。暖かいのか成長が早いような。

胡蝶蘭「有馬」は一度すべて花が散って先端部分から何を思ったか蕾がぼこぼこでてきて間もなく開花する予定である。これはたぶん8月まで咲いているだろう。胡蝶蘭のビーナスも蕾ももうすぐ開花だ。買ったときの花が50日を過ぎてなおあまり変化がない。これはとんでもない種類である。

 

そう言えばあの黄色いカトレアは写真を撮ったら安心したのかでれんとしている。初夏というのにこのあとカトレアが2鉢続く。年3回咲きのLc.AlohaCase x C.intermediaは新芽を3つもだしており、日光をがんがん吸収して次回の開花が期待されている。バルブが出ると蕾があるというくらいよく咲くので、トリプル咲き6輪(全開はダブル咲き4輪)になればいいなあ、とたっぷり肥料をやっていた。

 

6月15日(日)パフィオの効果

昨日買ったパフィオをつい眺めてしまう。パフィオは買ったあとで効いてくるようにおもわれる。これまでなかなか手が出なかったのは店でぱっと見ただけでは良さがわからないからではないだろうか。手にとってしばらく眺めているとパフィオの魔力にはまるのである。また、散ってしまうとパフィオの魅力を忘れていることがある。

今回はおまけ付きだったためつい手が出た。「これは話に聞いたつぎつぎおかわりがでるパフィオでは?それがこの値段ならおいしすぎる!」。今後花がいくつ、いつまで咲いてくれるか楽しみである。

かみさんはこのパフィオに冷たい。ジャングルまだらおけけにねじれに虫取り袋だと思っている。「ハエの一匹でも取れば考えてやる」と言われてしまった。パフィオを食虫植物の一種だと思っている人がいるのは事実である。

しかし私がいくらPaph. glaucophyllumであると言ったところで名無しは名無しである。ペタルのねじれ2回(面が360度回転しているため節が2つみえる)に毛、ドーサルセパルの色合いと筋、リップの色と点、つぼみの出る様子、などの特徴はことごとく一致している。「ラベルは命」といわれるが、生育の重要なデータへのアクセスコードであり、それがだいたいなにであるかわかれば育てられるので、その株がかわいければべつにラベルの有無は気にならない。

 

Epc. El HatiroMasd.「豊橋」の開花が間近である。豊橋は「明幸園」と似ているようで微妙に色が違う蕾である。つぎにアングロカステAngcst. Paul Gripp × Lyc. aromaticaが続いている。カトレア・ラビアタはまたまた大きくなっている。フウランや、サギソウも好調に蕾を伸ばしてきている。

 

園芸トレイが足りなくなり、園芸店で見かけたトレイ(4号鉢がはまるもの)ほしさにブルーベリー630円を買った。ブルーベリーの結実には別の株がある方がいいとのことなので、また探してこなければならないし、庭に大きな穴を掘る必要がある。植え付けには時期はずれらしいが。

 

バンダの花3つがしおれつつあり、3つ取って1つを押し花にした。昨日まではしゃんとしていた。

 

6月14日(土)Pot.HawYuanGoldの撮影

帰宅してみるとPot.HawYuanGoldのセパルは垂れたままだった。業を煮やして指で曲げて矯正するとしゃんとした形になった。妙な花である。花径104mmになっている。

写真を撮ってみると写りがよい花である。様々な方向から照明をあててかなりの枚数撮った。トップページのものと、全体像を掲載した。実物よりもよく撮れている。

なるほどすごいような黄色の花である。うちの大輪のカトレアであるBlc.DalsHorizonもなかなか結構な黄色である。

 

ユリがばんばん咲いているが夜な夜な懐中電灯を片手に害虫駆除をしている。じつにいやらしい芋虫がいるからだ。ユリの蕾や葉をもりもり食べそのクソをまとっているという怖気をふるうような生物である。私は「うんこ虫」と呼んでいる。またナメクジが蕾をねらって身をくねらせているのだ。朝に見事に咲いていた花を穴だらけにしていやがった。これまでどれだけ蕾をくわれてきたか。そういうぬめぬめずるずるしたやつらを指でつまんで捨てるのである。「うんこ虫」のうんこが指にべっとりとつく。

そういう作業をして蘭を見るとそういういやらしい生き物はいない。根をナメクジやでんでんむしに食われた記録が2例ある。蕾を食われるような屈辱的なめに幸い遭遇していない。

 

一夜明けると梅雨らしい降ったりやんだりの天気である。カメラを濡らしつつ撮影をする。庭の手入れなどしていると昨年は大きく育っていたゆりが今年は生えていない。掘ってみると球根はしっかりしているようだが芽が途中で腐ったようである。球根園芸は楽しいのだが、相手が土の中にいる時間が長いため目に触れる時間も少なく、距離的にも遠く、蘭のようなきめの細かい手入れが出来ない。蘭は「ほらほら、またまた咲くぞ、どうだどうだ」、花が咲いて机の上にやってきては「ここまで来てやったぞ、みろみろみろ」病気になりかけると「おお、根本がぐちょぐちょだ。ううう根がやられた、葉っぱのツヤが消える、ああ、しわが寄る、まだわからんのか。うぎゃあ、葉がおちる」などさまざまに育て主をひきつけるのである。ユリやチューリップを蘭のように育てることは出来ない。鉢植えにして咲いたヒヤシンスとクロッカスを蘭が11鉢株咲いている(どれも30日以上咲いていた)室内に入れるとたちまち散ってしまった。土ものの鉢は室内ではどうも乾きすぎる、日光が足りない、重い、温度・湿度があわない、などなど困難であるか、知識が必要である。蘭は人間に近いところにニッチがあり、人間に最も近いところに存在できる自然ということができる。

 

買い物のついでに「花工場」に行った。特に出物はない。98円の胡蝶蘭の苗があった。アマビリスのように見えた。ちょっとやそっとでは手を出さないぞというきぶんではある。1500円の花の大きなディサも見かけた。あれが見きりになったらちょっとくらくらするかもしれない。

 

宝塚園芸サービスにいった。もう習慣みたいなものである。そこでパフィオに出会ってしまった。

名札無しのその花を見かけたときには、なかなかいいじゃん、と思わせるものがあった。しかしそれだけではちょっと、と思っているとまだ堅い蕾が1つあるのが目に入った。さらによく見るとその先にさらに蕾が次々出てきそうな気配がある。ながーく咲く種があるということを読んでいたので(江尻光一著「パフィオペディラム」P53、「グロコフィラム」は長く楽しめるという記述がある)これは面白そうだと手が出た。帰り道に眺めているとだんだん花の良さがわかってくる。ただならぬ花である。つややかなうす桃色をしたリップ。おけけいっぱいで2回ねじれたペタル。黒い毛におおわれた蕾。なにやらたまらない魅力がある。特徴は原種のグラウコフィラムに一致している。Paph. glaucophyllum高温性、不定期咲き、1花ずつ続いて咲く。初心者にお勧めの品種とか。

あまり気に入ったので壁紙を作った。実にしびれる。

ついでにPot.HawYuanGoldの壁紙もつくった。壁紙コーナーではトリミング禁止だったのであるが今度ばかりは特別にトリミングした。さらに支柱が気になったので消した。まだちょっと残っている。

 

 

6月13日(金)Pot.HawYuanGoldは半びらき

Pot.HawYuanGoldはセパル(がくへん)が半開きで止まっている。ペタルとリップは全うに開いている。これはこれで面白いのかもしれないが、やはりびしっと決まったところを見たい。風がある方がいいのではとファンの近くに置いた。

香りはまだない。香りについてはあるのかないのか資料がない。

この花はこの種では小振りの出来かもしれない。いまのところあまりインパクトはない。よく日に当ててまた冬にしっかり咲いてもらおうと先のことを考えている。この花は1月から3月にかけてよく見る。6月はある意味で時季はずれではないだろうか。

 

しばらく見ないうちにフウランの花芽がちいさな握り拳を突き出すように出ていた。あと2週間ほどで開花というところだ。単茎性ではあるが、根本から子株がどんどん増える。ラビアタのつぼみも順調なようだが果たして真夏に咲くのだろうか。ガンセキランも新芽が出て復活したようではある。おとついスタンホペアのバックバルブから新芽が出ているのを見出した。スタンホペアが1株増えてしまった。

 

6月12日(木)祝Pot.HawYuanGold開花

Pot.HawYuanGoldが昨夜ほころび始め、今朝開花していた。購入から1202日目の開花であった。長いようでいて、短い月日だった。

 

根腐れでバックバルブ一本になり、一時は腹立たしさのあまり捨てようとさえ思ったことがある。あきらめなければいつかは花を付けてくれるというしぶとさに感謝したい。この株と同時期に買ったBlc. Mishima Desireが開花を見ていない最古参として残った。こちらも近いうちに開花してくれるものと思う。

 

昨夜帰宅するとほころび始めており、2時まで1時間毎に撮影していた。

リップのびろびろがひっかかっている様子もない。これはばっちり決まった開花になりそうである。その様は機構的であり、「点火、離陸、回頭、固体燃料ロケット切り離し、格納庫開放、衛星の軌道投入」といった一連操作は衛星の打ち上げにも似ている。あの巨大システムも精巧さではこの花の仕組みには勝てないといわれているようだが、なるほどそうかもしれない。

いいおっさんが夜中にハリーポッターを読みながら花に変化がある毎に撮影をしているというのはどこか滑稽な情景か、と思う。その醒めた頭でさらに思うことは、百合の盛りの今日黄色い大きな花なら庭にざらに咲いているなかで、この花の真価はなんだろうか、ということだった。花の質的な特質は今後よく見て行くとして、面白いのは切り花よりも場所を取らないということである。直径15cmほどの大輪の花をつけた高さ20cm程度の株が10cmに満たない3号素焼鉢から生えており、ぽんとテーブルの上に置くことが出来る一種異様な姿を想像することが出来る。重量はサボテンの鉢や切り花を入れた花瓶よりも軽く。倒しても土や水がこぼれることはない。それに今後を思うにごく頻繁に咲いてくれるように思われる。

これらのことを思うにこの花の魅力は、切り花にある一種の寂しさがなく、知らぬ間に散り、時に病気や害虫で朽ちてしまう庭のユリのようなはかなさがなく、株の持つふてぶてしいほどに豊富な生命力を凝縮して、誇らしげに咲くところにあるのではないだろうか。

 

買った当時のことを思い出している。店の名前を忘れたが、台湾系の店だった。売り子のお姉さんが幾分たどたどしい日本語で「カトレアいかがですかぁ」と客引きをしていた。黄色いあまりにも豪華な大輪の花に見ほれてついふらふらと店に近づき、苗3000円、2000円とあるうち、2000円の方をゆびさしてしまった。店員のおねえさんが選んだものを袋に入れて渡してくれたのを少々不満に思っていたのを覚えている。今とすがたがあまり変わらないようなバルブ2本に新芽が出た株だった。新芽は元気が良さそうだった。あのまま育てていればもっと早く、翌年には咲いていたのだと思う。ラン展で見た大輪のカトレアがあまりに素晴らしくどうにも欲しいと思ったのか2000円という価格を至極妥当なものと感じていた。咲いた今となってはよい買い物だったと思う。何しろ得難い花を安く手に入れたことになる。

しかしこのあと程なく株が新芽から腐り始めた。海外から蘭を売りに来る店はコンポストの悪いものが多いと思う。少なくとも売り手の国ではよく育つ蘭も幾分気温の低い日本にあってはひどい根腐れになるおそれがある。黒くてよく発酵した腐葉土のようなコンポストに入った株をよくつかんだ。たぶんコストも安いのであろう。水苔はニュージーランドやチリなど幾分涼しい温帯が産地であり、値段もあまり安いものでないこと、売り手のコスト低減に対する熱心さなどを思うと現地で手に入る安いものを使うだろう。今思えばすべて取り除いて水苔と素焼鉢に植えればその後の結果はまるで違ったものになっていたはずだ。そういうことをわきまえて海外の店に入ればまた違った意味でよい買い物が出来るのだろう。

 

私の植え付けもへたくそだったのだろう。思えばこの年買って帰った大輪のカトレアのうち咲いたものはプロが仕立てた素焼鉢のもの1つだけだった。今となってはどのような仕立てをしていたのか思い出せないが、他の株を翌々年自分にあきれながら植え替えていたことからそうとう下手だったのだろう。

株が腐った場合、小バエが飛び立つのでそれとわかった。なにごとかを感じてあわてて駆け寄ると新芽のツヤは消え、茶色い腐った領域を見つけた。心なしか角度まで変わってきて、しばらくして引っ張るとすぽんと抜けてしまった。悲鳴とため息が混ざったこえをあげてしまった。その後無情にも腐った領域はさらに広がり、隣のバルブも侵した。これはたまらないと思い、コンポストもなにも引きはがしだめになったバルブを引き離すと最後にはとうとう長さ20cmほどのバルブ一本と根がわずかに残るという程度になってしまった。もうだめだ、捨てよう、と何度か思ったのである。いやまて、まだ生きている、最後まで看取ってやろう、とおもったのかもしれない。最大の理由は2000円を捨ててしまうことが出来なかったのだろう。ゴミ袋にバルブを放り込もうとしてためらい、そう言うことを考えていた情景をかすかに覚えている。また、どこかでバックバルブ伏せについての記述を読んで希望を繋いでいたのであろうか。読んでいたとしてもバルブ一本で勝算があるとは今も思えない。

 

それから小さな2.5号素焼鉢に植え、じっと最期の時を待っていた。我ながら未練たらしい行為であり、その株の存在を疎ましく感じていた。バルブは次第に弱り、ついには横たわってしまった。

 

それから4ヶ月ほど経った831日になり、いつまでも枯れないことを不審に思いつつ手に取ってみると(以後3年以上枯れずに現在も生き延びている)しなびたバルブの根本に芽を見出したのである。もうだめになったと思った植物がしっかりと生きているということは私の経験としてはごくまれであった。喜びとともにそのねばり強い生命力に驚き、畏敬の念を覚えた。そのことは胸のすく快事ではあったが、次に思ったのは2000円どぶに捨てずにすんだことを喜んでいた。遠い将来だが希望がつながったように思えた。

その後1年にバルブ1つというペースで3年を経過し、新しく出たバルブは次第に大きくなっていった。

 

2002年の秋に時期はずれながら新芽が出てきた。さらに2003年1月にシースがあることがわかった。シースが出ても咲かないことが多いという経験を多くしていたため、咲くとは思っていなかったがここまで来たのだという心地よさを感じた。だが、3月7日になってシースの中に花芽のような影が見えた。シースは立派にみえる。だが全体に株が若く、花を出せるほど成熟していないように思えた。用心して暖かい職場に移したりした。その後日当たりが悪くなり、かつまたシースの中の陰はずっと動かなかったので4月28日に家に持って帰った。

4月30日になって明らかにシースの中の影が伸びているのに気がついた。5月5日さらに大きくなり、5月11日には2cmほどの影になった。もはや蕾の活動を疑えなくなった。そして5月28日にとうとうシースを破って蕾が出てきた。高温で蕾が落ちることを恐れ、屋外で最低気温を気にしつつ遮光した日光によく当てていた。蕾は2つあったのだがその2つ目の蕾はシースの中で伸び悩み6月4日に黄変して朽ちてしまった。この種は途中で2つある蕾の1つがだめになるというのを聞いていたのであまり落胆はしていなかった。6月10日には蕾が65mmまでになり12日の本日開花を見たのであった。

 

現在この株のバルブは、買った当時に生き残ったものが横倒しになって1本、そこから出た5cmほどのものが1つ、翌年出た12cmのもの、昨年出た15cmのもの、今年の冬にシースを出し開花したバルブの合計5本である。まともなバルブは2本ほどに見える。規模は大輪のカトレアにしてはあまりに小さい3号素焼鉢である。これで咲くということは、もう少し大きくすればほいほい咲いてくれそうな気がする。開花見込み株で個体名付きのものを4,500円で見た。開花するといくらするのであろうか。

海外のラン展の写真を見たときにもこの交配種を見かけた。かなり有名で人気の品種らしい。ネットで検索してもよくひっかかる品種である。

 

話は変わるが、フォーミディブルは中輪のカトレアによく似た大きな花を付ける。香りも良いのだが、花芽のいくつかがしおれたので案外難しい蘭かも知れない。

 

6月11日(水)開花への期待が高まる

Pot.HawYuanGoldのつぼみはまだほころんでいない。長さは65mmに達している。我が家最大の蘭の花になりうる可能性が出てきた。これまでは135mmBlc. Mount Sylvanが最大だった。今回は150mmに達するかも知れない。カトレアの蕾は、下からびろびろっと開くように思われる。つぼみを下から眺めるがまだ変化はない。おとついまでは、今回だめでも次がある、くらいに思っていたのがここまでくると何が何でもさいて欲しいと思う。

 

Phrag.AndeanFireはつぼみがしけてしまい、先日未練たらしくのこっていた花茎を切った。この花茎がホルモンを出してとなりの兄弟株の開花を抑制しているのではなかろうか、などと想像した。昨夜今年不発の兄弟株に動きが見られた。何か出てきている。今頃花芽ということがあるのかどうか。

 

C.labiataのつぼみはつやつやして元気そうである。順調にゆけば7月に咲く。これが咲けば秋にもまた咲くように思われる。カトレアはどれもいい葉を出してきているので今年は昨年以上に稼いでくれそうだ。

 

昨夜ダイエーで肥料を買ってきた。ヤマト種苗緑化()が販売しているが、中身は昨日使い切ったものと同様吉原製油()製であった。大手なのだろう。窒素4.0、リン6.0、カリ1.0とあり、昨日よりリンとカリがすくない。袋に内容表示の大きなシールが貼ってある。シールをはぎ取ってみると、そっくり同じ内容表示があった。子細に眺めてみると1つだけ異なる情報があった。原料に「骨粉」という言葉があり、これがシールの下に隠されているのである。「肉骨粉」から連想されることをおそれたのではあるまいか。そのために大きなシールを袋に貼っているというのは、人々の恐れる心はつまらないコストとして跳ね返ってくるのではないか。これこれのおそれがある、というだけでもはや何も出来なくなってしまう社会になりはしないかという危惧を抱いた。別に英国産の肉骨粉だろうがよい花が咲くのなら使うことをためらわない。

 

6月10日(火)でかいつぼみ

昨夜Pot.HawYuanGoldのでれんとなった蕾に支柱を立てた。弱っている様子はなく、花の顆粒状組織がきらきらして見える。長さ63mmに達しているじつに巨大な蕾である。目玉をかいてやりたいような愛嬌がある。チョコボールのキョロちゃんに似ている。本日から涼しくなっているし雨で湿度もばっちりだからこれはいい開花が望めそうだ。

 

Den.HamanaLakeやらLc.SakuraCandyやらは撮影が難しい。色がさほど変化しているようではないのだけれど、みずみずしさのようなものが失われているような気がする。

 

海外に蘭の掲示板があって最近覗きにゆくのだけれど、議論が深いような。よくこれだけ書くな、とおもうくらい書いて投稿している。バニラのつるの育て方をかなり深く議論していたのが印象的だった。

 

手に入れて1年以内に開花または花芽を出す率を育年開花率と定義し、これを調査してみた。蘭は2年に一度しか開花しないといような珍しいもの以外は年1度以上開花する。1年で開花しないということは、「入手時の目利きに問題がある」「植え付けに問題がある」「環境に問題がある」「事故が起きた」などの要因が考えられる。

1種類毎に検討し、集計したところ購入して1年以上経ったもの106種中、記憶を頼りに1年以内に開花、花芽がでたものをリストアップすると75種類、70.8%という高率であった。買ったものの7割は翌年開花している、という数字である。

買った種が絶滅する確率は、これまでDtps一種、クマガイソウ、ミニカトレアなどが確認されており、2%程度である。

 

冬に買った玉肥(吉原製油製、「洋ランの肥料」700g根腐れ防止ゼオライト入り。窒素4.0、リン酸全量10.0、カリウム3.0Mg0.02Mn0.002、硼素0.002198円)を使い切ってしまった。67月が肥料の食わせ時なので、早々に買い足してこよう。ダイエーで小粒の玉肥700g238円に目を付けている。蘭をやっているとこんなものまでうまそうに見えてくる。蘭になった気分でうまそうなものを買っている。

 

6月9日(月)Onc. Sharry Baby RedA開花

Onc. Sharry Baby Red の2つある株のうち大きい方の株が開花した。株分けした直後花芽を出してきて開花にこぎ着けた。時季はずれのような気がする。花茎が短くて花の数が少ないからだ。いつ咲くものかも良く知らないのである。

 

Den.HamanaLakeが満開である。なかなかやりおる。花7つを300度の方向にむけて並べて咲いている。見事である。香りもまたよい。時季はずれとはいえなかなかの仕上がりになった。ミニのノビルは机上で咲いて実に効果的である。

 

Den.Formidibleが満開になり、良い香りがしている。多くの花芽が高温か蒸れでだめになってしまったが、花4つでもなかなか豪華である。新芽も2cmくらいになっている。

 

マスデバリア「明幸園」の花の二つ目が開花した。30度を記録した環境で、新芽が1つ不調になっているようだけれど花は咲いてくれた。

 

Pot.HawYuanGoldのつぼみがでれーんと垂れてきたのでこりゃまいずいかとおもいつつも、あかんかったらまた次がある、くらいに考えているのであった。これからもつきあいは長そうだし、この株はほいほい咲いてくれるような気がする。今度ばかりは支柱を立てる必要を感じる。シースが出たのは2月、花芽らしいものを見たのが3月、以来3ヶ月がかりでここまできた。

 

C.labiataのつぼみは5mmになっている。2つある。Epc.エルハチローは、綴りをよく忘れるせいかあまり記述してこなかったが蕾二つが結構大きくなってきた。

 

最近は蛍のピークで、庭でも蛍を見かけることがあるほどだ。

 

6月8日(日)大輪開花間近?

久々の大型カトレアの開花が近づいている。蕾は55mmにもなってきた。花は10cmを越えてくるだろう。位置はきっちり決まってきた。蕾が色づいて開花を待つのみである。

花の面積を考えた場合、直径10cm円に匹敵する大きさを越えるあたりからカトレアは大輪と感じられる。15cmのものはちょっと滅多には見られないものだ。蘭で単一の花が20cmをこえるものは希である。ほとんど覚えがない。朝顔をつくるテクニックで、20cmを越える花をつくるワザがあるそうだ。

フォーミディブルは幅11cmあった。実にさわやかなよい香りがする。香りは強くはないが、この香りは毎年の楽しみになるだろう。

 

開花実績のない大輪Blc.MishimaDesireの新芽に大きなシースが出ていた。こいつはシースだけはしっかりだしてきやがる。年間4つはだしてくれる。累計10個ぐらい見たような気がする。でもなにが気に入らないのかただの一度も蕾を見たことがない。シースを見たからには、これはもういじめるしかない。リンを効かし、寒い思いをしていただこう。秋だぞ、麦秋というじゃないか。たのむ!そろそろ咲いてくれ。

 

夕方になってPot.HawYuanGoldのつぼみがだらんとしてきた。1日でまた大きくなったようだが、垂れ下がってきたりはしないだろうか。気温も30度に達したようである。大丈夫であろうか。まだまだわからないところだ。

 

蘭の棚の下はほりあげたチューリップの球根を保管している。良く乾いているのでよけいな皮をむきやすくなっていた。これを子供らをこきつかってむいてもらった。3人がかりでかなり早く終わった。人を使うありがたみを知るのである。さらにまだほりあげていない領域が残っていたのでそこを掘った。掘るのが遅くなると土の中で腐ってしまうものが多くなるのであまりぐずぐずもしていられない。これで球根掘りは完了である。昨年よりも収穫があったような気がする。蘭の棚の下はすずしく乾燥しているので球根の保存にはもってこいだ。

 

6月7日(土)密教的花

Onc. Sharry Baby Redのご開帳である。司馬遼太郎著「空海の風景」を読んでいたためか「赤不動」(こんないい加減なことを書いて、実は宗派が違っているのでは?とあとで調べてみると「不動明王」といって空海が広めた真言宗では「大日如来(宇宙でありすべてのものに内在する仏)が人前に現れた姿」とされる。偶然であろう)あたまの中であだ名が付いてしまった。経が聞えてきそうな雰囲気の花である。密教的な雰囲気の花、ということになってしまった。

 

毎日Pot.HawYuanGoldのつぼみとC.labiataが気になる。前者は開花を確信できそうなほど大きくなってきた。後者もじわじわ毎日大きくなってきている。

 

V. Sansai Blue40日近くになるがまだ満開状態を保っている。仏壇前はもちがいいのだろうか。

 

本日花工場に行ったが先週逃した胡蝶蘭はなかった。寄せ植えの開花株をばらしたものが280円だったが、こちらは普通のプレーンな白であった。パフィオのマジックランタンのようなパフィオはなんと680円に落ちていた。しかしどうしたものか手が出ない。かなりよいSlcがあったが980円だととうていてが出ない。宝塚園芸サービスにも出物はなかった。最近見切りコーナーが出来たロイヤルホームセンターだが、値段が中途半端に高いのであった。ボトリチスがでた胡蝶蘭の寄せ植え1000円は手が出ない。

 

パフィオ・ディパールに新芽が出てきたので植え替えをした。植え替えをした後の経過が悪くならず、そのリスクが低くなっているので、植え替えをした方が調子が悪くなったときに内部の様子を把握できているほうが処置が的確になるという利点がある。要するに植え替えに自信があればやった方が株をよく理解できるのである。丁寧に水苔をとり、3.5号素焼鉢に植えた。水苔の傷みはすくない。根が多く、健康な株だった。

 

最近新規の花芽が出ないねえ。そういえば当分HB101を使用していなかったので久しぶりに使ってみる。そろそろ油かす骨粉固形肥料の交換時期である。鉢が多いと結構使う。冬に見切り品が出て買って置いたが、需要の多い今時分は値段が高い。昨年作った自作のものが出てきたのでこれも使おう。自作で作る場合、骨粉と油かすをそれぞれ100円ショップで買ってきて混ぜて水で練ってビニール袋で密閉して2週間ほど冷暗所に置き。その後、手で握って(くさいので口で息をする)固めて乾かすという製法で作っている。自己流である。発酵してくさいので庭で作った。ここまでするか、とおもうのであるが、おかげでこころもちいい花が咲くような気がする。これを蘭への愛と見るか執着と見るか。同じようなものが同じ量同じ値段ででていたので買った。もちろん買った方が早い。

 

6月6日(金)Onc. Sharry Baby RedB開花

昨夜ダイエーで胡蝶蘭(たぶんアマビリス)3株寄せ植え1000円であった。1株はまだ花がしっかりしていた。私ほどのどけちになるともはや1000円では手が出ない。だがお買い得には違いない。この時期はこういう株を手に入れる機会が増えると思う。私なら花があろうが速攻植え替えているだろう。胡蝶蘭「ビーナス」は植え替えて40日になるがまだ花に変化が見られない。

 

ハマナレイクががんがん香っている。これぐらい香るデンドロも珍しいのではないだろうか。机上にあるからなおのとこ効果的である。

 

夜中にユリがあまりにもすごい数の蕾を出してきたので嬉しくなって水をやっていた。気候の影響だと思うのだけれど、今年はすごい花を見られそうである。

植えて4年になるカラーが開花した。母に雑草と間違えられて引き抜かれて以来ふてくされていたのであるが、とうとう咲いてくれた。

毎年咲いてくれる球根植物はありがたい。それにもまして蘭は机の上で何回も咲くものがあるので効果が大きい。

 

蘭の購入金額が先週マキシラリアを購入した時点で9万円の大台に乗った。9万円である。すごい大金ではないか。記録を始めた19983月以来53ヶ月でそんなにも緑のお宝を増やしてしまった。一ヶ月当たり1420円(小遣いの約5%)。また、毎週2.4種類ずつ増えてきた計算になる。1鉢あたり476円もする。育てて咲いた率は49%に達したが、これを高いと見るか低いと見るか。

 

家に帰るとOnc. Sharry Baby Redの小さい方の株が開花していた。チョコレート色である。香りはまだしない。

 

Pot.HawYuanGoldのつぼみがいよいよ大きくなってきた。しかしここまで来てしけるという可能性がないとは言えない。咲いた場合の姿が想像できるようになってきた。

C.labiataのつぼみがまた少しだけ大きくなっている。ナメクジにひとなめされればやられてしまうような小さな蕾である。シースがないので全くのむき出しだ。いつ「やーめた」となってもおかしくない。このラビアタをだまし切れれば我が家の「だまし園芸」も一級品である。

Phal. pulcherrimaDor. は蕾が見えてきた。こいつも秋だと思っているらしい。うまく育てれば秋にもまた咲きそうだ。

夜温が低いのを利用してせっせと蘭をだます阿漕な園芸であるが、心配もある。株に迷いがでるのか、蕾の数が少なかったり花が小さくなったりするのではないだろうか。咲いても季節が悪いので花期が短くなるおそれがある。うまみもあって、ハマナレイクのように香りが良くなる場合がある。

 

6月5日(木)

Pot.HawYuanGoldのつぼみがまたちょっとばかり大きくなったようである。こころもち黄色に色づいてきたのか、それとも弱って黄変しているのかビミョーなところである。

 

C.labiataの蕾もこころもち大きくなっている。ふつうあるはずのシースなしで小さな蕾がむき出しになっていて少々こころもとない。ラビアタは秋咲きと聞いている。時季はずれなのであまり期待はしていないが、おもしろい現象である。

 

オンシジウムのバルブが完成してまるまると太ってきた。開花に季節を選ばないのだとすれば、ここで夜に寒さに当てたり、リンの肥料を効かせれば花芽が出るのではないかと期待してやっている。この名無しのオンシジウムではバルブ完成後に新芽が出てきてがっかりさせられることがあった。花芽が出てくれればありがたい。

 

昨夜バックバルブ伏せ(ビニール袋に水苔を入れて霧吹きで湿らせ、その中に植え替えの際に要らなくなって切り取ったバルブを入れて芽を出させ、1株ふやそうという阿漕なワザ)をしていたリカステのバックバルブに新芽が出ているのを見出した。使い古しの素焼鉢(通気性が低下していて水持ちがよい)3号に水苔ゆるめで植え込んだ。やれやれ、また1株増えてしまった。

 

そう言えばカトレア「おまけ」(2001年の東京ドームラン展で購入したジゴペタラム、上述の名無しオンシジウム、カトレア名無しの3点セット1000円これらは全部咲いて合計7株に増えている)に花芽が2本上がってきた。毎年律儀である。冬にもう一度咲くだろう。

 

ハベナリアの有名品種ロドケイラは、地上部が枯れたあと鉢の中から塊根(長さ25mm5mmほどの芋)が2つみつかり、これを2号鉢に植えて置いたところ小さい、ものすごく色の悪い葉(死人の唇色(^^;)が出てきてじわじわと大きくなっている。成長がかなりとろくさく、こんなんで厳しい熱帯の自然を生き抜いているのが不思議な植物であった。サギソウもこのハベナリアに分類されていたことがあるが、こちらはまだ成長が早いし、草っぽい色をしている。これらはよく増えるようである。

 

パフィオ「柳井」に花芽が出たかも知れない。300円で買って2年以上待っているのである。成長速度がすこぶる遅い。この居候的な鉢のおかげでパフィオ熱にかからなくて済んでいるようだ。花工場でマジックランタンらしいパフィオ980円をみてもつい見送ってしまうのであった。パフィオというとあまり大きくない花という印象があるが、大和農園などにゆくとおっさんの手のひら大というとてつもなく大きな花がある。あれを玄関に置いたら泥棒よけになるんじゃないか、しかし夜に手洗いに行くのがためらわれるのではないか、というほどのちょっとコワイ花だった。平家ガニみたいな面構えのパフィオがあったら面白いと思う。非常ににこやかなつい笑ってしまうような面付きをしたパフィオはいいとおもう。

 

Den.ハマナレイクはこのたびは良い香りである。季節や時間によって香りが変化するように思われる。机の上に置ける3号鉢サイズなので疲れたときに手にとっておもうさま花の香りを吸い込むのであった。

 

最近よく思うのは、蘭をこれ以上増やさないにはどうしたらいいかということである。

蘭の適正な鉢数は70くらいではないだろうか。190鉢という今日ではちょっとした悪天候で重労働が発生する。なにより世話が行き届かず、棚は窮屈になり、葉が触れ合って蘭の諸君には大変申し訳ないと思う。

70ぐらいなら自作の蘭ケース1つで楽に切り回せる数ではないだろうか。よくよく選べば70鉢の蘭で一年中花を絶やさずにいられる。だからこれから蘭をやろうという人はよくよく選んでじっくりよい株を集めて欲しいと思う。

まず、むやみとでかいものは避けたい。巨大なバスケットで、開花期間が3日というとんでもないものがある。5号鉢で背も高くて棚につかえてしまうものもある。一方、3号鉢で5ヶ月咲くやつとか、いい花がでるものとかあり、大きいものを好きでない限り3号ぐらいで楽しめるものの方が手元に引き寄せて花や香りをじっくり楽しめる。

増やさない、という観点で考えれば出来るだけ店に行かないことだろう。行けば「デンドロかあ、もういっぱいあるんだけどいい色だなあ」「胡蝶蘭か、こういう株はいい花が咲くんだよなあ」「カトレアはいくつあってもいいなあ」「デンファレには弱い」というのが180円から500円という「もう買うしかない」的な値段で出ているのである。だから見なければ買わずに済む。そうすると「あのコーフンのお買い物の醍醐味のない休日なんて」的なことを考えるようになる。だから平日のうちに休日がびっしり埋まる企画を用意しておこう。「倉庫から読みたかった本を見つけだしておく」「囲碁をやる」「ハリーポッターを読む」「司馬遼を読む」「金魚水槽の掃除」「たこ焼きを作る」「蛍を見に行く」。そしてなにより「持っている蘭をながめて手入れをする」に重点を置くのである。「蘭のデータを整理して」へとへとになるのもいい。

 

6月4日(水)

Pot.HawYuanGoldのつぼみはシースの中にもう1つあったのであるが、こちらは黄変してしまった。いわゆる「しけた」という。「つぼみがだめになる」という意味であろうか。「時化た」、「湿気た」としても語感はあわない。ちんぴら語の「けっ、しけた面しゃあがって」に近いのかもしれない。英語で何というのだろうか。fail to open, fail to flowering, bud in vainであろうか(適当に書いている)。何にせよ、1つでも咲けば御の字である。株の大きさから言って花1つが適正かと思われたためあまりショックは受けていない。

シースの中に水がたまっていた。それは直接の原因とは思えない。カトレアの蕾がしけるときは、蕾のごく小さい時期に何かに当たっていると成長が停止しておわり、ということがあるように思われる。Lc.エルセリトは寒い時期に寒気に当たって全滅してしまったことがあった。時期はずれで難しいのかもしれない。気候がまだ過しやすいので大丈夫だとは思うが。

6月3日(火)

前回咲いたときにあまりよい香りではなかったDen.ハマナレイクは今回はかなり良い香りがする。香りはかなり複雑な分子を幾種類も混ぜた混合物が鼻の感覚細胞で感じられた刺激として脳に伝わる。あの味はこの店でしか味わえない、そういう味があるのと同様、ある花の香りはその花を前にしてしか嗅ぐことは出来ない。どちらも鼻で感じる悦楽であるが、音と映像のようには簡単に茶の間で再現できない。

 

蘭を育てているといいことがあるだろうか?。どうもあったように思われる。蘭馬鹿が進行したこの1年、仕事の進捗がよかった。たまたまかもしれない。

お金を使わなくなった、というのはある。光熱費はかかっていてもそのぶん家計に返せるほど小遣いが余る。

 

メリクロンというと全く同じ遺伝子をまるで印刷物のように増やしているものがみられる。個体名が同じものが日本全国津々浦々で見られるほどだ。そんなに増やせるのだったら「週刊蘭の世界」とかなんとかいって本屋で売ったらいいのにと思う。「特性バインダーと毎号苗と鉢がついて創刊号280円、毎号売り切り特価780円」(バックナンバーはしなびてしまうだろうが)。一気に蘭馬鹿が増えるだろうなあ。ぜひやってほしいものである。創刊号は石斛の蕾付きあたりか。エピデンドラム、フウラン、バニラ、サギソウ、デンファレ、レリア、春蘭、ウチョウラン、ミニカトレア、ノビル系デンドロ、パフィオ、アングレクムなどなど。

蘭愛好家が増えると世の中がよくなるだろうか?

 

6月2日(月)Den. Hamana Lake開花

月の初っぱなから開花が続いてまことにさい先がよい。今年咲いたバルブのてっぺんあたりから蕾が3つと4つでている。わざと寒気に当ててだまして咲かせたのであった。えらくかわいらしく咲いているが、気温が連日30度なのでしおれるのも早そうである。しかし昨日のサクラキャンディといいよく似た色だ。

 

期待のドレスラーの原書であったが本屋から「すみません、じつはありませんでした」というメールが届いて大変残念であった。しょうがなしにハリーポッターの5巻に期待している(小学生に英語を叩き込むダシにするために注文した)。この「ハリーポッター」という本は子供らが読んでいるのでどんなものかと昨夜読んでみると語り口がそこはかとなく面白くて1分に1度はげらげら笑ってしまうなかなかの作品のであった。

 

昨日農協にパフィオという驚いたものを出品している人のことを書いた。この方は三田市で「カトレア生産農家」を営んでおられるようなことをネットで見出した。それしかわからないのであるが、あの姿の良い10数株のパフィオを見るに、どーんとすごい温室の中を蘭で一杯にした場所が近くにあるのではなかろうかと思うと少々落ち着かない気分になる。

 

6月1日(日)Lc.サクラキャンディ開花

月の初日に早速開花とはさい先がよい。かみさんのうけもよいようだ。

 

マキシラリアは夜中もココナッツの香りがする。文献Botanica)にもココナッツの香りと書いてあった。こういう蘭があるからやめられない。

 

本日は買い物の関係で、出来る限り避けていた(^^;)「花工場」へ行った。うぅ、胡蝶蘭見切り苗180円。手にとって眺めると葉のしっかりした開花確実のいい株だった。植え替えにも絶好の時期であるしまさに買いの株である。何が咲くかわからないところがまたそそる。買おうかとレジに行きかけた背中に鼻息を感じて振り返るとかみさんが立っていたので泣く泣くあきらめた。

昨年ここでDisaを買ったのであるが、3本立ち2500円であった。うちのほうがきれいというかみさんの評価をいただいた。1本だち980円が見きりで380円になり、それが育てているうちに3株に増えて三本立ちになったのである。たいした出世だ。そういえばマジックランタン(ミクランサムとディレナティイの交配種)らしいパフィオ980円も並んでいた。なぜかもうパフィオに魅力を感じないのであった。

 

江尻光一著「オンシジウム」を古本屋にて300円で購入した。すでに図書館で借りて隅々まで読んでいたが、時々参照したいので買った。

 

本日もさつまいもの苗を探しに行った。畑の整備は蘭の棚へのアクセス道の整備もかねているのである。調理すると紫色になるサツマイモの苗をねらっていたのであるが「先ほど売り切れました、入荷予定はありません」という悲劇に遭遇してしまった。

 

サツマイモの苗を探して農協系の店に行ってみると、様々な作物が育てた人の名前入りのバーコードシールをつけて売られていた。驚いたことにパフィオ10株にも葉っぱにそのシールがついて出ていたのである。「今○勝×」とある。どこかで見たお名前である。神戸ラン展だろうか。1200円程度であった。農協でパフィオとはすごい。

 

 

 

 

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