蘭馬鹿日誌2002年8-3月および更新記録

ランのよしなしごとをつづる。下に行くほど昔 

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2002年

8月31日(土)

久しぶりに蘭を探しに出かけた。明幸園では探していたファレノプシスの原種シレリアナ800円を手に入れた。このほか、リンコスティリス(舌をかみそう)セレスチス1400円やバルボフィラム・ロビイ300円を買った。棚卸が終わったところらしくいつもの魅惑の特価品は少なかったものの、良いものを手に入れた。

8月21日(水)

開花した胡蝶ランは花径112mmとかなり大きい。

職場の胡蝶蘭は6月以来まだ咲き続けている。その根に花芽と思われるものを見出した。最近蘭の異常な開花挙動がよく見られる。

昨年車の中にうっかり置き去りにして枯らしてしまったデンファレ(数日で葉まで全部落ちてしまった)が春から復活し、このほど花芽が出てきた。

8月18日(日)

季節外れの胡蝶蘭セッコクが同日開花した。季節外れの野菜はまずいというが、暖かい時期の花は大きくなる傾向がある。まずまず立派な花が咲いた。

台風の接近に伴い、またまた(今期3度目)ランを家の中に避難させている。このたび室内用のランの棚を木材だけ(釘などを使わず)つくったので、これに収容した。

この季節ランはいつも棚で勤務中であったためじっくり眺める機会が無かったが、見ればあれもこれもと花芽を出しているのに気がついた。秋に開花ラッシュがありそうで楽しみになる。

8月15日(木)

昨年8月18日にデンファレが咲いて以来あと3日で1年間ずっとなにかしらの蘭の花が途切れることなく咲いていたことになる。開花期がむやみとながい蘭ならではのことだ。開花期を稼ぐという観点からみて、胡蝶蘭、デンファレ、オンシジウム、デンドロ、シンビジウムのリレーが有効だった。

Phal. Mishima Crystalがまもなく開花する。花数は6個と少なめだ。

セッコクに高芽がついたとおもっていたものが、実はつぼみで、まもなく開花することがわかった。8月に開花するセッコクは調べてもほとんど例が見られない。

7月17日(水)

Phal. Mishima Crystalは、5月の低温で花芽がでてきて現在30cmまで伸び、8月ごろ咲く予定である。3月に低温で弱りつつ咲き、4月にはへろへろだったのに、5月にはしゃんとして花芽を出し、今はしっかりした立派な株で、これで咲けばもうけものだ。そこでふと思ったのだけれど、偶然低温処理をして夏に胡蝶蘭を咲かせることが出来るとすれば、夏に低温処理して秋に咲かせることも出来るのではないだろうか。現に蘭屋さんは秋にも胡蝶蘭を出荷している。いろいろ設備があってのことだろうが、これをなんとかもとでをかけずに家庭で出来ないだろうか。

18度から25度の温度にあわせると花芽が出来るという。夜だけすこし氷を入れたクーラーボックスに鉢ごと入れておけば花芽が出来るのではないかと言うことを考えている。葉が増えて元気そうな株があるので今夜からやってみよう。

7月10日(水)

今朝のNHKニュースで「植木鉢を安全なところへ移動しましょう」と繰り返し絵付きで警告していた。こういう警告は初めてである。NHKえらい!。さすが「趣味の園芸」をやっているだけのことはある。こういうことは気の利かない民法には報道できないだろう。これをみていて、ああそうだそうだ、と庭の鉢を取り込んだのであった。先週の台風でアングロカステを痛めてしまい、懲りていたのだった。

7月8日(月)

バンダ「Sansai Blue」が盛りになった。昨夜の時点で花は107mmになりかなり大きく感じる。写真に撮ってみたが、見ためはすこし赤みがかって青紫色なのだけれど青く写っている。

蘭は大層楽しい趣味だと思うのだけれど、なぜか恐ろしくマイナーな趣味だと言うこともわかってきた。「Orchid」という楽しそうな雑誌がある。蘭の専門雑誌はほぼこれだけではないだろうか。人口が少ないマイナーな趣味である証拠に、この雑誌は1700円もする。欲しい。しかしとても手が出ない。山と渓谷社「蘭」というすごい本があるのだが、絶版になってしまっているそうだ。蘭がメジャーな趣味になれば多くの雑誌が安く出るだけでなく、蘭の専門店がたくさん成立して結構な世界になるのではないか。

それにしても、総理大臣は記者会見のときに背景に蘭をしょわなくなったので不満である。蘭業界にとっても危機的状況ではないか。これまで、デンドロビウム、胡蝶蘭、デンファレ、シンビジウム、オンシジウムなど季節の蘭が目を楽しませてくれていたのである。首相官邸にもその旨メールしているのであるが、未だにあの趣味の悪い壁をバックに記者会見をしている。そういう細かい芸というか、演出がなされなくなっているのは側近に余裕がなくなっているから、と思われ、支持率が落ちるのも頷ける。

首相官邸へのメール(5月27日)「PS.総理は首相官邸での記者団のインタビューに蘭の花をしょっておいででした。新首相官邸では蘭の花が無く、蘭好きの私には殺風景で寂しい思いをしております。国際蘭展にまでおいでになった総理にはぜひとも四季の蘭の花を背景においていただきたいと希望しております。」

 

6月24日(月)

バンダ「Sansai Blue」のつぼみを4つ確認した。まだまだ出てきそうである。ボーナスよりも楽しみだ。

掲示板などをみてもバンダの記述は少ない。バンダが最低温度8度越冬で咲く、ということが広く世間に認識されたとすれば、シンビ、デンドロ、胡蝶蘭に次ぐバンダ隆盛の時代が来るかもしれない。服一枚下げるスペースが窓辺にあればあの美しい花を楽しむことが出来るのである。世話は毎日残り湯にざぶんと浸してバルコニーに下げておくだけ、なんてことだとなおよろしい。ただ、水は選ぶと聞いている。

しかしこのバンダを咲かせるに当たっては、いろいろと世話を焼いてきた。当該バンダがランケースに入らないため、夜中2時まで部屋を暖め、就寝時には風呂の残り湯をバケツ2杯くんできてバンダの近くに毎夜運んでいたというストーカーじみた世話をしているのであった。ハイポネックスとHB101を一滴ずつたらしこんだ霧吹きを気がつくとかけていたりもした。6月でもなお夜は部屋に取り込んでいる(最低気温13度だから)。たぶん咲かないと後がコワイと思ったのであろう。しかし99里をもって半ばと考え、満開に咲いてしおれるまで気合いを入れ、購入時のようにゆめゆめおっことさないようにしよう。落ちても自分で立ってるようなバンダだとありがたいのだが。そういうバスケットをつくったらいいのではないだろうか。あのバスケットに足があっちゃまずいのだろうか。

なかなか気合いの入っている情報一杯のバンダの店を見つけたのでここで紹介しておく。種類、写真、世話の仕方など懇切丁寧だ。

 

6月20日(木)

スタンホペアは3日でしおれてしまった。まあ承知の上で購入したのだからそれはいい。

バンダのつぼみが1つではないか、と心配したのであるが、多くのつぼみの集合体らしいことがわかりほっとしている。梅雨の雨に当てると生育が良くなるそうだが、2日以上当ててはならない、とも書いてある。標高200mの我が家は、6月16日に最低気温12度を記録した。未だに用心して胡蝶蘭やデンファレなどは家の中に取り込んでいる。

蘭の設備・技術」に記述を多く追加。

「胡蝶蘭は、この時期になると株が弱るので切るほうがよい」という記述を見かける。そうしている人もいるのを見た。実績を言えば、7月半ばまで昨年咲かせていた株2つとも今年もちゃんと咲いたので、日に当てつつ花を観賞する分には長くつけて置いても良い、という見解を持っている。現在6株が咲いている。

6月16日(日)

スタンホペアという蘭を買った。巨大な空中要塞のように思える株が2000円だった。「洋ランの育て方のコツ」主婦の友社編に育て方が載っていたことや、植え込みの底を突き破って下にプラーンと花が出るという超変な蘭であるため気にしていたのである。買ってしまってから、花は短命だし、でかいし、重いしで後悔しないではない。葉がなくなったバルブが富士山みたいな格好でおもしろい、というのが慰めになっている。

本ホームページを見て「蘭中毒」をおもしろがってくださる方がおられ、メールをくださった。ありがたいことである。いろいろ有益な情報を教えていただいた。その御仁や私は「けちけち園芸」派であるらしく、それに類した「けちけち園芸」のホームページを教えていただいた。思うに、ひっそりとこのようなけちけち園芸をなさっている方々は多いのではないだろうか。

けちけち園芸はすばらしい。酒やタバコやスポーツ新聞、携帯電話いずれかの10分の1のコストで家の中に年中花を咲かせることが出来るのである。

本ページの主筋にあたる「球根園芸」は、金も労力も半端ではなかった。本日も球根ほりでふらふらになっていたのだった。もう20kgにはなっているのではないだろうか。球根一袋5球入り500円也が蘭一株の値段に匹敵するが、前者は翌年花をみられない品種もある一方、蘭ならば多くは毎年見られてばんばん増やせる。球根は来年控えめにやろうと思っている。

カトレアが開花し、ファレノプシスが3種、先週買ってきたミルトニアとサギソウが咲いて開花ラッシュだ。狂い咲き巨大デンドロビウム、レリオカトニア、いつまで咲くのかわからないエピデンドラム、しおれそうなエピデンドラムコクレアータ、ファレノプシス4種、マスデバリア、プレウロタリス、職場にあったフウラン、スタンホペアで15種類が咲いている。蘭のピークは実は6月なのではないだろうか。ユリもラッシュなのだが鑑賞する暇がない。しかも借りていた60坪の畑で作物を作りすぎて大変である。園芸全般が一年中で一番きつい頃かもしれない。

6月2日(日)

白い毛だらけの三葉虫のような3mmほどの虫が胡蝶蘭類とパフィオペディラムにだけ這い廻っていた。コナカイガラムシというものらしい。太古の生き物という雰囲気がある。足や節がいっぱいあり、目もたくさんありそうだ。拡大してみれば恐ろしい姿をしていることだろう。柔らかい体で簡単につぶれてしまう。意外なほど移動速度がはやい。最初に見かけた鉢も特定されている。母親の水遣り洗面器の水の再利用のため卵がほかの株に付着して蔓延したものらしい。だから水遣りの水は再利用してはいけない。

私だけがへぼかと思っていたが、植物園の温室でも丸々肥えたやつを見かけているのでありふれた害虫らしい。

これまでよほど気をつけて駆除してきたが、到底取り除けないとおもったのでマラソン乳剤という殺虫剤の1000倍希釈溶液をかけた。このマラソン乳剤が398円ともっとも安かった。オルトラン水和剤、スミチオン乳剤、カルホス剤など本にはいろいろ紹介されていて迷ったが、たかだか10株のランと庭のユリにとりつく害虫を駆除するのに、多くは680円という価格設定がなされており、高いと思った。マラソン乳剤は1000倍に薄めると白い液体になる。こんなものをかけて大丈夫か、という危惧はあるがままよと対象植物すべてにかけた。一部で様子をみるべきだったか。農薬を使用するのは初めてである。なんとなく悔しい。

6月1日にバンダサンサイブルーに花芽が出ているのを見つけた。表彰台に立ったような気分を味わった。つい小躍りしてしまう。あの素晴らしい大輪の青い花をまた見られるのである。バンダといえば多くの本で「18度以上、要温室」などと書かれているのでよほど難しいランだと思っていたのである。しかしNHK出版「洋ランポケット辞典」唐澤耕司、小笠原亮著に「初心者にお勧め」と紹介されていたため購入に踏み切った(本格的なバンダの価格にはありえないような1900円に強烈にひきつけられた)。花もすごいが、最低気温8度で越冬し、6月には花芽をつけるとはなんと優れた品種であろうか。育成したラン屋さんは、C-Lucky(白木)といい、インターネット通販でこの品種を購入できる。

5月25日(土)

明幸園に行きたいとずっと思っていたのである。先週須磨離宮公園に行ったついでに明幸園平野店を目指したが、道がわからなくなり、時間切れで引き返した。今回は播磨中央公園への行楽を家族への言い訳にして再度平野店に向かい、たどり着くことができた。明幸園は神戸蘭展、朝霧駅の近くの店、このたびの平野店と3度目である。これまで未知の5属を含む7種を購入した。

実に大きな園芸店である。国華園を思い出すほどだ。しかしこちらはえらく珍しいものがあり、エキサイティングだった。平野店は蘭の売り場面積が広く種類が豊富で値段が安いという聖地のような店だった。ここで蘭展を開くそうだが、売り場が植物園に匹敵する開花量である。この季節にこれだから冬は日々蘭展なのだろう。「お客様の咲かせた蘭」展示もあり、見事だった。この時期明幸園のHPに我が家のCirr.の写真を載せていただいたのだが、展示してある株を掲載すれば立派な画像コレクションが出来上がることだろう。

ちょっと手に入らないようなプレウロタリスという属が100円、ディアカトレアなども珍しく、これも400円、芽があるポチナラ400円も購入。素焼鉢は屈指の安さで、同じ号に2種類ある。蘭専用の素焼鉢なのだろうか。最近消費量が多いので2.5号45円、3号55円、3.5号60円をそれぞれ4つ買う。帰ってから気がついたのだが、どれも号数で比較して一回り大きく、0.4号くらいずつずれるという奇妙な鉢だった。微妙に大きさがずれているおかげでサイズの細かいチョイスができる。だからこのお店にゆけば2, 2.5, 2.6, 3, 3.2, 3.5, 3.7, 4などなど段階の細かい鉢が手に入るのである。サツマイモの苗20本やらミズゴケ150g295円を買って2472円なり。

時期をずらしてまた行こう。

植木鉢について詳しく調べてみた。サイズを測り、号数と外径の関係をプロットしたところ

外径 = 2.88×号数 + 0.86

となることがわかった。明幸園の特殊な鉢の号数はこのプロットから算出できる。

5月9日(木)

仕事の帰りにJR朝霧駅に寄った。懸案の明幸園に行くためである。明幸園のHPには駅を降りたらすぐ目的地の明幸園のように書いてあったが、実はかなり離れていた。600mはあったのではないだろうか。坂を上り、こちらと思う方向に進む。路上に車が並んでいて、そのそばで花の土を買って積み込んでいる家族を見つけたので店を見つけたことがわかった。見たところ土の空き地にほったてたにぎやかそうなふつうの園芸屋だった。だが、屋内の売り場に並んでいるランをみてたまげる。ふつうに売られているランにまぎれて、見たこともない、いや名前を認識してすらいなかったラン、ふつう売っていないようなフラグミペジウム、ディサ、リンコスティリス、ナゴラン、フウラン、エビネ、春ラン、寒蘭などがぎっしりと並んでいた。しかもどれもうなるほど安い。安いだけでなく活きがよい。プラスチックのはちで飾っていても中は素焼鉢が入っていたりしてありがたい。変に格好をつけていない。それだけに株のくたびれたものが少ないのだ。店員にランがわかった人間がいるに違いない。きわめて珍しいことである。

つぼみ付きの鉢が600円。その名札を見て、こんな属は知らない、とまず手がでる。カトレアの見切り品には新芽があって活きがよかったのでこれも手にする。フラグミペジウムは大きくてつぼみも花も新芽もついて800円だったためこれにも手が出そうだったが、遠距離のためけがでもさせたらとパス。目的のリンコスティリスは、美しい藤の花のようだったが、バンダそっくりで新味がないし、香りが好みでなかったことや1200円という値段もあって手にしていた株を戻した(結局4ヵ月後かみさんが気に入って1400円で買った)。かわりに花がしおれかけのカトレアの見切り品をバルブが丸くてかわいかったという理由で買い物かごに入れ(実は知らない属だった)、3株のラン1680円を買って揚々と引き上げる。帰りがけに見たバンダなどのための木枠155円はここでしか見たことがないし恐ろしく安い。水苔は298円で買ったものがここでは230円だった。こういうコーフンの店が近所にあったらラン好きはたまったものではない。さすがランの都市(ラン展を開催できるほどラン人口を擁する都市としては、東京、名古屋、神戸、岡山、福島がある。大阪はラン展が開かれなくなってしまった。京都は?)神戸を支える重要園芸店といえよう。

道中しらない属名のランの名札をまじまじとみる。Laeliocatonia、とある。これはひょっとすると家にむやみとたくさんあるレリオカトレアではないのか。実ははずかしいことにLelioとつづるものだと思っていたのだ。ランではaeとつづり「エ」と読むものが多い。Phalaenopsismariaeなど。だからLaelioも納得が行く。うしろのcatoniaは綴りミスではないのか、と当初考えた。そんなミススペルをプラスチックの名札にまで印刷するととりかえしがつかんねえ。そう思うとレリオカトレアがむやみとふえたように感じられた。一緒に買ったアップルブロッサムも明らかにカトレアと思われる花をつけており、これもレリオカトレアのようにおもわれた。また、有名品種なのでつい手にしてしまったレリオカトレアプリプリ‘ユキ’もレリオカトレアだから一気に3つもレリオカトレアが増えたと思うとよろこびも半減してげんなりしてくるのであった。

JR朝霧駅にもどってきた。その背景が世界最大の吊り橋「明石海峡大橋」のかすむ眺めだ。現場にいたそのときはわからなかったのだが、駅の跨線橋を端まで行って大きなガラス張りの展望デッキからみればそれは見えたはずだ。あの11人が圧死・窒息死した歩道橋が。その晩のニュースで私の歩いた跨線橋が見えた。あの事件で怠慢を指摘された兵庫県警が起訴されたニュースだった。奇遇といえば奇遇である。

夜、家に帰り調べる。あのしおれかかったカトレアの花はよく見ると、実はまだしゃんとしていた。花に巻き付けてある針金を下向きにしていたためしおれていたように見えたのだ。その針金は支柱に取り付けてあり、花の向きをうまく調節するために都合の良い道具であることがわかり、こういうものをつけて売っている店にまた感心する。2花のうち1花はかびたような点々がついていたが、もう一つはまだまだ美しい花だった。アップルブロッサム、とだけ値札にカタカナにかかれており、名札はない。手持ちの本でしらべてみると全く知らない交配人口属であるようだ。イワナガラという。略はIwan.だそうだ。岩永さんがつけた?。それはしらないが、さらに調べてみると

Iwanagara =Brassavola × Cattleya × Diacrium× Laelia

ということらしい。なじみのBlcにディアクリウムDiacriumとやらを掛け合わせたらしい。Diacriumとはなんぞや?。カトレアの近縁属で、Diacm. bicornutumWebで売られていた。

また、スペルミスだとおもっていたLaeliocatoniaはれっきとした属だった。これもカトレアの人口交配属としては珍しいもので、平たく言えばレリオカトレアに近縁属のブロートニアBroughtoniaを掛け合わせたものだったことがわかった。一瞬ブラッサボラBrassavolaのことかと思ってしまうが別物である。Broughtoniaの原種になじみがないからだろう。

Laeliocatonia (Lctna.) =Broughtonia × Cattleya × Laelia

Lctna. Peggy San ‘Tomomi’という。これは本で紹介されていた。

このほか、有名品種のLc. Pri Pri ‘Yuki’ BM/JOGA新芽つきを500円で購入してきた。「ぷりぷり ゆき」とはまたおもしろいネーミングである。わざわざしおれた花をつけてあるところに店のポリシーを感じる。どの程度の大きさの花が咲くか、リップの色が何色かがわかった。株の活きはすこぶるよいし、新芽が出ている。バルブの3本に花茎が出たあとがあり、お買い得品だった。家にかえってから、このままでは次のバルブが外に出てくると考え3号素焼鉢に植え替えた。株の姿がかなりよろしい。

それにしても明幸園恐るべし。なんとか機会をつくってまた行きたいものである。

 

5月3日(土)

 兵庫県伊丹市の荒巻バラ公園にて石斛を買った。

Den. moniliforme セッコク(石斛)

デンドロの重要な原種の一つ。岩手県以南の岩や木に着生する。種名moniliformeは「数珠状の」という意味。白色または淡桃色の花は香りがあり、3年目の葉の落ちたバルブに咲く。草丈は数センチから大きなものでは40cmになるという。 水苔素焼き鉢戸外栽培真夏のみ30%遮光5月緩効性肥料マガンプK液肥月3回という方針で育てる。

2002/05/03 伊丹市荒牧バラ公園付近の露天商にて500円で購入。

香りがある、と聞いただけその蘭を欲しくなるのであった。しかし洋ランを見慣れた目からみると石斛は幾分貧相に見えるため、よく見かける780円で枯れ枝みたいな棒がにょきにょき生えた鉢をみても買う気が起こらず見送ってきた。このたび露天でおじさんが売っていたそれはよく見かけるプラポットではなく株の大きさにマッチした素焼き鉢2.5号で、そこからたくさんのバルブや、新芽、花14個がついた株が生えており、しっかり作り込んできた株という印象のお買い得品であった。水苔と軽石で植えているようだ。株の割に植木鉢が小さく見えるという基本をふまえた植え方になっており、全体の姿が好ましい。このおやじ出来る、と思わせる。山から取ってきて増やしたようなことをいっていた。鉢はたくさんあって、株分けして増やしたのだとすれば何年もかかっただろうと思う。

香りがなぜか春蘭に似ている。白にちかいうす桃色の花も上品でよろしい。持ってみるとじわじわと良さがわかる。

 

4月27日(土)

昨日職場の竹本さんからデンドロの高芽をいただき、2号素焼鉢に植えた。

市内の園芸店宝塚園芸サービスで花の小さな胡蝶蘭を200円で買い、別の園芸店花工場でまたまたフォーミディブル、デンドロビウム、カトレア「サクラキャンディ」を買った。一日で4株も増えてしまった。胡蝶蘭は根腐れしていたので植え替えた。花芽がなお伸びている。フォーミディブルは花が大きくて派手なだけでなく、よく見るとバルブは太いし、毛が生えているしで変わったタイプのデンドロである。カトレアは有名品種で不定期咲きとのことなので先が楽しみである。

アングレカムディディエリやアングロカステのつぼみが大きくなりつつある。エピデンドラムはいつまで咲くかわからないぐらいつぎつぎつぼみがでる。蘭の春はめまぐるしい。

4月13日(土)

またまた神戸らん展に行ってきた。今度は家族を引き連れて、ポートアイランド見物をかね、家族サービスの合間をぬっての見物である。それでも十分な時間をとって、主として売店を重点的に見て回っていたのだった。安くてこれまで知らないような変な蘭ばかりを見て歩いていた。結構掘り出し物があった。

ポリスタキア Polystachya (Pol.)

アフリカなどに分布する属。

Polystachya pubescens ポリスタキア ブベッセンス

2002年4月13日、神戸らん展にて明幸園より800円で購入。草姿を気に入ってしまった。筍のような形のバックバルブがあり、垂直に並んで立つバルブや葉、花にはなにがしかの調和を感じる。葉や花の姿もよい。芽が出てきており、新しいバルブもある。すでに成長点が2系統に分かれており、にぎやかな鉢になりそうだ。

Epi. porpax エピデンドラム ポーパックス

2002年4月13日、神戸らん展にてより500円で購入。

当初1300円と札にあり、次第に値を下げて500円になったらしい。虫の姿をした変な花が咲くらしい。原種蘭の本で見たような気がする。好みに合う変な蘭だ。

Onc. SharryBaby ‘Red’  

2002年4月13日、神戸らん展にて沖縄の仲里園芸を500円で購入。

見本株はチョコレート色の花で甘いよい香りがする。年内に開花予定とかいう苗である。こういう香りのものを欲しいと思っていた。新芽が別々の方向に2つ出てきているので仕上がりがにぎやかになりそうだ。

4月11日(木)

蘭屋さんからもらった内覧会のチケットで「神戸らん展2002」内覧会に行ってきた。内覧会は神戸ポートアイランド内の神戸国際展示場で夕方5時半から会場である。時間をやりくりしてゆくと50代のおばさんが85%くらいの大群が行列していた。少々待って中に入ると、なぜか展示にはあまり興味がもてず、5分もすると販売会場に入り込んでしまった。展示の規模は東京を100とすると、名古屋60、神戸35という感じである。内覧会というのは日ごろ蘭屋さんといろいろ交流のある「蘭をやっている人」とその知り合いが参加するため、蘭の購買意欲が高く、店にとっては夜店とはいえ気合が入っている。だからこれぞというものが多く用意されているように見えた。東京、名古屋、神戸とみてきて、その規模は100,60,50というところだが、購買意欲をそそるものが多いのであった。つまり安いということである。「う!マステバリアが千円!?、げっフラグミペジウムの開花株が千円!」に早速度肝を抜かれた。頭に血が上ったのでしばし展示をみて冷静になる。夜間のためか照明が落としてあり(客の目が夜に順応しているため)、手ぶれによわいカメラということもあるのかその日は300枚程度しか撮れず、よい画像を選んだ際の歩留まりも高くなかった。ざっとながして再び売店へ戻る。

売店は、東洋蘭の比率が高いように思われる。バンダがまれだった。蘭をやって4年ほどになるため店を見分けられるようになったようにおもう。ただ、私のけちけち蘭栽培路線のため有名店には足を向けられない。しかしここ神戸では1000円以内!と決めている私の検討価格帯にどしどし知らない蘭を見せつけてくれるのであった。その日は3株を購入した。

マステバリア Masdevallia (Masd.)

 中南米に400種が分布。多くはアンデス山脈の標高の高い場所に着生しているため暑さに弱いものが多い。28度まで!と聞いて敬遠していた。かみさんがオレンジ色のマステバリア(多分Masd. veitchianaだろう。暑さに弱い)を気に入ってしまい、気にしていたのだった。

Masd. Angel Frost ‘Highland’ AM/AOS (Masd. veitchiana ×Masd. strobelii)

知らなかったのだが、交配で耐暑性の品種ができつつあり、この品種は「小柄ながら花立ちがよく強健種」と紹介されていて安堵した。オレンジ色が鮮やかでたいそう美しい。

フラグミペジウム PhragmipediumPhrag.

中南米の熱帯に15種が分布し、地生または着生している。パフィオに似ているが別属で交配はできない。パフィオにない真っ赤や鮮やかなオレンジ色のPhrag. besseaeが有名。

Phrag. Andean Fire 

2002年4月11日神戸らん展にて村上園芸(愛媛県松山市北梅本町乙355、089-976-6977)より開花+つぼみ2つという豪華な内容にもかかわらず千円で購入。花は暗赤色。ベッセアを親に持つらしい特徴がある。お店の説明ではパフィオより水を好み、鉢の下にしく皿に水が少々たまるほどでいいという。13日についていたつぼみが開き、14日に最初の花がぽろりと落ちた。よく見ると花がすこし傷み始めていた。それにしても、終わりにポロリとゆく蘭の花ははじめてである。なおつぼみがあり、その先にさらにつぼみが出ることもありうる。

Den. Pramort

沖縄の仲里園芸でデンファレPramortを500円で購入した。見本は赤色が美しい大きな花だった。出来立てのバルブと、成長中のバルブがあり、株全体に元気がよい。

足の調子がよろしくなかったため、早々に切り上げ、ひいひいいいながら山奥へと夜道を帰っていったのであった。疲れていたのでもう蘭はとうぶんいい、と思っていたのだが、後があった。

 

4月2日(火)

球根花の画像がすごい量になりつつあり、このままでは容量が足りなくなると考え、蘭のホームページを独立させることにした。もともと自分の蘭の整理と育成記録のためのページとしてつくっている。しかしこれはこれで育て方の克明な記録になりつつあり、誰かの参考になるかもしれない。蘭の購入金額を表示しているため、蘭の相場がある程度わかるのではないだろうか。

昨日4日にシルホペタラムが開花した。あまりの奇妙さにたまげる。つるのような長いガクヘンも面白いが、虫寄せと思われるぴらぴらがたくさんついていてえもいえない魅力がある。売っている値段を見ると「花4つ付2800円」など、えらく高い理由もわかる。花3つでも相当インパクトがあるのだが、このあとさらに続々と3本の花茎が上がってきている。

 

4月2日(火)

 蘭は植え替えラッシュである。そのうえ、株が込み合ってきているため、よく株分けをした。トレードに出したい鉢が多くある。といって貰い手がなかなか見つからない。

320日(水)

胡蝶蘭開花。半年以上世話をして咲かせたもので、現在咲いているのはデンドロ2、デンファレ、パフィオ、シンビジウム、カトレア、胡蝶蘭の7鉢。このあとシンビジウム、カトレアが続く予定。購入した開花株もいくつかあり、家中花だらけである。

ランの魅力について、以下に長文を書いた。

3月14日(木)

2月に咲き始めたシンビジウムがほぼ満開になった。昨年池袋のゴミ捨て場から救出した鉢である。透明感のある薄桃色の輝くような花が4本立ちで咲きそろっている。花が咲くと鉢はずっしりと重く感じられる。咲かせたとはいえここまでは育成者のプロの仕事のおかげだと思っている。バルブが大きくなって鉢からはみ出しているので、「鉢ゆるめ」などの手を打たないと来年咲かないかもしれない。花が咲かなかった2鉢は植え替えを行っている。

しょっちゅう咲くカトレアがまたまた開花した。年間3回の開花で、本当なら2月にも咲いていたところだが、乾燥のためつぼみを落としてしまった。この度はつぼみがすばらしく大きい。今回の開花では長く咲かせることに力点を置いて管理したい。これまでの3週間を4週間くらいにのばせられないだろうか。

ランの魅力

最近蘭の魅力について、考えていることが多い。蘭と人間の関係をつづった「ラン熱中症」エリック・ハンセン著(NHK出版)を再読し、自分のラン熱中症がさらに進行したことを自覚した。その冒頭に「アルコールが癖になっても、やめることはできる。薬も女も食べ物も、車だって断つことはできる。だが、ランにとりつかれたら、おしまいだ。逃れることはできない……絶対に」と、あるラン栽培家の言葉が引用されている。昔は「タバコみたい、けけけ」と言って笑っていたが、今なら大いにうなずいてしまうのだ。ランをやめてしまう自分を想像できない。

このおもしろい本はランの魅力をよく伝えているとおもうが、センセーショナルな事件がおおくつづられていてかえってランに恐ろしい魔力が備わっているかのように読者に思わせる。牧歌的なランの喜びのようなものがあることを理解してもらえないとおもう。そこで本稿では意外にもこれまで語られなかったランの魅力について述べてみたい。

なぜ蘭はこれほど自分を惹きつけるのだろうか。一つには、多様である、ということがあるように思われる。よく駄菓子のおまけ、を集めているおじさんがいると聞く。1万円も駄菓子を買ってくる。ついてくるおまけだけを取り、本編の菓子は人にあげるか捨ててしまったりするのだという。ある種のきっかけで気に入ったおまけが手に入り、おまけに関心を持ち、その他にも気に入ったものがみつかって、調べてみるとよさそうなものがとめどもなく現れてくるのでそれをどんどん集める、とまあそういうところではないだろうか。コレクターというのは、ある種のきっかけで何かが好きになり、その何かの良さを味わえるようになり、その何かが多種多様それぞれによい味を出していて、求めれば求めるほど目の前に現れるか、手の届かないところにあったりする、という状況に狂おしくはまった人のことであると思う。私もいろいろにはまってきた。子供の頃はシール、なぜか牛乳瓶のふた、切手、コイン、長ずるに岩石・鉱物など。蘭はそれ以上に多種多様でありそれぞれに深い味わいがある。知れば知るほど種類が見分けられるようになり、それまでただの花だったものが頭の中で種類がどんどん増えてゆくように感じられるのだ。未知の属の蘭にはつよい魅力を感じる。その蘭はどんな仕掛けのある花を持っているのか、どのような葉の出方をするのか、どこから花芽が出るのか、どんな環境を好むのか、などが気になる。多様さ、ということが集めてみたいという一種人間の好奇心を刺激する。このことが魅力の一つとしてあげてよいのではないだろうか。ただ、蘭の多様さが750属、原種2万5千種、交配種10万種(チューリップでも2000品種程度)であり、ときに人の寿命より長期間生育可能であることを考えると、止めどもなくそれにのめり込んでしまった場合はすごいことになってしまうのは想像に難くない。私でさえ、金持ちになって大きな温室を持ちたいという野望がわいてくるのだから蘭好きのお金持ちのおうちがどこまでやるのか想像することが困難である。ランに関する大規模な掲示板があったのでのぞいてみたところ、「カトレア500鉢」「ラン千鉢」という記述を見た。私などはヒヨコもいいところである。

多様である、という以上に、ランのコレクションには「品物」にない魅力がある。ただのコレクションではない。おまけや品物の多くは壊れる、なくなる、朽ちてゆくものである。それに飽きてしまう、ということがある。これまでコレクションをやめてしまったのは飽きてしまったからだ。けれど蘭は変化し、枯れてしまうこともあり、ときに花が咲き、根っこがでて、新しいバルブができ、枝分かれをして鉢の外に飛び出し、株分けで増える。たえず持ち主はその世話に心を砕かなければならない。このコレクションは元来の魅力に加え、世話を要求し、持ち主の心を絶えず引きつけるある種強いつながりを育て主と結ぶのである

しかし、生き物であるためあまりにも多くのランを世話するわけには行かないともいえる。本棚の片隅で忘れられがちな切手ホルダーやコインホルダーとはわけがちがう。しかしランはそこに他の生き物にない際だった特徴があるのだ。それは場所をあまりとらず、人間のいるところに限りなく接近し、長く咲くことができるということである。オフィスの机に座っていると想像してほしい。その机の上に花の咲いたランを置としよう。以前のオフィスの私の机には縦型のパソコンがあって、その上は何もものが置けないほどの小さなスペースがあった。そこに直径10センチほどの植木鉢に入ったつぼみつきのデンファレを買ってきて置いた。このランは一週間ほどで大きな美しい花を咲かせ、以来76日間同じ花がずっと咲いていたのだ。花は広いオフィスのどこからでも見ることが出来て、自分の机がどこか遠くからわかった。オフィスの机にはお気に入りのコレクションやペットを置くことは出来ないが、ランならば置けるのである。ふと視線をパソコンの画面からそらすとランのかわいい花を見ることができる。しかも、ランを選べば弱ることはなく毎年咲かせることが出来る。このような近い距離で、つねに目の前でその命の有り様をとっくりと眺めることが出来るのである。

ランは多くの種類を小さな植木鉢に植えて手元に置くことが出来る。多くが着生といって木に張り付いて生育するためか、ごく限られた植木鉢の中で生命力旺盛に生育できる。デンドロビウムなどは茎や花などが60cmも伸びても根元は高さ10cm、直径10cmの植木鉢(3号鉢)で十分なのだ。地面に生える地生するランも水苔やバークといった共通する植え込み材料を使って植木鉢で育てることが出来る。ごくふつうの家のリビングで南米、アジア、オーストラリア、アフリカ、日本のランが並んで水苔の植木鉢で元気に育っている。それぞれの世話はおどろくほど共通している。日光と水と肥料だ。基本的なルールさえ理解してしまえばあまり手間がかからないようにさえ思えてくる。世話は苦にならないのだ。金魚なら水を換えなければならないし、フィルタも洗わなければならない。ランの植え替えは滅多にないことだが、日頃興味をもっていた鉢の中を覗ける機会なのだ。ランの鉢の中にはミミズや気色の悪い虫は滅多にいない。それらを寄せ付けない環境で育てることが出来る。またずるずるに腐ったものも入っていない。それで植え替えも楽しみの一つになる。ただそのチャンスは2年に一度ほどしかない。

ここまでの話はランの魅力の本質から一歩離れ、ランは人のそばにやってこられるというものだった。近づいてきたランから受ける刺激は、その形、色、香りである。多くの人にはそれらはなじみのないものだ。こんなのはみたことがない、おもしろい形をしている、いい色をしている、よい香りがする、いつまでも咲いているなあ、根っこがでているけれどいいのかな、あんなちいさい植木鉢でよく枯れないなあ、などなど。私は、見たこともない葉と、植木鉢をとりかこんでいた根があまりに異質であることに興味を持った。それに安かった。初めて手に入れたそのランは、花のないカトレヤだった。

私を惹きつけた葉は堅く、つやのある緑色で、厚みがあった。曲がらないほどに堅い葉だった。あとでわかるのだが、4年は生き続ける葉なのである。

根は株が生育するにつれ盛んに伸び、成長点のある先端はみずみずしいエメラルドグリーンをしており、伸びたあとに太く白いつやのある根をのこす。そのカトレヤは古代の遺跡に絡まる巨樹の根を想像して、すずやかな気持ちになった。これとは別に、根をみせて深い森にある巨樹を想像させる美しい鉢を持っている。その根を半年ほど鑑賞してきた。根の生命力を美しいと感じているのだと思う。

最初に買ったそのカトレヤはひどい扱いをしたにも関わらず生き延び、2年後に咲いてその花の美しさを強く感じた。花は、清浄で生きているという輝きがあり、ランの花特有の凛とした姿を6週間、しおれる直前まで保っていた。見たこともない形をしている。多くの花は放射状か六角形など多角形だが、ランは唇弁があるため左右対称になる。みているとが浮かび上がってくる。中には甚だしく顔を意識させる花がある。それが見る人に相対するように向く。その点も人の心にもっとも強く働きかける花となる要因ではないだろうか。

ラン科の特徴の一つにバルブという植物体をつくるというものがある。緑色のつややかな植物体で、水分と養分を貯蔵する役割がある。見事なバルブはそれ自体が鑑賞に値する。大きく堂々と屹立するものから、珍妙な小さくて丸いものまで様々な形態をしており、それ自体にも魅力を感じる。Orchidという単語は、丸いバルブが2つ並んだ姿から、「睾丸」が語源となっている。このバルブを数えて3つを植え替えの単位にしている。ランは基本ルールを覚えてしまえばちょっとやそっとでは枯れず長期間つきあうことになる。いつしか枝分かれをしてバルブが増え、それを数えて株分けをすることになる。増えやすいランがある、ということも人によっては魅力的かもしれない。増えやすいものはデンドロビウムとシンビジウム、及びカトレヤなどだ。

ランは選べば安い。これほど安上がりな楽しみはないのではないだろうか。先日有名品種のデンドロを400円で購入した。500円まで、と決めても花が終わったものなどは300円のものが多く、これらを咲かせておもしろいように咲かせることが出来るのである。私の「育てているラン」を見ていただけば、購入金額を記録しており、花が終わったものを安く売る店を探せばこのような値段で手に入れることが出来る。

ランを育てる環境を工夫して安く作ることも一つの楽しみではないだろうか。木造ランケースを自分で作り、換気装置をつくり、太陽電池式の送風機なども作った。一戸建て最低気温8度の環境で、苦労しながら胡蝶蘭を3月に咲かせることができた。

ランの効果についても目を向けてみたい。ランのある部屋は湿度に気を配るようになる。暖かく、湿度を保つことは人の健康にもよいことだ。インフルエンザは、寒く乾燥している場合かかりやすくなるから、自然とインフルエンザの予防になっているのだ。ランに気を配るとともに、自分にも気を配っていることになるのである。精神衛生にも役立っているのではないだろうか。

最後に蛇足かもしれないが、植物全般への興味と理解が深まる、という点について述べる。ランは、ごく近年その魅力が人間に知られることとなったため、種の系統がよく記録され知られている。ランを手に取ったとき、原種の何に当たるか、等を考えるようになる。形態が多様で様々に仕掛けのある世界のランがリビングに集まってくるため、知れば知るほどに属やら学名やらをよく目にして興味を持つ。さらには自生しているランを一目みたいと近所の山に踏み込むようになる(山取りはしないが)。それまでただの草と木だけの世界がまるで違って見えてくるのである。この世界はどこまでも奥が深くて美しく見えるようになるのだ。

以上ランの魅力について、雑ぱくな意見をざっと述べてきた。しかし、いかなる良薬でも副作用はある。人生の良薬たるランにしても、いろいろと問題があることを認識している。それをまた近いうちに記述してみたい。

 

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